歌を聴いた。この水晶の中で。
過去を知って、未来を知って、
―そして、それを誰かが邪魔をする。
誰だ?私にジャミングをかけるヤツは……?
世界が
ああ、もうっ!
この野郎…………、
あれ……?というか……。
~~~~~
『第一レース、『ハイエスト・タワー』から『ボーダー・ザ・ミラダンテ』区画一位通過者を発表します。一位は、『ブランカ・サンダーボルト』、『アイリッシュ・ブルージェット』の同率一位となっております。』
機械的で適度に大きいその
「一位って……、アタシ達、一位ってことだよな……。」
「そうっちゃそうだけど……。」
命がけの逃走の果て故か、ゴールライン近くで寝転がっている二人は顔を見合わせる。
そして、起き上がってハイタッチ。
「「う~~!やったぁ~~~~!」」
ふと、喜びの後にアイリがある事に気づく。
「そういえば、水文明のゴール地点って『V・バミューダ』とかなんとか…そういう名前のところじゃなかったっけか?」
「ええ…確か……、あの辺りは最近はおとなしくなったってヴィーヤ先生から聞いたけど、またおおしけが戻ったのかな。」
そう会話していると、太く、暗い声が聞こえた。
「かけっこ遊びはここで終わりでございます。ブランカ様。」
「ッ!!」
辺りを見回すと、舌の根も乾かぬうちに赤く光る鋼を纏う兵隊が9、10人
気が付くと、二人は火文明の衛兵に囲まれていた。
「ブランカ・サンダーボルト王女並びにアイリッシュ・ブルージェットの両名に告ぐ!我らが長、トニトゥルム・サンダーボルトの勅命によりブランカ王女の保護、強制帰還及びアイリッシュ・ブルージェットの捕縛を行う!二人とも神妙にお縄についていただこう!」
最新型の武器である、火を噴く鉛玉の弾を放つ変わった形の弓を両手で構え、じりじりと二人に近づく。
咄嗟の出来事にテンパってしまうアイリ。
「ひょえ~!!こりゃやばいよ~!ブランカ…あのさっきのヤツで何とかなんないか?」
「
気が付くと、バイクは火の衛兵によって既に押収されていた。
「ああ……私の夢も……」
「ああ……アタシの新婚ラブラブデートも……」
「「ここで終わっちゃうの~~~~!?/終わっちゃうのかよ~~~~~~!?」」
その時、今度は澄んだ声が上の方から聞こえてきた。
「いいや、終わらせないよ。ブランカ君、と、――アイリ君だったか。」
声の主はヴィーヤ・ドレッドノート。着地するや否や、衛兵をすぐさま縛り、行動不能にして見せた。
刹那ほどの時間で、体勢を立て直したアイリがすぐさま構える
「ヤローッ!またブランカを!」
「ああ、いや。今回はそういうのじゃないんだ。『話が変わった』ので、君たちと取引を、と。」
「!?」
ヴィーヤが説明すると、虚空から光文明のクリーチャーらしき者が現れた。
「じゃあこの子たちを連れて行ってくれ。」
『了解しました!それでは、ハイ、ピョーン!!』
「わ、ちょッ!ヴィーヤ先生、待って―。」
二人は気が付くと、光文明の使者に連れていかれ、虚空に消えていった。
そして、あっという間に謎の空間に到着する。
「これはこれは、ブランカさんとアイリさん。来てくれたんですね! ラブ・オラスもご苦労。」
「そうですよ!お二人とも、火の衛兵に囲まれて、大変だったんですからね~!」
ブランカが尋ねる。
「ヴィーヤ先生、この人たちは一体…………?」
「ああ、この人たちはアルズ・エイブルとラブ・オラス。光文明の中枢部『
~~~~~
―最初に、何故?という疑問が立った。
「『そういう空間なのに』、とでも考えてそうな顔だね。」
どんな顔だ馬鹿垂れ。
「―名を名乗れ。そしてどっかに行け。」
「そうだね。……サジェス、と呼んでほしい。
どっかにはいかない
「何故ここに来た。」
「来た、よりも来てしまった、が正しい。あえて君の性質的に言うと、『ネットサーフィン』ってやつだね。」
「ならさっさと帰れ。癪に障る。」
「私も、ちょうど別件ができたところだ。今日のところはひとまず帰ることにするよ。」
自分勝手な奴だ。せめて静かに去って行ってくれ。
「――さて、明日のテーマは、『防衛機制』かな。」
~~~~~
「では、お話をしましょう。どうぞ。こちらにかけて。」
アルズは指を鳴らすと、すぐさまに机と椅子が現れた。
「……。」
「(どうします?アイリ。)(だめだ。3VS2だ。
アイリとブランカは黙って席に着く。
「―よろしい。さて、あなた方に来ていただいたのはほかでもありません。」
その次の台詞に、二人は驚愕した。
「この世界を救っていただきたい。」
「…………??」
「なぁ……それってどういうことだ?」
そういうと、次に出てきたのはヴィーヤだった。
「そこは僕が説明しよう。」
二人の視線がヴィーヤの方に向いた。
「上の神託により、このデュエルマスターズをきっかけに、世界が崩壊するという未来が見えた。」
「神託って、『アカシア』からですか?」
「ああ、我々水文明は結晶型時間演算装置、『アカシア』の神託からデュエルマスターズの後にとてつもない大きな出来事が起きて、そこから世界が
アルズがすかさず補足をする
「光文明的には厭戦ムードを出して闇と和平を結びたかったのですが……。いやはや。
訝しむアイリ
「光の方のダンナはいいけどさ、それだったらわざわざアタシ達に手ぇ貸してもらう必要ないんじゃないか?」
ヴィーヤが答える
「目的の話かい?それは……。」
アイリが遮る。
「そうじゃなくてよ。報酬だ。言っておくけどアタシは光文明に恨みさえあるし、アンタらの目の前にいるのが、よその国のテロリストだっちゅーことを忘れないでほしいね。……あまり言いたくはないけど、『人質』もいるし。」
アイリはブランカの肩をわしっ、と掴む。
「ええ、『ガイハート』、欲しいんでしたっけ?渡しますよ。」
「…………。」
あまりのあっさりさに呆然とする一同。
「……いや~。怒りてぇんだが、怒りすぎて怒る気になれねぇ。一周回っちまったワ。」
「私も驚きましたわ……。」
「僕もだ。光文明にとって大事なものじゃなかったのかい?」
「それで平和と秩序が維持できるならそうですが、他にも方法はあります。今回のレースは、『第二の道』もかねての開催ですからね。」
アルズは、ブランカに話を振る。
「―で、ブランカさん。あなたの条件をお伺いしたいのですが。」
ブランカは、暗い顔で答えた。
「―私は、受けません。そのお話。」
「ブランカ君……?」
「私は、このままレースを