蜘蛛の脚って8本だよね?五等分できないじゃん。   作:通りすがりのゴキブリ

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劇場版見て来たけど…ロスが凄い。


1話

やぁ皆、初めまして。僕は山城ユウ。この物語の主人公でもあり、愛知県に住む旭高校の生徒でもあり、そしてこの街でたった一人のスパイダーマンだ。

 

僕は高校1年の春頃、都内の科学研究センターに見学に行った時、特殊な放射線を浴びた実験体の蜘蛛に噛まれて、無機物にくっ付いたり、人間離れしたスピードやパワーや超感覚を手に入れた。

 

力を手に入れてから今までの間は色々あった、まぁその事については少し湿っぽくなっちゃうから後で話すとして…

 

さて、そんな俺だけど今はあれから一年の歳月が流れ、今は高校二年になり、将来研究者になる事を夢見て、日々勉学に励みながらスパイダーマンとしての日々を過ごしている。

 

正直スパイダーマンと高校生活の両立は正直忙しいし、大変だ。だがその分やりがいもあるし、こんな日常でも楽しいと感じている。

 

そして現在―――

 

「焼肉定食、焼肉抜きで。」

 

「上杉君…今日も?」

 

僕は友達の上杉風太郎君と学校の食堂に来ていた。

 

上杉君とは1年生からの仲だ。

 

彼との馴れ初めは1年の中間試験の時だった。その時の僕は全教科100点を取り、学年1位になった。だが僕意外にも学年1位は存在しており、それが上杉君。どうやら上杉君は僕と同じように全教科100点を取っていたらしく、彼は同率の順位をとった僕に興味を示して話しかけて来る様になったのだ。

 

周りの反応からするに上杉君はあまり他人と話さないタイプらしく、彼と仲良くなった当初は周りに良く驚かれたものだ。

 

まぁ、僕もスパイディ業の事を有って入学してからあまり友達作れなかったし…話し掛けてくれる人が居るのは嬉しかった。

 

それから1年が経ち、2年生になった今では僕と上杉は仲良くなっており、今ではほぼ毎日昼飯を共にする程だ。

 

だが上杉君が何時も注文している「焼肉定食焼肉抜き」って…美味しいのかな?

 

上杉君曰く、「焼肉皿200円分を引くと味噌汁とお新香も付いて来る」らしい。…どうやら上杉君は食費の削減の為にこれを注文しているらしいが。お世辞にも豪華とは言えない。

 

「上杉君…それだけでお腹満足するの?」

 

「足りない分はお前が分けてくれるだろ?」

 

「う、うん…まぁそうだけど…」

 

そんな会話をしつつ、僕と上杉は昼食の定食を乗せたトレーを運びながら、空いている席を探す。

 

「どの席も埋まってるな…」

 

「まぁお昼時だから仕方ないよ。」

 

中々空いている席が見つからない。やはり今日は食堂ではなく何か買って食べた方が良かったか…

 

だが暫く空席を探していると、上杉君が口を開いた。どうやら空いている席を見つけたみたいだ。

 

「山城、あそこ空いてるぞ。」

 

上杉君が指さした場所は僕の真後ろで、食堂の端側の場所。片手で数える程度だが、少なからず席が空いている。

 

「そうだね、それじゃあ今日はあそこで食べよっか。」

 

「おう。」

 

だが上杉君がテーブルにトレーを置こうとした時、何者かが同時にトレーをテーブルに下ろし、必然的に上杉君のトレーとその人のトレーがぶつかる形になった。

 

…ってあれ?この子…どこかで会った様な気が…

 

「あの!私の方が先でした!隣の席が空いているので移ってください!」

 

「隣は山城の席だ。それに俺は毎日ここの席に座っている。だからあんたが移れ」

 

上杉君と同じ席に座ろうとした女子生徒はどうやらこの学校の生徒では無いらしい。彼女が着ているのは黒薔薇女子学園の制服。この学校の制服ではないのだ。

 

でも‥何故に黒薔薇女子の生徒がこの学校に…黒薔薇女子といったらかなりの名門のお嬢様学校だ。一体何故…?

 

「ここは俺が何時も座っている席だ。あんたが隣に移れ。」

 

「関係ありません。早い者勝ちです。」

 

おおう…何か揉めそうだぞ…止めた方が良いかな?

