じんせいみてい!   作:湯切

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第三話 暗躍する者たち

「基本的にはオレとスバル、イタチのスリーマンセルで動く。撤退する場合はこの黒の煙弾を――」

 

 里の東部に位置する深い森の中。

 

 三〜四人に分かれた小隊。一人ずつ配属されている中忍以上のベテランを中心に、今後の打ち合わせを行なっていた。

 中には下忍以下のみで構成されている隊も散見していて、この戦争における深刻な人手不足が浮き彫りになっている。

 

 俺の所属する隊は、うちは一族ってことで父さんとイタチと俺の三人だけだ。

 母さんは戦争には参加するものの、主に裏方でサポート役に徹するらしい。ちょっと安心した。

 

 戦況に応じて使い分ける煙弾の色やフォーメーションなどを細かく父さんが説明して、俺とイタチが必死に頭に叩き込んでいく。

 

 とくに俺の場合は約束事が多かった。

 声が出せない分、咄嗟の場合でも的確な意思疎通を可能にしなければならないからだ。

 

「スバル。お前はこの発煙弾を常に肌身離さず持っていなさい。隊と逸れて緊急で助けが必要な時は、躊躇わず赤色の煙弾を撃つように」

 

 小型の発煙弾が入った小袋を受け取る。

 ピンを引き抜く手榴弾タイプや、シンプルに煙幕のみに重点を置いたものなど、多種多様なものを揃えてくれたらしい。

 

 両手にずっしりとした重みを感じながら力強く頷く。絶対に落とさないようにしよう。

 

 

「……ねえ、スバル兄さん」

 

 くいっと服の裾を掴まれる。

 別の隊に呼ばれた父さんが離席したタイミングを見計らって、イタチが不安げに話しかけてきた。

 

「どうしてこの国は、戦争なんてするのかな」

「…………」

 

 どうして空は青いのかに通じるものがある疑問に、俺は答える術を持たなかった。

 

 ……どうして、かあ。考えたこともなかった。

 

 イタチは俺からの答えを期待していなかったのか、そのまま続ける。

 

「誰かを殺して、殺されて。憎んで、憎まれる。そういった連鎖が次の戦争を生む。一度でも連鎖を断ち切ることができれば……分かり合えるかもしれないのに」

 

 本当にこんな言葉がイタチの口から出てきたのかと耳を疑った。

 

 この歳で戦争とは何たるかを考え、嘆き、和解の道まで模索しているなんて。

 俺がイタチと同じ歳の時って何考えてたっけ。

 ……うん、イタチのことしか考えてなかったな。それだけは分かる。

 

 今ではもう息を吸うように扱えるようになった指文字を綴る。

 

《このくにが すきか?》

 

 イタチは少し目を丸くさせて、やがてにっこりと笑った。

 

「うん!」

 

 

 

 ついに戦争に参加する日が来てしまった。

 

 連日降り続いた雨のせいで地面はぬかるみ、ただでさえ残り少ない体力を根こそぎ奪っていく。

 俺は後方からついてきているイタチの姿が消えていやしないかと気が気じゃなかった。そんな俺を叱咤するかの如く、隣を走る父さんが叫ぶ。

 

「決して気を緩めるな。一度でも水溜りに足を取られたら死ぬと思え!」

 

 俺たちの隊は激戦区にて味方の小隊と合流することになっている。そこではいくつかの国の忍が混ざり合い、ひたすらに命の奪い合いをしているという。

 いくつもの要因が折り重なって始まった戦いは、今ではただの消耗戦に成り下がっていた。

 

「クソッ、刺客が多すぎる」

 

 足元の水溜りに身を潜めていた霧隠れの忍二人の襲撃を躱し、父さんがクナイで敵の首を刎ねる。

 もう一人の手がイタチに伸びる前に鳩尾を蹴り上げた。うめき声を上げながら地面に転がった男の脚に踵を振り下ろす。

 一応これにも痛天脚(つうてんきゃく)っていう技名があるらしいが、ただの全力の踵落としである。その名の通りめちゃくちゃ痛い、らしい。実際に受けたことがないから、ぶっちゃけ分からない。まあ骨が粉砕されてる時点で痛いでは済まなさそうだ。

 

「予定より大幅に遅れている。先を急ぐぞ」

「…………」

 

 力なく地面に転がっている霧隠れの忍を見下ろしていた俺は、再び駆け出した父さんとイタチの後を追いかけた。

 

 

 

 激戦区にて別働隊と合流を果たした俺たちは、そのまま終わりの見えない戦いの渦の中へと放り込まれることになった。

 周りに父さんとイタチの姿は見えない。逸れたようだ。

 

「木ノ葉の忍……ここで死ね!」

 

 片腕を切り落とされたばかりなのに少しも怯まずに反撃してくる草隠れの忍のクナイが頬を掠めた。チリッと僅かに熱を持った痛みに構ってる余裕もない。一先ずはこの男の動きを封じ込める必要がある。

 

 地面に両手をついてぐるりと腰を捻り、宙を舞った足が相手の顎を蹴り上げた。

 脳が揺れたせいで思考もままならないはずなのに、男の右手は何かの印を結ぼうとしている。その狂気とも呼べる執念にゾクッと背筋を何かが走った。まさか、片手だけでやるつもりか?

