朝、目を覚ませばオイラはアルの胸の上で寝てしまっていた
ぐぅ~とおなかが鳴ったが、お金はないので我慢するしかない
今日はモンドまで行く必要がある
モンドにはアルベドがいる
アルベドなら、アルをこの状態から助けられるかもしれない
手早く身支度を済ませ、旅館を出た
モンドまではまだ遠い
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オイラは少し甘く見ていた
今までの道は舗装されていたので、あまりヒルチャールと出会うことはなかった
しかし、モンドまでの道のりにはヒルチャールが生息しているのだ
オイラは戦うことなんてできない
いつも蛍やアルの戦っている姿を隠れてみているだけだった
だからこそわかる
どれだけ蛍やアルが勇敢だったかを
「.........」
ヒルチャールがオイラ達が隠れている岩の後ろを通っていく
見えなくなったことを確認して、急いで別の隠れられる場所へ移動する
隠れながら進んでいくのはなかなか大変だ
もとよりベビーカーがそこそこ大きいので、岩陰などに隠れないとかなり目立ってしまう
「ハァ、ハァ.......!」
しかもここら近辺はヒルチャールが多いので急いで移動しなければならない
ごはんを食べていないオイラは、もう体力の限界は近かった
移動している最中、ついに見つかってしまった
「Movo unta nye!!」
力の限り逃げて、逃げて、逃げ続けた
この場所が下り坂だったことが功をなし、いつも以上のスピードを出すことができた
でも
「あぐっ!!」
打たれた弓矢が体に何か所か掠ってしまった
体が小さくてこれほどよかったと思うことはない
何とかヒルチャールの追跡から逃れることができても、まだモンドまでは遠い
いまにも倒れそうな体を奮い立たせて、モンドへ向かった
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ようやくアカツキワイナリーと七天神像が少しずつ見えはじめたときには、もう夕暮れだった
最悪アカツキワイナリーに着ければ、そこで一晩泊めさせてもらうことができるかもしれない
そこを目指してベビーカーを押すが、もうオイラは限界だった
焦点が合わず視界がどんどんぼやけていき、力が抜けていく
浮いていた体は少しずつ落ちていき、やがて地面に倒れこんでしまった
しばらく飲まず食わずで自分より重いものを押していたのだ。ここまで来ることができたこと自体が奇跡に近い
そして、止血をしなかった体から血が出てきてしまっていたため、体は貧血状態でもあった
自分の体の限界に必死に抗おうとしたが、ついに意識は途絶えてしまった
「今日は少し遠くまで来すぎちゃいました。早く帰らないと.........あれ?なにか物音がしたような........」
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アフターエンドを書くとしたらどの終わり方が良い?
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一途に蛍エンド
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宵宮にも惹かれて蛍+宵宮エンド
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アプローチに根負けして蛍+煙緋エンド
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思いを叫ばれて蛍+フィシュルエンド
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宵宮or煙緋orフィシュルエンド
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後腐れなく、みんな一緒のハーレムエンド