モルカーを飼うゾ   作:青色好き

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モルカーを飼うならポテト・チョコ・ハンバーガーモルカー・寿司モルカー・ジーニー辺りです。
今話でモルカーの名前が決定します。


第3話 モルカーがおうちにやって来たゾ

 太陽光が春日部の町に降り注ぎ、街路樹や道端の草花が光合成を活発に行っている。昆虫達も餌を探しに至る所を歩き回っている。子供達は商店街に行ってお菓子やおもちゃを買いに行っている。

 

 そしてシロは小さな犬小屋でぐっすりと飼い主達の帰りを待って昼寝している。

 

 主人であるしんのすけ達はたまに餌やりや散歩を忘れてしまう事があるものの、シロの事を大事に思っている。それ故にシロはしんのすけ達の事を大切に思っている。今まで様々な危機をしんのすけ達と共に乗り越えてきた。シロも野原一家の立派な一員なのだ。

 

 

 

 

 

 そして、今日……

 

 

 

 

 新しい“家族”がやって来た。

 

 

 


 

 

 

 匂いがしたから起きて門の穴を覗く。飼い主達(野原一家)が帰ってきた。何時もの風景だが、飼い主であり自分の拾ってくれた主人(野原しんのすけ)はかなり嬉しそうな表情をしている。美人の女性に出会えたかチョコビを買ってもらったか、何か嬉しい事があったのだろう。主人の妹(野原ひまわり)もわいわい騒いでいる。

 だが主人の両親(みさえとひろし)はどうも複雑そうな感じの表情をしている。何があったのだろうか? 確か車を廃車にして新車を買うと言っていたような…… 愛車を手放すのが惜しいのか? それとも変な新車を買ったのだろうか?

 主人の両親(みさえとひろし)の表情の疑問は解けない。一体何なんだろう?

 

 

 

 

 

 だが、その答えが直ぐに分かった。

 

 

 

 

 

 巨大な“車のような生物”が主人達に少し遅れてやって来た。

 

 

 

 

 

「キャン!?」

 

 

 

 

 

 あまりに不可解な事態に、つい奇妙な鳴き声を出してしまった。

 

 

 


 

 

 

「本当に買っちゃったわね……」

 

「あぁ、タダだったけど……」

 

「たいや~!」

 

「母ちゃんの好きな“タダ”で買えたんだから幸せだゾ~」

 

 しんのすけとひまわりは随分嬉しそうだがひろしとみさえはこれで正しかったのかと自問自答している状態だ。タダなのは確かに嬉しい。ローン払いで安月給の身としては金を払わずに済むのは出費が抑えられるので良い事ではあるのだが……

 

プイ~

 

 後ろに附いてくる新しい新車(モルカー)を飼う事になったのだ。

 何せ新車は生物。本当に上手く飼えるのか不安がある。北与野博士は後でやって来てモルカーのより詳しい飼育方法を教えるというが、何せ最近見つかった生物の飼育は責任感を感じてしまう。

 

プイ! プイ!

 

「ハハ、見た目は可愛いんだよな。人慣れしているみたいだし」

 

「た、確かにそうね……」

 

 元々人に飼われていた事もありしんのすけ達の言う事はきちんと従っている。それにくりくりとした黒い目・小さい足を動かす様子・車をデフォルメにしたようでおもちゃのような見た目は可愛らしさを醸し出している。少なくともみさえとひろしはモルカーを「可愛い」と思っている。

 

「ここがオラのおうちだゾ!」

 

プイ~!

 

 しんのすけが玄関の前に着く。するとモルカーは自分の新しい住処に喜び、「プイ!」と鳴き、口も縦に開いている。

 

「トイレとかどうするんだ?」

 

「確かに……」

 

「それなら心配いりません!」

 

 やや大きな声が後方からしたので振り返ると、そこには北与野博士が書類を持って立っていた。書類の文章とイラスト・写真が幾つか載せられているが、どうやらモルカーに関する事が書かれているようだ。

 

「よ! 博士!」

 

「やぁ、しんちゃん! さっき着いたんだ!」

 

「たいや!」

 

 しんのすけとひまわりは元気に挨拶する。

 

「あの、博士、心配ないというのはどういう事ですか?」

 

「モルカーの餌は少量なので排泄も少量で済むんです! 犬よりも少ないです!」

 

 北与野博士曰く、モルカーの排泄はかなり少量のようだ。

 

「父ちゃんも母ちゃんも、背中を括るんだぞ!」

 

「それを言うなら腹を括る! う~ん、試しに飼ってみるか……」

 

「そうね。ここまで言われるとね……」

 

 みさえとひろしはモルカーを飼う事に消極的であったものの、ここまで来て遂に飼育することに決めた。愛する息子と娘もモルカーの事を気に入っているし、そのモルカーも可愛らしい見た目なので二人共心の中では何処か気に入っているというのもあった。

 

「それじゃあ、シロにご挨拶をしておくゾ! シロ~! シロのコーハイだゾ~」

 

「フガ!?」

 

 しんのすけは何時の間にか連れてきたシロにモルカーを見せる。シロは自分より大きな巨体の生物相手にビビっているものの、当のモルカーは

 

プイ~

 

 シロを興味津々な様子で見ており、親し気な表情をしている。どうやらシロと仲良くなりたいようだ。

 

「ク~ン…… アン!」

 

プイ!

 

 シロもそれを薄っすらと理解したのか、怯えるのを止めて話しかけるかのように鳴いた。モルカーもそれに呼応するかのように鳴いており、その声色に警戒や敵対の意思は見受けられない。2匹とも意気投合しているようだ。

 

「そういや名前をどうするか……」

 

 飼うとなれば必要となるのは名前だ。「プイプイ」や「モルカー」は生物名なのでそれを名前とするのは如何なものか……

 

「う~ん…… そうね、白色と薄茶色だから、合わせて『しーちゃ』とか?」

 

「俺は『ファイン』とか? 元気な様子だし、『元気』は英語で『Fine』て言うだろ? かっこいい名前だろ?」

 

 みさえとひろしは名前の案を出している。すると、しんのすけはある名前を思いついた。

 

「おぉ、そうだ! アンジェリーナ2世だゾ!」

 

「「アンジェリーナ2世?」」

 

プイ?

 

 しんのすけの提案にみさえとひろしは?を頭上に浮かべ、モルカーはしんのすけの話に耳を傾けている。黒い煌びやかな瞳もしんのすけに向けている。

 

「父ちゃんの車の名前が『アンジェリーナ』だから、次のお車は2世になるゾ! だから『アンジェリーナ2世』だゾ!」

 

「いや、もっと良い名前を……」

 

プイプイプイ~!

 

「あれ? 気に入ってるの?」

 

プイ!

 

 しんのすけの考えた名前をかなり気に入っているようだ。モルカーからすればしんのすけの考えた名前はかっこ良く聞こえるのだろうか?

 

「気に入ってるんなら…… それにするか……」

 

「そうね。かなり喜んでるみたいだし」

 

「よ~し! 新しい名前は『アンジェリーナ2世』だゾ!」

 

プイ~!

 

 こうして名前は正式に「アンジェリーナ2世」と決まった。モルカーは体を上下に動かして喜びを表現しており、北与野博士はその様子を微笑ましく見ている。ひまわりは歓迎するかのように両手を動かしており、シロは尾をふりふりと動かしている。

 

 こうして、野原家とアンジェリーナ2世の生活が始まった。




次回は2022年1月22日12時00分に投稿予定です。
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