俺の凡高での日常   作:ブリザード

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すいません、遅くなりました。
でも、7月いっぱいはこんな漢字続きだと
思います。8月からはマシになるはず。


第10話 トツゼンの転校生

宮本と仲直りした2日後。朝練に来ていた俺と宮本は一緒に教室に向かっていた。

 

「はあぁ、朝練疲れたな。今日の授業起きてられるかな」

 

「寝てたら私がしばき起こしてあげるから大丈夫。安心して寝てちょうだい」

 

「そんな事言われて寝ていられる奴がいるかよ!!」

 

2人で話し合いながら教室に向かう。だけど、廊下に立っている男子の目が凄く怖い。何睨んでるんだよ。別に俺達は付き合ってないぞ。ただの友達だぞ。

 

「おーっす、小野寺」

 

「おはよう、小咲」

 

「おはよう、クロ君にるりちゃん」

 

教室について最初に小野寺に挨拶すると、小野寺も俺達に気づいて挨拶を返して来る。

 

「今日、このクラスに転校生が来るそうだよ。舞子君が騒いでた」

 

「あいつ毎度のこと情報はやいな」

 

教室のみんなに言いふらしてる集をみて呟く。

 

「どんな奴だろうな。面白い奴だったらいいんだけど」

 

「女子だったらこっち側に率いれようかしら」

 

「………流石に男子1人に対して女子3人は気まずいだけど。どんなハーレム展開だよ」

 

「冗談よ。私もこの3人での居心地がいいもの。あと、ハーレムにはならないわよ。てか、させないわ」

 

やっぱり宮本もそう思ってるのか。宮本と付き合いたいっていうのはあるけど、小野寺に悪いからな……しばらくはこのままだろうな。って、何俺は宮本に告白したら付き合えるみたいな言い方してるんだ!振られる可能性だってあるのに!!

 

「よーし、早く座れよー。出席とるからな」

 

キョーコ先生が教室に入って来て、みんなが自席に座っていく。

 

「うん、今日も全員揃ってるな。突然だけど、今日はみんなに転校生を紹介するぞー。鶫さん、入って来て」

 

教室のドアを開けて入って来たのは美男子だった。………美男子。でも、何かわからないけど違和感を感じる。

 

「はじめまして。鶫誠士郎といいます。これからよろしくお願いします」

 

自己紹介が終わった瞬間、周りから歓声が起こる。主に女子から。鶫は凄いイケメンだった。外歩いてたらモデルのスカウトが来そうなくらいに。

 

女子の歓声は未だやまないけれど、その中で1人、いきなり立ち上がって鶫を指差す人物がいた。

 

「鶫!?」

 

いきなり立ち上がったのは桐崎さんだった。桐崎さんが立ち上がったのを見た瞬間…

 

「お久しぶりです、お嬢!!」

 

鶫が桐崎さんに抱きついた。

 

「ちょ、みんなの前でなにやってるのよ!!」

 

「会いたかったです、お嬢!」

 

「こら、抱きつくなーーー!!」

 

『うぉ、美男子転校生がいきなり桐崎さんに抱きついたぞ!?』

 

『これは一条君も負けてられないよ!さぁ、一条君も!』

 

「おい、なんでそうなる!てか、押すな!!」

 

抱きついて倒れた桐崎さんを見てみんながさらに騒ぎ出す。はぁ、楽も大変だな。フラグメイカーはよくやるよ。…………鶫は男だったな。桐崎さんと鶫はどんな関係なんだろうか。

 

「会えて色々話したいことはあるのですし、お嬢の彼氏の事も聞きたいのですが、その前に私は一つ済ませたい事があるのです」

 

鶫はゆっくりと立ち上がってこのクラス全体に聞こえる声で言った。

 

「このクラスにいる神崎黒という男は誰だ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………………………俺?

 

「ほら、クロ君。呼ばれてるわよ」

 

「一体どういうことだ?俺はあいつのこと知らないぞ」

 

俺は立ち上がって鶫に近づく。

 

「神崎黒は俺だけど」

 

「貴様か!!貴様だけは…………貴様だけは絶対に!…………」

 

おい待て。何で俺はこいつに泣かれてるんだ?俺本当にこいつのこと知らないぞ。

 

『神崎君が転校生を泣かせたよ』

 

『一体どういう関係なんだ?』

 

『殺人者の息子だぜ。何しでかすかわかったもんじゃない………』

 

「つっ!…………」

 

そんなこと言われるとか流石に辛いよ。胸が苦しいわ………

 

「クロ君、大丈夫?保健室行く?」

 

「…………いや、大丈夫。ありがとな」

 

宮本が俺の背中に手を置いてくれる。胸が苦しいのが少しマシになった。

 

「……で、俺は鶫に何かしたのか?悪いがお前の事を俺は全く知らない。何かあったなら教えてくれ」

 

泣いていた鶫が涙を拭って俺を睨みつける。

 

「…………闘だ」

 

「は?」

 

「決闘だ!!今日の昼休みに私と決闘しろ!」

 

「はああぁぁぁ!!?」

 

「いいか!絶対にだぞ。逃げるなよ!」

 

それだけ言うといきなり走り出して教室を出て行った。

 

「…………決闘?」

 

 

 

 

 

 

 

「で、本当に何をしたのよ?」

 

「知らねえよ。こっちが聞きたいんだけど。てか、なんで決闘なんだ?」

 

1限目が終わり、俺と宮本は向き合って会話する。授業中、鶫に睨まれっぱなしで怖かったからこうやって話せる事が幸せだ。

 

「本当に?」

 

「あ、あぁ。本当だ」

 

