暑くもなく寒くもないこの季節
"秋"良いものだ
この時期が一番体を動かせる
ちょっとだけ訓練の視点を変えて、マット運動でもしてみるか
この時期で将来の生死を分けると言っても過言ではない
リリィ達にはしっかり動いてもらおう
暑い夏を超え、快適な環境になった今
まさか秋がこんなに楽とは思わなかった
夏とは違い、暑くないので仕事が捗る
捗りすぎて(?)朝というのに今日の仕事は終わっている
あとは午後の訓練のみ
てかいい温度だから眠い
自室だしちょっと寝ても問題はないかな…
いや流石にダメだな、やめよう
あと数時間何をしようかなー
ナイフの手入れでもするか…
ああダメだ、眠くなってきた
まじでやばいかも
今にもベットに行きそうだ
僕はもう既に後ろにあるベットの方を向いていた
そして数秒後
僕は立ち上がりベットの方へと向かう
しかしそれを妨げる物があった
「ん?電話?」
机に置いていたスマホがバイブレーションで揺れている
僕はそれに反応し、スマホを手に取る
相手の電話番号を確認し、電話に出る
電話に出ると相手から先に口を開いた
「防衛軍本部です、リエスタ一等陸佐でございましょうか?」
「ああ僕がリエスタだ要件は?」
本部からとはな…
相当な事がない限りは電話は来ないはずなんだが
「上官からの命令であなたへの報告をしに」
「おお、それはお疲れさん」
少し間が空き変な空気になるが相手は構わず喋った
「昨晩、本部に反乱軍が押し寄せ反乱軍数人を逮捕、他数名は逃してしまいました」
どうでもいいと思ってしまった自分がいる
「反乱軍にご注意を」
「了解」
反乱軍…1度戦った事があるな
「2つめは重要です」
少し声のトーンを下げている
「アメリカのリリィと我々日本のリリィとの合同訓練が確定しました」
相手から伝えられたのは衝撃な言葉だった
「え?ど、どこで?」
「もう使われなくなった街だそうです」
「誰が提案を?」
「防衛大臣とアメリカの大統領が」
2人が提案か…
これは防げねぇな
「秋の合同訓練です楽しみですね」
「防衛省にも変な冗談を言うやつがいたとはな」
「私堅苦しいものは苦手なので」
「そうだったな」
「なんですか?知った口きいて」
「誰が育ててやったと、思ってる…」
急に話は変わるが僕と今の相手はクロエと一緒で僕が訓練を担当した人間だ
仕事が素早く正確にでき、部隊に1人はいて欲しい人材だが
生憎こいつは命令違反をした悪い人間だ
まあだから僕が育てたんだけどな
僕の部隊にいたのは"ゴミ"という扱いを受けた者だけ
くせ者の集い
なんて言われたりしてた
「今は上手くいってんのか?」
「ええもちろん、私は昔と違いますから」
「ホントか?」
「1回死にますか?」
「おいおい上官に向かってなんていう口の利き方だ」
「いいえもうあなたは私の上官ではありませんし、年齢で言えば私の方が上です」
「そうだな、確かに僕はもう君の上官ではないし年齢も4年くらい上だったな」
「セクハラですか?訴えますよ」
「お前が先に言ったんだろ…」
今こいつは僕の元を離れ、また別の人と働いている
こいつにあう仕事が見つかって良かったよ
「覚えてるか?僕らがあった日」
「昔話はおひとりで、それと"僕"って言うんですね」
「俺の方がやっぱりいいか?」
「いいえキモイと思っただけです」
なんてやつだ…
「もうひとつ報告があります」
「なんだ」
食い気味に答え、相手の回答を待つ
もうひとつ?
