燃え上がれ青炎!   作:聖戦士レフ

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エピソード20

 

 

 

 

 

蒸し暑い夏。

蝉の鳴き声が休む間も無く鳴り響いている中、ブラスバンドの演奏と部員たちの声が響く。

 

7月第二週。

開会式を来週にに控え、俺たち青道高校も最後の調整を行なっていた。

 

「一也、真っ直ぐ。」

 

かくいう俺も、夏大会に向けてほぼ完璧に仕上がっていた。

 

どのボールの精度も仕上がり、制球も安定している。

 

特にストレートの状態が良い。

 

あの大阪桐生との練習試合以降、指先の感覚が敏感に感じるようになり、ストレートのキレが増した。

当時はその場しのぎとしか考えていなかったけど、まさかちゃんと効果があるとは思わなかった。

 

また、指先の感覚を感じるようになってから、SFFの精度がだいぶ改善された。

元々内外の投げ分けしかできなかったのだが、今では四分割まではできるようになった。

 

 

とまあ、こんな感じで俺はちゃんと仕上がっている。

そして、俺以外も。

 

丹波さんは、新変化球であるフォークを完璧にマスターし、決め球としてちゃんと使えるレベルまで持っていった。

ストレートとカーブのキレ自体もまずまずであり、先発の柱として投げてくれるだろう。

 

ノリも、だいぶ安定するようになってきた。

サイドスローから角度のあるストレートとスライダーを丁寧に低めに集めていくという持ち味を活かして、リリーフ陣をを支えてくれるはずだ。

 

リリーフである降谷は、やはりストレート。

まだまだ課題は山積みながら、やはりそれを補って余るほどのストレートを誇っている。

 

またフォークも俺と丹波さんと改良を進め、徐々に決め球として使えるようになってきていると、どんどんボールの精度を上げてきている。

 

 

そして、守護神である沢村。

クリス先輩の提案で握りを変えたことによりブレ幅が大きくなったムービングボールと、手元で伸びる4シームを組み合わせた打者を欺く投球でテンポ良くバッターを刈り取る青道最後の砦。

 

限界まで体を開かない球持ちの良いフォームと、インコースでどんどん勝負に行ける強心臓の持ち主と、一年生ながら本当に抑え向きのピッチャーである。

 

 

ちなみに沢村のムービングボールの改良というのは、クリス先輩と俺、そして一也の作戦会議で生まれたもの。

フォーシームを覚えたことで縫い目を気にするようになり、前のような天然のムービングボールを安定して投げられなくなったのだ。

 

そこでクリス先輩。

 

「意識してしまうなら仕方ない。そもそも全く違うボールとして捉えさせればいいのだ。」

 

ということで、適当に沢村に投げさせる。

 

自分の投げやすい握り、適当にボールを持たせて投げさせた結果。

なんと、鷲掴みで投げると、完璧なまでの高速チェンジアップになったというのだ。

 

 

 

 

一応起用法としては、以下の通り。

 

基本は先発完投、大事な試合で投げるのが大野夏輝。

先発もう一枚としてローテーションを回すのが丹波さん。

 

基本はセットアッパー兼ロングリリーフでフル回転のノリ。

 

元々リリーフのみの予定だった降谷は予想以上に安定してきているため、場合によっては先発。

降谷に関しては打てるため、俺と交代交代でレフトにも入る。

 

そして9回、守護神として試合を締めるのが抑えの沢村。

 

こんな感じで、ある程度の役割分担をして投げる。

特に俺は決勝に近づけば近づくほど投球回が増えていくため、前半は丹波さんと降谷で回すことが中心になる。

 

ほぼ決まっているところで、準々決勝の市大三校と決勝の稲実。

このに試合は、完投する可能性が高い。

 

だからこそ、その前にあまり疲労を残したくない。

 

涼しい秋や春なら心配はいらないのだが、今は夏。

連日30度を超える炎天下のなかで投げれば、確実に疲労は蓄積していくから。

 

 

 

とまあ、投手陣はこんな感じで仕上がっている。

そして仕上がっているのは投手だけではない。

 

野手たちも不動のレギュラーはもちろんだが、代打の切り札である春市くんやメンバーに返り咲いたクリス先輩など、ベンチのメンバーの厚みが増している。

特にクリス先輩は、全盛期ほどではないもののバッティングの調子も戻していき、スタメンマスクを被る場合もある。

 

特に降谷を先発させた場合はノリでロングリリーフ、最後は沢村で締めるという構想のため、沢村とノリと相性の良さや降谷の勉強も兼ねてクリス先輩がキャッチャーに入る予定になっている。

 

 

一応、打順としては以下の通り。

 

1番 遊撃手 倉持洋一

2番 二塁手 小湊亮介

3番 中堅手 伊佐敷純

4番 一塁手 結城哲也

5番 三塁手 増子透

6番 捕手  御幸一也

7番 投or左 大野夏輝

8番 投or左 降谷暁

9番 右翼手 白州健二郎

 

後は守備固めとして、門田さんか坂井さん。

代打の切り札として3年の楠木さんと1年の小湊春市くん。

 

このメンバーを中心に試合を運んでいく。

 

 

そしてもちろん指揮を取るのは、片岡鉄心監督。

堅実な野球もさることながら、先手先手で仕掛けていく攻撃的采配で試合を掌握する、若き名将。

 

就任一年目以来甲子園からは遠ざかっていたものの、今年こそはその栄冠を取るべく今年もユニフォームを纏う。

 

 

強力な打撃陣は健在ながら、これまで課題であった投手陣にも厚みが出た。

間違いなく、去年のチームよりも。

 

今の俺たちは、強い。

 

そう確信して、俺たちは声を出した。

 

 

 







飛び飛びですが、ここから夏大会編入ります。
日常パートとか苦手ですし、割とサクサク進めていきたい。
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