追われてました。…………言い訳ですね。
これからも頑張っていきます。
あと、お気に入り800越えありがとうございます!
夏休みが終わり、2学期に入った。遊園地の日から俺とるりは何事もなかったように仲良くしてるが、俺は内心ずっと気になっている。るりがあの時何て言おうとしていたのかを。
そして、現在。悩みがあるとはいえ俺たちにはやらなければならないことがある。それは………………!
「……おお、愛しのジュリエット。僕の瞳にはもはや君しか映らない」
「まぁ!嬉しい……私もですわロミオ様!早速結婚致しましょう!」
「文化祭。頑張らないとな!」
「えぇ、そうね。特に小咲には頑張ってもらわないと」
凡矢里高校文化祭である!秋といえば文化祭。俺たちのクラスは舞台でロミオとジュリエットをする事になった。主役のロミオは楽が。ヒロインのジュリエットは桐崎さん………と思いきや、何故か辞退して小咲がジュリエットをする事になった。放課後になった今、小咲と小咲が休んだ時のためにマリーもジュリエットの練習をしている。
「あっちは楽しそうだな。それに比べて俺たちといえば…………」
「模擬店の宣伝だもんね。今は本当にやる事なくて死にそう。てか、もう死んじゃうわね」
「死ぬなよー。頼むから死なないでくれよ」
2人、椅子に座って喋っていた。模擬店の宣伝を任された俺たちは特にやる事もなく、2人で本も読みながら喋っている。正直、暇だ。
「…………そういえば、最近の千棘ちゃんをクロ君はどう思う?」
「桐崎さんか?そういえば、2学期に入ってから楽と話してるところを全然見たことないな。なんかあったのか?」
2学期に入ってから楽は1学期のように桐崎さんと絡むわけではなく、俺や集と一緒にいる事が多かった。それは桐崎さんも同じで、楽ではなく他の女子と話している。
「一体、2人に何があったんだろうな?」
「さぁね。………でも、私には何か嫌な予感しかしないわ」
るりの予感はなぜかよく当たる。本当に悪いことが起きなければいいんだが…………
「あ、練習今日は終わりみたいだな」
集が手をパンパンと叩きみんなを散らばらせる。どうやら、今日の練習はここまでのようだ。
「クロ、るりちゃん。ちょっとこっち来て〜」
「…………何かしら。これも嫌な予感しかしないわ」
集が俺とるりを呼ぶので集のとこまで駆け寄る。
「はい。宮本さんはこっちね」
「へっ?ちょ、なんの話!?」
他の女子にるりが連れ去られる。『そこは女子が着替え中。男子は絶対に入るな!』と書いてある。
「…………何だ?」
「今から楽と小野寺と誠士郎ちゃんの衣装の採寸なんだー」
「ちょっとしたサプライズもあるからここでちょっと待っててくれ」
集と城野崎が俺の方をポンポン叩いてくる。一体何をするつもりなんだ?
「うおおおおっ!すっげぇ、これ本当に手作りか?」
楽が衣装に着替えて出てきた。……やばい。初めて楽がかっこよく見えるぜ。
「クロ、今失礼なこと考えなかったか?」
「気のせいだ」
すると、今度は女子のカーテンの方から声が聞こえてくる。
「………どうしよう。つぐみちゃんの服、胸が留まんないんだけど」
「どうして?採寸したんでしょ?……まさか、この短い期間にさらに。何を食べたらこんなに……ええい、仕方ない!おっぱい増量よ増量。布もっと持ってきて!」
「そんな事、大声で言わないでください!!」
どうやら、鶫の服が採寸したはずなのにサイズが合わなかったようだ。隣で楽が顔を真っ赤にしてる。
「え〜〜〜?何故、私の衣装がないのですか?」
「だって、橘ちゃんは寺ちゃんの代役だもん。丈は寺ちゃんに合わせるから」
今度はマリーの声が聞こえてくる。すると、女子のカーテンの一つが開けられた。そこにいたのは衣装に着替えた超可愛い小咲だった。
「………………………………」
あまりの可愛さに言葉も出ない。衣装を着る土台が可愛いからだろうけど、この衣装を考えた手芸部員が俺は凄いと思った。
「あ、クロ君。衣装どうかな?」
「…………え?あ、あぁ。似合ってるぞ」
「そう?よかった〜。でも、クロ君には違う人を褒めてあげないとね」