 

「はい、俺の方が早かった!ここ俺の席な」

 

ああ…遅かった。オロオロしている間に上杉君は強引に席に座り、食べ始めた。

 

「はっ?」

 

だが、黒薔薇女子の女の子も負けていない。何と女の子は構わず上杉君の向かい側の椅子に座ったのだ。

 

「そこ山城の席…」

 

「椅子は空いてました。午前中にこの学校を見て回ったので足が限界なんです」

 

この子…中々やるな。あっ、でも俺の席…仕方ない、隣の席に座ろ。

 

僕は何時も通り上杉君の隣の席にトレーを置き、席に座る。すると周りから「おい、上杉が女子と食ってるぜ?」とか揶揄う声が聞こえた。

 

「……」

 

それを聞いたのか、上杉くんの目の前に座る女の子は顔真っ赤に染め、俯いてしまう。もしかしてこの子、今この状況で結構無理してる?

 

周りに噂され顔を真っ赤にしている女の子に対して、上杉君はまったく気にしていない様だ。周りの声を気にすることも無く、小テストの用紙を片手に顔色一つ変えずに食べている。

 

「…行儀が悪いですよ。」

 

「何だよ? ながら見してた二宮金次郎は称えられているのに俺は怒られるの?」

 

「いや…二宮金次郎は飯食いながら勉強してたわけじゃないから…」

 

「そうです! 状況が違います!」

 

「ほっといてくれ、テストの復習で忙しいんだ。」

 

女の子の言い分も気にする事なく、食べながら勉強する上杉君、相変わらずマイペースだな…

 

「食事中に勉強なんて…余程追い込まれている様ですね…何点だったんですか?」

 

「お、おい!」

 

女の子は上杉の点数が気になったのか、半ば強引にテスト用紙を取り上げる。

 

あ…この流れって…

 

「えーっと…上杉風太郎君。特典は…100点?!

 

「あーあー、めっちゃ恥ずかしい!」

 

やっぱりね。何回もこのやり取り経験してるもん。こうなると思ったよ。

 

「わざと見せましたね!」

 

「さて、なんのことやら」

 

「うう…。悔しいですが勉強はできるようですね…。私はできない方なので羨ましいです…」

 

「そうです!私、いいこと思い付きました!せっかく相席になったんです!勉強、教えて下さいよ!」

 

「ごちそうさまでした。山城、腹いっぱいだから飯はいらないぞ。」

 

良いアイデアを思い付いた様に、手をポンと打ちながら提案する女の子。だがその声は上杉には届かなかった。

 

「ええっ!? 食べるの早っ…」

 

「ちょっと、僕が食べ終わるまで待ってよー。上杉君」

 

「済まないな山城、今から集中して自習したいから先に行く」

 

僕まだ食べている途中なのに…もう、本当にマイペース何だから…

 

だが背中を向て歩き出す上杉君に、女の子が有難い提案をしてきた。

 

「お昼、そればかりで良いんですか? 私のを少し分けましょうか?」

 

「いらない、そもそもお前が食べ過ぎなんだよ  太るぞ?」

 

「ふ、ふとっ!」

 

あ、やばい。女の子顔真っ赤にしてる。コレ絶対に起こってるやつじゃん。

 

「上杉君、流石にそれはないよ。」

 

「ふん…事実を言ったまでだ。先に教室に行くぞ。」

 

「ちょ、ちょっと!上杉君!」

 

上杉君は僕の言い分も聞かず、そのままからのトレーを持って教室に行ってしまった。

 

何時も僕のハンバーグ貰っているし、お昼絶対にあれだけじゃ足りないのに…

 

「貴方みたいな無神経な人初めてです!もう何も上げません!」

 

ほら、女の子も拗ねちゃったじゃん。仕方ない、フォローするか…

 

全く…女の子に「太る」なんて…上杉君もデリカシーなさすぎるよ。

 

大体女の子なんだからそんなにお昼も食べない…だろ…う…に…

 

僕は上杉君が完全に去った後、女の子の方に目を向けたが、彼女のトレーに乗った昼食の量を見た瞬間、僕は思わず言葉を失ってしまった。

 

なんせ女の子の昼食のメニューはうどん、トッピングに海老天×2、イカ天、かしわ天、さつまいも天。されにデザートにプリン。合計で1000円以上の量だ。これは流石に「太るぞ」と言われるのも…

 

「…貴方も失礼な事考えませんでしたか?」

 

「い、いや。そんな事ないよ。」

 

「そうですか…でも何なんです!あのデリカシーの無い人は!」

 