「これは信じたくないし私の予想ですが、この前あなたが応戦した仮面を着用しマントのような物で姿を包んでいた人なんですが……」
「ああ、あれか」
なかなか強かった人だな
逃がしてしまったやつだな
「私の予想ですよ?」
「自信ない時のその弱そうな声やめろって防衛軍の時言ったよな?」
「!すみません」
「分かればいい、話続けて」
はあ…ほんとにこいつは
「防衛軍の中にその人がいるんじゃないかって思います」
衝撃的な言葉パート2
どうしてだ?何故こいつはそう思ったんだ
「なんで思ったんだ?」
「え?えっーと……」
相手は少し間を空け答えようとする
「だって……あ!すみません!次の仕事に移ります」
上官に長電話とでも言われたのか、謝りの言葉を投げる
「すみません、私もう次の仕事にいかないといけません」
「ああ分かった今日はありがとう」
「いえこちらこそ久々に話せて楽しかったわ」
と言い残し電話を切る
「あいつの声久々に聞いたなー」
電話を切ったあと僕は椅子に座りながら懐かしさを感じていた
「あいつとあったのは……あの日か」
ある雨の日だった
ザーザーと、とても強く物や人を叩きつける雨
とても冷たい空気
防寒着を着てないと死ぬレベル
俺らはあるラーメン屋から出てきたところだった
「今日はさみぃーのー、レンさんよ」
「奢ってやったんだらかこれ以上の要求はするなよ?蒼良」
蒼良は着ていたコートに手を突っ込み寒がっていた
「てか今日雨すげぇーなー」
「そうだな冬の癖に」
手を傘の範囲外に出し雨を確かめる
「痛いか?」
「強いな、明日はヒュージでも来るかもな」
「やめろ仕事増えるじゃねぇか」
ぜってぇ向いてねぇだろこの仕事
「ここらにいる方々は大変だな」
あたりを見渡しながらいう蒼良
「そういう方々もしっかり対策して生きてんだ、あんまりそういう言い方するな」
「そうだな、お前の言う通りだ」
俺に何が出来るかと言われてもなにも出来ないが野宿している人をバカにするのは違う
「なあレン」
「どうした蒼良?」
歩いていると急に声を上げる
僕は立ち止まり後ろにいる蒼良の方をみる
「トイレ行きたいんだけど行っていいかな?…」
「我慢出来ねぇのか?」
「もー無理ー!」
そう言って蒼良は俺の許可なしで近くのコンビニに大急ぎで入っていった
ラーメン屋で行っとけよ…
俺は仕方なくコンビニの駐車場で待つ
「暗いな…」
電灯3本くらいで照らされている駐車場
そうとう貧乏なんだろう
俺はなんとなくあたりを見渡そうと少し前に出る
前に出るととても暗い街中
そしてどこからか聞こえる鳥の鳴き声
「鳥さんも大変だな」
夜空を少し見ていると横から足音がした
俺はその方向をみた
だがしかし、もう遅くその人とぶつかってしまった
俺は耐えたがその人が前に倒れてしまう
「あ!すみません!お怪我は……」
俺はその人の方にしゃがみ無事かどうかの確認をした
しゃがんだ時その人は僕にしがみついてきた
その人は息がもう切れていて最後の力で俺に言ってきた
「たぁ…す…けてぇ…」
涙目になり、頬にはところどころにアザが出来ていた
俺がその人を見ていると後ろから声がした
「はーやっと追い詰めましたね!兄貴!」
後ろを見ると大男と子分のような男の人が
「ああほんとだよ…疲れたぜメスガキ」
この女性に言っているのかその汚ねぇ言葉
「おい!ガキ!捕まえてくれてさんきゅーな、ほらとっととそのメスを渡せ」
なんだろうな、こんな奴らに渡してはいけない気になった
俺は女性の事を抱きながら立ち上がる
「君たちとこの人の関係は分からないが流石に渡せない」
「部外者が何言ってんだ?!おらぁ!!」
顔の距離を縮めてくる大男
俺はそれになんの感情も抱かないまま話し続ける
「この人は助けを求めていた見捨てる訳にはいかないでしょ」
「このガキィ!」
「兄貴、言っても無理みたいですよ」
「仕方ねぇ!やっちまおうぜ!」
俺はやる気にはならなかった
今ここでやれば俺は退職だ
一応幹部だからな
「やめてください俺は喧嘩なんて出来ません」
「うるせぇよ!お前の都合なんて知らねぇんだよ!」
「はあ…言っても無駄ですか…」
俺はポケットからあるものを出す
それを2人にみせながらこういう
「防衛軍幹部です、これ以上手を出す場合は法的措置を取らせていただくことになりますがよろしいですか?」
「か、幹部?!!」
「おいおい!ビビってんのかよ?w」
「違いますぜ兄貴!こいつ防衛軍幹部の中でもトップの力を持ってるっていう…」
「な、まさか!」
「ご存知でしたか、そうです俺がレン・リエスタですが何か?」
「ひぃ、ひぃぃぃ!し、失礼しましたぁぁ!!」
「あ、兄貴ぃい!!」
2人は腰を抜かして逃げていった
「こういう時に大事だよな、防衛軍証」
「すみません、大丈夫ですか?」
「………」
女性は泣いており何も答えない
そうとう怖かったのか…
「ほい戻ったz…って何やってんだよ!」
「人助けしただけだ」
「お前…女を抱くことを正義って思ってんのか…?」
「んな訳あるか、おいお前も手伝え」
俺は傘を捨て、女性の腕を肩にかける
つかさず蒼良も傘を捨て肩に腕をかける
「この人、どうすんだよ…」
「とりあえず駐屯地まで運ぶ」
「はいよ」
俺らは上官の許可を得た上で駐屯地の空いてる部屋までその女性を運んだ
今は寝ていたのでベッドに寝かせる
「とりあえず俺は部屋戻るよ」
運び終わった途端、蒼良は眠そうにする
俺は「寝てこい」といい部屋に残る
「さてどうするか…」
まだ名前も聞いていない人を連れてきてしまったが、先の事を考えてなかった
でも明日になるまで分からねぇよな
仕方ない、今日は寝よう
俺は近くにあった椅子に座る
するといつの間にか眠りに落ちていた
「い、レー……起き…ろ…」
俺は体を揺さぶられながら起こされる
「…ん?もう朝か…」
「そうだもう寝る時間は終わったよ」
ほんとに蒼良は朝起こすのがはやいよな
まだ6時だぞ?
