燃え上がれ青炎!   作:聖戦士レフ

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短めな上に時間が飛びまくってます。
読みずらかったらごめんな竿。


エピソード10

関東大会初戦。

俺と降谷のリレーで10−1で勝利。

 

俺は被安打4の1失点、奪った三振は8個で四球はなし。

ツーシームなしの割には、中々頑張った。

 

 

その後に登板した降谷は、そりゃもう圧巻だった。

登板してから打者を3者連続三振、四球を挟んでまた連続三振。

 

関東中に、怪物一年生降谷の名は一気に広まった。

 

 

ということで、見事に注目を掻っ攫われた男、大野です。

別に悔しくは、ない。

 

試合に勝つことが一番だし。

何度も言うが、悔しいとか思ってない。

 

 

 

2回戦の先発は、これまたもちろん丹波さん。

 

この人も、やっぱり安定して試合を作ってくれる。

何様かと思うだろうが、三年生らしい安定感だなとか思う。

 

そりゃ、去年まで散々だったからな。

4回くらいまでは安定しているのに、少し打たれたらいきなり崩れるんだもん。

そんなの目の当たりにしてると、やっぱりね。

 

ちなみに、その日は7番レフトで先発出場。

6打数3安打と、ちゃっかり猛打賞である。

 

 

 

 

 

そして、3回戦。

 

相手は今大会優勝高校筆頭、埼玉の浦島学院。

春の選抜では惜しくもベスト4を逃したが、優勝した駒大藤巻高を追い詰めた高校として高評価を受けている高校である。

 

ということで、先発は俺。

オーダーも現段階で取れる最高のラインナップで挑む。

 

1番 遊 快速リードオフマン、倉持洋一

2番 二 高打率で小技の達人、小湊亮介

3番 中 意外にも繋ぎの打者、伊佐敷純

4番 一 怪物クラッチヒッター、結城哲也

5番 三 帰ってきた重量級打者、増子透

6番 捕 チャンスで絶対打つマン、御幸一也

7番 投 一応そこそこ打てる、大野夏輝

8番 右 マジの仕事人で守備職人、白州健二郎

9番 左 唯一固定ができていないポジ、門田将明

 

 

相手は強打のチームというよりは、堅実な攻め方で一点を大事にするチーム。

怪物級の選手はいないが、全員が高水準でまとまっている。

 

 

さて、肝心な試合内容だが意外な展開に。

4回まで両チーム無得点と静かに進んでいく。

 

俺は被安打0で無四球、毎回の5奪三振。

反対に相手先発はランナーを出しながらも無失点と、内容は全く違うものであった。

 

この分なら点はいずれ取れるだろうし、失点も最小に抑えられるだろう。

そんな風に思っていたのが災いしたのか、こちらにアクシデントが発生する。

 

というのも…

 

「ってえ…」

 

俺の投げたツーシームを一也が取り損ねて親指を痛めてしまった。

所謂、「持っていかれた」というやつである。

 

「わり、逆球だったわ。大丈夫か?」

 

「ちょっとやばいかも。」

 

無理か。

ちょっとやそっとの怪我では練習すら休まない一也が、ベンチに下がったのだ。

 

おそらく筋が伸びているか、悪ければ骨折か。

夏大会までには十分間に合うが、骨折の場合はなおるのにも時間がかかるからな

 

 

 

しかし、問題は目の前にもある。

だって一也が怪我したんだもん。

 

そりゃ、試合でマスクを被る選手が替わるんだから。

 

これがどう転ぶか、だ。

 

 

俺のボールは速くない。

変化球だって多少使えたとしても、ミートポイントの広い金属バットでは弾き返される。

 

カウント球のスライダーとSFFはもちろんだが、決め球にも使うカーブも合わせられたらよく飛ぶ。

 

必殺のツーシームもあるがそもそも取れなきゃ話にならない。

練習試合でバッテリーを組んだときは半分くらい弾かれたからな。

 

正直、あんまり信用ならない。

 

 

ということで、最速130キロのストレートとそこそこのカーブと普通のスライダーとSFFという、パッとしない投手なのだ。

ある程度制球もまとまっている分、キャッチャーのリードに依存しやすいのだ。

 

ここまで話せば、もうわかるだろう。

細かく俺を操作してくれる一也に対して、コースもアバウトに構える宮内さんのリードはあまり俺にはあっていない。

 

ましてや、3球勝負や勝負どころのインコース攻めのような強気なリードの一也と低めと外角勝負の宮内さんっていうのもあるだろう。

 

その点、ノリや丹波さんなんかは宮内さんのリードと合っている。

甘く入ったら痛撃のインコースと違って、多少コントロールがずれても痛打されにくい宮内さんのリードは、2人にとってはいいのだろう。

 

 

話を戻そう。

長々話したのだが、要は。

 

やばいってこと。

 

 

「派手にやられたな。」

 

「まあ、な。」

 

大量の汗を垂れ流しながらベンチに座り込むと、横で治療中の一也が茶化してくる。

てか、さっさと病院行けよ。

 

そんなことを思いながら、俺はタオルで汗を拭った。

ほんと、疲れたな。

 

チラリとスコアボードに目を向ける。

試合は既に9回の表が終了したところ。

 

あーあ、こんなに荒れちゃうとはなあ。

我ながら、他力本願な投手だこと。

 

1−7

 

こんなにもひどいとは、自分自身でも思っていなかった。

打線も中々相手エースを打ち崩すことができず、ここまで1点しか取れていないと本調子ではない。

 

中々打線が繋がらない。

うまく、相手にはぐらかされている。

 

あとは、味方打線に託したいと思う。

というか、そうせざるを得ない。

 

 

 

しかし、優勝候補の名は伊達ではない。

我らが青道高校は驚異的な追い上げを見せたものの、6−7とあと一歩届かなかった。

 

俺の成績で言えば、9回を7失点と炎上。

三振は11個と二桁奪えたのだが、な。

 

負けてちゃ、意味ない。

 

俺は一年越しの敗北の味を噛み締めながら、大きく大きく息を吐き出した。

 

 

 

 

 

 






ということで、弱点露呈回でした。
意味わからないところもあるかと思いますが、ご都合主義ということで(目逸らし)

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