綾小路......誰さんですか?   作:せーちゃん

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夢とは直ぐに醒めるもの

 一之瀬とは一旦別れ、俺と有栖は新天地たる“高度育成高等学校”の敷地内に足を踏み入れる。なんかちょっとだけ感慨深いものがあったりした。

 俺は隣を歩く親友と歩調を合わせながらも、この学校の全体図を脳内に描き始める。

 

 

 視界内の情報を元に大凡の面積を算出─────そこから平面図を土台に建造物を導入した三次元の図面を概算─────広いな。全容を知ろうとすれば、俺でも丸一月は容易に潰れる。これは目ぼしい箇所を優先して調べるべきだろう。よく二次創作などで一日ぽっちで全部の監視カメラを網羅していたオリ主がいたが、俺の優秀さは彼らに遠く及ばないらしい。

 

「────ん、有栖、コッチだ」

 

 大きく開けた道を二人で歩いていると、新入生歓迎の看板の横に、学内掲示板らしきものを発見した。

 

「どうやら此処で自分のクラスを確認するようですね」

 

 そう言って有栖は自らのクラスを確認しに行く。彼女は原作通りならAクラスの筈だが果たして....。

 

「どうやらAクラスだったようです」

 

「りょーかい。んじゃ行くか」

 

「....? 蓮夜くんは確認しないのですか?」

 

「え? する必要あんの? 俺。 有栖がAなら俺もAだろ? お前の付き添いとして入学したわけだし」

 

 俺の言葉に有栖は一度目を瞑る。

 ────そして。

 

「─────ああ、言ってませんでしたね。そういえば」

 

 そう言いながら、彼女は薄っすらと何時もの笑みを浮かべた。彼女を象徴する見慣れた笑み。

 

 あ、これ嫌な予感が....。

 

「父からは諸事情有って私と蓮夜くんは別々のクラスにするとの事らしいですよ?」

 

「はぁ?」

 

 付き添いの俺が有栖と別のクラスだぁ?

 何の為の付き添いだよ。いや、確かにパパさんからは娘の友達として入学してほしいとは言われたけど、付きっ切りで面倒見てくれとは言われてねぇな。

 

 どうやら俺は、彼女と二年間ずっと一緒に居たせいで感覚がバグっていたらしい。ホワイトルームから移った環境の変化というのも理由の一つだろうか。

 

 

 と言うか....え、じゃあ、なに?

 俺、Aクラスじゃないの?

 こんなに優秀なのに?(初期堀北並感

 

 いや、確かに意図的に入試テストの点数は下げたよ? 俺。全教科平均七十点くらいになるように調整もしたさ。しかも、原作主人公みたいに一部のクソ教師とシスコン生徒会長に目を付けられないよう、文系は八十点前後。理系は五、六十点くらいにバラけさせるという徹底的ぶりだよ。

 けどさ、そもそもこの学校の入試試験って参考程度の扱いだった筈だよね? しかもパパさんにも理事長推薦って事で、既に入学クラスは決まっているって言われてたんよ。なのに、Aクラスじゃない? どういう事だよ、オイ。

 

「おや、ありましたよ。蓮夜くんの名前」

 

「え? ああ、うん。おk。何処にあった?」

 

「彼処です。もっと奥ですよ、ほら。端の方に載ってるじゃないですか」

 

 奥? ──────端? ....ってまさか。

 

 

「Dクラス....だと?」

 

 

 悲報。俺氏、有栖パパに不良品と思われていたらしい。

 

 

 

 




有栖パパ「うん。彼も娘とばかり一緒にいないで、もう少し外の世界を知るべきだよね。──ん? 何故かDクラスの男子枠だけ不自然に空いているじゃないか。女子生徒の枠は一人多くてこの間整理したというのに。まるで本来男子として入る筈だった生徒が不思議な力で女子になったみたいだなぁ....はっはっは」





ジョークです。
流石に高育の審査組織もそこまで甘くはない筈。
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