「分かった、百合ヶ丘までは俺1人で行く」
「いやダメだ、出江さんの言葉を忘れたのか?」
「忘れてなんかいないよ、しかもここから百合ヶ丘まではヒュージしかいない、つまりリリィへの影響は0、殺す相手もいなければ俺も殺しはしねぇ、それに元々君らを殺す気はないしな」
「…我々一柳隊はここを死守します、レン先生は百合ヶ丘まで後退を」
「ちょっと梨璃…」
「責任は私がとります、私はこのレギオンの隊長です」
理解がはやい隊長で良かった…
とっとと百合ヶ丘に戻ってヒュージを討伐しないとな…
それにしてもなんだこの林は
なんでこんなに沢山あんだよ
このせいで視界が…!
「くっそぉ!」
横から急に飛び出てきやがって…!
なんで今ここにヒュージがいるんだよ!
百合ヶ丘に向かってるはずじゃないのか!?
俺の前にはヒュージが一体
所々からガサガサという音が聞こえる
あと何匹かいるだろう
ここで討伐するのもありだが百合ヶ丘が心配だ
ここは上手く切り抜けよう
俺は走り出した
木の枝を利用しヒュージの攻撃を上手く躱す
「案外動きが単純だな」
どのヒュージも対象にしか目がいってない
俺は急いで百合ヶ丘に戻った
道中ヒュージの攻撃に合うも、上手く躱す
だがヒュージは俺の事を追ってきていた…
「やっと百合ヶ丘が見えてきた…まだここにはヒュージは…!!」
百合ヶ丘が見えたと共にヒュージも見えた
百合ヶ丘に残ってるリリィ達が心配だ、急いで行かねぇと!
「よっ…と、やっと着いたここの状況は…」
「キャー!!!」
!悲鳴?!
俺は悲鳴の元へすぐに駆け寄った
「お、おい!無事…っ!なんだよ…これ」
俺は膝から崩れ落ちた
悲鳴の主は無惨に殺された
それだけではない他のリリィも刺殺されたりしている
そこらじゅうに屍が転がっている
「な、な、なんでだよ…リリィは最前線でヒュージと戦ってたんだろ?なんでこんなにも無惨に…っ!あったま痛ってぇ」
なんだこの頭痛!まさかあん時を思い出したのか?にしても痛すぎるぞ
この屍達を見て俺が殺人鬼だった頃を思い出す…
あの時何人殺した?どれくらいの人間を悲しませた?
「ああ!もう訳わっかんねぇよ!っ!クソ!治れ!治れ!」
頭痛は痛みを増していく一方
心の整理が追いついていかない、本当に訳が分からない
「先生!助けて!死にたくないよ!先生!先生!」
どこからか分からない助けを要請する声
「くっ!待ってろ!今助けてやる!」
俺は手を開きヒュージにマギを当てる
見事ヒットし、リリィを助けだす
俺はまだ立てない、頭が痛すぎる
「君はまだ生き残っているリリィを救ってきてくれ」
「え?教導官をここに置いてですか?」
「俺なら大丈夫だ、さあ行け!」
「了解しました!」
俺はとうとう倒れ込んでしまった
まだ頭が痛い
後ろで戦っている音が聞こえる今すぐにでも助けてやりたい
だが体が重い…重すぎる
こんな事になるんだったら殺人鬼なんかならなかったら良かった
「!先生!ヒュージが1体そっちに!」
猛スピードでこちらに向かってくるヒュージ
「先生!はやくしないと!きゃ!」
よそ見していたリリィがヒュージの攻撃をくらった
お互い戦闘不能
「てぇえい!」
なんだ…目の前にいたヒュージが倒れて…
誰だ…この子
青髪ロングの女性?こんな子いたか?
