人は皆獣なんじゃないの?正体見たり!って感じだな 作:散髪どっこいしょ野郎
青白く輝くスマホのアプリ
使用により即席調教道具となり、あらゆるメ○を催眠できる
実際に、竿役に血も涙もあろうはずはなく
故に得体はしれぬものだ
時は少し遡り。隠し街ヤハグルにて一人の狩人がさまよっていた。
彼は尼僧アデーラをオドン教会に送り届けた後にヤハグルの探索を行っていたのだが、どうにもここの空気は恐ろしく感じているらしく。
《
自分に発破をかけながら歩いていた。そんな彼にこの世界が手心を加える筈も無く。
「■■■■■■■■!!」
飛び込んできたのは一匹の豚。このヤーナムでは豚が人を喰らうのだ。こいつが幼女を殺した。こいつが幼女の存在を奪った。殺せ。殺し尽くせ。
《死ね!てめぇがア○メするんだよ
マジで死ね!!
死ね!死ね!死ね!死ね!》
狩人は驚くことなく、無意識の内に取り出した『パイルハンマー』をめいっぱい引き絞り、その柔らかなケ○穴に打ち付けた。
「■■■■■■■■■■■!」
きっもちわるいクッソ不快な鳴き声を上げて『人喰い豚』は体勢を崩す。中途半端な当たり方をしたことで体力がギリギリ、本当にギリギリ残っていた。
《──────子をなしてこそだろ》
そこで狩人は我に返った。今までどんな敵だろうと懇切丁寧催眠を施してきたというのに、自分は何をやっているのか。胸元の赤いブローチを指先で確かめて。
彼が自身の内に眠る仕掛け武器やアイテムを取り出す時、それは狩人、もしくは獣の本性が現れた時。
つまり殺意か性欲が最高潮まで昂った瞬間のみ、彼は熟達のやりこみ
何故ここまで強い殺意を豚に抱いたのか。そこにはガスコインの娘、『ヤーナムの少女』との深い関係があったのだ。
本来、ガスコインの娘と妻には生存ルートが存在しない。狩人が目覚めた時点で彼女の母、ヴィオラは死亡が確定しており、その形見となる『真っ赤なブローチ』を渡してしまうと泣き崩れて失踪、渡さずにオドン教会に行くよう伝えても教会へ渡る地下道の豚に喰われて残るのは身につけていたリボンのみ。
故に、狩人は豚を赦さない。
だが彼は狩人でありながらも催眠おじさん。殺意に呑まれてはいけない。気を取り直し、高らかに告げた。
《催眠!》
▫▫▫▫▫
その後、人攫いに肩車してもらったり目玉を集めているババアに自身の『仕込み杖』を『先触れ』させたりしながら歩いていると、異様な空間にやってきた。
そこには毛皮に包まれた獣骨が打ち捨てられていたのだ。見るからに怪しい。
《もう来るな!オラ!殺すぞ!》
人攫いたちを奥に待機させ、彼は仕込み杖と散弾銃を構えながら近寄る。すると、
「■■■■■■■■■■■!!」
案の定、それは叫びながら身を起こした。名は黒獣パール。電撃を纏う骨の獣だ。
《なんだこの破廉恥な稲妻は!ボクと恋人になる気まんまんじゃないか》
そうは言いながらも彼が構えていたのは相変わらず無強化仕込み杖+散弾銃。
その理由としては聖杯ダンジョンでのトラウマによる恐怖などが挙げられるのだが今はそこまで重要な問題ではない。
ともかく、狩人は迸る電撃の中へ飛び込んでいった。
▫▫▫▫▫
《カミナリが射○させようと死ぬほど絡みついてくるんだけど。シャレになってないよ》
「■■■■■■……♪」
黒獣は身を横たえ、狩人の体に頬ずりを行っていた。長い長い時間をかけ、彼はクソボスと名高いパール──厳密には聖杯ダンジョンの同モデルボス、『ローランの黒獣』がその段違いに高い体力と攻撃力、そしてスッカスカの当たり判定によって忌み嫌われているのだが現在狩人が行っていたのはオワタ式武器無強化無血晶石縛りなので難易度は実質ローランの黒獣以上である──を、討ち果たしたのだった。
