「綾波、料理美味しい?」と聞くと綾波は
「うん…美味しいわ碇くん…」と微笑み、返してくれた。
綾波の笑顔を見て、僕は安心した。
「綾波が、気に入ってくれて良かったよ」と僕も綾波に微笑み返した。
なぜ、僕たちが夜のレストランで食事をしているかと言うと、
今日で綾波との今の関係を終わらせるために最後の思い出作りに
普段なら行かない様な所謂、高級レストランに、
綾波と二人きりで来ている。
加持さんに教えて貰っただけあって雰囲気もとても良く何より、
綾波が気に入ってくれている。その証拠に普段、少食な綾波も、
フルコースの料理を残さず完食しているから、
また、機会があれば行きたいと思う。
食後は、少しの時間、綾波との会話を楽しんで店をあとにした。
「私には、加持が居るから」と言われ、僕が家を出て、綾波と
同棲する様になった時にミサトさんから譲り受けた、
ルノーA310に綾波を乗せて、ある場所に向かった。
今まで、助手席に座る事しか、なかった車をこうして、
僕が運転しているって考えるとなんだか、感慨深い気持ちになる。
僕たちが向かった場所は、ここが停電した日の夜に綾波とアスカと
僕の三人で、夜景を見に行った場所まで車を走らせた。
場所に着き、綾波に厚手のコートを渡し、車から降りた。
二月の夜に、ここへ来るものではないと、北風が教えてくれた。
幸い、綾波はさっき、僕が渡した、コートのおかげで、
寒い思いをする羽目にはなっていなかった。
ここに来るのは何年ぶりだろうか?最後に来たのは、高校一年の夏に
綾波と今みたいに二人きりで夜景を見に来たのが最後だと思う。
「ここへ来るのも久しぶりだね」と綾波に聞く
「そうね…碇くん高校生以来ね」と、どこか切なそうに返してくれた。
その後はお互い、無言になってしまい、普段なら気まずくならないのに
今は、気まずい雰囲気になってしまった。
それを破る様に綾波が僕の目を見つめて
「ねぇ碇くん、私、碇くんに何かしたかしら?したのなら
教えて欲しいは私、謝るから」と目を滲ませて、僕に訴えてくれた。
僕は綾波を抱き締めて耳元で「心配させてごめん綾波」と
囁き、綾波の一片の曇りの無い真っ赤な瞳を見つめる。
改めて、綾波の瞳は宝石以上の輝きを持っていると実感する。
そして、僕は、綾波に、
「綾波、大事な話があるんだ」と言うと綾波は
見つめて頷き返してくれた。
僕は「綾波、今の関係を終わらs…」と僕が想いを伝える前に、
「嫌、碇くんと別れたくない」と綾波に強く抱き締められながら、
言われてしまった。僕は、慌てて、強く抱き締め返して、
「綾波、勘違いしないでくれ、僕は、ただ、これを渡して、綾波と
次の段階に進みたいだけなんだ」とポケットから小さな箱を取り出した。
僕が取り出した箱を見ると、綾波は泣き止んでくれた。
そして、僕の目を見つめて、「碇…くん…それって」と不安そうに聞く、
綾波を安心させるために僕は、箱の蓋を開け、
「綾波、結婚しよう、そして不安にさせてごめん」と
綾波の目を見つめて言う。綾波は何を言えば良いのか分からないって、
顔で、あちこちを見ている。そして、僕の顔を、
見るや否や、泣き出してしまった。突然の事に驚き、
「どうしたの!綾波!」と取り乱しながらも綾波を強く抱き締めた。
綾波は、鼻を啜りながら、
「だって…碇くん…が急に…言うから…こんな時…どんな顔を
すれば良いか…分からないの…」と、綾波から懐かしい言葉を聞いた。
僕は、あの時と同じ様に「笑えば、良いと思うよ」と綾波に、
微笑みながら言うと、綾波は「うん」と頷き、
今日一番の笑顔を見してくれた。
そして「こんな、私だけど、これからもよろしくお願いします碇くん」と
返事をしてくれた。僕は、綾波の口からその言葉を聞き、