まあいいや
それより女性の方は…
「まだ寝てるよレン」
俺がスっと起き上がった瞬間に蒼良は察して女性の状態を伝える
「そうか…てかまじまじ見てなかったからか、案外この人美女だな」
「おお、お前が認める美人さか」
「俺が認めたところでこの人はなんも嬉しくないと思うぞ」
「…おっぱi…ぐはぁ!」
「変なこと言おうとすんじゃねぇ」
いきなり、変な事を言い出したので軽く腹パンをした
「な、なんでだよ!あれがデカいって言おうとしただけじゃないか?!」
「それがダメなんだよ!」
俺は「はぁ」とため息をつく
「や…やっぱり私の体目的…?!」
「そんな事ないじゃないか!俺は蒼良幹部だぞ?そんな訳……」
「な!」
「え?」
「うぇぇぇ!!起きてたぁぁぁ!!」
「お、起きてましたよ!」
蒼良が大声を出しそれを上手く捌く女性
「お嬢さん!今の会話は聞かなかったことに!」
「は、はい…大丈夫ですけど…そのやっぱり体目的なんですか?」
「お嬢さん、僕らは防衛軍の幹部を務めている人間だ、そんな目的でここに連れてきた訳ではない」
俺は証明書を見せながら安心させる
女性は「はあ…良かった…」とボソッと呟く
「蒼良、とりあえずなんでもいいから飯持ってこい」
「は、はぁーい!」
蒼良は勢いよく外へ飛び出していく
食堂にそんな大急ぎで行くものかな…
そんな事はどうでもいい
今はこの女性の事だ
「お名前は?」
紙とボールペンを持って質問を始める
「私の名前は…咲楽結月といいます」
紙にメモをとった事を確認し、次の質問に進む
「年齢は?」
「22です」
俺と4年差か…
「職業は?」
「監禁されてて…」
監禁?監禁されてたのか?
「誰に?」
食い気味に質問すると
「あの男2人です」
食い気味に答えてくる
あの男達か…ま、そこらへんは警察にやってもろて
俺が首を突っ込んでいいものではないだろう…
「今は無職って事か?」
「は、はい…」
恥ずかしそうにするも、俺はそんなことを気にせず質問をし続けた
「男達との関係は?」
「風俗店で働いてる時に…出会ってるので一応定員と客です」
「何歳から働いてた?」
「18です」
違反か違反じゃねぇのかわっかんねぇな
俺は物知りでもなんでもないし
一応法学部だったけど飛び級したかっただけだから忘れちまった
しかもこういう接客の法律はやってなかったし…
「質問は以上だ、おつかれさん」
「は、はい…」
困った顔をする咲楽
「どうした?」
俺はそれに気づき質問する
「私…これからどうしようって思って…」
そうか、仕事が無かったのか…
んーどうしようか
俺が一緒に探せる訳でもないし
家に留まらせる気もない
てか俺の家には留まりたくないだろう
……どこかの施設に飛ばすか…
ああ、いやそれじゃまたこんな目に合うかもしれない
なら答えはひとつか…
「なあ咲楽」
「はい?」
「人を助けたいって思ってるか?」
「…難しいですね…」
「難しい?」
「はい、こんな私が助けれるのか…」
なるほどな…助けたいけど私には無理って感じの人か
だったら尚更…だな
「なら俺が強くしてやる」
「え?」
「俺は幹部だ、素人を戦えるくらいまでは育てられる」
「わ、私に防衛軍になれと?!」
俺は手を差し伸べ勧誘をする
「黙って俺の手を取れ、もうお前には後がない」
その時だった
こいつは笑顔で泣いていた
初めて笑っているのをみた
美しいな、それだけありゃいいのにな
咲楽は俺の手を掴み
「よろしくお願いします、レン幹部」
了承する
俺はそれに一瞬ドキッとしたがつかさず
「ああ、よろしくな咲楽」
という
「ほいよー飯持ってき……っ!お前まさか!もう付き合っているのか?!」
俺と咲楽の空間に入ってきたのはトレイを2つ持った蒼良だった
俺と咲楽は同時に手を離し顔を赤らめる
「うるせぇ、俺と咲楽はそんな関係じゃねぇし、あと咲楽!なんで俺の名前知ってんだよ」
「さ、さっき見せてくれたじゃないですか!」
「おい!そんな事どうでもいい!おい!レン!俺が狙ってたんだぞ?!」
「だから俺は別にそんな気はねぇよ!」
「やっぱり体目的…?!」
「違うよー!あ、でもレンは体目的!」
「馬鹿野郎!勘違いされるだろうが!」
咲楽は笑っていた
こいつには笑顔を絶やさないで欲しい
そのためにも俺も努力しないとな
咲楽、俺が絶対強くしてやる
「今考えるとすんごいストーリーだな…」
天井を見ながら関心する
「まさかあんなひ弱な女性が今では俺と同等レベルになるとはな…」
俺が優秀だったのかあいつが優秀だったのか
あるいはどっちもか
「どっちでもいいや」