燃え上がれ青炎!   作:聖戦士レフ

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エピソード62

 

 

 

 

 

 

日が昇って、まだ一時間ほどの東京。

喧しい蝉の鳴き声にうんざりしながら、俺はゆっくりと歩みを進めた。

 

ルーティーンというには大袈裟かもしれないが、いつも体力トレーニングも兼ねて行う早朝のランニング。

これをしないと、1日が始まらない。

 

 

「おはようございます、なっさん!」

 

朝らしからぬ元気な声が、俺の耳に突き刺さる。

 

 

よく言えば元気だが、こちらからしたら喧しいことこの上ない。

流石にもう、慣れたが。

 

 

「ああ、おはよう。」

 

「今日もいい朝ですね!絶好のランニング日和です!」

 

 

少しずつペースを上げつつ、テンポ良く走る。

リズム良く、気持ちよく走るというのが目的。

 

 

身体を起こして、身体のキレを出すように。

 

そうすると、自然と練習の強度も増す。

 

 

 

 

俺と沢村がランニングしていると、ちらほらとグラウンドに人影が増え始めていく。

白洲をはじめ、前園や春市、金丸。

 

さらに時間が経つと、チームのほとんどの選手がバットを握り、グラウンドに集まる。

 

 

バットが風をきる。

空気を切り裂く音が、グラウンド各地で木霊する。

 

 

この時間になると、誰に言われるでもなくみんながバットを振っている。

 

いついかなる時も、誰かが練習をしている。

上の世代から継がれてくる、青道高校の伝統のようなもの。

 

 

少ししてから、監督がグラウンドに出てきた。

 

 

 

今日もまた、練習が始まる。

8月も終盤に差し掛かっており、夏休みも佳境を迎えている。

 

練習自体は体力作りがメイン。

炎天下なだけに、とにかくきつい。

 

 

まあ、必要なことだからな。

強くなるには、練習するしかない。

 

 

練習試合だが、チーム状況としてはかなりいい。

 

ここまで六試合は全勝。

俺が先発した二試合は、14イニングを投げて無失点。

 

バッターとしても打率4割台をキープしており、チームの中でも二位の打率を誇っている。

なお一位は、小湊春市である。

 

 

チームとしてもなんとなく打順が固定されてきているため、それぞれの役目も段々と自覚してきている。

 

四番に入ってる一也は、ムラっ気こそあるものの主砲としての役割をしっかりと果たしているし。

リードオフマンの倉持もまあ、率こそ2割台と低迷しているものの、塁に出た際の得点に絡む確率はかなり高い。

 

1番の倉持が出塁、俺が繋いでクリーンナップで得点というのが理想。

これができている日は、大体大量得点で勝てる。

 

まあ、そう上手くいかないように相手もしてくるわけで。

 

 

 

実際一番は投手陣が大崩れすることが少ないため、勝利が先行している。

 

 

降谷は10イニングを投げて3失点。

先発した一試合では無失点だったが、中継ぎ登板した時にアウト一つも取れずに3失点して降板してしまった。

 

それ以外は安定していたため、やはり先発向けなんだろうな。

 

 

ノリと沢村はかなり安定感がある。

2人ともリリーフ登板が多かったものの、抜群の安定感の投球を見せていた。

 

 

 

チームとしてはかなり状態がいい。

打線も若干繋がり始めて、投手も安定してきた。

 

特に大きな要因というのが、この人である。

 

 

「次、アウトコースに3球。6割でいいから必ずストライクに入れることを意識しろ。」

 

ブルペンの主、カエルの神様、敏腕コーチ落合さんである。

 

俺のカットボールの時もそうだが、コツを教えるのがうまい。

流石、強豪である紅海大相良でバッテリーコーチをしていただけある。

 

 

 

この2週間で、それぞれが課題を見つけて、それを克服しようと努力している。

まだ改善はされないが、簡単に解決できないから課題なのだ。

 

 

しかし、結局戦うのは現状の俺たちなのだ。

夏のブロック予選を戦い抜くのは、今の俺たちなのだから。

 

大会までは1週間とあと少し。

ここいらで、夏休みの集大成をしなくてはならない。

 

 

 

 

そんな僕達に、ある一報が届く。

それは、監督から告げられたとあるチームとの練習試合の申し込みであった。

 

 

そのチームは。

今夏の大会で旋風を起こしたダークホース。

 

 

 

 

 

3日後、薬師高校がやってくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

 

 

落合博光コーチの青道高校選手メモ

 

 

 

白州健二郎

2年 176cm 66kg

 