無事調伏を済ませた狩人だが、一つ問題点?があった。
《ダメだこれ淫乱すぎる……!》
「お射○のあとはそのままねむっちゃってもいいからね」
《ママのケダモノ○クメ声でねれねーよ》
パールの体に自らの『仕込み杖』を擦り付け、『啓蒙』、もしくは『彼方への呼びかけ』を行おうとしていたのだが彼の『仕込み杖』に雷が絡みついてしまい、なんとも言えない興奮と刺激をもたらしていたのだ。
やがて溢れ出した『神秘』を伝い体内にも微弱な雷撃が奔り、人攫いたちに見守られながら狩人は思わず五体を投げ出した。ある意味初の敗北を味わったのだった。何やってんだよバカじゃねえの。
YOU HUNTED
▫▫▫▫▫
《うわ……身体中がもうビリビリじゃない。これは獣狩りしやすいですよ》
未だに痺れの残る体を引きずり彼は隠し街ヤハグル、そして『黒獣の墓地』から抜け出して旧市街へとやってきた。
そこには罹患者の獣がうじゃうじゃ、『獣患者』と『灰血の獣患者』もちらほらいたのだが今更その程度の雑魚に遅れをとる狩人ではない。
道中でまみえた『さまよう悪夢』くん*1を頭に乗せ、彼は聖杯教会へと突き進んでいった。
「………………」
《下品な体ぶらさげて下品な獣め!謝罪しろ!》
相対するは血に渇いた獣。毒を撒き散らす序盤の難敵である。こいつを倒すことで多くの狩人を誘った聖杯ダンジョンへの道が開かれるのだ。
かつて味わった高揚感も相まってか、狩人は『匂い立つ血の酒』を片手にパイルハンマーを構えていた。
▫▫▫▫▫
血の酒は、獣に対して非常に有効な便利アイテムである。投げつけた場所に注意を逸らせその隙に攻撃を叩き込む、もしくは逃げる。戦闘にも
狩人は早速建物の隅に酒を投げつけた。
壁に染み付いた血に惹かれ、血に渇いた獣、かわけもの爪は空を掻く。その背中で、複数個の壺が炸裂した。
《オイルでテッカテカで無様でございますね》
狩人がかわけもにぶちまけたもの。それは『油壺』である。油を体に塗りたくることで炎ダメージを増幅させる効果があるのだ。
彼が構えているパイルハンマーは人喰い豚に使用したものとは少し異なる。呪われた冷たい深淵結晶2個と呪われた炎の濡結晶をはめ込んだ、『炎派生』と呼ばれる武器だ。
『ヒートパイル』。
それは熱きパイラー達の戦い。
『ヒートパイル』。
それは人生の縮図、漢のロマンである。
簡単に説明すると、ヒートパイルとは炎派生のパイルハンマー変形溜め攻撃を油壺でベタベタにした獣にぶちあてることでありえないぐらいのバ火力をたたき出す、というロマン戦法なのである。御託はいいから早くしろオラッ死ねっ。
「■■■!」
《さーてヤーナムピス○ンいくよ赤豚》
効力が切れたタイミングとほぼ同時に追加の酒を壁に投げつける。すっかり慣れた手つきだ。
《かわけも死ねッ!!死ぬほどイけっ!!》
「■■■■■■■!?!?」
その瞬間、あまりの衝撃で頭に乗っていたさまよう悪夢が思わず落っこちた。
血に渇いた獣。その体力の、半分以上が消し飛んだ。殺さぬよう位置調整して、それで半分以上なのである。
《イけ!イけ!登りきれ……!登頂しろ……!》
そのあまりにも膨大なダメージと衝撃、血の歓びにより狩人は一瞬絶○を迎えかけた。それほどに、パイルハンマーは使っていて気持ちがいいのだ。
獲物は依然健在。余韻に浸る間もなく、彼は仕上げにかかった。
「ちょ……!もっとゆっくり……!お゛お……ッ♡おへっ♡うおっ♡」
《うるせぇ!こんなの我慢できるか!
