名探偵の手記   作:ヨコミチ

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学園事件⑦

休憩所。

 

 

 俺達は休憩所で一息入れていた。

 俺は灰原の要求でジュースを買っていた。

 俺達が腰を下ろした休憩所にも自動販売機はあるのだが、灰原はわざわざ遠い所の自販機にしか置いていないジュースを注文しやがった。

 おかげで、俺はこんな所まで足を伸ばすはめになったんだ。

「んぁ、これか。」俺は自動販売機のボタンをつづけて二回押した。面倒だったので俺も同じ奴だ。

 下の購入口から缶を取り出そうとした。その時、自動販売機の下に丁寧に折りたたんだ紙が顔を除かせていた。

「なんだこれ?」

 紙を拾い上げ開いてみる。

「??」

 『貴方にお伝えしたいことがあります。

  4コマ目の前の休み時間。屋上まで来てください』

 かなり丸っこい字で書かれている。ラブレターだろうか。

 まぁ、いいか。はやく、飲み物を届けに行かなくては……。

 俺はその紙をポケットにいれその場を去った。

 

 

 

「ほらよ」灰原に飲み物を投げ渡す。

「ありがと」

 灰原はそれを受取ると早速それを開け飲んでいた。そんなに喉が渇いていたのだろうか。

 俺もおなじく缶に口をつける。

「午後3時21分に確定らしいわ」缶から口を離した灰原が言ってきた。なんだそりゃ?

「長野君の死亡時刻よ。さっき現場まで戻っていって聞いてきたの」

 ふーん。なるほど、現場まで戻っていたから喉が渇いていたのか。

 

 

 それから、しばらく俺と灰原は休憩所で考え込んでいた。

 ふと見るそらはもう暗くなっていて、俺のリミットも少なくなっているのかと気付く。

 灰原を見た、するとなにやら顎に手を当て考え込んでいるようだった。何をやらせても絵になるやつだ。

「何、考えているんだ?」そういう俺は何にも考えていなかったりする。自分のことなのに。

「動機よ。」

「動機?」

「えぇ、あなた。殺してないんでしょ? なら、怪しいのはあの二人。どちらかが犯人なのだろうけど。殺すにしても動機が必要でしょう?」

 灰原は、スラスラと話して行く。聞いていると、どうやら灰原の頭の中ではきちんと道筋が出来ているようだった。

 しかし、俺には引っ掛かる事があった。

「ちょっと待ってくれよ。俺あのとき起きてから周りは誰もいなかったぞ?」

 俺は事件当時を思い出しながら話す。そうだ、あの時俺の周りには誰もいなかった。

 ?すると、灰原は哀れみような目で俺を見る。

「はぁ、あの時あの場所には貴方しか、あの場所にいなかった。それなら貴方しか殺せる人はいないじゃない。もう少し考えなさいよ。周りに殺せる人がいなかった。なら、あの時あの

 

場所で彼は、殺されたのではない。そうでしょう? つまり、彼が突き落とされた場所は貴方の教室のベランダじゃない。という事なのよ」

「!!」

 ちょっと待て、俺のいた教室が殺人犯行現場じゃない?

 確かにそうだ。俺が起きたときあの教室には誰もいなかった。

 そして、黒田ひかりも誰かがいたとは言っていない。

 つまり、俺のいた教室から落とされたのじゃない。なぜなら俺の教室には俺しかいなかったのだし、誰かの気配がした様子もなかった。

 なら、どこで?

 俺の一つ下の教室?

 それも違う。俺の教室は3階だ。2階から落とされても死ぬ可能性は低い。もし、生き残ってしまったら犯人からしたら厄介になるはず。だから一つ下の教室は無い。

 しかし、俺の教室の上は何も無いはず……。

 !?!?

「そうよ。気がついたようね。そう、長野君が殺された本当の場所は……」

「屋上」

「コングラチュレーション。そのとおりよ。では、その屋上へといってみましょ?」

 灰原は、立ち上がり座っている俺の傍まで来ると手を差し伸べた。

 俺は、その手を掴み、灰原に気付かされた本当の殺害現場に行ってみることにした。




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