チームの主将であり、高い順応性とバットコントロールを持つ。

守備走塁の意識も高く、範囲が広い守備とポジショニングからライトで外野の中心を担える能力を持っている。

 

下位打線から上位打線まで打てる器用さアリ。

三年が引退する前は他に埋もれていたため下位打線を打っていたが、新チームでは上位打線で使うべきか。

 

 

理想はクリーンナップ。

3番か5番、もしくは2番6番が適正か。

 

 

 

 

 

倉持洋一

2年 170cm 63kg

 

チーム1の走力と加速性、走塁技術を持つ。

塁上での揺さぶりも上手く、出塁した際の得点率はかなり高い。

 

守備力は都内随一であり、小湊と連携を高めればセンターラインは安泰か。

 

バッティングはまだ荒く、率は他のレギュラーに比べると劣る。

そのため、一番よりも下位打線からのチャンスメイクが良。

 

適正打順は現在置かれている1番か、あえて9番もありか。

 

 

 

 

 

 

 

小湊春市

1年 164cm 50kg

 

小柄ながら非常に高いバットコントロールを持ち、勝負強さの光るバッティングは◎

体格のせいかパワー不足は否めないが、ヒット性の当たりを打つ技術はかなり高いため上位打線に置くのもありか。

 

打率、出塁率はチームトップ。

そのため、クリーンナップに置くのもアリ。

 

セカンド守備は反射神経、走力共に高いため範囲は広い。

少し慎重すぎる気がするが、遊撃手の倉持との連携を高めていけば問題はない。

 

適正打順は2番か3、もしくはヒットメイカーの1番としてもアリ。

 

 

 

 

 

 

 

 

御幸一也

2年 179cm 70kg

 

正捕手で主砲であり、バッテリー内でも高い信頼を誇っている。

意外にも生粋のパワーヒッターであり、得点圏打率はかなり高い。

 

ここ最近はチャンス以外での率も上がっており、特に制球力の高い投手に対してはかなり相性がいい。

 

捕手としての守備力は言わずもがな。

強肩とキャッチング技術は全国でも高い水準。

 

 

適正としては6番くらいか。

しかし今年のチーム方針として、御幸は4番。

 

 

 

 

 

 

 

降谷暁

1年 183cm 65kg

 

一年生ながら才能溢れる豪速球の持ち主。

最速153km/hのストレートに落差の大きいフォークで三振を奪っていくことができる。

 

制球力はまだまだ課題だが、ゾーンで勝負できるようになればプロ入りも約束されるほどのセンスがある。

スタミナもまだまだだが、先発させて徐々につけていけばよし。

 

 

覚えさせるのであればストレートと同じように投げることができるツーシームかもしくはチェンジアップ。

横変化があれば投球の幅もかなり広くなるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

沢村栄純

1年 175cm 65kg

 

最速は136km/hで、左右のコントロールも良いためかなり好投手。

貴重な左腕であり、さらには出どころの見え難い変速フォームとかなり希少性が高い。

 

ストレートと利き腕側に沈む高速チェンジアップとのくみ合わせもあり、安定感抜群。

新たに教えるのであれば、同じく速い変化球のカットボールか、緩急を使えるチェンジアップだろう。

 

 

 

 

 

 

 

川上憲史

2年 173cm 63kg

 

右のサイドハンドで、ための長い少し変則的なフォーム。

サイドから放る角度のあるスライダーは◎

 

低めへの制球力は高評価、あとは決め球があれば尚よし。

基本はロングリリーフで、相性によっては先発でもアリ。

 

決め球には、シンカー系が無難か。

あとは球数を減らすために流行りのカットボールもありか。

 

 

 

 

 

 

 

 

大野夏輝

2年 176cm 68kg

 

ストライクゾーンに自在に投げ込むことができ、制球力は全国でもトップクラス。

キレのある直球と同速で変化するツーシーム、またカーブの精度もかなり高い。

 

球速は遅いながらも空振りを奪えるキレのあるストレートは高評価。

キレもそうだが特に回転軸と回転数がいい。

 

出力は降谷の方が上(というより降谷が圧倒的すぎるだけ)なのだが、まだまだ伸び代もある。

 

特に稲実との決勝戦で見せた出力は、はっきり言って成宮よりも上。

全国でもトップになれる可能性もある。

 

 

決め球が捻りを加えるツーシームなだけに、肘に若干の不安があるか。

 

 

 

打者としても優秀なため、打順は上位で使いたい。

投手には珍しく、高いヒット性能を誇り、2番か1番、もしくは6番か。

いずれにしても下位で使うには勿体無い。

 

 

 

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