綾小路......誰さんですか? 作:せーちゃん
今話まで読んで下さっている皆様、ありがとう御座います。
どーも、逃亡系転生者十四歳で御座います。
あれから体感一時間、人っ子一人見えやしません。
「まーじで、何処だ此処......」
下山するにもこの辺はかなり険しいし、降り切る前に絶対足駄目にするだろうなぁ。靴も施設で履いてたのそのままだし......。
俺ちゃんの白魚にも勝るふつくしい足に傷が出来るのは極力避けたいんだけど......。
「てーか、一人で逃げて来ちゃったけど、茶髪ちゃんとか大丈夫かね?」
結局、清隆ボーイも見つかんねぇし。
完全に四期生全員と顔合わせした筈なのに、なーんでいねーんだよ。
最終的に残ったのも俺と茶髪ちゃん含めて片手で数えられる程度だったしよぉ......。
今までの統計的に考えて、施設内で噂されてた過去最難関の課題とやらが出されてたら、多分最終的には俺と茶髪ちゃんくらいしか残らなかっただろうぜ。
清隆パパ鬼畜スギィー。
「あー、思い出したらなんか心配になってきたわ」
茶髪ちゃん、能力値バカ高いけど妙にぽわぽわしてっからなぁ。ちゃんと脱出出来ただろうか。
てか、脱出出来たとして、あの子はその後やっていけるのだろうか......。
世間知らずの無気力ガールなど、すぐに悪い大人に食い物にされてしまうのでは......?
─────なんて、思ってもいない事を考えてみる。
「いや、それはねーべ」
何だかんだあの子は大丈夫な気がする。
というか、裏社会のボス的地位について、御意見番とかやってそう。
俺のゴーストがそう言ってるでな(適当丸)
なんて──────本当に、馬鹿馬鹿しい。
「てか、人の心配してる場合じゃねーんだよなぁ、俺。このままじゃ餓死するし、何より戸籍と居住地の問題、どーすっべ」
困った。
超、困った。
こんなに困ったのは転生してから初めてだ(大嘘
長期的に見てお先真っ暗なのが丸分かりなんだよ。
「あー、困った時の神頼み───つーか、ニート頼りって事で」
神は決して助けてはくれないからね。死後拾ってくれたお爺ちゃんも鬼やら悪魔だったらしいし。
て事で、なんとかしてくださいよー、幸運A+さーん! ....なんて。
いやまぁ、流石にこの状況じゃ役に立たんか───ん?
────『ばびゅん』と一つ、前触れの無い唐突な突風が。
「─────おっとと」
一瞬、バランスを崩す俺氏。
いや、まぁ、チートスペックのボク様が山道程度で転ぶとかありえないんですけ─────ど?
更に────此処で突然の地鳴りが起こる!
足を取られて倒れ込む俺ちゃん!
───────いや。
「なんでやねーーーーーーん」
流石のボク様でも余震無しの直下型地震は予測出来んのだ。
そのまま普通に体制を崩し、コロコロころりと、山道を握り飯のように転がる俺。そして流されるまま転がり続け、あっという間に山を抜け出し車道へと飛び出した!
え───────?
『キキィィィィィ』っと、大音量のタイヤの削れる音が辺りに響き、俺の鼻先でギリギリ停車する黒塗りの高級車。鼻孔を擽るゴムの焼けた匂い。
そして、中から大慌てで飛び出してくる運転手らしき人影。
いや、ホントゴメンなさい。まさかこんな事になるとは......。これも全部、ニートと地震と強風が悪いんで......ん?
「──────おや、あなたは」
見なくても分かる、いつか聴いた鈴の音。
その声に自然と口角が上がるのを感じる。
は────ははは! マジかよ!
コレは流石にもうニートとは呼べんなぁ!
働き過ぎだろうよ。幸運サマ!
呼吸を一つ───地べたに寝転がったまま、俺は彼女に言う。
「へい、マイフレンド七年ぶりだな。ところで風呂貸してくれん? 見ての通り泥だらけなんよ、俺」
「はぁ......早く乗ってください───ディアフレンド」
運転手の後ろから出て来た杖持ちの小さなシルエットに、俺は寄生先を手に入れた事を確信したのだった。
有栖ちゃん、マジ愛してる。
【実績解除】in有栖ルート!
トロフィー『運命的な再会』を獲得しました。
トロフィー『七年来の幼馴染』を獲得しました。
新ルート『有栖パパとの謁見』が開放されました。
新ルート『ドキドキ同居生活(父親同伴)』が開放されました。
『坂柳理事長』が新たに攻略可能キャラに追加されました。
そうだ─────────その為の幸運だ。
御都合展開は万人に分かりやすく、それでいてワザとらしいくらいがちょうど良い。
逆に考えるんだ。
開き直ってもいいさ、と。
オトウサン!
いや、すみません。松雄抜きでホワイトルーム産のオリ主が高育に入学するルートは非常に限られるので、本作では既に伝手のある坂柳家と無理矢理引き合わせました。
ので、幸運A+がここまで力を発揮するのは多分この回くらいです。幸運を物語の展開に組み込んで許されるのはダンガンロンパくらいでしょうし。