綾小路......誰さんですか?   作:せーちゃん

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『ドキドキ☆菊白Pのアイドル化計画☆〜高校デビュー編〜』

「クラスを割る?」

 

「ああ、真っ二つにな」

 

 

 具体的には、『平田陣営』VS『もう一つの陣営X』という形がベストだ。

 正攻法を好み綺麗事を並べる平田陣営と、グレーゾーンぎりぎりを攻める代わりに常に結果を出し続けるX陣営。こんな感じでクラスを割りたい。

 

「んじゃ、メリットモロモロ説明していこう」

 

「ん」

 

 

 まず、現段階でホワイトルームの動きが分からない事から、学校全体を敵に回すような事は避けたい。

 しかし、俺と清隆はAクラスで卒業する事が目的の為、2000万pptを二人分貯めないといけない。

 しかも、担任教師に目を付けられないように、だ。

 

 ──────さて、どうすればいい?

 

「代理を立てる?」

 

「正解」

 

 早くも気付いた清隆ちゃんに拍手。

 そう、原作序盤ではテストの点数からブラフを混ぜた綱渡りで茶柱にいいようにされていた綾小路くんだったが、彼の初動も堀北鈴音を隠れ蓑にしたものであった。

 

 それの拡大版とでも思ってくれればいい。

 俺は、代理人を矢面に立たせた傀儡派閥を作りたいのだ。

 

「でもそれじゃあ、pptが何時まで経っても貯まらない」

 

「その通り」

 

 分かっている癖に合いの手を入れてくれる清隆に感謝しつつ、俺は説明を続ける。

 担任に俺達のポイント残高が確認されている以上、能動的に派手な動きを見せなくとも、秘密裏にpptを貯めているというだけで目を付けられるハメになる。それでは折角代理を立てて黒幕を演じているのにpptを稼ぐ事が出来なくなってしまう。

 最悪稼いだ所持額をクラスの奴らの前で暴露され、Dクラス全体から総スカンを食らう可能性すらある。....いや、ホントあの人に教師としてのモラルとかないからやりかねん。

 

 

「───そこで、オススメしたいのがコチラの商品! 『クラス内貯金』で御座います!」

 

「おー」

 

 そう、BCクラスがやっていた徴税制度。Bクラスは信頼で、Cクラスは恐怖で、クラス内の生徒から今後の為の資金を同意の下で徴税していた。あれをX派閥内限定でやらせる。

 

「税率はまだ決めてないけど、収入額の三割程度は持って行きたいな」

 

「ん」

 

 これにより、クラスの動きをある程度支配しながら、影では派閥代表の生徒を通して派閥収入額の何割かがコチラに入ってくるよう仕向ける。

 『みんなの為のppt』という名目上、俺の手元には置いてはおけないが、代表代理の生徒の端末に一時的に大量のpptをプールしておく事が出来る。

 これならば、裏で稼いだpptで俺と清隆の残高が変動する事もない。要は財布の他に、新しく銀行口座を作るようなものだ。

 

 

「さて、体のいい不労所得と口座の開設に成功したとして、此処で問題になってくるのは何でしょーか?」

 

「他クラスに黒幕の存在がバレる事」

 

「正解」

 

 

 具体的に言うなら、Cクラスリーダーの龍園翔に背後に居る俺等の存在がバレる事だ。

 原作でも龍園は早期の段階から堀北の背後にいる黒幕の存在に勘付いてた。

 

 

 

「でも、隠れ蓑として使える程性能の良い駒がない.......妥協して隣の席の黒髪を使う?」

 

 

 

 隣の席の黒髪? ああ、堀北か。

 

 

 

「駄目だな。堀北に代役は務まらない」

 

 

 少なくとも“今の堀北”に代役は務まらないだろう。

 そもそも龍園に黒幕の存在を嗅ぎつかれたのは、堀北鈴音の頭が固かったからだ。成長後の堀北であれば全く問題は無かったのだが、今の時期では正直、厳しい。初期の彼女は、原作主人公から見えない所で思考誘導を受けて、ようやく他クラスのリーダー格と渡り合える程度の人物だった。

 

 そんな孤立体質と頭の固さを龍園に見抜かれ、奴に黒幕の存在を確信させた。

 最終的に、綾小路が盤面を支配する事で無理矢理握り潰していたが、遅かれ早かれ龍園は自力で綾小路の存在まで辿り着いていた可能性もある。

 

 では、黒幕として───陰の支配者として他クラスに存在を知られないよう動くのは不可能なのか。

 

 ───否。簡単だ。

 そもそも基礎スペックの高い人間を矢面に立たせれば良い。そうすれば、最初から黒幕という発想そのものが出て来なくなる。例を挙げるなら、Aクラスリーダーの“有栖”辺りか。彼女はニ大派閥の長としてAクラスの指揮を取っているが、彼女のバックにそれを操るような人間が居るかもと誰かが勘ぐるか? 答えは否で、そういう事だ。

 

 つまり、初期の段階から堀北鈴音を超える生徒を矢面に立たせる事が出来るのであれば、龍園翔からのアプローチを総スルー出来るのである。

 

 

「───でもいない。人気がある腹黒を使う? 支配力だけならギャルも使える。けど、どっちも足りてない。筋肉ダルマを動かす?」

 

 

 ん?

 腹黒? ギャル? 筋肉ダルマ?

 ああ、櫛田と軽井沢と高円寺か。

 もう値踏みしてたのね。流石です。てか名前覚えようぜ。絶対わざとだろ。

 

 まぁ、いいが。

 清隆の言う通り、櫛田も軽井沢も足りていないし、動かない高円寺は論外だ。

 

 

 

「じゃあ誰?」

 

 

 

 

 ───Dクラス、X派閥の旗印となれる人材。

 

 それは────

 

 

 

 『平田洋介』→ダーティープレイを使えないから論外。そもそも彼には敵役を担って貰わなくてはならない。

 

 『堀北鈴音』→シンプルに性能不足。初期北はそもそも扱い辛いッピ。....というか堀北には上手い事平田派閥を支持して貰いたい。何の為にボンボン演じてまで侮られるような行動を取ったと思っているんだ。

 

 『櫛田桔梗』→外道行為は賛成派だろうが、表向き善人ロールプレイをやめられない為、却下。

 

 『軽井沢恵』→女子に対する支配力なら随一だが、単純に頭脳戦を熟せない。

 

 『高円寺六助』→性能は十分だがチームプレイで唯我独尊はお呼びじゃない。

 

 

 なら、答えは一つしかないだろう。

 

 

 

「──────“松下千秋”。俺の隣席の女子生徒を派閥争いに巻き込む」

 

 

 

 

 

 入学から二日目の今なら、クラスの奴等に彼女のキャラは定着していない。現段階であれば、俺達がアシストすれば印象操作は十二分に可能だ。

 

 突出を嫌うお前には申し訳ないが、俺と清隆の“これから”の為、お前には共犯者になって貰うぞ松下。

 

 ....なぁに、ちょいとばっかし派手な高校デビューをかまして、これからの三年間、Dクラスのリーダーとして四方八方目立ちまくるだけだから気にすんな。

 

 

 

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