宮本が俺の鼻の頭に指先がつきそうになるくらいに近づけて聞いてくる。でも、俺は本当に知らない。

 

「…………決闘を何するかは知らないけど、無茶はしないでね」

 

「おう。そんな大変な事にはならないと思うけどな」

 

この時はまだ鶫があんな事をして来るなんて全く思わなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休みになり外に行くと、鶫と俺達の事を嗅ぎつけてか、ギャラリーがたくさん集まっていた。その中には桐崎さんや小野寺、宮本や楽もいる。

 

「……逃げずに来たようだな」

 

「逃げる理由がないだろ。大体何で俺をそんなに恨んでいるのか解決しないとスッキリしねぇ」

 

「何の事かわからないだと?」

 

元々怒っていたのに、俺の言葉にさらに怒りが増す。これが火に油を注ぐ、ということなのか。

 

「で、勝負内容は?」

 

「そんなの決まってる。決闘だ!このコインが地面に落ちたらスタートだからな」

 

「オーケー、と言っても俺はお前を殴ったりするつもりは一切ないけどな」

 

「そんな事を言ってられるのも今のうちだ!!」

 

鶫は親指でコインを弾いた。さてと、どうしようか。あそこまで言うと言うことは腕によっぽど自信があるはずだ。俺も喧嘩自体は弱いわけじゃないんだけどな………お、もうすぐコインが落ちる。勝負スタートか………

 

ジャキン!!

 

コインが落ちたのを見て鶫を見ると、両手にハンドガン。背中にマシンガンなどを背負っていた。

 

「そんなのありかよ!!!」

 

「待て!にげるのか!!」

 

鶫の装備を見た瞬間、俺はすぐさま後者の方へ走り出した。そんな俺を鶫は容赦無く追って来る。銃を撃ってきながら。

 

「あたったらどうすんだよ!!」

 

「そんなの気にするわけないだろうが!!」

 

「ちっ!!てか、なんであんなもの背負ってんのにあんなに走るのはやいんだ!?」

 

俺これでも一応水泳部だぜ。それも中学時代ではかなり強かったのに。足の速さは鍛えられないにしてもスタミナは相当のはずだ。その俺が何でこんな銃持ってる奴と同等なんだ?

 

「くそ、このままじゃラチがあかない。どうしようか………」

 

考えろ、考えろ俺。ここはどこだ?何階だ。どうすればこいつを静められる??

 

「…………そうだ!」

 

こうなったら一か八かだ!!

 

俺はとある窓の前で立ち止まった。

 

「ふふふっ、観念したか神崎黒!」

 

「いや、勝つつもりもねえけど、負けるつもりもねえよ。とりあえずお前には………」

 

俺は窓ガラスを開けて、そこから外に出る。

 

「待て!やはり逃げるのではないか!」

 

鶫もそれを見て窓ガラスから俺を追って来る。だが、ここは3階だ。普通に飛び降りたら死んでしまう。下に何かない限り。そう、下にあるのは……

 

「頭を冷やしてもらうぜ!鶫誠士郎!」

 

俺がこの学校で一番よく使う場所。この学校のプールだ。俺達はプールの方へと落ちて行った。

 

 

 

 

 

『おい、あいつら3階からプールにおちていったぞ!!』

 

『なんだと!?それやばいんじゃ…………』

 

「そんな………クロ君大丈夫かな、るりちゃん…………るりちゃん?」

 

 

 

 

 

 

 

「はぁはぁ、何とか助かったぜ。本当に死ぬ恐怖を味わった気がしたよ」

 

プールに落ちてすぐにプールサイドの方に上がる。

 

「ほら、お前も。手貸すから上がれよ」

 

「貴様の手助けなどいらん!自分で上がれる!」

 

俺は鶫に手を出したが、俺の手を払って鶫はプールサイドに上がった。

 

「何だよ、人が助けようとした…………の……に?」

 

「貴様、何人の体をジロジロと見ている?」

 

「いや、その格好……お前………」

 

「格好?一体なんの話をして……」

 

自分の状況を見て理解したようだ。鶫は今水で濡れたせいでブレザーを脱いでいる。つまり、カッターのみ。だが、カッターを水で濡れていて透けているのだ。その透けているのを見るからにして………

 

「お前、女だったのか!?」

 

俺の指摘に鶫は顔を真っ赤にさせる。

 

「くっ、最悪だ。まさか貴様なんかにこんな姿を………こっち見るな、変態!!」

 

拳銃を構えて俺を脅してくる。

 

「す、すまん!!」

 

俺はすぐに鶫と反対の方向を向く。そうか、朝に感じた違和感はこれだったのか。男じゃなくて女だから違和感があったんだ。

 

「まっ、とはいえこれで私の勝ちは確定だな」

 

「はっ?何を言って……!!?」

 

振り返ろうとすると鶫は俺を押し倒して頭に銃を突きつけてくる。

 

「お、おい。何のつもりだよ」

 

「黙れ。この決闘は私の勝ちだ」

 

「だから、落ち着けって。大体俺はお前に何をしたんだよ。本気で俺はお前の事を知らないんだ」

 

「ふん、当たり前だ。お前とは直接無関係だからな」

 

俺とは無関係?なのに、俺を恨む。一体どういうことなんだよ!

 

「本当に知らないようだな。なら、教えてやる!貴様の父親、神崎蒼は!…………私達の仲間を殺したんだ」

 

鶫は涙を流しながらそういった。だが、俺はその話に親父の名前が出て来た瞬間、俺の頭の中は真っ白になって、鶫の涙を気にする余裕が出来なかった。

 

 

 

 




クロの父親の下の名前はそうと読んで下さい。
感想や訂正があればお待ちしています。

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