 

 戦争に負ければ里に残した家族の命を失うかもしれない。例え左腕を切り落とされようが、脳が揺さぶられようが、忍がその命尽きるまで耐え忍ぶ理由がある。

 ――俺は分かっているようで、分かっていなかった。

 

 男が印を結び終わる前にその腕を掴んでこちら側に引っ張った。

 負けられない理由なら俺にだってある。だから、今は相手の気迫にビビってる場合じゃない!

 

「うわあああああ!?」

 

 突然男の悲鳴が響いた。男の額には手裏剣がめり込んでいて、ぐるんっと白目を剥いて俺の肩にのしかかってくる。まって、いま何が起きた?

 

「てめえ、汚ねえぞ! そいつを盾に使いやがって!」

 

 どうやら腕を掴んで引き寄せた男が、ちょうど俺めがけて飛んできていた手裏剣に当たったらしい。

 こちらに手裏剣を投げたと思われる同じ草隠れの忍が声を荒らげている。

 

 そんなことある? 乱戦状態ならあり得ないこともないだろうけど、まさか自分が体験するとは思わなかった。不可抗力とはいえ、これは確かに汚い。反論できない。

 

「……クソが! 腹立つ顔してんじゃねぇよ!!」

 

 人の顔にケチをつけるとは許し難し。俺の表情筋が仕事しないのは俺のせいじゃないのに!

 俺は肩にもたれかかっていた死体を適当に足元に転がした。

 

「オレの仲間に何してんだ……?」

 

 男が怒りで震えている。気持ちは分からなくもないけど理不尽すぎない?

 

「何を遊んでいる」

 

 いつの間にか背後を取っていた父さんのクナイが喉を貫いて、逆ギレ男が地面に倒れる。こちらを見下ろしている父さんは困惑しているようだった。

 

「これは戦争だ。……わざわざ弄んで殺す必要はない」

「…………」

 

 俺がいつ遊んだって? しかもさらに不名誉な勘違いまでされている気がする。

 

 こちらに伸びてきた父さんの指が俺の頬の汚れを拭っていった。

 

「別働隊がここより奥に進んでいる。オレ達も続くぞ」

《いたちは?》

「イタチもそこにいる」

 

 それなら異論なしだ。俺は握っていたクナイをホルスターに仕舞い、先に走り出した父さんに続いた。

 

 

 

 傾いた太陽がさらに分厚い雲に覆われ、辺りは一時的に闇に包まれた。あれほど金属同士がぶつかる音や、怒号などが混じりあっていたのが嘘のように静かだった。

 

 返り血を吸いすぎた服が重い。それでなくとも両足は棒のようだし、腕は疲労から上がりにくくなっている。

 早くイタチのところに行かなくちゃ。あれからどれだけの時間が流れたんだ?

 

 時には地面に転がる死体を足蹴にしながら進んだ先。死体の数と比例して濃い血の匂いが漂う場所に出た俺を、求めていた声が呼んだ。

 

「…………兄さん」

 

 数多の死体の上でイタチが立ち尽くしていた。その手は血を吸ったクナイを握りしめたまま震えている。イタチの隣には父さんが立っていたが、足元を見つめて、何かを考え込んでいる様子だった。

 

「良かった……スバル兄さんが無事で」

 

 イタチの手のひらからクナイが落ちる。俺は慌てて駆け寄って、イタチの体を支えた。震えているのは手だけじゃなかったらしい。それに、全身が氷のように冷たい。抱きしめる腕に力がこもる。外傷は見当たらなくてホッとした。

 

「任務完了だ。このまま撤退する」

 

 父さんの言葉に頷く。

 

 安心したのか、そのまま眠ってしまったイタチを抱き上げる。父さんはそんな俺たちを見て複雑そうな顔をしていた。

 

「イタチは優しすぎる。……少しでもお前のような非情さがあれば」

「…………」

 

 絶賛勘違い続行中だった。そもそも自分の息子に非情とか言うのどうかと思う。絶対に教育に悪い。それから、イタチはこのまま優しい子としてすくすく育つべきだ。異論は認めない。

 

「……お前の中にある優しさがイタチにだけ向けられているのが、良いのか悪いのか」

 