せっかく僕が『啓蒙』してやってるんだから早くア○メしろべらぼうめ!
なんの○めに生○れてナ○をし○喜ぶ!
死ね!!散々我慢させやがって!》
体力を減らせば減らすほど、かわけもの身体から吹き出す毒は多量かつ濃密になっていく。もはや接近するだけで『遅効毒』状態は避けられない。
それでも狩人は手を止めない。毒を癒す効果のある『白い丸薬』を舌先で転がしながらかわけものおぞましい肉体に肌を合わせた。
「おおおッ♡やめッ♡そこ……ッ♡」
《ママはこの入り口の裏っかわをコスりながら斜めに『刺突』するとすぐ毒をまき散らして○くからな》
実際、攻撃に合わせて斜めにステップを切り、回り込んで反撃するのはかわけも戦での定石の一つである。何らおかしな話ではない。
《下品なエロ獣ちゃん♡『仕込み杖』どう?》
「あがっ♡○グッ♡
あっきっ気持ちいいです……♡」
《具体的に言え!医療教会で習わんかったか!》
「お゛お……っ♡ぬお゛お゛お……っ♡
おっ奥っ♡奥がいいです……ッ♡」
一見圧倒的優勢に見えるが、狩人は内心冷や汗ものだった。黒獣戦での疲労、遅効毒による消耗によって催眠おじさんといえど中々危ういところに置かれている。
丸薬も切れた。後はどちらかの体力が先に尽きるかの勝負。
《ヌルヌル本気毒分泌させおって……
可愛いね♡
謝れ!謝罪!》
「ほっほんきどくだして……ッ♡
ごめんなさっ……♡」
《謝ってる暇があるなら○クメしろ
うっ○め……!》
「お゛っ!?♡○゛ッグウゥ〜〜ッ♡」
こうしてしめやかに終わったように見えた『獣狩り』だが、実際は体力ギリギリ死ぬか生きるかの瀬戸際であった。
終わった後は直ぐにヨセフカからもらった輸血液をぶち込みアリアンナさんの血液をキメ一命を取り留めた催眠狩人おじさん。彼はまた一つ、強くなった。終わってんな。
YOU HUNTED
▫▫▫▫▫
「ごめんなさい。診療所が使えないからこれで最後になってしまうけど……それでもよかったらどうぞ」
《好きだよ♡》
「やめて」
ガスコイン家族とヘンリック、ヨセフカの追加ですっかり賑やかなことになったオドン教会。
何かと冷たい老婆や何かと疑ってかかる男も子供には優しいようで、ヤーナムの少女には比較的口当たりも穏やかだ。
なけなしのヨセフカ輸血液を使ってしまったのでこれが最初で最後の補充となるが、アリアンナさんの場合は時間さえ置けば再び血の施しを頂けるので彼女については心配いらない。……
しかし血の施しよりも先に、狩人は一回声をかけておきたい相手がいた。
「おお、狩人さん!無事でよかった」
《おはずかしいね♡》
彼が声をかけた赤ローブの盲人、『オドン教会の住人』は、狩人が聖堂街に到着する前からここにいたヤーナムで唯一といってもいい程の聖人である。
口調と外見こそ不審者のそれだが、本気で誰かの役に立ちたいと、この教会に無事な住人が逃げ込めるようにと獣避けのお香を焚き一時的避難所を開いてくれた良い奴なのだ。
その背景には上位者オドンによる洗脳的なものがあるのだがそんなことは些細な問題だ。今、オドンは誰に気づかれることなく一人ヨガっているだけの無様なメス堕ち上位者なのだから。
「あんたがここを教えてくれた人が、また来たよ。この場所は、みんなの避難所になった。あんたのおかげさ」
《くそ!もっと避難させてぇ……!》
「それに……嬉しいんだ。ありがとう、こんな、俺みたいなののお願いをきいてくれて。
もう、この街にはまともな生き残りなんていないのかもしれないけどさ。
