発見した!というわけでマリーの口調を
九州弁にできました。
マリーが転校してくる当日。
殴られた俺はあれから夜に意識が戻ったようでずっとるりとマリーが付き添っていてくれたらしい。二人は相変わらず険悪な感じだったけど。
そして現在。いつもの朝…………と思いきやえらいことが起きている。マリーがクラスで軽く自己紹介をして、数秒後、マリーは楽に抱きついた。
「はあぁ……!!?」
いきなり抱きつかれた楽はビックリしているが、何より小咲がビックリしている。
「なんだなんだ!?転校生が一条に抱きついた!」
隣で声でけえよ城野崎。
「ちょ、ちょっと待て!な、何すんの、いきなり!!」
「あぁ、申し訳ございません楽様。私、この瞬間をずっと夢見ておりまして」
「………あのー、橘さんはもしかして楽と知り合いか何か?」
集がピシッと手をあげて質問する。その質問にマリーは満面の笑みで答えた。
「はい!楽様は私の許嫁でございます」
『許嫁ーーーーー!!!???』
えっ、許嫁?…………俺楽とそこまでの関係なんて知らなかったぞ。てか、許嫁ってなんだ!!
「マリー!許嫁ってどういうことだよ!」
「あ、クロ様!クロ様も会いたかったですわ!!」
クロ様もって何だ?なんかついでみたいだな。
「えっと、橘さんはクロとも知り合いなのか?」
「はい!クロ様は私の幼馴染でございます…………特別の」
『幼馴染だとーー!!??』
クラスのみんなが一斉に俺と楽に野次を飛ばす。俺は楽のよりはマシなみたいだ。いや、そんな事より小咲とるりは!!
「……………………」
ブンブンブン
楽とマリーの関係を知った小咲がボーッとしている。るりが手をブンブンさせても全く気付いていないみたいだ。でも、何故だろう。るりは小咲のために手をブンブンさせているはずなのに何かに怒りをぶつけているようにも見える。
「ええい、貴様!一条楽から離れろ!そいつはお嬢の恋人なんだぞ!!」
「恋人……?」
おぉ、鶫。確かにそうだ。でも、許嫁がいたのに恋人がいるって最悪だな。
「そ、そうなのよ。実は私達付き合っていてさ」
桐崎さんと楽が肩を寄せ合う。これが本当の修羅場だな。マリーは一体どう出るんだ?
「……こんなゴリラみたいな女性より私と付き合った方が幸せにできますわ」
…………マリー、俺はお前を心から尊敬するよ。なんせ、あの桐崎さんにはっきりとゴリラって言うんだから。
「貴様!お嬢になんて無礼な事を!」
鶫がマリーに向かって銃を向ける。…………って
「ダメだ、鶫!今すぐ銃を下ろせ!じゃないと大変なことになる!」
俺はマリーと鶫の間に入る。
「何だ、神崎クロ。私の邪魔をするつもりか」
違うんだ。もし、マリーに銃なんか突きつけたら。
「突入!!」
その声と共に武装した警官隊が出てきて俺たちを守るように盾を構えた。そして、鶫にも銃が向けられる。
「だから言ったのに」
「……お騒がせしてすいません。実は私のお父様が警視総監に務めておりまして。そのうえ、とても過保護な物ですから」
中学の頃、一度マリーと一緒にデパートに買い物へ向かった時の事。そのデパートで俺と同じ中学でいつも俺をいじめてくる男子生徒三人にあった。その時は、マリーが一緒だったため、俺はさらにいじめられるかと思っていた。ところが、俺がそいつらに殴られそうになった時、先ほどと同じように大量の警官が俺達を守るように来てくれてその時は助かった。でも、その次の日から俺はあいつらを見ることは一切なかった。
「あぁ、どうしましょう。興奮してしまったせいか目眩が……私身体がとっても弱いのです。楽様、クロ様、どうか私を保健室に連れていってくれませんか?」
マリーはわざとらしくしんどそうにする。きっと、楽と俺に話しがあるからだろう。このまま気づかない振りをして普通に連れて行くのもありだろう。けど、ここはあえて……
「なるほどー。つまり、マリーはしんどいから抱っこして保健室まで運んでくれ。そういうことだな?」
「ふぇ?」
そうかそうか。なら仕方ないな。じゃあ遠慮なく。
「よっと。楽ー、保健室行こうぜ」
俺はマリーをお姫様抱っこをして持ち上げた。その時、周りから黄色い声援が起こる。
「ク、クロ様!!なんぼなしけんもそいは恥ずかしかたい!」
「いや、でもしんどいんだろ?だったら無理する必要はない。じっとしてろ」
そう言って俺は廊下に出た。俺のことをずっと睨んでいる人物がいるのを、その時俺は忘れていた。
「小咲、つけるわよ」
「え、でも授業が……」
「いいから!!!」
「はい…………」
「ふー、これで大丈夫だろ。で、俺に抱っこされた感想はどうだった?」
