マブラヴThird!~苔のむす迄~   作:ふじら

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ああ、イラン。

イラク【南東部】

 

「BETA来ます!!!!」

 

「撃てぇ!撃てぇえ!!」

 

「お前ら!ここを取られれば祖国奪還はより遠のくぞ!!踏ん張れえぇ!!」

 

「了解!!」

 

「これ以上っ!これ以上はやらせん!」

 

「イラン帝国万歳!!イラン帝国万歳!」

 

「交戦中のイラン陸軍各部隊へ、只今イラン王女を乗せた輸送車両が通る。護衛していたサウジアラビア陸軍は壊滅している。安全圏に至るまで防衛せよ」

 

「了解。イラン全軍へ!!王女様が御通だ!国王陛下も女王陛下も天に召された!だが!王女様がいる限り!我等がイラン帝国は存続する!」

 

「これは聖戦だ!若きイランの兵士達よ!ここを絶対に通すなよっ!!」

 

「うおおおお!!!!」

「ペルシャに栄光あれ!」

「王女様に忠義を尽くせぇ!!!」

「救世主が現れるその時まで戦い続けましょう!!!」

「Ey Iran!!」

 

 

 

……また夢ですか。

 

アオモリに来て数ヶ月…まだ苦しくなります。

 

「陛下、お目覚めで」

 

「はい…お早う御座います」

 

私は…私はどうすれば良いのです。

 

20万人の国民を祖国ではなく日ノ本で暮らさせ、米国が建てた十数名のアメリカ人と私だけで運営される臨時イラン政府、私はまだ12歳です。

 

それなのに、なぜこんな現実を突きつけるのです。

 

縛られて誰も立ち上がれない、私達を守ってくれた兵士の皆様や民間男性の方々に示しがつきません。

 

私が、私が一番行動すべき、行動できる存在であるはずなのに。

 

アメリカは、アメリカは…。

 

父上から聴きました、彼の国達は我が国を締め上げ無理矢理に考え方を変えさせ、文化を破壊したと。

 

イギリスという国も、それより前から我が国の資源を奪い、ソビエトと南北を分けた。

 

それに反発した政府が立ち上がってもスパイとやらで革命が起こされ‥。

 

 

人形。

 

 

そしてまた革命を起こしても、世界から非難を受け、そして本土放棄による仮初のイラン臨時政府。

 

 

‥また人形です。

 

 

…キリシタンは何故……何故ここまでするのです。

 

何が、何が、何が正義ですか。何が平和ですか。何が、何がリーダーですか。

 

何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が何が何がっ!!

 

「あああああああああああっっっ!!!!!」

 

「陛下っ!?陛下!!お気を確かに!!」

 

 

 

【ファーラウ】

朝か…。

 

ベッドから起き上がり、所々破れた軍服に袖を通す。

着替えが終わり外を見る。

 

日本も美しいな。

 

コンコンコン

「ハサンです」

 

「入れ」

 

「失礼します、これを」

 

「…現存戦力か。時間が掛かった割に随分と薄いな」

 

「……」

 

まあそうだろう。なんせ調査できる人手も居なければ残ったイラン軍の総数などたかが知れてる。

 

イラン陸軍第4機甲師団、生存者2名。

 

イラン海軍第二戦隊テヘラン級駆逐艦一隻、生存者50名。

 

イスラム革命防衛隊、1名。

 

イラン陸軍戦術機一個中隊。

 

ここまで来るとこの一名が気になってくるが…これは俺だ。

 

それに機甲師団二名のうち一人は目の前にいるこいつ、もう一人は陛下の使いをしている。

 

判明したのは駆逐艦が存在することだけ。

 

第二戦隊テヘラン級駆逐艦‥現在位置は。

 

キューバか…あらかた戦いの終わり米海軍に連れて行かれたのだろう。

 

 

なけなしの戦術機中隊は今や国連の尖兵か。

 

 

現国民の軍人となりうる民間人の割合‥。

 

男性2割、女性8割。

 

 

くそっ!!!ふざけるな!!

 

何だこれは!男性が2割?50代も含めてか!?

 

女性は‥認めたくないものだ。

 

「中佐…現在の状況で軍人にするならば女性です」

 

「分かっている!!」

 

「私も同じ思いです‥その為」

 

「なんだ…」

 

「……イラン軍は完全な戦力放棄することを進言します」

 

「人的を蓄えると?」

 

「…はい」

 

「しかし、この現状。イラン政府が米国に乗っ取られている以上!戦力増強を放棄すれば‥祖国を奪還したとしても!人類が再興したとしても!最低でも百年は……傀儡国だろう‥」

 

「やむを得ません、また耐えるのです。我らの国が謳われるその日まで…」

 

 

ああああああああああっっ!!

 

 

「「っ!?」」

 

今のは陛下のお声!

 

「大尉!ついてこい!!」

「はっ!!」

 

部屋を出て陛下の御部屋へ走り出す。

 

部屋の前についたところで勢いよく扉を開け、

 

「どうした!!?何が」

「陛下が!」

 

そこにあったのはベッドから転げ落ち、美しき茶色の髪が埃にまみれ、もがき苦しみながら床を、身体中の白い肌を爪でひっかく女王陛下だった。

 

それはアーリア人の、ペルシャ人の女性としていくら美しかろうと獣以外の何者でもなかった。

 

「医者を!医者を呼べ!近くにある全ての医療施設から医者を呼べぇ!!」

「えっ!?」

 

「早く!!一国の王だぞ!!?大尉!」

「はっはい!!」

 

不味い不味いこのままでは、もし!もし今!女王陛下に何かあればっ!国が消える!!歴史が終わる!!

 

「陛下っ!大丈夫です!我等がおります!」

 

暴れる陛下を無理矢理捕まえ、せめてとベッドの上へ移す。

 

「ああああああああああああっっ!!」

 

次は壁を引っ掻き始める。

 

「陛下!お気を確かに!」

 

動けぬよう背中から抑え込む。

 

「申し訳御座いません陛下!お許しを!」

「ああああああああっ!!」

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