でも、あんたはできるだけのことをして、ここにいる人たちは救われたんだ」
《うぁぁ……本気感謝がマジのマジで絡みついてきて、射○管理がやっとだよ》
「……すごいことだよ。狩人だからってんじゃない。あんたがすごいんだ……ヒヒヒッ」
《とんでもないことだよ》
「……だから、最近さ、この夜が終われば、俺もちっとは、変われるのかなってさ。
そう思えて、じっと我慢も苦じゃあないんだ。
……本当に、あんたのおかげさ。ありがとう」
《おお……っ、予想以上の言葉圧……
ヌルヌルのナマ感謝でにゅっぽりと自尊心が包み込まれて……たまんねぇ……適度にむっちりと乗った謙遜も賛美欲をそそり立てまつる。
ありがとうよ♡
必ずア○メで夜明け迎えさせるからな》
「ヒヒヒッ……相変わらずあんたの言ってることはよく分からないな……ヒヒッ」
照れ隠しにこうは言うが、赤ローブの男は狩人との会話を楽しみにしていた。頭大丈夫か。
普段は誰からも邪険にされている自分にも友好的に話しかけてきてくれる人物。それがさらに獣を狩る狩人ときた。
赤ローブ男は憧れやら嬉しさやらでいっぱいになっていた。かわいいね♡死ねよ*2。
「……なあ、狩人さん。獣狩りの夜が終わったら、その、あんたと友達になれるかな……?
いや、そんな資格がないのは分かってるんだ。だけど……だけど、その、もしお願いできればって……ヒヒッ……
不敬なんだ、それは、そうなんだけど、でも……そんなこと、ちょっとでも考えて────」
《うれしいよ赤ローブくん♡プライベートでもワシのマブダチになってくれんか♡》
「────えっ?」
狩人はとっくに、赤ローブ男に対して友情を感じていた。『お願い』する必要も無く、彼らはハナっから友達だったのだ。
「い、いいのかい?そんな、俺なんかと」
《お前は友達だからいいんだよ》
「あ、ああ……!そうか、ありがとう、いや、本当に、感謝してるんだ。そうか……俺にも、友達が……!ヒヒ……ヒーッヒッヒッヒ!」
その後狩人は『匂い立つ血の酒』を『鉛の秘薬』で割り、それに『青い秘薬』を垂らしたものを一緒に飲もうと誘ったが流石の赤ローブも丁重にお断りした。彼はガスコインとヘンリックも誘ったが同様に断られてしまい、割と本気で泣いた。初の一人酒であった。
▫▫▫▫▫
「あら、あなた……ウフフ、また血が欲しくなったのかしら?」
《そのクソムチエロボディにむしゃぶりつかせてくんろ!》
「ここでは人が多すぎるし……夜が明けてからにしましょうか……ウフフフ……」
「……あまり子供の前でそんな話はしないでくれるか……」
「仕方ないわよ。狩人さんだって男だもの」
何とか気を取り直し、彼は娼婦のアリアンナさんに再び血の施しを受けようとしていた。その背後では困ったように笑いながら娘の耳を塞ぐヴィオラ。そしてその夫、ガスコインがボヤいていた。
アリアンナさんは狩人のことをそこそこ気に入っていた。今まで娼婦として様々な人間と触れ合ってきたが、ここまで見ていて楽しい男はそういない。
ヤーナムにしては珍しい、どこか和気あいあいとした雰囲気で『アリアンナの血』を頂く狩人。
────そしてそんな彼らを、尼僧アデーラはただ黙って見つめていた。
▫▫▫▫▫
立て続けに強大な
《ふぅ〜どっこいしょ
今日も働き詰めで何か視界が蒸れてきたな〜》
「スー、スー、スー……」
せっかくなので話しかけようとはしたが肝心の人形ちゃんが寝ていたので狩人はその横に腰掛け、しばし眠ることとした。
「ハッ!