 これは遠回しに父親であるオレにも優しくしろと言われてるんだろうか。

 父さんはちらりと目だけで後方を見た。先ほどイタチが立ち尽くしていた場所だ。

 

「イタチは死にかけた他里の忍を救おうとしていた。だが、何度もお前たちに言い聞かせてきたようにこれは戦争だ。他里の忍は当然イタチに敵意を向け、返り討ちにあった」

 

「…………」

 

 俺はくるりと踵を返した。そのまま逆方向に歩き始めた俺に、父さんが焦ったように名前を呼んでくる。

 

「スバル……? 一体どこに……まさか」

 

 ガシッと腕を掴まれた。

 

「報復なんぞ無意味だ! そいつはもう死んでいる!!」

 

 だああああうるさい! 離せ! 俺はイタチの優しさを無碍にしやがったそいつの顔を思いっきり踏んづけてやらないと気が済まないんだよ!

 

「お前が何をするつもりか分からないが、それこそイタチの優しさをなかったことにする行為だというのは理解しているのか!?」

 

 ぴたりと足を止める。父さんの口から飛び出してきた正論の塊を飲み込んで、咀嚼した。

 父さんがあともう一押しだという顔をして続ける。

 

「それに、お前がそいつを痛めつけている間にイタチが目覚めたらどうする。心優しいイタチはショックを受けると思わないか?」

「…………」

 

 さらなる正論パンチを受けて項垂れる。

 俺ってやつは……自分の怒りを鎮めることばかりで、イタチの気持ちを考えてなかった。なんて最低野郎なんだ。このまま地面に埋まりたい。でも眠っているイタチを父さんに預けたくないから、イタチを無事に家に送り届けてから庭に埋まりたい。一人じゃ寂しいからついでに父さんも道連れにしよう。

 

 腕を掴んでいた父さんの手が、ぽんっと俺の肩を叩いた。

 

「帰ったらまた忙しくなるぞ。アカデミーも再開するからな」

 

 父さん、悪いけど俺たちの未来は地面の中だよ。

 

 

 

 戦争終結における後始末が残っているらしく、真っ直ぐ家に帰れたのは俺とイタチだけだった。

 

 真っ暗な部屋の明かりをつける。人の気配もなく静かな家の中は、戦場とは大違いだ。

 腕の中で身じろぎしたイタチを片腕で抱え直して、もう片方の手だけで布団を引っ張り出す。畳に敷いた布団にイタチを寝かせて、その寝顔を見つめる。

 

 ――イタチが他里の忍を助けようとした。

 

 父さんの気持ちも分かる気がする。いつか、その優しさを利用しようとする人間が現れるかもしれない。

 

 すやすやと眠っているイタチの額に手のひらをのせる。少し熱っぽい。俺は襖を開けて押し入れから毛布を取り出すと、イタチが被っている布団の上に重ねてやった。これで一安心だ。

 

 パチッとイタチの部屋の明かりを消す。差し込む月明かりがイタチの顔を照らしている。

 さて、名残惜しいけど母さん達が戻ってくる前に家のことやっておかないと。この血だらけの服も着替えたいし。

 

 被っている布団の隙間から慎重にイタチの服を脱がせて綺麗な服に着替えさせたり、忍具が血で錆び付く前に布で拭ったり、泥だらけの靴のせいで汚れてしまった玄関を掃除している間に日付が回ろうとしていた。

 

 父さんと母さんが帰ってきたのは、それからさらに一時間後のことだった。

 

 

 

「突然ではあるが、今週いっぱいでアカデミーを離れる者がいる」

 

 一ヶ月ぶりのアカデミーは以前と変わらず穏やかな時間が流れていた。

 

 ぽかぽかと暖かい陽気を受けながら欠伸を噛み殺す。いつものように俺の隣をキープしているセキは、興味なさげに手元の資料に目を落としていた。

 

「うちはスバル。前に出てきなさい」

「…………?」

 

 ぼんやりと窓の向こうを眺めていたせいで、どうして先生に名前を呼ばれたのか分からなかった。クラスメイト全員の視線が痛い。とりあえず立ち上がって、教壇にいる先生の隣に立つ。

 

 さて、俺はこの後何をすればいいんだろう。腹踊りでもすればいい?

 

 先生が嬉しそうに笑った。腹踊りがいいのか!

 

「彼は先の戦争での活躍が認められ、下忍になることが決まった」

「…………」

「戦後の人手不足もあってね。木ノ葉の暗殺養成部門である“根”から推薦状が届いている。極めて異例であるが……下忍になると同時に根に所属するということだ。先生はとても誇らしいよ」

 

 ……なんだって?