「え?それはどういう…………」
どういうこと。そう俺は聞こうとしたが、俺はまた言葉を失った。何故ならその後ろにるりが立っていたから。それも、ジャージではなく小咲とはまた違う衣装を着たるりが立っていたから。
「………………え…………と……これはどういう?」
「寺ちゃんの服を作った時に生地が余ったから作ってみたの。宮本さんって背丈小さいから作りやすかったし。どう、神崎君。可愛いでしょ?」
手芸部員の1人が俺に説明してくれる。いつもくくっている髪の毛を解いて、メガネも外している。そして、顔を赤くして俺を見てくる。やばい。これは惚れてる事もあるからだろうけど、小咲のよりも強力だ。本当に可愛い。付き合ってたりしたら抱き締めてたかも…………
「ほら、クロー。ちゃんとるりちゃんに言わないといけない事があるだろ?」
「え…………あ。そうだな…………似合ってるぞ。すごく可愛い」
「つっ!…………」
お互い、顔を真っ赤にして背ける。集や城野崎はニヤニヤしながら俺たちを見ていた。
「ちなみに、2人は模擬店の宣伝係だから、宮本さんはこれを着て宣伝してもらうね?」
「ちょ、そんなの聞いてな………」
「危ない!!」
るりの視力は壊滅的なほどに悪い。俺も一回、るりのメガネをかけさせてもらった事があるが正直かけてるだけで疲れるくらいだ。そして、今はメガネをかけてない。手芸部員に掴みかかろうとしたるりは周りが見えなくて、こけそうになる。俺はそれを助けようるりを抱きとめた。
「ふぅ……危な。るり、大丈夫か?」
そう声をかける俺とるりの顔は凄く近くにあった。あと数センチ動けばキス出来そうなくらいに。集と城野崎はニヤニヤしているが、他の全員は顔を真っ赤にして俺たちを見てる。
「……………………ば」
「ば?」
「バカーーーーーー!!!!」
「ぐはっ!!!」
そんな俺の顔をるりは全力でぶん殴り、俺を引き剥がした。殴られた俺は数秒空中に浮き、そして、落下した。
「助けたのにこんな仕打ちは……」
そして、俺は気絶した。その後の記憶は俺にはなかった。
放課後、るりと小咲と俺の3人で帰って今は俺の家にいる。俺は今正座している状態だ。あれから、るりは俺に口をきいてくれず、ただ正座と言われて正座させられているのだ。
「るりちゃん、そろそろ許してあげたら?クロ君だってるりちゃんを助けようとしてああなっただけなんだしさ」
「嫌。私にあんな恥ずかしい思いをさせたのよ。まだ、許さないわ」
「そんな事言わずにさ。ね?」
怒って、俺のベッドに座って俺を見下しているるりを小咲が必死に説得してくれようしている。しかし、効果はないようだ。
「なぁ、るり。そろそろ許してくれ。俺の足も限界だ。かれこれ30分は正座してるんだぞ」
「あと、30分はそのままよ」
「鬼か!!!」
「……何か言ったかしら?」
「いえ、なんでもございません」
どうにかしてこれから助かる方法はないものだろうか。小咲に目を向けるが、小咲も横に首を振る。もう作戦は何もないのだ。
「クロちゃん!ちょっときて!今すぐ」
ばあちゃんが下の階から俺を呼んでくれる。ナイスだ!これで逃げることができる!
「悪い、2人とも。少し部屋から出るな。説教は後で聞くから!」
「あ、ちょっと、待ちなさい!」
正座してて足は痺れているが、ばあちゃんからの呼び出しだ。これはちゃんと答えないと。
「ばあちゃん?どうしたの?」
「こっちよこっち。はやくはやく」
ばあちゃんが俺の手を引いて玄関へ連れて行く。すると、そこに立っていたのは……
「クロ、久しぶりね。元気にしてた?」
「か、母さん!!?」
中学2年の頃から別々に暮らしていた母さんが立っていた。
「どうして?てか、もう大丈夫なのか?」
「えぇ、おかげさまで。それより、クロ。今日は母さんからお願いがあって来たの」
「お願い…………?」
「そう。あのね、クロ………………
もう1度母さんと九州の方で暮らさない?」
その言葉に俺は絶句した。
どうでしたか?クロのお母さん出てきました。
何故、いきなり出てきたかは次回に!
感想と訂正があればお待ちしております!