俺の凡高での日常   作:ブリザード

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あぁ、るりちゃんと万里花もいいけど
春ちゃんと風ちゃんもいい。

最近そう思うブリザードです。

お気に入り600突破ありがとうございます!
これからもがんばって行きます!


第14話 運命のクジビキ

楽の知り合い?のせいで女子風呂に入って酷い目にあった次の日、林間学校二日目。

 

「なぁ、二人とも。今日山から帰ってきたら、毎年恒例の肝試しをやるんだったよな?」

 

「そうよ。だから、小咲。あんたは何としてでも一条君のペアになりなさい」

 

「ブフォ!」

 

俺とみやも………るりと小野寺で朝食を食べていた。その時にるりが肝試しの話をすると、小野寺が飲んでいたお茶を吹き出した。

 

「でもあれってくじで決まるじゃ」

 

「根性で何とかしろ!!」

 

「そんな無茶苦茶な事言ってやるなよ、るり」

 

「クロ君は黙ってなさい!」

 

いや、でもそんな無茶苦茶な事うまくいくのかよ………多分無理だと思うぞ。

 

「もし、私が一条君と同じ番号だったら交換してあげるし、クロ君があんたと同じになったら一条君と交換してもらうように手は打ってあるから。これで少しは確率が上がるでしょ」

 

「るりちゃん………」

 

「ペアになれたら暗がりで押し倒しちゃえ」

 

「変なこと言わないでよ!!」

 

るりの言葉に一瞬感動した小野寺だったけど、余計な事を言ったせいで小野寺はるりに怒る。

 

「……………じゃあ、もし私がクロ君と同じ番号だったらそれをるりちゃんに交換するね」

 

「なんで私がクロ君とペアにならないといけないのよ!!」

 

「痛いよ、るりちゃん…………」

 

仕返しのつもりかどうかはわからないけど小野寺がるりをからかうと、るりは小野寺の頬を引っ張る。

 

「…………俺はるりとペアになりたいけどな」

 

「はぁ?」

 

「だって、俺小野寺とるり以外に仲良い女子いないもん。で、楽が小野寺なら俺はるりしかいないじゃん」

 

本音を言うと、俺はるりの事が好きだからなんだけど……まぁ、これはまだ言わない。

 

「あ、そ、そういうことね……まぁそうよね………」

 

「ん?どうした。あからさまに落ち込んだような顔をして」

 

「な、なんでもない!とにかく、余計な気遣いは無用だからね、小咲」

 

そう言ってるりは朝食が乗っていたトレイを返却口に持って行った。

 

「…………何だ?」

 

「……ねぇ、クロ君。さっき思ったんだけどるりちゃんの事下の名前で呼んでなかった?」

 

「ん?あぁ、ちょっと色々あって昨日からそう呼ぶことにしたんだ。何か変だったか?」

 

「ううん、全然変じゃなかったよ」

 

「そうか?なら、いいんだけど」

 

……てか、よく考えたら昨日あの中に小野寺もいたんだよな。意識したら何か緊張して昨日の事がフラッシュバックしてくる……ダメだ!何も考えるな。

 

(るりちゃん、いいな。したの名前で呼んでもらって……私も頼んでみようかな)

 

「……あのクロ君『わりぃ、そういや俺、集に呼ばれてたんだった。悪いけどもういくな』えっ……あ、そうなんだ」

 

「ほんとわりぃな!また後で」

 

俺は小野寺と別れ集の方へ向かった。てか、さっき小野寺何か言おうとしてなかったか?

 

「…………言えなかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

山登りも終わったという事で夜。とうとう今日のメインイベントが始まろうとしている。

 

「とうとう来たぜ。この時が!!」

 

そう言って意気込むのは城野崎。今は女子がくじを引いてる。その時、俺と楽と集と城野崎は一緒にいた。

 

「なぁ、集。お前は誰と一緒になりたい?」

 

城野崎は耳打ちで集に聞いていた。

 

「ん?そんなのクラスの女子なら誰でもいいに決まってるだろ?何を当たり前な事をいってるんだ、城野崎君は」

 

「さ、流石は舞子隊長だな……楽とクロは小野寺と宮本だよな?」

 

「ま、まぁな」

 

「ちょ、別に俺は小野寺と………」

 

「心配すんな。俺が小野寺か宮本と同じ番号ひいたらお前に譲ってやるから」

 

「「城野崎…………」」

 

くっ、これが熱い友情ってやつなのか。俺はお前に感動したぜ、城野崎」

 

『次、男子の人ひいてくださいー』

 

「じゃ、じゃあいってくるな」

 

楽がくじをひきに向かった。楽はくじびきの箱の前で止まる。その時……

 

『小咲は12番なんだ。小咲はー12番ー』

 

宮本が遠くの方で小野寺の番号を叫んでいた。小野寺は12番。……宮本は?

