燃え上がれ青炎!   作:聖戦士レフ

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エピソード58

 

 

 

 

 

練習が再開してから、1週間とちょっとが経った頃。

世間では、甲子園が開幕して話題になっている。

 

そんな中、俺たちはとにかく練習に打ち込んでいた。

 

 

 

夏休み、鬱陶しい勉強もせずに野球に打ち込むことが出来る期間。

尚且つ、大会は来月頭からなので、まだあと1ヶ月近く期間は空いている。

 

 

その為、今はとにかく身体作りというか、選手としての基礎作りに勤しむことができる。

 

 

 

 

と言うことで。

 

「ほら、まだ折り返し地点だぞ。」

 

「「は、はい。」」

 

 

体力トレーニングです。

 

 

 

野手たちはそれぞれの位置で守備練習。

投手はその間、俺がメニューを任されている。

 

 

まあ、なら走るよね。

だって今このチーム、誰1人としてスタミナ十分な選手いないし。

 

 

 

 

高校野球の体力増強期間といえば、やはり冬。

体外試合が禁止されている長い期間で体づくりに専念すると言うのが、よくある。

 

 

しかし、やはり効果的になるのは夏だろう。

 

30℃を超える炎天下で、尚且つ湿度の高い真夏に行うトレーニングは、やはり他の時期にやるトレーニングに比べると効果も高い。

 

 

 

何より、この暑さは夏にしか味わえないからな。

 

結局甲子園は真夏の一番暑い時期に行う。

この気温で高強度の運動をすることに慣れておかなければ、高いパフォーマンスを維持することはできない。

 

 

 

「ほら、顔上げろ降谷。酸素は下にねえぞ。」

 

 

俺がそういうと、胸を張って身体を起こす。

うん、いいぞ。

 

 

「そら、残り半分、行くぞ。」

 

そして俺がダッシュする。

それについてくるように沢村、ノリ、降谷と順番についてくる。

 

 

今しかできないことを、全力で。

最後の最後で、後悔したくないから。

 

 

 

今、決勝で戦った稲実は俺たちにはできない経験をしている。

きっとさまざまな刺激を受けて、秋の大会では成長してまた戻ってくるだろう。

 

それに勝つためには。

俺たちはその経験に勝る努力をするしかない。

 

 

俺たちにあるのは、敗戦の悔しさ。

もう二度と負けたくないと言う思い。

 

 

 

 

しかし、それだけあれば十分だ。

 

俺は滲み出た汗を拭い、歯を食いしばった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

残りのランニングメニューを終えて、小休憩。

そこで倒れている降谷と沢村にドリンクを渡し、俺もその場に座り込んだ。

 

 

「疲れたか?」

 

俺がそう問うと、2人は勢いよく起き上がって、大丈夫ですと声を上げた。

流石、意地っぱり2人。

 

 

「ノリは、やっぱまあだ余裕ある?」

 

1人立ちながらドリンクを口に含むノリ。

彼も俺がそう聞くと、笑って俺と同じように座り込んだ。

 

「そう見える?ちょー疲れたんだけど。」

 

「でも2人よりは流石に余裕あるね。」

 

 

そう言うと、ノリは少し微笑んだ。

 

 

 

さてと、野手も一旦休憩か。

じゃあ、俺たちも合流するか。

 

 

「ほら、守備練習行くぞ。」

 

 

体力づくりの後は、外野ノック。

打球に素早く反応して落下位置に入ると言うのは、下半身に効果的なトレーニングだ。

 

 

 

まあ俺と降谷に至っては、そもそもレフトに入る機会も多いからな。

ここを守る練習するのは、当然である。

 

 

 

俺がレフトの守備位置に入ると、なぜか監督から呼び出された。

 

 

「お前はセンターの守備につけ。」

 

 

え、今なんと。

 

守った経験ないし、そもそもレフトで降谷と入れ替えが多いんじゃないの。

 

 

 

「お前足は割と速いし、運動神経も悪くないからな。」

 

 

と、一也から援護。

あ、これはやらないといけないやつですね。

 

 

 

と言うことで、初センター。

流石に初回ということもあり、中々お粗末だが、意外となんとかなりそうな感じはした。

 

 

 

今のところ、外野手の候補としては以下の通り。

 

 

 

まず主将でライトの白洲。

これは打撃と守備の双方で高い水準のため、当確。

 

 

後は、センターとレフト。

基本みんな外野全部できる奴が多いため、ここはまだ固定されていない。

 

 

 

まずセンター。

打撃と投手もできる点で、大野夏輝。

 

 

もしくは、外野専の麻生。

広い守備範囲と、安定感のある打球処理とそこそこの打撃。

 

 

足の速い関も、ありである。

守備も良く、カットなど小技に長けているため相手からすると結構厄介。

 

 

 

後かなり評価されているのは、東条秀明。

投手だけあって、やはりセンスがある。

 

高い反射神経と柔らかいリストを生かした巧打者であり、中学時代も守っていたらしく、守備も結構いける。

 

ただまあ、まだ力不足は否めない。

投手として2軍で経験を積みつつ、体力アップを図る。

 

 

 

レフトは、それこそさっき話に出た麻生と関。

 

もしくは降谷。

沢村は守備が酷すぎるため、今のところはなし。

 

 

 

こんな感じ。

 

守備だけでいえば麻生と関だが、バランスを考えると俺と麻生か。

かなりファイヤーだが、俺と降谷もなくはないか。

 

白洲の負担がマッハだが。

 

 

 

 

いい機会だから内野も紹介しよう。

まずはキャッチャー、これは勿論決まっている。

 

打撃と守備総合的に見ても御幸一也確定である。

 

 

後は、ファースト。

拮抗しているが、やはり声かけなどの観点から前園か。

 

 

セカンドは、小湊弟君。

兄譲りの広い守備範囲と現在のチームでは上位の打撃技術から。

 

 

ショートもまあ、倉持だろう。

これは説明不要。

 

 

サードは、まだ微妙なライン。

 

安定感でいえば、樋笠。

しかし中々、こいつもぽろりとする。

 

 

同室贔屓かもしれないが、俺的には金丸。

守備は樋笠よりも安定しているし、打撃もパンチ力がある。

 

 

 

 

 

おそらくは、こんな感じか。

とはいえ、まだ途上。

 

ここから今後の成長具合や練習での態度、練習試合の結果を見て監督も試行錯誤していくのではないだろうか。

 

 

 

 

新チーム初めての練習試合は、1週間後。

予定だが、対戦相手は夏の大会でベスト16の坂田丘高校。

 

 

まずは初めての実戦。

とにかく、いい勝ち方をしたいよな。

 

 

チームとして。

個人の力ではなく、打線のつながりで得点を重ねていきたい。

 

 

 

 

 

まあ、欲張りすぎかな。

とにかく実践の感覚を掴もう。

 

 

それが、最初の目標、かな。

 

 

 

 

 

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