いや、工廠科にいたような…
「立てますか?」
手を俺の方に出し、笑顔で言ってくる
俺は手を借り立った
まだ体は重いがさっき程ではない
「ありがとう」
「いえいえー」
やり取りをしているとまたもやヒュージが突撃してくる
俺は足にマギを集中させた
ヒュージが突進すると同時に蹴りを炸裂される
ヒュージは真っ二つ
「!そうださっきのリリィ!」
駆け寄るとそこにはもう瀕死のリリィが…
「大丈夫か?」
「ダメっぽい…嫌だよ死にたくないよ…」
涙を流すリリィ
「ありがとうな、我が戦友よ、ゆっくり休みたまえ…」
号泣するリリィ
まるで赤ん坊のようだ
「何言ってるんですか?!この子はまだ…」
「真島さん?って言ったか?この子はもう助からない、腹見てみろよ」
このリリィの腹には大きい空洞が出来ていた
もう助からない
次第にリリィの泣き声は収まってき、聞こえなくなったと思えば
もう死んでいた
「また1つ命が消えた」
「真島さん、まだ生きてたい?」
「もちろん!」
「明るいな…真島さんここが最終防衛線です!2人しかいませんが食い止めましょう!」
「了解!」
俺は何をしていたんだろう
人を殺さなければ1つの命を救えていた
俺は何をしてたんだろう…
「っ!でや!」
「おりゃ!」
2人で何匹片付けただろうか
「もう腕が痛てぇな」
摩擦で煙が出て、もう痛い
「私ももう限界」
互いに限界に等しいな
「!まだヒュージが…」
「う、嘘…まさか」
俺たちの背後にいたのは今までのヒュージとは比べ物にはならいなほどの大きいヒュージが
「なんだよこれ、めっちゃデケェじゃねぇか!」
「ギガント級…いやアルトラ級」
「資料で見た事あるがこんなにデケェとはな」
「アルトラ級がここにいるって事は…最前線のリリィは!」
「生きてると信じよう、今はこいつを殺さねぇと」
「無理よ!アルトラ級はノインヴェルト戦術しか無理なのよ!」
「分かってる!だが今ここで止めないといけないんだ」
無理なのは重々承知だ
だが俺の任務はここの防衛
しっかり任務はやらないとな
「真島!とりあえず君は中に入っといて!」
「1人で戦うおつもりですかー?!」
「あんた、もう限界なんだろ!」
「私はまだ…」
「こっちは君に死なれたら困るんだよ!俺の任務が完了出来ないんだよ!だから中に入っといて!」
「…分かりました、幸運を祈ります」
「さあ!かかってこい!ヒュージ!」
ノインヴェルト戦術並の破壊力がないとこいつは殺せない
俺1人でレギオン1つになれって事だな
簡単じゃないか
だがマギを溜めるのには少し時間がかかるし、隙が生じる
こいつを行動不能にする必要がある
宙に浮いてるから足がないし、おまけに
「あぶね!」
相手が撃ってくる砲弾のような物はデカいし当たると爆発する
俺も遠くからマギを撃つがバリアのような物で弾かれる
と言って近接戦にもっていくと負けちまう…
ここは近接戦にかけるか…遠距離じゃ俺のマギは無理だ
「そのかってぇ腕を頂戴するぜ」
今更だがこのヒュージ蟹みたいだな
甲殻で自分を守り近接戦の時は、はさみの様な腕で相手を殺す
よし、行動開始だ
「当たれ!」
俺は空中でまずマギを当てる
弾かれるのは知っている
だが弾いた後はこちらを向くはずだ
その隙に背後に廻る
こいつの背後には甲殻が無いことを信じる、そう蟹のように無いことを
よし当たった
当たった直後に俺はヒュージの下を通り背後に廻る
案の定、こいつはさっき俺がいた所を見ている
「ビンゴ!やっぱり甲殻はない!」
あとは攻撃を加えるだけ!
「ぉぉお!」
俺は手刀で攻撃を加えようとした
しかし…
「図体がデカいから動き遅ぇと思ったがちがった…か」
俺の手刀を自慢の硬い腕でガードされた
そして次は相手からの攻撃
次々と殴ってくる
バク宙で躱したり捌いたりしている
だが1つ1つとても重い
「くっ!押されてる!」
反撃の手がない
どうしたらこの場面を切り抜けられる?
「ぐっ!容赦ねぇな…!」
左腕にいいストレート打ちやがって
人が考えてるってのに…
左腕はもう使えねぇか
こいつをしっかり観察しよう…
こいつ腕が太い
人間1人は乗れそうだ
この腕をつたって顔面かどっかに1発入れる
なかなか良いかもな
そうと決まれば決行だ
「おい!どうした?さっきのパンチで満足しちまったか?」
煽り気味で問いかける
その言葉に反応し俺にパンチを打ってくる
「ふん、かかったな」
鼻で笑ってやった
パンチが俺の所に届く前に腕にのった
「腕にのるっての1度はやってみたかったんだよ」
俺は胴体目掛けて走った
走っている時俺は手のひらにマギをためた
そして胴体はもう目の前
俺は勢いを殺さずに攻撃を与える
「くらいな!俺の本気の掌底!!」
直後爆発のような事が起きる
「なんだ、案外いけんじゃん」
何がノインヴェルト戦術だ
俺の本気の掌底で穴空くじゃん
ヒュージの胴体はとてもデカい穴が空いていた
さてトドメだ
俺はまた右手にマギをためた
そしてボールのような形にした
それを垂直に上に投げた
次は右足にマギをためた
そしてためたマギの力でボールの所までいった
「高っけぇ」
率直な感想である
「さあ!もういい加減死んでくれよ!」
俺は右足でボールをヒュージ目掛けて蹴った
勢いよくヒュージに飛んでいき見事HITした
当たった直後に大爆発が起きた
爆発が起きた直後に意識を失ってしまった
次起きたのは最前線であった…
「いってて…リリィ?まさかここまで飛ばされたのか?!」
俺が想像していた倍飛ばされていた
だが飛ばされたのは好都合だ
俺は立ち上がった
宙に浮いて周りを見渡す
「!梨璃!後ろ!」
白井の声だ
梨璃がピンチだ
俺は梨璃の所までいった
着いた直後右腕にマギをためた
俺は手刀でヒュージを殺した
「一柳!後ろには気をつけろよ!」
「はい!ってあれ?!先生なんでここに?!」
「話は後だ!今は囲まれてる!討伐を優先だ」
「はい!」
「俺と梨璃と白井でここを食い止める!ユージアと神琳で狙撃ポイントを探してそこから援護だ、他は自由に殺してこい!」
「「「了解!」」」
全員が承知したようだ
(凄い…これが幹部の力…!)