 

 目が合ったセキが大きく目を見開いている。状況が飲み込めなくて唖然としていると、名前も覚えていない先生が俺の肩に手を置いた。そして、隣にいる俺にしか聞こえない声量で言う。

 

「あのダンゾウ様が直々にお前を指名したそうだ。期待を裏切らぬよう、これからも修行に励むように」

 

 トンッと軽く背中を押されて、ふらふらとよろめきながら自分の席に戻る。腹踊りなんてしてる場合じゃなかった。

 

 まだアカデミーに入学して一年しか経ってない俺が下忍に? しかも、里のためならどんなやばい任務も遂行すると噂の根に所属するって?

 

「事前に知らされてなかったの?」

 

 授業を再開した先生に聞こえないよう、セキが小声で話しかけてくる。事前に知っていたら俺だってこんなに驚いてなかったよ。多分。夢だと思い込んで、ここにきて現実を突きつけられてたかもしれないけど。

 

「そう……」

 

 セキはそれ以上何も言わなかった。俺の心を読んでこれ以上は無意味だと悟ったのかもしれない。

 

 まずは落ち着こう。夢オチの可能性もないわけじゃない。

 目を閉じてこの状況を整理しようとしたが、耳に入ってきた授業の内容にうずうずしてしまい、結局メモを取りはじめてしまった。

 

 くっ、これが優等生として生きてきた弊害か……! 勝手にペンを持つ手が動いてしまう! ああっ、授業で触れられていない完璧な図式まで……! 骨の髄まで真面目な自分が憎いッ!

 

 結局、俺はいつも通り授業を受けて、来た時と同じ道を通って帰宅した。

 

 

 ガラッと乱暴に扉を開けて玄関に雪崩れ込む。そのまま式台の上で力尽きていると、パタパタと小さな足音が近づいてくるのが分かった。

 

「スバル兄さん! おかえりなさ……えっ!?」

 

 ああ、イタチ。俺の人生における唯一の癒しよ!

 

「どうしたの? どこか痛いの?」

 

 心配そうに覗き込んでくる顔に、俺は全力で首を縦に振った。うん、めちゃくちゃ痛い。今後のことを考えてとにかく胸が痛いんだ俺は!

 

「どっ、どうしよう……父さんも母さんもいないし」

 

 イタチよ。お前もまだまだだな。俺にとってイタチは心の痛みすらも癒す万能薬なのさ! だからこうやってそばにいてくれるだけで……ってどこ行くの!? お兄ちゃんを置いていかないで!

 

「待ってて、冷たい水持ってきてあげるね!」

「…………」

 

 冷水を浴びて頭を冷やせってことですか、イタチさん?

 

 俺はすっかり行き場を失った腕を力なく床に下ろした。

 今やっと大人がお酒を飲む理由が分かった気がする。こんなの飲まなきゃやってられない。ほどほどに忍やって最期はイタチに看取られて死ぬっていう俺の完璧な人生プランが!

 

 暗部の、しかも根に所属した人間に穏やかな余生なんてあるはずがない。

 親がうちはのトップなだけあってダンゾウってヤツの悪名は俺のところまで届いてる。里の為だとか尤もらしい大義名分を掲げているものの、その本質は穏健派の三代目火影とは相反するものだ。

 

 だからと言って「折角ですがお断りさせていただきます」は通用しない。俺に与えられた選択肢はハイorイエスだ。ハイのイとイエスのイエを合成してイイエにしてくれ。マジで。

 

 イエスマンではなくノーマンになるにはどうしたらいいのか、床を這いながら考えていると、ぬうっと頭上に影が差した。

 

 イタチか? いや、これはイタチが向かった方とは逆の――俺の背後からきた影だ。

 

 ぞわっと悪寒が走り、思わずその場から飛び退いた。

 

「……その年にしては反応が早いな」

「…………」

 

 いや、誰だ。無機質な印象を与える動物の面をした男が玄関の扉を背にして立っていた。素早くホルスターに手を伸ばし、いつでも飛びかかれるように腰を低くする。

 勝手に人様の玄関まで入ってきたくせに態度がデカすぎる。まあ、それはいいとして……音が全くしなかった。僅かな気配すらも。

 

「うちはスバルか」

 

 不法侵入者は一人だけじゃなかったらしい。動物面をした男の背後から出てきたのは、先ほど頭に思い浮かべていた人物そのものだった。

 

 顔の右半分を分厚い包帯で覆い隠した男が、唯一見えている左目でこちらを冷たく見下ろしていた。

 特徴的な顎の傷跡は生々しく、ごくっと唾を飲む。

 志村ダンゾウ。まさか、根の創設者である彼が、わざわざ俺に会いに来たってことか?

