原神にTSロリが転生した話   作:ナマス

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アルジェンド

 ただひたすらに走る

 前を見据えて、前だけを見て走る

 どれだけ体が汚れようと、どれだけ体が傷つこうと足は止まらない

 遥か先にいる彼女に向かって

 追い抜く必要は無い

 ただ、隣に立ちたかった

 

 自分の弱さは知っている

 自分の醜さも知っている

 何様なんだと心の中の自分が叫ぶ

 彼女は『主人公』なんだと

 自分みたいな異分子が隣に立てるような者では無いんだと

 分かっている、そんなことはとうの昔に分かりきっている

 

 しかし、賭けてみたいのだ

 天文学的確率だとしても、彼女の隣に立つことが出来る未来に

 だから、自分の命をチップとして賭け続ける

 いつかジャックポット出来る日を願って

 

 

 

             ~*~*~*~*~*~*~*~*~*~

 

 

 

 今日は朝起きてご飯を食べたら旅館の外の道の端で槍の素振りをしていた

 病院から退院してからは体が鈍ってしかたがなかった

 

 蛍もあまり俺を動かそうとしないので余計に体力が落ちた気がする

 その為、運動と体の鈍りを取るために素振りを始めたのだ

 旅館の近くの道の端っこなら誰も迷惑かけないし、旅館から俺の姿が確認出来るので安全ということで蛍から許可が出た 

 

 早速素振りを始めたのは良いのだが、かなり体力が落ちていることが分かった

 すぐに息が上がってしまう

 まるで最初のころの俺みたいだった

 

 この世界に来た当初は武器も使えず体力も無かったので、完全にお荷物状態だった

 そこから脱却をするために槍の使い方を学び、体力もつけた

 しばらく練習していると、何故か槍と一緒に氷元素の『神の目』が置いてあったのだ

 理由はいまだによく分かっていない

 そうして、槍と氷元素を使いながら戦う今の戦闘スタイルになっていった

 

 しかし、今の俺はこの世界に来たばかりのころの俺と同じくらいの体力しかない

 流石に槍を振ることが出来るくらいの筋力はあるが、すぐにバテてしまう

 なかなかに一ヶ月半のブランクは大きいらしい

 

 槍を振り疲れて座りこんでいると

 

「.........大丈夫?」

 

 いつの間にか蛍が来ていた

 心配そうな目でこちらを見ている

 

「へーきへーき、これぐらい出来なきゃ戦えないからな」

 

 少し強がって見せ、再び素振りを始める

 しかし、数分もすれば腕がプルプルしてきた

 

「ちょっと休憩したほうが良いと思う。...........そこまで焦らなくてもいいから」

 

 蛍の忠告を聞き、少し座って休憩する

 すると蛍が隣に来てこんなことを言ってきた

 

「.........なんでそこまで頑張るの?」

 

「なんでって聞かれてもな.........蛍と旅する上で必要だと思ったからだ」

 

「.......別に貴方が戦わなくても、全部私が倒せば問題は無いと思う」

 

「...............そう言うことじゃないんだよ」

 

 女の子に任せて、自分はただ守られるだけなど俺は嫌なのだ

 蛍は強い、俺なんかよりも何倍も強い

 だからこそ、俺は蛍みたいになりたいって思うんだ

 そして、いつか隣に立てたときに蛍と一緒に手を繋いで世界中を旅すること

 これが俺の夢であり、俺の存在意義なのだ




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  • 一途に蛍エンド
  • 宵宮にも惹かれて蛍+宵宮エンド
  • アプローチに根負けして蛍+煙緋エンド
  • 思いを叫ばれて蛍+フィシュルエンド
  • 宵宮or煙緋orフィシュルエンド
  • 後腐れなく、みんな一緒のハーレムエンド

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