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「姉さん。最近は、どういう研究をしているの?」
と、総武高校文化祭が終わり二人で打ち上げのために向かっているとき私は姉さんに聞く。
「珍しいね、
「はぁ。そんなわけないじゃない。私はもう決めた道があるの。」
「えー残念。まあ、わかっていたんだけどね。」
と、私の周りをくるくる回りながら答える。
「でも、今はワープについての研究をしているよー。」
「ワープ?」
「そうそう、
と、姉さんは何事もないかのように言う。
「組み立てたってことは、できたの?」
「そうだよー。二週間ぐらい理論を立てるのに時間がっかっちゃたけどねー。」
姉さんは、私の周りを蟹股でぐるぐると回りながら言う。
驚きからか、能力が高すぎるゆえのあきれからか、姉さんを見る。
あいも変わらず、水色のドレスを身に着け、頭からはあいも変わらず機械的なうさ耳が生えている。
姉さんは、あいも変わらずのようだ、
「姉さんは、身なりや行動がしっかりしていれば、満点なのに...」
「えー、それじゃあ私じゃなくなっちゃうじゃん。」
「はぁ、わかっていたけどこれじゃあね...」
「それよりも、どう?最近?」
「どうとは?」
「あの人と、うまくやれてるかってこと。あの人めんどくささだけでいえばピカイチだからね。」
と、姉さんが聞いてくる。
姉さんが言う、あの人とは、母さんのことだ。
母さんとは、最近はうまくやれている気がする。
あいも変わらず、めんどくさいことには変わらないけど...
「まあ、一応は。」
「うん、大丈夫そうだね。あの人、言うことすべて聞かせようとする割には頭が足りない人だからね。」
「そういえるのは姉さんくらいよ...」
あきれからかため息が出た。
何度、あの人に振り回されたことか。そう思うと、私も姉さんによく振り回されているなとも感じる。
「それよりも、
と、唐突に話を振られた。
あいも変わらず、私の姉さんはマイペースらしい。
「どうやったら、そんな話の流れになるのよ。いないわよそんな人。」
「えー、助手ちゃんが
「助手ちゃんって、めぐりのこと?」
「そうそう、助手ちゃん。
「私は男に興味があるの。女に興味がある姉さんと一緒にしないで。」
と、軽く抗議をする。
めぐりとは、単純に先輩後輩の関係だ。
姉さんが言っているような恋人関係では決してない。
「そうかなー。私は、
と、姉さんは小馬鹿にしたように笑う。
「だから、女の子に興味がないって言っているでしょ。きいてた?」
「聞いてたよー。だから、事実を述べただけだよー。
「はぁ。ちゃんと聞いてた?」
と、何度言っても、女に興味がないと伝えても引かない姉さんに飽き飽きする。
これが、通常通りだから仕方がないのだが。
「うーん残念。まあいいや、そのうち気が付くでしょ。それよりもね、
と、また唐突に話を変えられる。
「最近も、婚活パーティーを追い出されたとは聞いたね。」
「そっかー。やっぱ、人間の男の人間て、見る目がないね。あんなにいい人なのに。」
「確かに、
それに関しては同感だ。
卒業した、私の面倒を見てくれるし。
適当に姉さんの話を頷きつつこれから会う母さんの対応を考えていると、
「そうそう、だからね。アラサー過ぎても結婚できないなら私がもらっちゃうって約束したの。」
と、言う姉さんの発言が耳の中に飛び込んできた。
姉さんと、
その驚きからか自然と、
「え? どういうこと?」
と、聞いた。
「だから、アラサーになっても結婚出来ていないなら私と、
と、聞き間違いではないことに私は固まってしまった。
「おーい、大丈夫?
