綾小路......誰さんですか? 作:せーちゃん
取り敢えず消えたのが今話だけで良かった....。
急ピッチで書き直しましたが、かなり雑になってしまったので、後々流れはそのままにちょいちょい微修整入るかもです。
あと、お正月ラッシュに上手くはまったらしく、日刊と週間の方でランキングを奪取出来ました。読んで下さっている皆様、ありがとうございます。
「イカサマ、してる....?」
「いや、茶髪ちゃんの前でバレないように細工するとか、普通に勝つより難しくね?」
「....襟、見せて」
「ちょっ、やめい。んな所にカード隠してねぇよ」
鎖骨サワサワすんな、地味にくすぐったい....。
あ、どうもみなさんこんにちわ。
イカサマ系転生者、十三歳でございます。
いやまぁ、能動的なイカサマは一つもしてないんだけどね?
────ゴソゴソと俺の服の中まで手を突っ込んでくる茶髪ちゃん。お前、羞恥心何処に置いて来ちゃったの?
「....な、い。....? ....?? ......???」
「いや、そんな顔すんなよ。やってねぇって言ってんじゃん。てか、手ぇ早く抜け」
目の前で誤作動を起こしたかのように視線を彷徨わせる茶髪ちゃん。いや、言いたい事は分かるんだけどさ。
「おかしい....何かある。....流石に十二回連続で初手
「はい?」
────ぐいっ。
っておい! や、やめろおぉおぉおおぉおおぉお!
服! 服、脱がそうとすんな!
おま、ち、力強っ! ちょ、それ以上引っ張ると破れて『ビリッ』ああ、ホラ! 変な音した!
お前、この貫頭衣無くなったら次の支給日まで俺全裸になっちゃうんですケド!?
つかなんで毎回俺と拮抗出来んだよお前は!
「わ、わかった、わかったって! 脱ぐよ、脱ぎますよオラ! これでどうだ!」
「......????? な、い....駄目、下も全部」
────ブチィ!
「まぢかる鉄拳! ───愛情的情操教育ッ!」
───────『ゴンッ!』
「───!? 〜〜〜ッ ....痛い」
「女の子に手を上げさせられた俺の心の方が痛ぇからお相子だ」
「それは不公平」
「この世に平等なんて無けりゃ公平なんてのも無いんだよ、茶髪ちゃん。また一つ賢くなれて良かったな」
「良かったかも」
うーん、その返しは予想外。
君、ロボットかなんかなのかな?
────『ザザ....ザザザ....』
あ? またアナウンスか?
─────『三番、六番。早く席に戻って課題を続けて下さい』
課題ほったらかしにして茶髪ちゃんに尊厳レイプされかけていると、室内に無機質な機械音声が流れ始める。
恐らく記録係の人間だろう。
....俺、コイツら大嫌いなんだよね。
───────煽ったろ煽ったろ。
「えー、けどセンセー? なーんかボクがカード引くとぉ毎回最高点の手札しか来ないんですケドぉ〜、コレ、おかしくないですかぁー?」
──────『....直ぐに確認の為の人員を向かわせます。課題の進行を一時中断して下さい』
「はぁ〜い。早くしてくださいね〜? あ、ついでにコッチの表しか出ないコインと、ピンゾロオンリーのサイコロも変えて頂けますかぁ〜?」
一体、これで何回目の課題中断なんでしょうねぇ(ニヤニヤ)
さて、今茶髪ちゃんとやっていたのは、先月から新しくカリキュラムに導入されていた、洞察力他、対人能力の向上を目的とする“イカサマ有りの変則ギャンブル”だったわけなのだが......この分野での俺の成績は、計測不能の一言で纏められるほどに異常であった。
どうやら、使い所の無いニート特典がようやく重い腰を上げたらしい。ぶっちゃけこんな所で力発揮されても困るんだけど....。
「ていうかぁ〜、さっきからセンセー達も分からないってぇ〜それもうボクが此処で学ぶ必要あるんですかぁ? 自分より馬鹿な人達にぃー、一体何を教わればいいんですかぁ? あ、それともボクのやってるイカサマ分かりますぅ? むずかちぃですかぁ? わかりませんかぁ? てんてー、おちえてくださぁーい」
────『....三番は口を閉じて待機状態を維持して下さい』
「おーてーぃーえーてーくーだーさーぁーいー」
そんな感じで煽り散らす事、十分。
──────『....カリキュラムの見直しを検討します。三番と六番はそれぞれ自室に戻って下さい』
「はぁ〜い。無理だと思うけど解析、頑張って下さいねー」
─────俺は何もやってないし、カードからもコインからもダイスからも何一つとして異常性は出て来ねぇよ。
そら、“運気”を数値化出来るならしてみろよホワイトルーム。出来ねぇなら役に立たねぇ資料片手にそのままずっと困惑してろ。
「戻るぞー、茶髪ちゃん」
「ん」
て事で、今日の課題終了ー。自由時間が増えるぞー。
まぁ、此処じゃやれる事なんて殆ど無いけど。
………………不毛だ。
◇◆◇
───自室への道中、白紙の長廊下。
「....やっぱりイカサマしてた。....教えて。それか脱いで」
「脱がねぇし教えねぇよ。てか今までは随分拮抗してたが、取り敢えずギャンブルの分野なら俺の“完全勝利”だなァ、茶髪ちゃん」
「───── 」
その言葉に、ピタリと背後の足音が止まる。
振り向くと、俺の放った“勝利”という単語に彼女の目が一瞬だけ無機質なモノへと変わっていた。
────が、しかし直ぐに何時ものジト目へと戻った。
「....? ....?? ......???」
「あん? どったの?」
「....わからない。どういうこと....?」
どういう事? え、なに? 何が?
「....おい、マジで大丈夫か? なんか最近、茶髪ちゃん誤作動多くね?」
「.........不思議」
「うん? うん、不思議だね。いや、俺からすると君のがよっぽど不思議ちゃんだけどね?」
「気になる」
「俺もお前が何考えてんのか超、気になるよ」
─────割と切実に。
この子の頭の中はどうなっているのだろうか?
「おそろい」
「そうだね、おそろいだねー」
────なんて。
十年以上も続けてきた彼女との遣り取り。その殆どが中身の無い無益と呼べるものではあったが、しかしこれはこれで毎回新鮮味があって悪くない。
出来るだけゆっくりと────色の無い白紙の廊下を歩く。この時間だけは嫌いではなく......真っ白な俺にとって、茶色というのは悪くない色だ。
幸運A+「ほら、ボクだってやれば出来るんだよ!」
才能A+「え? 何か役に立つんですか? それ?」
美貌A+「将来はパチンカス確定ですわね!」
幸運A+「キレそう」