一気に緊張の糸が切れ、膝から崩れ落ちた。
それに驚いたのか、綾波は僕に「どうしたの!碇くん!」と
驚き半分、心配半分と言った声で聞いてくれた。
「大丈夫だよ綾波、僕も上手く行くかが不安でだったから」と
立ち上がりながら言う。
「私も、不安だったの碇くんが急に普段行かない様なお店に行って、
あんな事を言うから私、てっきり勘違いしたわ」と申し訳無さそうに
言う綾波を抱き締め、頭を優しく撫で始めた。
綾波は、僕に頭を撫でられるのが好きみたいで、さっきまで強ばっていた
体から、段々と力が抜けるのが伝わった。
「良いんだ綾波、僕が心配させたのが悪いんだ」と囁きながら
綾波の頭を撫で続けた。「くしゅんっ…」と
綾波が、くしゃみをしてしまった。
「綾波、今日は帰ろうか、夜も遅いし、何よりこのままだと、
綾波が風邪を引いてしまいそうだし」と心配そうに言う、
僕に、「そうね、でも、今日はその…ホテルが…良いわ…」と最後の方が
小声になり、上手く聞き取れなかったが、綾波は確かに、
「ホテルが良い」って言った事により、軽くパニックになってしまった。
僕は、「綾波、それって」と、どうにか言葉にした。
綾波は頬を紅くして、
「罰、私を不安にさせた罰…それ以上…言わせないで」と
視線が定まらず、モジモジしながら言う綾波は、今の僕には、
目の毒にしかならなかった。
綾波、なんで君はそんな可愛い事を言うんだ。
そんな事言われたら、本気にするだろ。でも僕は、
「綾波、良いのかい?」と綾波の目を見て聞く。
綾波は「うん」と一言、言って頷くだけだった。
僕は綾波を車に乗せ、キーを回し、車を走らせた。
一時間ぐらい経っただろうか?色々なホテルを探したが、なかなか綾波の
考えに合うホテルは無く、やっと綾波が「ここが…良いわ…」と一言、
言うので、車を駐車場に停め、チェックインを済ませ、
僕たちは部屋へと向かった。部屋に着き、荷物を置き、
僕たちはシャワーを浴びる用意をし、バスルームに向かった。
バスルームに着いたが、驚いた事がある。
それはバスルームのみガラス張りで外から中の様子が
見える様になったいた。綾波も面食らった様子で僕を見つめていた。
「綾波、シャワー浴びようか」と綾波の手を引きながら言った。
綾波とは普段から、一緒にお風呂に入っているが、今日は、場所が、
違うからなのか、ほんのりと頬を紅くして、頷いてくれた。
お互い、シャワーを浴び、お風呂に浸かっているが、綾波が
「私が碇くんに無理、言って来ているのに、
なんだか恥ずかしくなって来たわ」とさっきより頬を紅くして言う、
綾波が可愛すぎるが、僕は、「そうだね、綾波、僕も恥ずかしいよ」と
言って後ろから、抱き締めた。綾波は僕の腕に手を絡め、
僕に上目遣いで、「碇くん…私…そろそろ…」と
反則的にまでに可愛い声で、言われたら、
こっちだって本気になってしまう。
僕の中にいる、『雄』が目覚めてしまうじゃないか。
綾波をお姫様抱っこをして、ベットに連れて行き、
ベットに優しく降ろした。綾波に覆い被さる様にして、
「綾波、良いのかい?僕は綾波の事を大事にしたい」と
鼻息を荒くしながら言った。「良いの碇くんに全てを捧げるわ…」と
目を逸らし、顔を、真っ赤にして言ってくれた。僕は嬉しかった。
綾波が僕に、全てをくれると言ってくれた事が、何よりも嬉しかった。
僕は、ゴムを着けようとしたが、綾波に、
「だめ、…碇くんの…子供…欲しいの」と切なそうに言われてしまい、
僕に、火がついてしまった。
「本当に良いんだね、綾波」と真剣な顔で綾波を見つめた。
「碇くんだから…良いの…」と恥ずかしそうに言ってくれて、
僕と綾波は初めて繋がり、綾波との初めての夜を大事に大事にした。