 

「どうやら警戒されているようだ」

 

 コツッとダンゾウが杖を付いた。

 

「アカデミーで、ワシが直々にお前を根に推薦したことを聞かなかったと見える」

「…………」

 

 露骨に嫌味を言われてしまっては警戒を解くしかない。上司になる人間に向かってその不遜な態度は何だって言いたいんだろう。

 そう思うなら、不法侵入する前に呼び鈴を鳴らしてくれたら良かったのに。

 仕方なく、そう仕方なく、俺は低くしていた腰をそのままに、ダンゾウに向かって頭を垂れた。

 頭上で満足げに笑う気配がする。

 

「…………スバル兄さん? その人たちは誰?」

 

 不安げな声に振り返ると、水の入ったコップを持ったイタチが心配そうにこちらを見ていた。

 

「立ってする話ではないのでな。中に入らせてもらうぞ」

 

 明らかに客人のセリフじゃない。戸惑うイタチの横を通り過ぎていくダンゾウとその部下に頭が痛くなった。わざわざ父さんと母さんの留守中を狙ってきたのも、全部確信犯な気がする。

 

 俺は開けっぱなしだった玄関の扉を閉めようと手をかけて、その際に、離れたところからこちらを注意深く伺っている一族の姿を確認した。

 三人いや、四人か。恐らくダンゾウ達の後を追ってきたんだろう。きっと彼らが父さん達に報告してくれるはずだ。

 

 ぴしゃりと扉を閉める。どうしようか。早くダンゾウ達のところへ行かないと、鬼の居ぬ間に家宅捜索とかしちゃってそうだ。

 鬼は俺でも父さんでもなく、母さんのことね。ちょっとでも部屋が散らかってると普段の優しさはどこに行ったんだってくらい怒るんだよなあ。

 

 俺はイタチの横を通り過ぎる前に頭を撫でくりまわして、その手に持ってるコップを受け取った。キンと冷えた美味しい水をごくりと一気に飲み干して、口元についた水分を乱暴に拭う。

 

 よし、決めた。俺は絶対に暗部入りを断るぞイタチィーーッッ!!

 

 

 

 俺が案内するまでもなく、すでに客間で座布団に座っていた不法侵入者二人は、後からやってきた俺を見て「おせーな」という顔をした。

 うん、もう何も突っ込まない。目の前にいるのはこの星の常識が通じない宇宙人だ。

 

「まずはこれら全てに目を通してもらおう」

「…………」

「読み終われば、こちらに拇印をするように」

「…………」

 

 動物面をした男がテーブルの上にいくつかの資料を並べて、テキパキと一つ一つ説明を付け加えていく。

 テーブルを挟んだ向こう側ではダンゾウがこちらをじっと見つめてきている。その視線だけで穴が開きそうだ。自分の家なのに居心地が悪すぎる。

 

 言われるがままに読んだ資料には、根に所属する人間の心構えや情報漏洩阻止のために舌に呪印を施すことなど、自己中オブ自己中な決まり事がずらりと並んでいた。

 おいおい〜、誰がこんなのにサインするんだよ。奴隷契約かと思ったぞ。

 

「どうした。内容に何か不備でも?」

 

 そうだな、まずは人権ってやつを勉強してきてくれ。お話にならないです。

 

 動物面の男が、早くサインしろと言わんばかりに、自分の腕を指でトントンと叩いている。

 もし俺が協調性のある人間だったら焦ってそのまま勢いでサインしてたかもしれない。まあ見ての通りそんなものはない。

 

 そもそも子どもしかいない状況でサインさせるのってどうなの? 普通は先に親の同意を得るべきだと思うんだよ。

 ダンゾウをじと目で睨みつけると、彼は素知らぬ顔でお茶を飲み始めた。こっそり痺れ薬でも入れとけばよかった。

 

「……ワシは、お前の誰にも心を許さぬところを買っている」

 

 やっと話し始めたダンゾウに視線だけで先を促す。

 なんでみんなこぞって俺を孤高に生きる者にしたがるんだ。というか今日初めて会った俺の何を知ってるって?

 

「だが、弟……うちはイタチだったか。例外がいるようだな」

「…………」

 

 息を呑む。まさかとは思うけど、俺、脅されちゃってる?

 

「戦争中、お前たちスリーマンセルには常に根の者をつけていた。弟がそばにいる時、お前は決して敵の命を奪わず、動きを封じることのみに徹していたそうだな。甘い男かと思ったが……弟と完全に分断された直後から、一分の隙も見せずに容赦なく次々と敵の命を奪っていったと聞いている」

 

 そりゃあ戦争なんだから向かってくる敵の命を奪うだろう。俺は兄なんだから、弟の前で出来るだけ殺生しないようにするのも当然のことだ。

 

 ダンゾウが手に持っていた湯呑みをテーブルに置いた。その鋭い目はひとつだけのはずなのに、どうしてか、俺には包帯に隠された右目とも目が合ったような気がした。

 

「根に所属する人間に情は必要ない」

 

 どんよりとした、どこまでも広がる闇が俺を飲み込もうとしている。それは目の前のダンゾウから発せられたもので、指一本すら動かせないほどのプレッシャーだった。

 

 カタカタと膝に置いた両手が小刻みに揺れている。

 

 震えてる……? 鬼神の如く怒り狂った母さんを目の前にしても、まったく(見た目は)動じなかったこの俺が?

