マブラヴThird!~苔のむす迄~   作:ふじら

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三回目

 

「三回目か…」

そう言うと直ぐに作業へ取り掛かる。

俺は奇跡の三度目を迎えた。

本来なら驚くところだろう、だがこの世界の、今の俺はそれは通じなかった。

俺はやらなけらばならない。

トランクを取り出しゲームガイは勿論、色々と役に立ちそうな物を入れる。

前回は未来を変に変えない為に止めていたがここまでくれば最初から全て変えなければ未来は見えてこない。

 

俺は沢山の確立時空で、死に物狂いで前線で戦い続けた。

行ったのは2つの世界線と純夏が再構成した世界、それでも冥夜達やヴァルキリーズの隊員らと想いあった時空を経験したかのように思い出す。不思議な気持ちだ。

 

しかし俺は皆の死を無駄とは言わせない為に必死に戦った。

 

そうしたらこれだ、夕呼先生には全員を守る考えを捨てろなりなんなり言われたが…アイツは、バカは俺に救えと言っている。

 

なあ純夏、有難うな。機会を与えてくれて…お前もずっと苦しいだろうに。

また彼処に閉じ込められて。

 

「こんなもんか…行くか。夕呼先生の所へ。」

 

 

 

 

「…おかしい。どうしてまだ街が栄えてる?」

 

目の前に広がるのはいつもの光景、住宅街だ。

 

「武ちゃん!」

 

「!?純夏!」

 

「ごめんね!?ごめんね!ほんと‥本当にごめん!」

叫んでやってくるなり玄関前で直ぐに泣き出す‥そいつ。

 

どうして純夏がいる?それにこの景色。

 

でも今は純夏に会えた事だけで良い気がする。

 

「大丈夫だ‥純夏俺は大丈夫だ」

 

大泣きしている純夏を抱き締める

 

中々泣き止むことはなくずっとバカの頭を撫でている。

 

落ち着いてきたのか純夏はゆっくり口を開ける。

 

「行くんでしょ…?救いに」

 

「…ああ」

 

「私もついて行くよ…武ちゃんまた1人で無理しそうだし…‥」

 

「純夏…前の記憶があるのか?」

 

「うん…他にも色々覚えてるし知ってるよ。今は1995年5月」

 

「…どういうことだ」

 

「えーっとね…私はこの世界の私、それでいて元の世界の私…だよ。私も細かい事は分からない…色々と思い出したらそうなっちゃった。時間が前よりもっと前なのは沢山の人を救いたかった‥たけるちゃんの声を聞いたからそれで強く思ったら…だと思う」

 

「……そうか、取り敢えず純夏」

 

「たけるちゃん‥?」

 

「有難うな」

 

「ふえ!たったけるちゃん!?どうしたのいきなり!」

 

「純夏、お前には感謝してる大好きだ」

 

「え?え?え!?」

 

「まあ…流しておいてくれ」

 

「流せないよっ!?」

 

「…お前も行くんだろ?」

 

「うん……冥夜さん達を救いたいし、それに武ちゃんの力になりたいから」

 

「そうか…純夏取り敢えず荷物まとめてこい。戻って来れるか分からないからな」

 

「うっうん!行ってくるね!!」

 

 

力になりたいか…純夏。お前はバカでどうしようもなくてそれでいて優しくて俺の傍にいつも居てくれた。だから色んな事に乗り越えられてきた。

今までは最初からずっと俺1人でどうにかしようとして来たけど…今回はお前がいる。

本当に有難うな。

 

「純夏…」

 

 

 

 

1995年5月某日 帝国陸軍白陵基地

 

叩き上げでアジア方面軍の国連要幹部に任命、我ながら順調ね。

 

自室の席につき珈琲を一杯…。

 

っう!?ぐ

 

「一体何が起こってるのよ…」

急に流れてきた色んな記憶…。

一人のガキが平和な世界から来たとか喚いて。

そいつがAL4の遂行に尽力したいと泣いて。

 

「…白銀。あんた、また繰り返してるのよね」

 

白銀武、彼はずっとこの世界を繰り返している‥。

 

いっ!!ったぁ!!

 

「なによ…また?」

 

夕呼先生!!

まりもちゃん!

 

「っ!?…しろがね?」

 

そう…白銀。あんたが言ってた別世界ってここの事だったのね。

敬礼なんかして、ほんととんでもない所に引き寄せられたわね。

でもね、白銀。

 

「安心なさい、次は私も一緒よ」

 

 

【白銀武】

居た…巡回してる国連兵の広報だ。

一人は兵士募集の張り紙を貼り、一人は募集用紙を片手に持っている。

 

「!?…どうした坊主?入隊希望か?」

 

「はい、お願いします」

 

「…親御さんは?」

 

「訳あって居ません」

 

「‥そっちの女の子は?」

 

「わっ…私も…‥」

 

「少し待ってくれ」

 

 

【国連軍広報官1】

「なあ」

 

「どーした?‥ああ、これも剥がされてる。変えなきゃな。まったく、どこの国でも左はこういう活動しかできねぇのかよ」

 

「おい、あの子達。まさか白銀家、鑑家の子じゃねえか?」

 

「ん?‥は?」

 

「だからあの子供達!!」

 

親指で後ろにいると伝える。

 

「…‥だな。どうみても御子息だ。」

 

「両家ともつい先日戦場で…と聞いたが」

 

「ああ、旭日新聞・アジア国際新聞でも取り上げられてたから間違いない…どちらも両親は戦死した」

 

「……どうする?国連軍に入りたいそうだが」

 

「歳は?」

 

「中1になるぐらいだろうな」

 

「軍人は若ければ若いほうが良い、即日採用だ」

 

「…人が居ないのが本命だ、世知が辛いな」

 

「言うな、若い内から軍人として訓練すれば成人になる頃には精鋭になるのも事実だ。そうすれば他のやつらより長生きできる」

 

「だが本当に国連で良いのか?」

 

「良いんだろ、帝国から打診を受けてないだろうしな。それに連邦、合衆国らに利用される前にこっちで保護した方が良い。まあそれを判断するのはあの魔女様だがな」

 

「んじゃそれで…一応博士に伝えておいてくれ」

 

 

 

「すまんすまん!…じゃあ君達二人の名前と年齢、住所を書いてくれ。住所は書けなかったら大丈夫。おじさんが書いてあげるからね。」

 

「はい」

「はっはい」

 

 

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