 

「なぁ、クロ。楽の奴見てみろよ」

 

集に促され楽の方を見ると引いた番号を見て驚愕していた。あれは12番をひいたな。小野寺もるりの肩ブンブン振って喜んでるし。楽がにやけた顔をしながらこっちに来る。

 

「楽、よかったな。早くペアのところに行ってやれよ」

 

「あぁ、サンキューな」

 

楽は小野寺の方へ向かった。………あ、次俺だ。

 

「じゃあ、行って来るな」

 

「おぅ、頑張れよー」

 

俺はくじの箱の目の前で止まる。俺がくじを引こうとしたその時

 

『あ、そうなんだ!!るりちゃんの番号って14番だったんだね。ふーん』

 

さっきの仕返しなのか今度は小野寺がるりの番号を叫んでいた。番号を言われた本人は今まで見たことないほどに驚いている。

 

「………まぁ、番号知ったからってその番号を引けるほど俺の運はよくない」

 

番号 14番

 

…………母さん、俺神様に見放されてなかったみたい。

 

 

 

 

 

 

 

「どういうつもりよ、小咲!なんで私の番号叫んだのよ!」

 

「るりちゃんだって、私の番号叫んだでしょ!あれ結構恥ずかしかったんだから!」

 

「私も恥ずかしかったわよ!」

 

うわっ、二人がケンカしてるの見るのって結構レアだな……そろそろ止めに入らないとまずいか。

 

「はいはい、ストップ。いい加減にやめような」

 

二人の間に入って喧嘩を止める。

 

「まぁ……サンキューな。お前が番号叫んでくれなかったらるりと同じ番号引けなかったかもしれないし」

 

「ううん、別にいいよ。ねぇ、るりちゃん」

 

「…………まぁ、クラスで全然喋らない人となるよりは100倍ましだけど」

 

るりは少し顔を赤くして顔をそらしながら俺と話す。あれ、俺なんかるりにしたっけ?

 

『12番の人達二人は準備してくださーい』

 

「ほら、小野寺の番だぞ」

 

「あ、ほんとうだ。じゃあいって来るね」

 

小野寺は楽の方へ走って行った。

 

「…………そういえば、この肝試しって手繋いで行動するのよね?」

 

「ん?あぁ、まぁな。でも、大丈夫だろ。もっと恥ずかしい事とかるりはしてるんだから」

 

「もっと恥ずかしい事?」

 

心当たりがないのか頭の上にクエスチョンマークを浮かべている。

 

「あぁ、例えば……膝枕とかさ」

 

「つっ!!///」

 

一瞬で思い出したのか俺が言った瞬間顔を真っ赤にさせた。おい、そんなに睨むなよ。可愛い顔が台無しだぞ。…………ってあれ!?

 

「何だ、楽が小野寺を捨ててどっか走りに行ったぞ!」

 

「どういうことかしら?」

 

あ、小野寺がこっちに来た。

 

「小咲、一体どうしたの?」

 

「何か、千棘ちゃんがお化け役になったんだけど、どっかで迷子になっちゃったみたいで。……まぁ、一条君がいるから大丈夫だと思うんだけど」

 

『次ー、14番の人達来てください』

 

でも、代わりに小野寺は肝試しにいけない…………か。それなら。

 

「なぁ、るり。許してくれるよな。俺とるりと小野寺の三人で肝試しまわること」

 

「……まっ、仕方ないわね」

 

「よし!そうと決まれば………」

 

俺達を呼んだ女の子に事情を話して特別だが3人でまわることを許可してもらえた。

 

「と、いうことだ。行くぞ、小野寺」

 