「…………次からはあのような事をしないでくださいまし」
保健室に来た俺達は取り敢えずマリーをベッドの上に座らせ、俺達は椅子に座った。
「……クロと橘は本当に幼馴染だったんだな。普通ならそんな事できねえよ」
「そういうお前も許嫁がいるならどうしていってくれなかったんだよ。俺ビックリしたぞ」
「仕方ねえだろ。それを知ったのも昨日だったんだから!」
そして、楽はマリーに向き直った。
「すまん、何ていっていいか。それに俺あんたの事覚えてねえんだ。今でも昔会ったことなんて信じられないし……あんたはそうじゃねえのか?10年も前に会ったっきりなんて知らないのと同然だ。普通そうだろ?それに、あんたには昔からクロがいたんだろ。普通だったら俺よりクロを好きになると思うんだが」
楽の言いたいことはわかる。でも、それを決めるのはマリーだと俺は思う。
「………はい。確かに私はクロ様の事は好きですよ。……しかしそれは幼馴染として……友達としてです」
「えっ?」
「私はクロ様と4歳の頃から一緒にいました。だから、クロ様の事を私は大好きです。楽様と同じくらいに。ですが、クロ様への感情はあくまで幼馴染、という感情です」
あれ?じゃあちょっと疑問が出てきた。
「なぁ、マリー。何で俺の頬にあの時キスをしたんだ?」
あの時というのは転校する前だ。
「それはまた会う約束って事と、一生友達という事でしたのですが、迷惑でありましたか?」
「いや、迷惑ってわけじゃないけど」
じゃあ、あの時は恋愛感情ではなくあくまで友達としてって事だったのか。
「ですが、今はです。もしかしたら私の感情が変わる事があるかもしれませんよ?気をつけて下さいね、クロ様。クロ様を思う人もいるようですし」
俺を思う人?一体誰の事だ?
私は楽様が大好きです。親に決められたからではなく10年間ずっとあなたの事を思ってきました。あの約束の事もはっきり覚えています。というわけで楽様、私と結婚しましょう!!」
マリーは楽に飛びついた。楽のすぐ隣にいた俺も巻き込まれる。
「さぁ、楽様!衣服をお脱ぎになって。何ならクロ様も!」
「うおぉ、ちょっと待て!!」
「マリー、落ち着け!落ち着けって!!」
くそっ、マリーをどうにかしないと、って楽は何、マリーと俺を押し倒してんだよ!しかも、俺はシャツのボタン全部外れたぞ。ズボンもチャックが!
「こらー!!あんた達なにやってんのよ!!」
いきなり、扉を開けて桐崎さんが入ってきた。…………あれ、これやばくない?今の状況を整理すると。
楽が俺とマリーを押し倒している。マリーは何ともないが俺はシャツのボタンが外れてスボンのチャックが下ろされてる状態。
「……獣、ゲイ」
「違うって!!さっき色々あってこんなことになっちまったんだよ。てか、俺はゲイじゃない!」
楽が必死に弁解しようとする。てか、そう思うなら押し倒している俺をどうにかしてどいてくれ。
「死ねカス、ホモ」
「カス!?てか、ホモでもねえよ!!」
「………………(ものすごい悪口)」
「え、ごめん。今なんて言った!?」
鶫とるりまで楽を罵倒する。しかも、るりに至ってはなにいってるのか全くわからない。
「お!小野寺、話を聞いてくれ!俺は断じて何も……」
いつもならここでフォローをかけるのは小咲の筈だが、今回はあまりにビックリした事で身を引いてしまった。
「ハレンチもやしは……滅殺!!」
「ぎゃああぁぁああ!!!」
「なんで俺までぇぇぇ!!」
俺と楽は桐崎さんのとんでもないお仕置きをくらってしまった。くそっ、最近マジで殴られてばかりだ。
「ふーっ、何とか助かった。俺は楽よりマシだったみたいだな」
「それはどうかしら?」
いきなり、後ろから声をかけられ振り向くとそこにるりと小咲が立っていた。
「あれ、二人ともどうしたんだ?あ、もしかして俺を心配してくれたのか?」
そうだよな。こんだけボロボロになった奴を心配しない奴なんていないよな。でも、それにしてはやけに殺気が立ってるような…………
「えぇ、そうね。確かに心配したわ。ただの幼馴染に対して一緒に押し倒されたり、お姫様抱っこしたり。あれは一体何の遊びかしら?」
「え…………いや、そのー。……小咲助けて!」
「………ごめん、クロ君。るりちゃん止めようとしたんだけどダメだった」
「そんな…………」
その後の事はご想像にお任せしよう。一つわかるのは俺の顔がとんでもないことになったということだ。
ニセコイの漫画全部読んだらますます好きな
キャラが増えてしまった。るりちゃんに万里花に
小野寺姉妹に風ちゃん。何てことだ。
風ちゃんメインの話やらないかな……
感想と訂正があればお待ちしております。