 

「しかし、忍が忍であることにも信念が必要だ。ブレることのない、己にとって守るべき根幹とも呼べるものが」

 

 フッと急に体が軽くなった。忘れていた呼吸を再開する。額から冷や汗が滴り落ちていった。ダンゾウの笑みが濃くなる。

 

「うちはスバル。お前にとってそれが弟であるというのなら、こちらからの申し出を断るのは賢明ではない」

 

 その言葉が何を意味しているのかは、言うまでもない。

 

 プツンと何かが切れる音がした。

 

「――ダンゾウ殿。事前に知らせもなく我が家にいらっしゃるとは」

 

 口調こそ丁寧だが、端々にたっぷりとした嫌味を含ませた声が降ってくる。俺は、目の前のダンゾウが苦々しげに舌打ちしたのを確かに耳にした。

 

 人一人分が通れるくらいに開いた障子の向こう側。急いで駆けつけてくれたのか肩で息をしている父さんが、それを悟られぬよう涼しげな顔をして立っていた。

 

 その目がこちらを向いて“大丈夫か”と問いかけてくる。

 いや、大丈夫じゃないです。正直……危なかった。無謀にも目の前の二人に丸腰で突っ込んで返り討ちに遭うところだった。

 それでも、許せない。イタチをネタに俺を強請るなんて。

 

「それで、息子に何か御用でしたか」

 

 父さんが穏やかに問いかける。

 

「……彼を根で預かることになった」

 

 真っ先に反応したのは父さんの後ろに立っていた母さんだった。

 

「どういうことですか? スバルが……まだアカデミーを卒業してもいないこの子が根に?」

「ワシが直々に推薦した。三代目も了承している。あとは彼の同意を待つのみ」

 

 ダンゾウの言葉を受け、父さんと母さんが同時にこちらを向いた。俺は勢いよく首を横に振る。

 まだサインしてないよ! 二人とも落ち着いて!

 

「……同意も何も、あなたの推薦と三代目の許可が揃っているなら決定事項でしょう。それでも、この子の親である私たちに先に知らせがあるべきではありませんか?」

 

 明らかに怒りを抑え込んでいる母さんの口調にかえって冷静になったのか、父さんが「やめなさい」と口を挟む。

 

「いいえ、黙りません」

 

 母さんにぴしゃりと切り捨てられた父さんが怯む。あの、父さんがだ。これには俺も驚いた。

 

「根の噂は存じております。この子が常に木ノ葉の為に動いている暗部に所属することは、親として誇らしい。ですが、スバルはまだ子どもです。そちらに広げられている資料……」

 

 母さんがスッとテーブルに山積みにされている資料に目をやった。動物面の男が肩を震わせる。

 

「私と夫にも、契約内容などが分かるように、一から説明していただけますか?」

 

「……モズ」

 

 ダンゾウが静かに誰かの名を呼んだ。消去法で動物面の男のものだろう。

 

 モズと呼ばれた男が、テーブルに散らばっていた資料をかき集めて母さんに手渡した。……見間違いでなければ、いくつか抜き取って懐に隠した気がする。

 

 母さんが受け取った資料を父さんにも見えるように広げて、二人揃って険しい表情をした。

 そうだよな、とくにやばいやつはモズってやつが抜き取ったと思うけど、十分奴隷契約だよアレ。

 

「スバル?」

 

 テーブルをトンッと軽く指で押す。こちらに注目が集まったところで、俺はにこっと笑った。うまく笑えてたかは別として。

 

《おれ、はいるよ》

「…………彼はなんと?」

 

 指文字が分からないダンゾウが両親に尋ねる。

 

「……入る、と言っているようです」

 

 通訳するのも不服そうな父さんが渋々と答えた。ダンゾウがこちらを向いて目を細める。

 

「ほう、本人がそう言っているのなら話が早くて助かりますな。……やはり、ワシの目に狂いはなかった」

 

 勝ち誇ったようなダンゾウの笑みに、俺の心はどこまでも穏やかだった。

 

 どっかの誰かが書いた兵法書に“彼を知り己を知れば百戦(あや)うからず”という一節がある。イタチをめぐる戦いの火蓋はすでに切って落とされ、俺に残された道はただひとつ。

 

 そう、敵の懐に潜り込み、不安の種を摘み取ることだ。例えすでに種から芽が出て巨大な大木を支える根になっていようとも、俺は掘り起こしてでも根を地面から引っこ抜いて太陽の元に晒してやるのさ! 