ああ、お帰りなさい。狩人様。
すみません、私は、どこかに……
どうぞ、なんなりと────狩人様?」
数分後、目を覚まし横で座る狩人に気づいた人形ちゃんだが、それでも彼は起きなかった。絶対無敵の催眠おじさんに見えてもその体と精神には確かな疲労が蓄積していたのだ。
「狩人様……」
人形はおもむろに手を伸ばすと────いきなり彼のchinの遺志に触れた。狩人が求めていないにも関わらず、彼女は血の遺志で身体能力を強化する状態──あのよく分からない光が発生してる状態──へ入ったのだ。
「ふ……う……っ」
音で起きる気配も無い。何かうなされている様子も無い。
いけないとは分かっているが彼女はその手を止められなかった。
「はぁ……は、あ……っ、かりうどさま……♡」
次第にその瞳が蕩けていく。血に酔った狩人*3とはまた違う、どこか心地よい、むしろ心地よさしかない、何かがせり上がってくる感覚。
「……ッ♡…………♡」
来る。遠くから何かが、雷鳴を伴って迫ってくる。離れなければ。でも、ああ、どうしてもこの手が止められない、収まらない。
「あ、あっ……♡」
到達する。やってくる。その寸前、
《マ○○に集中!ラブラブを忘れるな!》
「あ……」
クソみたいな寝言を彼が叫んだことで、彼女は思わず手を引いてしまった。オラッ大人しく寝てろってボケ狩人がよ。
「…………」
人形ちゃんは猛省していた。自分は一体何をやろうとしていたのか。狩人様に仕え、尽くすのが自分の役割だというのに。
「狩人さま……」
それから人形ちゃんは何をするわけでもなく、彼が起きるまで使者と共にその寝顔を見守っていた。
▫▫▫▫▫
「医療教会、今やそう呼ばれる血の医療者たちは
古い狩人、ルドウイーク以来、狩人の庇護者でもあり独自の工房を持ち、武器を作った。
……彼らの多くは、もはや狩人を忘れているようだが。それでも、それは狩人の役に立つものだ。
だから君にも、先人たちの遺言を伝えておこう。
「オドン教会を上りたまえ」」
《いい助言だったぞ
一緒に悪夢を見てやろうじゃないか》
目覚めた後、人形ちゃんに礼を言ってからゲールマンに話しかけた狩人は、なんと彼にしては珍しく素直にアドバイスを聞き入れていた。先人たちの遺言というところがキーになったのだろうか。
なんにせよようやくそれっぽい目標ができたことで狩人は意気揚々とオドン教会のエレベーター(いつの間にか開いていた)に乗り、登っていった。
……『
《クソ生意気爺がよ!
俺を騙そうとしやがって!!
死んじまえ!!○クメで殺してやるからな!!》
「オッ、オオオオッ」
帰ってきて早々、彼はゲールマンの肩をひっつかみ揺さぶった。
彼が登った医療教会の工房最上階には鍵のかかった扉があり、うんともすんとも言わないどころか全く先へ進めなかったのだ。
ゲールマンの助言は嘘ではない。『オドン教会を』上ることで道が開けるのは事実だ。しかしどうにも分かりづらい点が出てきてしまう。
血に渇いた獣を倒し、オドン教会内のエレベーターを使って登っていく→医療教会の工房に到着する→階段を登らず横に逸れ、道が崩れた場所にある下の通路に飛び込む→落下死しないように下っていく
というのが正式ルートなのだがゲールマンの助言には工房についての情報とオドン教会を上れという遺言が入り交じっていることでやはりどうしても分かりづらくなってしまう。
というわけなので狩人はゲールおじいちゃんを揺さぶりまくっていた。
《もっと腰使え!このシワガレボディがよ!》
「オッ、オオッ、オッ、オドン教会を……」
「あの……」
《求めたとおり助言できてるな。可愛いよ♡
って言いながらアク○を誤魔化すんじゃねぇよ!