「?どうした一柳?」
「いえ!何でもありません!」
「なら行くぞ!」
また無双だ
今日で2回目くらいだ
いつの間にか数は減っていた
だが所々煙が上がっている
視界が悪いな…
とりあえず今は隊員の安全確認だ
「梨璃!そっちは順調か?!」
「はい!大丈夫です!」
「白井は?!」
「………」
「白井!?白井?!」
「夢結様?…」
「梨璃はここを見張っておけ!白井の様子を見てくる!」
「待ってくだ…!行っちゃった…」
「梨璃ー!夢結は?!」
「多分ではありますが…」
「まさか…!」
ある建物の上
そこに白井がいた
煙が凄く視界が悪く、長時間はいられない
「おい!白井!何やってんだよ、何呑気にリリィの死体なんか見てんだよ!」
「お…姉…様…」
掠れた声で何か言っている
亡くなった大切な人なのだろうか
「白井帰るぞ!もうヒュージはいない!」
そう言うと白井は自分のチャームを持った
「よし!帰るぞ!」
白井が俺の方を向いた直後…
「おいおい…そんなデカい剣の戦い方は習ってないから反則だろ…」
向いた直後に俺の顔目掛けて自身のチャームを振った
「確かあんたのレアスキル…ルナティックトランサーって言ったな?狂気と紙一重…そんなん持ち歩くなよ…危ねぇじゃん」
ヒュージと近い力…今までと一緒か、今までのヒュージとは違うか
どっちか分かんねぇけどとりあえず失神させねぇとみんなやられちま…
「チャーム!?誰のだ?!」
どっからか降ってき
地面に突き刺さった誰かのチャーム
辺りを見渡すも煙のせいで見えない!
誰のチャームだ?!
「あらあら…先生…奇遇ですねぇ…」
ピンク髪の女の子…赤いなんかを着けてる
「何が奇遇なんだ?」
「あら?貴方も決闘を申し込みに来た訳ではなくって?」
「誰が今決闘なんか申し込む…!忠告だ!遠藤さん!この白井は普通じゃねぇ」
遠藤亜羅椰…面倒なのが来たな…
「いいか!君は今すぐにでも逃げるんだ」
「それは私が弱いと言ってますの?」
「違う!君たちのような優秀であるリリィに何かあったら大問題って事…!!!」
言い合ってる途中に白井は猛スピードでこちらに突進してくる
俺は遠藤を庇いながらマギで白井を飛ばした
「許してくれ、白井」
「そんでどうすんだ?遠藤さん?戦うか戦わないか」
「戦いますわよ!」
以外だ…こんなにも危ない奴に立ち向かうとは
こいつ…リリィ的でも人柄でも見込みがある
「足だけは引っ張るなよ」
「私がヘマなんてした事ありませんわ」
こいつを守りながら白井と戦う…防衛軍にいた方が楽だったなー…
亜羅椰が先行して攻撃を仕掛ける
見事に白井は全て捌く
が2人いれば話は別だ
1人が攻撃しその直後にもう1人が攻撃を仕掛ける
隙が生じ攻撃を確実に当てれる
亜羅椰がチャームを振ると同時に俺は蹴りを当てる
単純な作業って言うやつだ
だがどちらか1人が倒れれば2人とも死んでしまう
「ぐっ!はっ!!!」
白井が攻撃に耐え亜羅椰を吹っ飛ばす
俺は1人でとりあえず白井を抑える
「亜羅椰!大丈夫か?!」
「……」
失神してやがる、記憶があるといいが…
クソ、どうするこの状況
亜羅椰を助けるか白井を攻撃するか
どっちを選んでも1人は死ぬような気が…
「しまった!」
白井が俺の押さえをなぎ払い亜羅椰に攻撃を仕掛ける
「亜羅椰!」
「…ん?…っ!」
目が覚めたがもう反撃出来ない距離
だが俺も、白井とほぼ同距離
庇う事までは出来そうだ…!