俺は小野寺とるりの手を引いて肝試しへ出発しようとする。

 

「えっ!?でも、いいの?せっかく二人っきりになれるんだよ?それに千棘ちゃんが……」

 

「私は別にクロ君と二人っきりでいることを望んでないわよ。千棘ちゃんは一条君に任せたらいい。それに、あんたはクロ君に言いたいことがあるんでしょ?」

 

「うっ、でも!!」

 

「あー、もうじれったい!あんたは私たちとまわりたいの?まわりたくないの!?」

 

「………ま、まわりたいです」

 

「なら別にいいじゃない。ほら、さっさと行くわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

肝試しを三人でまわることになったけどね今俺凄い状態だな。右に小野寺。左にるり。これがまさに両手に花って奴か。

 

「にしても、結構みんなクオリティ高いな。いったんもめんやら傘おばけやら。二人とも大丈夫か?」

 

「私は全然平気よ」

 

「あ、あの時の映画に比べたら全然大丈夫……」

 

あの映画のことをまだひきづってたのか!!そろそろ吹っ切れよ!

 

「…………で、小咲。何か言いたい事があるんでしょ?」

 

「それってここで言わないとダメ?」

 

「ダメ」

 

「即答かよ……」

 

小野寺と握ってる方の手に少し力がはいった。

 

「あの!クロ君はるりちゃんにだけずるいと思うの!」

 

「…………はぁ?」

 

いきなり何を言い出すんだ、小野寺は。何か俺ひいきとかしたっけ?

 

「えっと、だからその…………」

 

小野寺が足を止めたので俺たちも歩いている足を止めた。そして、小野寺の方に向き合う。

 

「わ、私のことも……下の名前で読んで欲しいの!!」

 

「…………えっ?どうして?」

 

イマイチ理解ができなかった俺だった。

 

「どうしてって、私とるりちゃんは同じ時期にクロ君と友達になったんだよ。そりゃ、るりちゃんとは同じ部活だからいる時間はるりちゃんの方が長いけど………でも、るりちゃんだけ下の名前で呼ぶのは不公平だと思うの!」

 

えーっと、つまり。俺がるりの事だけ下の名前で呼ぶのを嫉妬したって事なのか?

 

「……わかった。確かにそれは一理あるよ」

 

「クロ君……」

 

「これからもよろしくな、小咲」

 

「…………うん!!」

 

小野寺は元気良く返事して俺に微笑んだ。……やべぇ、すげえ可愛い。

 

「……よかったわね、小咲」

 

「うん、ありがとうるりちゃん、クロ君も!」

 

一件落着、というわけで俺は二人の手を握ってまた肝試しの出口の方へ歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(…………こんなところでいちゃついてんじゃねえよ!!!)

 

偶然その近くを通りかかった一条楽と桐崎千棘。そして、脅かそうと思っていたお化けの考えがシンクロしたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お嬢ーーー!!心配しましたよ!」

 

「一条君、大丈夫だった?怪我とかしてない?」

 

「おぉ、小野寺。さっきは本当に悪かったな」

 

「ううん、別にいいよ。クロ君とるりちゃんと私の3人でまわったし、それに………」

 

(クロ君に下の名前で呼んでもらえるようにもなったから)

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、クロ君。一ついいかしら?」

 

「ん?どうした?」

 

肝試しから戻って来て少し疲れたので木を背もたれにして休んでいるとるりが俺の隣に座って来た。

 

「何で小咲はあんな簡単に下の名前で呼んだのに、私ではあんなに緊張してたの?」

 

「あぁ、それか?何でだろうな。俺にもわかんねぇ」

 

「はぁ?」

 

「けど、もしかしたら」

 

「もしかしたら?」

 

「………いや、なんでもない。いずれわかったら話すよ」

 

「……何それ」

 

俺の曖昧な言葉にるりは笑った。

 

本当はわかってる。小咲もるりも好きだけど、るりには友達以上の感情があったから。ただ、それだけだろうな。

 

「まぁ、なんだ。これからもよろしく頼むよ、るり」

 

「…………えぇ」

 

俺の気持ちは一体いつになったら伝えられるんだろうな。




感想と訂正があれはお待ちしております。
……もうすぐ、万里花が出せるぞー。

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