ヴィーカは黒いFu-43 に乗りこれを撃破した。
しかし、この機体は、危険な機体だとされているものだった。
ロベルト「おい!ヴィーカ!何やってんだ!」
ロベルトが乗ったFu-4が、ヴィーカのFu-43へと近づく。
ヴィーカ「申し訳ありません」
ロベルト「その機体は危険なんだ!そんな機体に!」
ヴィーカ「.....」
ロベルト「っ!...詳しい話は降りたあとでしよう。ともかく、無事でよかったよ」
そのまま2機は消火が行われる滑走路へ着陸した。
ロベルト「げぇっ...こんな騒ぎになるとはな」
エメリア大統領の姿が、そこにはあった。
ロベルト「大統領と...おまけに国防長官まで...」
二人は機体を降りた後、黒服にエスコートされながら大統領の所へ向かった。
国防長官「ロベルト隊長....」
ロベルト「誠に...申し訳ありません...」
大統領「いや、そういう話ではないんだ。」
ロベルト「...!」
大統領「あの試作機は彼女にまかせてほしい。」
ロベルト「!?..なぜ..?」
国防長官「簡単だ。彼女が適任なんだよ、あの死神を任せるのには。」
ロベルト「お言葉ですが、あの機体は貴方が想像するよりもずっと危険な機体なのです。前の紛争で私はそれを痛感しましたよ。私の戦友は、それで....。」
国防長官「その戦友とやらの娘なんだろ?彼女は。」
ロベルト「何っ....!」
国防長官「まぁそういうことだ。これは合衆国の今後の為の"やむを得ない"決断なんだよ。では。」
ロベルト「....」
護衛と共にその場を後にする大統領と国防長官を見送りながら、ロベルトはその場に立ち尽くした。
ヴィーカ「隊長。」
ロベルト「...?」
ヴィーカ「聞かせてください。貴方の戦友...いや、私の父の話を。」
ロベルト「...分かった。」
ロベルト「人の歴史は争いの歴史だ。我々人類は今まで数々の争いを経験してきたさ。その争いの中で、当然、戦場ではエースと呼ばれる、才能のあるやつと、才能の無いやつの2つが出てくるだろ?仮に、自軍の兵士が、全員才能のある奴だとしよう。そしたら、」
ヴィーカ「戦争に勝つのは簡単ですね。自軍側の戦死者も少なくなる。」
ロベルト「ああ。その通りだ。だから、エースを量産しようと、革新的な技術をいくつも投入したわけさ。その代表例が、あのFu-43にも、私の戦友であり、君の父でもある人が乗った機体にも組み込まれた、アルケー・システムだ。アルケーシステムはこれまでの戦争で集めた莫大なエース達のデータを基に、機体の操縦を補助するシステムだ。ただ、このアルケーシステムは、エース達の様々な思念なのか、そういうものまで具現化してしまう。パイロットは、そんな思念をずっと裏で聞かされ続ける。そして、それがずっと続くと、パイロットの精神はみるみるすり減り、最終的にはぶっ壊れちまうって訳だ。私の僚機だった君の父も、それで廃人になっちまってさ」
ヴィーカ「確かに...変な声が聞こえました。あの機体に乗っているとき、夢の中でうなされるような、そんな不安感を強く感じました。」
ロベルト「アルケーシステムは後世に残してはいけないシステムだ。だから君も、その機体に乗るのはよせ。」
ヴィーカ「.....」
しばらくすると、また警報が鳴った。
《エメリア軍施設が攻撃を受けている!ドッグフィッシュ隊は直ちに出撃せよ!》
ヴィーカはまた、あのFu-43のもとへと駆けていった。
ロベルト「おい待て...!」
ヴィーカはさっさとコックピットに乗り込んだ。
ヴィーカ「ご心配なく。私はシステムになど飲まれたりはしません。」