恥を知れ!》
「オオオオオ……ッ、オ」
「狩人様……よろしいでしょうか……」
念の為説明すると、ゲールマンはあくまで揺さぶられているだけであり特にそういうことは行っていない。催眠ですらやっていない。
《ほら、爺さん力抜いて》
「オオッ!アアオッ!」
「あの、少し」
《ほれほれほれほれほ〜れほれ》
「────狩人様」
《お゛っ!?♡》
彼女にしては珍しく、本当に珍しく、少しだけ声を張って彼の腕を掴んだ。本来この世界で、彼女の方から狩人へアクションを起こすことは無いというのに。
一方狩人はいきなり人形ちゃんに掴まれめちゃくちゃビックリビクビクしていたしめちゃくちゃ嬉しがっていた。普段どんな時でも受け身姿勢な彼女が自分から行動を起こしてくれたという事実に、感動すら覚えていた。
「僭越ながら、申し上げます。時には、目の前の道を逸れてみることも、重要なのではないでしょうか」
いつの間にか掴むのを腕から手へと変え、彼女はそう言ってのけた。
《ありがとう♡人形ちゃん愛してる♡》
「……っ、あ」
まただ。またこの感覚だ。一体これは、いや、そもそも
「あっ」
人形が考え込んでいると狩人は瞬く間に準備を済ませて目覚めに行ってしまった。
────掴んだ筈の手が、離れてしまった。
それをどこか惜しいと思った自分にまた困惑し、彼女は暫くの間思考の海から離れられずにいた。
一方助言者ゲールマンは放心状態で虚空に視線を泳がせている。
……それとも、彼には何かが見えているのだろうか。
▫▫▫▫▫
《非常識ですらあるよ。
そんなに夢での情景が忘れられないの?》
人形ちゃんの進言に従い無事正規ルートへ入った狩人は、妙な場所に辿り着いた。
名は『捨てられた古工房』。現実世界でありながらもその内景は狩人の夢と酷似していたのだ。
そしてこの古工房には『3本目のへその緒』、『小さな髪飾り』、『古い狩人の遺骨』、人形ちゃんが着ている衣装一式、そして人形ちゃんとほぼ同モデルの人形が打ち捨てられていた。
《本当に無機物なの?》
壁にもたれかかっている人形は夢の中にいる人形ちゃんと違い話さない、動かない。いや、
《くそ!もっと動かせてぇ……!》
左手の指が、微かに、痙攣するように動いている。だからといってどうにかなるわけではないが。
彼はとりあえずその場のアイテムを回収し、『3本目のへその緒』だけ気持ち悪かったので投げ捨て、灯りを介して再び夢の中へ帰っていった。
▫▫▫▫▫
《オラッ!レベルアップ記念プレゼント!》
「ふ、ぁ……?」
chinの遺志を使い催眠能力のレベルアップを行った後、気だるげな吐息を漏らす人形ちゃんに狩人は早速『小さな髪飾り』をプレゼントした。
「これは……なんでしょうか?
私、私には何もありません、分からない、分からないのですが、
……温かさを感じます……こんなことは、はじめて……いや、狩人様と出会い、何度も……しかし……
私は、おかしいのでしょうか?
ああ……
でも、狩人様。これは、やはり喜びなのでしょうか。ああ……」
彼女が零した白銀に輝く『涙石』。
それは、どこか艶めかしく光っていた。
▫▫▫▫▫
「ね、ねぇ僕ちゃん♡
な、中に入っちゃだめよ♡
本当に教区長との遭遇しちゃうからね♡
お願いよ♡」
《え〜〜どうしよーかなぁ
あ〜でもだめだ足止まんね》
無事探索を終え医療教会の面々を蹴散らし、狩人はとうとう大聖堂、荘厳なる大扉の前へやってきていた。
門番の医療教会の使者がビクビクと痙攣しながらも目の前の侵入者を止めようとするが彼はお構い無しに扉に手をかけ────
《だめだ……戻るぞ……》
──はせずに、一先ずは横道、『ヘムウィックの墓地街』へ駆け出していった。
次回はガールズラブ描写が少しとケモリョナがあります
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