燃え上がれ青炎!   作:聖戦士レフ

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2年秋までは結構サクサク行く予定です。
後、ここまでは原作改変少なめです。
視点の都合上描写できていませんが。




エピソード5

初戦に快勝した俺たち青道高校は、勢いのまま勝利を重ねていった。

 

2回戦は、丹波さんが先発して7回を4失点と試合を作る

打線も初戦同様爆発し、12−4で7回コールドで勝利。

 

続く3回戦は俺。

この試合も相手打線を抑え込み、5回を1失点。

 

残りの回を同い年の川上が抑えて、9−2で7回コールドで勝利を収めた。

 

 

 

そして、準決勝の先発は丹波さん。

この日も安定した立ち上がりを見せ、6回を2失点に抑える。

 

打線は少し元気がなかったものの、それでも7得点とリードしていた為、誰もが勝利を確信していた。

 

 

が、なんとここでセットアッパーの川上が大炎上。

 

新球種であるシンカーがまさかの暴走、2者連続のデッドボールに続けて四死球。

挙句のはてに置きにいった甘いコースを連打され、あれよあれよという間に7−6まで詰め寄られてしまう。

 

流石の川上はお役御免。

登板予定のなかった俺が緊急登板し、残りのイニングを無失点で終えたためなんとか勝利は収めた。

 

 

 

予想外の事態もあったが、とりあえずは決勝まで駒を進めた。

 

対戦相手は、同地区の市大三高。

今年の春の甲子園でベスト4という輝かしい成績を残した強豪だ。

 

が、負けるつもりはない。

 

この大会の上位2校が関東大会に行けるため勝たなくてもいいのだが、折角なら勝ちたい。

そもそも、同地区のライバルに負けるわけにはいかない。

 

 

 

ということで、先発はエースである俺。

昨日登板しているため少し不安要素はあるが、打線が爆発してくれることを祈る。

 

相手先発も、エースの真中さん。

鋭く横に変化する高速スライダーの使い手。

 

甲子園でも、その右腕を奮ってきたエース。

しかしその分、疲労も相当あるだろう。

 

相手の打線は、うちとほぼ互角。

都内でもトップクラスの打力を誇るチームのひとつだ。

 

 

 

 

さて、と。

 

「今日は完投かな?」

 

試合前の挨拶も済ませ、先頭打者である倉持が打席に向かう。

それを見つめながら、俺は横に座る御幸に声をかけた。

 

「だろうな。丹波さんは今日投げないだろうし、ノリもあの調子じゃあな。」

 

もう1人リリーバーはいるが、正直頼りない。

特に相手が市大三高となれば、大炎上不可避である。

 

それなら少しばかり疲労がある俺が投げた方がマシだと、自分で言えちゃう程度にはやばい。

 

「スタミナは大丈夫だろ?」

 

「冬に死ぬほど走ったからな。」

 

去年の夏はまだ中学生の体力だったからな。

それを克服したくて、オフシーズンである冬は特に走り込みを中心に行ってきた。

 

今では9回完投も問題なくできるし、連続完投とかじゃなきゃ連投もできることが練習試合でわかった。

 

なのでまあ、この試合も問題はない。

 

 

「おっ、倉持出たぞ。」

 

まずは、同い年の倉持が出塁。

ミートパワー普通の、走力特化型のリードオフマンだ。

 

そんな彼が塁に出れば、それはもう。

水を得た魚のように走り回る。

 

 

クイックも牽制もそこそこ上手い真中さんから、あっという間に二塁を盗んだ。

 

2番の亮さんが、得意の小技であるバントを完璧に成功させ、ランナー三塁。

そして純さんが芸術的な流し打ち(ポテンヒット)を見せ、ワンナウト時点でいきなり先制。

 

更に、ここで4番。

高いミート力に長打力、打撃に関しては都内随一と言われるほどの圧倒的主砲、哲さん。

 

流石の真中さんも力が入り、四球。

疲労もあってか、無駄な力が入りまくってしまった。

 