「亜羅椰!ちょっと耐えてくれ!」
「耐えてくれって何に…ってちょっと…///」
俺は亜羅椰を抱きしめる形になった
直後に俺はマギを使ったシールドのような物で白井に攻撃した
その衝撃で白井との距離は離れた
「亜羅椰…大丈夫か?」
俺は亜羅椰の目を見て問いかけた
「私…ファーストネーム…許して…ない…///」
「あ、ああすまん、でもあんたが無事で良かった」
俺は微笑んだ、無事なのは本当に嬉しい
「…!///」
「とりあえず遠藤さんは救援を要請、俺は白井を通常に戻す」
「あ、貴方怪我して…」
「こんなの直ぐに治るよ」
さっきの白井の攻撃で背中に大きい傷口があったが
今ここで白井を止めないといけない
「ほら、分かったならいけいけ」
「はーやっぱりスーツって戦いにくいな」
俺は羽織っていたジャケットを脱いだ
「さ、これで楽になった」
なあ白井、あんたどうやったら止まるんだ?
「うっ!!!」
まずは白井がチャームを振ってきた
それを躱す
躱したあと手首を掴んで投げる
「ぬぁ!!」
「やっぱり合気道はやっとくべきだな」
白井はすぐさま体制を立て直した
直後、素早い蹴りがとんでくるもしっかり手のひらでガードした
そしてみぞおちに1発と蹴りを入れる
顔を狙い上段蹴りをしたが躱された
あいにく俺は上段が得意じゃない
白井はチャームを振ってきた
俺は武器を持っている方の腕を反時計回りした
見事チャームは白井の手から地面に落ち、武装解除に成功する
素手対素手、俺の方が圧倒的に有利
白井は素手で俺に攻撃をくわえる
まずは頭に突き
それを軽々と受け止め一本背負い
「対人格闘訓練はしてなかったのか?隙がありすぎるぞ」
俺は白井を地面に抑えながらいう
「ちょっと眠っててもらうぞ」
俺は白井の首に軽く手で刺激を与える
そうすると白井の力はどんどんと抜けていき眠った
髪色が白から元の色へと変化した
白井が眠ったあと俺は
「はぁはぁめっちゃ疲れたー」
なんとなく関西弁で独り言を言っていた
そして白井と同様に寝転がった
「今日は一段としんどかったなー」
アルトラ級を倒し他の雑魚も殺し、白井を抑えた
本当にしんどかった
これからこういう日々が続くとなると思いやられる…
僕はいつまで生きれるのだろうか
「流石だな…レン・リエスタ1等陸佐」
ヘリの音と聞き覚えのある人の声が聞こえた
後ろを向くと防衛軍のお偉いさん
「お疲れ様です、何故貴方がここに?」
立ち上がり敬礼する
「君の活躍を見に来たんだよ…」
「嘘は苦手ですか?」
「おや、バレたかい?」
「バレバレです、どうせ救援に来たんでしょ」
「流石だ、君の言う通り百合ヶ丘から救援の要請が防衛軍にも入ってな、だが私らは不必要だったようだな」
「まさか貴方もここら辺の駐屯地になったんですか?」
「もちろんだとも…まここから少し遠いがな…」
「レン教導官!!何処にいるんですか?!」
梨璃の声?
「おや君の救援が来たようだ、それじゃ私たちはここらへんで」
「お疲れ様でした」
敬礼をしながら告げる
すると相手も敬礼をしながら
「お疲れ様でした、君の活躍見ているぞ」
と微笑んだ
その後ヘリはどこかに去っていった
「梨璃ーー!!ここだー!!」
「あ!いたいたー!!」
煙から出てきたのは一柳隊みんなだ
「先生、大丈夫でした…かって、えー!!!」
「んー?どうした?梨璃?…え!?」
「神琳!見てみて!」
「んーどうかしましたの?ユージアさ…っ!!」
「まさか、止めるなんて…」
「夢結様が寝てる…」
「レン教導官、あんた最強すぎじゃ」
みんな夢結の方をみて驚いている
「何でみんなそんなに驚いてんだ?白井が何かおかしいのか?」
「おかしいも何も、夢結を止めるなんて大した人間だな」
梅が苦笑いしている
「あ、そういえば楓って言ったか?」
「はい、わたくしが楓・J・ヌーベルですわ」
「ここに来る前に君のお兄さんが「大好きだ」と伝えといてくれって」
「な、何を言ってますの?!あの人!!」
一柳隊はみんな笑っていた
なんかこいつらとなら上手くやっていけそうだ