 

「スバル……本当にいいの? この契約だとほとんど向こうに住み込みで、滅多に家に帰ってこれないじゃない……!」

「…………」

 

 うそっ、そんなのどこに書いてあった!?

 

「スバルが自分で決めたことだ。……お前を誇りに思う」

 

 いやいや待って、住み込みだなんて知らなかった。イタチと離れ離れになるなんて、そんなの、俺が耐えられるわけないじゃないか!

 

「数日後には卒業試験を受けられるように手配しておく。一週間後の卒業式の後、そのまま暗部の装備部で必要なものを受け取るといい」

 

 用はこれで済んだとばかりに、ダンゾウと部下が立ち上がり、部屋を出て行こうとする。

 

「根はお前を歓迎する」

「…………」

 

 俺はダンゾウの背中が完全に見えなくなるまで、その場で立ち尽くした。

 

 

 

 ***

 

 

 

 太く長い配管がいくつも張り巡らされている木ノ葉の地下は、日の光の一切を受け付けない。

 

 火影直轄の暗殺戦術特殊部隊――通称暗部の中にひっそりと存在する“根”と呼ばれる暗部養成部門の根城もまた、ここにあった。

 

 この薄暗い地下で一体何が行われているのか、太陽の元で暮らす者たちは一生知ることはないだろう。

 しかし、元来忍とは国を支えるために耐え忍ぶ影の者たちのことを指す。全てが必要な犠牲であり、闇に葬り去るべき事実ばかりだ。

 

 深く根を下ろしたこの場所で、闇に溶け込むようにして佇むダンゾウという男もまた影に生きる者である。

 

 コツ、コツ、と硬質な床を杖先が一定のリズムで叩く音が響く。ダンゾウが持ち上げていた杖を彷徨わせ、緩慢な動作で後ろを振り返る。

 

 そこには、動物を模した面をつけた青年が立っていた。青年は手に持っていた巻物をダンゾウに向けて差し出し、その場で膝を折る。

 

「こちらを」

「……モズか」

 

 モズと呼ばれた男はダンゾウが無事に巻物を受け取ったことを確認し、ゆっくりと立ち上がる。その際にバンテージの隙間に忍ばせていた手裏剣が僅かにずれてしまった。

 用意周到かつ神経質な一面を持つ青年は微かに眉を顰めた。

 

「報告は以上です」

 

 見た目より頑丈な紐をするすると解き、両手に巻物を広げる。ダンゾウは報告書に隅から隅まで目を通し、やがて薄く笑った。

 

「よくやった。あのうちはフガクの目を掻い潜って監視を続けるのは骨が折れただろう」

「……いえ、戦争中でしたので。恐らくこちらの気配には気づかれていたと思われますが、他国の密偵との区別まではつかないでしょうから」

 

 ダンゾウがモズに与えた任務の一つが、昨年アカデミーに入学し徐々に頭角を現しはじめた、うちはスバルについて情報を集めることだった。

 

 しかし、モズにはどうしても納得できないことがあった。

 うちはスバルは血継限界を持つ木ノ葉のエリート一族の生まれでありながら、アカデミーでの成績は体術を除き中の下といったところ。

 筆記試験ではそこそこの点を稼いでいるようだが、博識な覚方一族の末裔には及ばず、常に二番手をキープしている。加えて、戦争時の立ち振る舞いも非常にムラがあり、忍に向いているとは到底思えなかった。

 

 幼き頃から心を殺す訓練を積み、目の前の任務を遂行するためだけに生きてきたモズには、弟の前では敵を殺さないというスバルの行動はまったく理解できない。

 意識だけを奪うというのは、単純に殺すよりも難しい。相手が同等または格上の相手なら尚更、“手を抜く”ことが容易ではなくなってしまうからだ。後者の相手に対してそれをやってのけたことは称賛に値するが、状況が状況だけに評価はされないだろう。

 

 そもそも、彼には決定的な欠点がある。――口が利けない忍など、迅速な任務遂行において足枷にしかならない。

 優秀かそうでないか、それ以前の問題だろうとモズは思っている。

 

 評価するとすれば、あのずば抜けた体術のセンスと、弟への配慮さえなければ躊躇なく目の前の敵を一掃できる精神力。そして、すでに写輪眼を開眼しているところだろうか。

 

 部下の心情を敏感に察知したダンゾウは、広げていた巻物を巻き取って整える。

 

「もう一つの進捗はどうなっている?」

「完成にはまだ時間がかかるかと。セキの協力は得られましたが、面を経由して能力を発動させる核の部分に不備が見つかったようです」

 

 モズが二つ目の任務を受けたのはうちはスバルの件と同時期だった。

 

