ストライクウィッチーズ-真夜中の魔女-   作:バイオレンスチビ

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1-19.警報と襲撃

警報が鳴り響く。それは奴等が飛んできたという警報だ。私たちはそれを殺すためにここにいて。それから守るために空を飛ぶ。

 

…はずなのだが。

 

「他のメンバーはどうしたんです?」

 

格納庫に集合したのは私とエルマ隊長。そして、第一飛行中隊の皆さんである。見慣れた姿がいくつか足りない。

 

「それが、外出中らしくて…。やっぱり一人くらいには残ってもらうべきでした。」

 

…そうだ今日は珍しく穴吹少尉が外出するといっていた気がする。穴吹少尉が外出となればハルカもセットな訳で。そうなると、私と隊長を残して全員が外出してしまったのではなかろうか。まさかの残存二名。…これはやらかしましたね。

 

「…ダメですよ。ダメなことはダメって言わなきゃダメなんです。」

 

「うぅっ、私ってダメダメです…。」

 

俯くエルマ隊長。たぶん、本人もわかっていたのだ。ただ、“他の人と被るからダメだ”その一言が言えなかっただけなのだ。本当なら私たちメンバーも気を配るべきだった。各々が好き勝手にしたら成り立たないのは軍隊でも学校でも同じことだ。

 

「エルマ隊長のせいではありません。私も止めるべきでした。大丈夫。大丈夫です。エルマお姉さまはよく頑張っていると思います。」

 

…今は失敗について思案している暇がない。それはそれ。これはこれ。そうやって割りきっていこう。

過ちを気に病むことはない。ただ認めて次の糧にすればいい。それが大人の特権だと宇宙世紀の某仮面の男もいっていただろう。失敗は誰にでもあること。大事なのはそれを次に繋げることなのだ。まだ私たちは大人じゃないけれど、責任ある軍人としてウィッチとして勤めを果たせばいい。

 

 

 

 

「我々第一飛行中隊は主力とぶつかります。いらん子中隊のお二人には我々を突破した敵を倒してもらいます。もちろん敵を逃がすつもりはありませんが、もしもの時の保険として後ろで網を張っていてもらいたいと思います。よろしいですか?」

 

こちらの惨状を見かねたのかアホネン大尉が少し早口で言った。たしかに今の中隊が第一中隊と連携するのは色々と無茶がある。

例えば、大尉がエルマ隊長から指揮権を奪って私たちを編隊に組み込もうとすれば、私のストライカーユニットだけ速度が足りないから編隊を組む全員に迷惑をかけることになる。迎撃という任務の都合上、速度はとても重要だ。

一緒に攻撃する?それをするには戦力が片寄りすぎてバランスが悪い。かえって足手纏いになりかねない。

そうなってくると、私をおいていくか別行動しかない。そして、せっかく稼働するウィッチとストライカーユニットがあるのに遊ばしておくほどの余裕はない。

…たった二人の別動隊。思うところがないわけではないが、今は自分の役目を果たすことを最優先にすべきだ。

 

 

 

「わかりました。」

 

エルマ隊長が頷いた。方針が決定された。私はそれに従うのみである。

 

 

 

アホネン大尉が先頭になって第一飛行中隊が次々に滑走。離陸していく。

 

続いて義勇独立飛行中隊に指示が下る。

 

「わ、私についてきてください!」

 

高まるエンジン音。それに引き摺られるように心拍が上がってくるのを感じる。血が巡り、普段より視界が明瞭になったようにさえ感じる。

 

「わかりました。よろしくお願いします!」

 

エルマ隊長に先導される形で滑走路に移動する。

 

『義勇独立飛行中隊のお二人も発進してください』

 

こうして私たちは空へと踏み出した。

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