しかし、5番は恐怖のクラッチヒッター。

というより、チャンスでしか打てない打点王こと一也。

 

「今日は援護できるぞ。」

 

「チャンスを作ってくれた純さん哲さん、あとは真中さんに感謝だな。」

 

最後のは、皮肉。

調子悪いのは仕方ないけど、4番歩かせてその後ろのバッターに打たれるとか最悪だからな。

 

逃げた挙句の得点は、チームにも来るものがあるだろう。

 

「哲さん歩かせた時点で終わりっすよね。」

 

「まあ、今日の真中じゃあね。勝負してても終わりだよ。」

 

サラッと毒を吐く亮さん。

何故か冷や汗が出たので、そそくさとベンチを出る。

 

 

俺がネクストバッターズサークルで素振りをしながら待っていると、やはりこの男はやってくれた。

 

 

カキィン!

 

 

場内に響き渡る快音。

その音とアーチを見れば、誰でもその打球の行方は予想できた。

 

「行ったね。」

 

「行きましたね。」

 

「行ったな。」

 

ベンチ各地でそんな声が聞こえる。

そんな空気になるほどの、所謂確定演出であった。

 

「ちゃんと援護してやったぞ。」

 

「チャンスだったからな。まあ、ありがとう。」

 

すれ違いざまハイタッチをして、俺も打席に立つ。

コールされる、俺の名前。

 

「6番、ピッチャー、大野くん。」

 

思わぬ先発発表に、場内が少しどよめく。

まあ、今はバッター大野夏輝だ。

 

 

実は、そこそこ打てる方。

特に意識とかはしてないけど、一也が言うには自然とリストや肘を柔らかく使えているとのこと。

 

ホームランは少ないけど。

地味に、ヒットの数は多め。

 

少なくとも、倉持よりは打てる。

俺は奴と違って内野安打ないから、打率は奴の方が高いけど。

 

因みに一也より打率は高い。

得点圏打率は、言うまでもないけど。

 

 

(さてと、どうすっかな。)

 

初球はきっと、ストレート。

一発を浴びたなら、慎重に入ってくるはず。

 

打者は、一発のないピッチャー。

バッテリーの認識でも、俺への警戒心は薄い。

 

 

こういう時は、確か…

 

(とりあえずの外角低め(アウトロー)…だよな!)

 

投げ込まれた速球は、俺の想定と全く同じコースに。

俺は迷いなく、振り抜いた。

 

撃ち抜かれた打球は、レフト前へ。

我ながら美しい流し打ちでチャンスを広げる。

 

 

しかし、7番でスタメン出場していた樋笠がセカンドゴロのゲッツーに抑えられてこの回の攻撃を終える。

何だかんだで、初回にいきなり4得点である。

 

「悪いな、夏輝。四点止まりだった。」

 

申し訳なさそうにそう言う哲さん。

この人は本当に天然なんだから。

 

「大丈夫ですよ、哲さん。」

 

帽子を深く被り直し、俺は重く閉ざされた瞼を開ける。

 

 

「俺はもう、負けませんから。」

 

笑顔で、そう答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ:主人公のステータス(2年春)

 

 

大野夏輝 2年 投手

右投左打 身長176cm 体重70kg

 

ストレート 131km/h 球威B

ツーシーム 128km/h 球威A

スライダー  変化量 2 球威E

Dカーブ   変化量 4  球威C

SFF 変化量 2 球威E

 

コントロール A81

スタミナ   B74

 

特殊能力

対ピンチA/ノビA/ クイックF

奪三振/低め○/闘志/球持ち○/アウトロー球威/軽い球

 

 

弾道 2

ミート C69

パワー D56

走力  C62

肩力  A80

守備力 B71

捕球  E49

 

特殊能力

アベレージヒッター/流し打ち/ラインドライブ

 

 

こういう妄想ステータス考えるの好きなので、定期的にやります。

主人公以外にも、能力に変化のある原作キャラとかもやっていきたいと思いますのであしからず。

 

 


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