 それは暗部が装着する面に覚方一族の透視系統のチャクラを伝達する装置を組み込み、頭に思い浮かべるだけで設定された機械音声が面から発せられるというものだ。

 表向きは声質で敵に身元がバレないようにするためであったり、万が一喉を潰された場合でも対処できるようにというものである。

 

 ただ、貴重な透視能力を持つ忍はすでに覚方セキただ一人。()()自身の総チャクラ量が少ないこともあり、量産は不可能だ。さらに装置を起動させ続けるには、面を装着している人間のチャクラを大幅に消耗する。

 

 このような無理をしてまで面の完成を急がせる意図をはかりかねていたモズだったが、このタイミングでダンゾウが態々面の話題を出した理由に気づかぬほど愚鈍ではない。

 

「……まさか、あの面をうちはスバルに与えると?」

 

 ダンゾウは隠そうとしているものの明らかに狼狽している部下を見て、くつくつと笑った。

 

「あの幼さで写輪眼を開眼する逸材だ。ただ声を出せないというだけで埋もれさせてしまうには惜しいのだ」

「しかし、」

「うちは一族は以前から怪しい動きを見せている。駒は一つでも多く手元に置いておきたい。――何より、あやつは家族以外の一族をひどく憎んでいるはずだ」

 

 うちはスバルが一族の人間から疎まれているのは周知の事実であった。

 アカデミーに入学してからは周囲の見る目も変わっていき、今では表立って非難の声を上げる者は見られないが、それでも完全にいなくなったわけではない。

 

 誰よりもただ愚直に強さだけを求めてきた一族の気質は、決して異分子を認めない排他的な一面も併せ持つ。スバルがこれまでにどのような仕打ちを受けていたかは想像に難くない。

 

「うちはスバルのアカデミー復帰よりも先に手を打つ。根回しを頼んだぞ」

「はい、ダンゾウ様」

 

 すぐに任務に取りかかる為、モズは瞬身の術であっという間にその場を後にした。

 

 

 三代目火影であるヒルゼンには「優秀な人材を早めに確保しておきたい」といった名目で半ば強引にスバルの早期暗部入りの許可をもぎ取った。

 スバルの両親が揃って木ノ葉病院に向かったと報告を受けたダンゾウはすぐさま行動に移した。

 

 二代目火影の時代から角が立たぬよう慎重に里の政から遠ざけてきたこともあり、うちは一族の中には、今になってようやく木ノ葉上層部へ不信感を抱き始めた者も少なくない。

 

 現に、ダンゾウとモズが彼らの敷地内に一歩踏み込んだ瞬間から監視の目がぴたりとくっついて離れなくなっている。すぐにフガクの元へ報告がいくだろう。

 

「急ぐぞ」

「はい」

 

 そうしてダンゾウとモズは当初の予定よりも随分早く、うちはフガクの住居へ不法侵入を果たしたのであった。

 

 

 モズにとって、うちはスバルとの初対面は予想外の連続だった。

 

 基本的には冷静で落ち着いた人物といった印象を抱いていたのに、彼は玄関先で溶けたアイスのように力尽きていた。

 

 ……こいつは一体何をしているんだ?

 

 モズとダンゾウの心情が一致する。

 

 すぐに本来の目的を思い出して、何事もなく話を進めた二人はやはりプロである。

 そのまま自然な流れで客間まで足を踏み入れ、どこか不機嫌そうな少年に一部忍雇用法を無視した資料を読ませることに成功した。

 

 モズが二度目の異変に気がついたのは、ダンゾウがスバルに向けて分かりやすい挑発をした時のこと。

 

 戦争に参加した忍とはいえ、まだまだ幼い子ども。ダンゾウの殺気に微かに全身を震わせたスバルに同情していたのも束の間、彼はゆっくりと腰を浮かせて、明らかにモズとダンゾウに攻撃態勢を取り始めたのだ。

 

 結果的にうちはフガクとミコトの登場により未遂に終わってしまったが、モズの心臓はドクドクと騒がしいまま落ち着きそうにない。

 

 スバルは相変わらず無表情のままだったが、あの目は本気だった。本気で、モズとダンゾウを殺そうとしていた。

 この圧倒的な実力差が分からないわけではないだろう。そうなると文字通り死ぬ気で立ち向かおうとしていたことになる。

 

 あまりにも無謀で愚かな行為だ。

 この少年が根に所属しても、余計な諍いの種が増えるだけな気がする。

 

 モズは懇願するように隣に座るダンゾウを見たが、彼はひどく満足げにスバルを見つめていた。ああ、これはダメだ。モズは全てを悟る。

 

「根はお前を歓迎する」

 

 決定的なダンゾウの言葉を受け、モズはまずは新入りの性格矯正から頑張ろうと心に決めた。

 

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