と、姉さんが固まってしまった私の眼前で手を振っているのが目に入る。
「それって本当なの?」
「本当だよー。」
「そ、そうなんだ...」
「で、来年で
「それって本当なの?」
驚きからか二度聞く。
「本当だよ。何なら、
と、言われ、急いで陽乃は、携帯を取りだし、へと電話を掛けた。
『もしもし、陽乃か。ちょうどよかった。お前からかけてくるなんて珍しい。』
『
『ああ、そのことか。話していなかったか。』
『聞いたことないよ。』
正直、初めて聞いた。
『本当だよ。』
『え?』
と、軽く返されたことに陽乃から決して聞くことができないような素っ頓狂な声が出た。
『あれ、陽乃には、話していなかったか?』
『知らないよ、初めて聞いたよ。え?姉さんが
と、私でも驚くほどすごい勢いで聞く。
正直、姉さんが一方的に
『陽乃、少し落ち着け。一回深呼吸しろ。』
と、同時に落ち着きを取り戻し軽く怒りがわいてくる、
『じゃあ、どういうことかな
『まて、まて。そう怒るな。私だって初めは、同性愛なんてありえないと思っていたさ。今から、6年前ぐらいだったか束が総部高校を卒業するときにな、真剣に告白されたんだよ。その時の返答は、断ったんだが、その後も何度もアタックをされてな、その時にあきらめてもらうためにもアラサー過ぎても結婚できなかったら結婚するって伝えたんだ。』
『ふーん。じゃあ、
『そうだ。』
『じゃあ、どうなの?結婚できそうなの?』
と、問いただす。すると、クッ、といううめき声が聞こえ、
『そうなんだよ。先日また逃げられてしまってな。いいところまで行ったんだけどな、グイグイ行き過ぎてひかれてしまってな。』
と、言う
それよりも気になることを聞いた
『じゃあ、
『......その話はあとでしよう。その話が出てきたということは、どうせ近くに束がいるだろう。』
と、言われる。
逃がさないように私は追撃をかけようとするが、隣から
「いるよー。
と、姉さんは、この話が聞こえていたのか、私が話している電話に向かって話しかける。
『場をかき乱すことに関してはピカイチだな。束』
「いやあ、それほどでも...」
『ほめてない。はぁ。』
と、いつものようにあきれたように返す。
後で、絶対に聞き出すことを、私は心に決めつつ
『それよりも、これから打ち上げに行くんだが、できれば店をおさえていてくれないか。』
「いいよー。どうする、お昼言っていたラーメン屋さんに行く?」
『私は、陽乃に頼んでいるんだが...』
『それで、誰が来るの?』
と、いつもの仮面をかぶり、答える。
『私含めて、七人いる。』
『どういった、お店がいいの?』
『なんでもある店がで、特に穴場のお店にしてほしい。』
『なんでもあるお店?』
「要は、肉とか魚とか、野菜とかいろんなものをとりあつかっているお店でしょ?
『そうだ。さすが、束だな理解力だけに関してはピカイチだな。』
と、携帯越しで姉さんと、
『いろんなものを扱っている穴場のお店ねえ...』
『どこかありそうか?』
『そうだ、もんじゃ焼きっていうのはどうかな?』
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ふーん。こんなお店があったんだ。」
私たちは今、お好み焼きと、もんじゃ焼きの店に来ていた。
「そういえば、
「雪乃ちゃんのこと?」
「そうそう、どうどう、今の気持ちは?」
「特に何にも感じないわよ。」
と、言うと束姉さんは珍しく難しい顔をする。
「ありゃ、間違いだったか。
「何その感情推測。強いてそれを言うなら、雪乃ちゃんがようやく一人で歩けるようになった安心感が強いんだけど...」
「本当にわからない。物理のほうが数倍分かりやすいよ。式さえ書けば正解なんだから。あーもう嫌だ。」
と、姉さんは、案内された座敷に寝っ転がる。
そして、どこかからキーボードと、ディスプレイを出現させ、すごい勢いでタイピングしている。
「何やっているの?」
「気持ちの方程式の改変だよ。数か月かけて作って、正解だと思っていたのに間違えるなんて。」
「そんなもの作っていたの?」
「そうだよー。性格を数字で表して、そのうえでおこった現象を場合ごとに数字に細分化することで、計算できるようになっていたんだけど...」
と、姉さんは透明なディスプレイを回して式を見せてくる。
そこには、数十行にもなる式が書かれていた。
「もう間違っているけど、これが場合分け表ね。」
と、辞書のような数千ページにもわたる資料を渡される。
中には、時、場所、人数によって細分化された数値が設定されている。
「もしかして...姉さん。」
「どうしたのー。
「毎回計算を解いて、私たちの気持ちを、察していたの?」
「そうだよー。私には他人の気持ちがよくわからないからね。わかるようにはいろんな努力したんだけどね。無理だから計算で出せるようにしたんだよー。」
元から分かっていたけど...姉さんらしいとしか言えない。
「そ、そうなんだ。ちなみに私は今何を考えていると思う?」
と、質問を投げかける。
「式が間違っているから出せるわけないじゃん。まあ、それに代入するなら、驚きと、あきれだね。なぜかはわからないけど。」
「へ、へー。」
と、驚きと困惑からかかそんな言葉が口から洩れる。
「まあいいや、ちょっとこの後、用事ができたから先帰るね。式を改めて立て直さないといけないしね。
と、マイペースな姉さんはとっとと帰ってしまった。
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