ストライクウィッチーズ-真夜中の魔女- 作:バイオレンスチビ
ナイトウィッチという生き物は内気で職人気質な人が多いとか言われている。まぁ、そもそも生活時間が普通のウィッチとは違うので他の人と関係を持つことが少ないし、ナイトウィッチの数が少ないから仲間内で盛り上がっている姿が見られることも少ないのだ。だから一概にナイトウィッチは人付き合いが苦手と定義することはできないが、私は少なくとも得意ではない。…いや、見栄を張ることでもないな。昔から苦手だったのだから。
「…仲良くなりたい、ですか。」
サウナでもエルマ隊長に言われた。仲良くなってみんなで協力しあえるようになったら私達はきっと強くなれると。いらん子だなんて呼ばせないくらい強くなれると。だから先ずは皆と仲良くなりたい。みんなのことを知りたいの。そう、いっていた。
「やっぱり、難しいのかなぁ。」
そう嘆くようなエルマ隊長の力になりたい。優しくて暖かな隊長。その優しさが空回りするのは見ている私の心が痛む。
そもそも隊員が互いに無関心が過ぎるのだ。一概にとは言えない。たしかに例外はある。例えばハルカと穴吹少尉の二人だ。ハルカは穴吹少尉を好いているようだし、穴吹少尉もハルカのことを無下にはしていないように見える。しかし、それ以外はどうだろう。
朝練の一件で中隊は二つの派閥に別れている。穴吹派と反穴吹派。これが正しいかはわからないけれど、少なくとも私としては好ましい構図じゃない。私から望んだことではないが、彼女たちは紛れもなく仲間であり、わずかな時間とはいえ言葉を交わしたのだ。もう誰も失いたくない私はどうすればいいだろう。
「…ところで、自室にまで弾丸を持ち込んで何をしているんですか?」
待機任務は暇です。まぁ、ウィッチを含め軍人である私たちは暇を持て余すくらいでいいのだが。ご飯を食べて解散の流れだった。そのあとに私の部屋で過ごすなんてエルマ隊長も暇だったのでしょうか。
「これは魔法力を充填しているのです。通常の弾丸よりも威力とか射程が上がります。」
これは先の大戦からわかったことだ。そして爆撃ウィッチが元気よく爆撃できるのと同じ技術だ。小型の爆弾でも魔法力によって威力が数倍に跳ね上がる。
「私の使っている機銃は弾丸の消費が激しいので。こうやって空き時間に作業しておかないと直ぐになくなっちゃいます。」
まぁ、ウィッチが鉄砲を扱うときには無意識に弾丸に魔法力を帯びさせるから通常の弾丸で十分だと言われればそれまでの話だが。
「なるほど。そういうことですか。」
「…あの、エルマ隊長は大丈夫なんですか?明日も朝練をするとかしないとか言ってましたけど。明日の朝に響きませんか?私はこのまま待機しているので大丈夫ですけど、ベッド使いますか?」
殺風景な部屋。特に持ち込みたいと思える私物なんてなかったし、何かを持ち込むような必要性も感じなかった。寝具は基地が用意してくれたし、私物と言えば衣類ぐらいだろうか。
「大丈夫ですよ!私はお姉さまなので。妹よりも先に寝ちゃったりなんてしません。」
23:50
…お姉さまは気持ち良さそうに寝息をたてていた。