でもまぁ…そうだよな…女の子に「太るぞ」は…アレだよな。取り敢えず上杉君に変わって謝ろう。

 

「その…何と言うか…悪かったよ。上杉君が…最後のアレは流石にないよね…」

 

「頭を上げてください!貴方に罪は無いんですから!」

 

「いや、その…上杉君も悪気が有って言った訳じゃないだろうし、確かに無神経な所も有るかもだけど…悪い人じゃ無いんだ。だからお願い…さっきの事は水に流してくれるかな?」

 

「…わかりました、私もそこまで鬼じゃありません。今回の事はあなたに免じて水に流すことにします。」

 

「本当に?ありがとう!」

 

渋々ながらもそう言ってくれた彼女に対して僕は全力の笑顔でそう応える。

 

「えっと、素朴な疑問なんだけど君ってこの学校の生徒じゃないよね?その制服って確か黒薔薇女子のものだった気がするんだけど。」

 

「はい。そうですよ。私、今日の午後からこの学校に転入することになっているんです。」

 

「あーなるほど。だから食堂でご飯食べてたんだね。」

 

どうやら僕の記憶は正しかったようだ。黒薔薇女子は超ド級のお嬢様校として有名な学校であり、名門中の名門。

 

偏差値も当然高く、通っている生徒はほぼ全員がお金持ちの令嬢という筋金入り。

 

だがこれで合点が行った、この子転校生だったか。

 

そう言えば今日の朝登校した時、クラスの皆がそんな噂を聞いていたけど。どんな子が来るのか気になっていたんだ。一足先に知れてちょっと得したな…

 

あ、でもそう考えたら上杉くんは転校生といきなりやらかしたって事か?

 

「あ…そう言えば自己紹介がまだだったね。僕は2年生の山城優って言います。」

 

「ご丁寧にありがとうございます。私もあなたと同じ2年生の中野五月と言います!よろしくお願いしますね、山城君。」

 

「うん。よろしくね、中野さん。」

 

自己紹介を終えた僕たちは、顔を見合わせて軽く会釈をする。

 

落ち着いた雰囲気と言い、礼儀正しさと言い、年上でもおかしくないと思ってたんだけど…そう言えば同い年だったんだな。

 

「それにしても、山城君は礼儀正しいんですね…先ほど無神経な人の友人にはもったいない方だと思います!」

 

「あはは…あんま悪く言わないであげてね。悪いやつだったら僕も友達やってないからさ。」

 

水に流すとは言ったとはいえ、やっぱり「太るぞ」は結構ショックだったようだ。未だに上杉くんへ対する怒りは収まりきっていないと見える。

 

「そう言えばさっき…上杉君に勉強教えて貰おうとしてたけど…良かったら僕が面倒見ようか?」

 

「えっ? いんですか?」

 

「うん、俺もそれなりに勉強は得意な方だから。迷惑じゃなきゃいいけど…」

 

「迷惑だなんて、そんな! お願いします!」

 

よかった…どうやら中野さんは迷惑だと思っていないようだ。

 

「なら、ちょっと教科書から問題だしてみるから、解いてみてくれる?」

 

「は、はい。」

 

お昼を食べ終えた僕はノートのページを1枚切り取り、教科書から簡単な数学の問題を10問ほど書き写していく。

 

同じく昼食を終えた中野さんは、それを受け取ると、鞄からシャーペンを取り出し問題を解き始めた。

 

 

さて…結果は‥‥

 

「あれ?」

 

10問中正解0問? おかしいな…丸が一つもないぞ?

 

「べ、勉強は苦手だと言ったじゃないですか!」

 

頬を膨らませて訴える中野さん。一瞬だけ可愛いと思ってしまったのは内緒の話だ。

 

「は、ははは…まぁ苦手でも継続すればきっと得意になるよ…それに授業で解らない所が有ったら僕が何時でも教えるしさ。」

 

「山城君は本当にお優しいですね…ありがとうございます。」

 

中野さんが昼休みが残り10分だということを告げる予鈴が校内に響き渡る。

 

「おっと、もうこんな時間か…それじゃ中野さん!同じクラスになれたらまたよろしくね!」

 

「はい!」

 

遅刻する訳には行かない。僕はトレーを片付けると、大急ぎで教室に向かうのだった。




主人公の相棒格のオリジナルキャラクターを出そうか迷っているこの頃

主人公と同じクラスは誰が良い?

  • 二乃
  • 三玖
  • 五月
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