今回クロとるりのイチャイチャばかり。
少し短いかも。
ではどうぞ〜。
「うそ……冗談でしょ?だって、あんなにピンピンして……」
「本当です。元々ずっと体調を悪くしておられたのですが、数日前に急に悪化して……」
いきなりの話に俺はついていけてなかった。あんなに元気そうにしているおじいさんがもうすぐ亡くなるなんて。
「長くないって、どのくらいなんですか?」
「…………先生には今日とも明日ともしれないと言われております」
「そんな…………」
「ですから、今日は来てくださってありがとうございます。お嬢様に会えてお爺様も本当に喜んでおいでですよ。特に、お嬢様に恋人ができたと聞いたときは、とても嬉しそうにしていらっしゃっていました」
一度おじぎをして里中さんはそのまま部屋を出ていった。でも、そんな事実どうやって受け入ればいいのか…………
「るり、大丈夫か?」
「…………えぇ。でも、突然のことだから頭が混乱してて……少し考えさせてくれる?」
「…あぁ。辛いなら言ってくれよ?」
「ありがとう、クロ君」
俺が床に座ると、るりは自然と俺の肩に頭をのせるように寄りかかってきた。俺もそんなるりを拒むことはせず、少しは気が楽になるようにるりの頭を撫で続けた。
「悪いわね。まさか私もこんなことになるなんて思ってなかったから……気遣わせちゃって」
「別にいいよ。俺も楽しい旅になればいいな、って考えてたけど、こうなっちゃったんだし。俺が出来ることならなんでもするよ。協力もする。なんたってるりのためだしな」
「………じゃあその行為に甘えるとするわ」
るりも俺が手伝うのに賛成してくれた。という事で、何か考えるべきだな。
「そうなるとやっぱりるりがおじいさんになにをしてあげるべきなんじゃないのか?」
「何かって?」
「それはるりが考えると事だよ。今まで面倒見てきてくれた事もあるんだし、その恩を返すって考えて、お礼にるりが何かしてあげたい事をするって感じかな?」
「何か……してあげたい事」
「例えば、おじいさんの好きなものをるりが作るとか、るりの手作りの料理をご馳走するとか、後は……るりの写真をたくさん撮らせてあげるとか?」
「とりあえずその最後の案だけは却下」
そりゃそうか。ていうか最後の案は俺がしてみたい事でもある。るり可愛いし…………そういえば
「なぁ、るりって料理できるのか?」
「な、なに突然?」
「いや、そういえばるりが料理してるのって家庭科の調理実習くらいでしか見た事ないし、どうなのかな、って思って」
「で、できるわよ!料理くらい!」
ムキになって俺に反抗するるり。こんなるりはあまり見ないから新鮮だな。
「そうか。じゃあ今度俺に作ってきてくれよ。るりの手作りの弁当」
「な、なんでよ」
「いや、料理くらいできるって言うし。俺も食べてみたいし。嫌か?」
「い、嫌じゃないけど………って今はそんな話してる場合じゃないでしょ!」
話そらされた………まぁいいか。るりの言う事も確かだし。
「とりあえず今日ゆっくり考えて、明日にまたそれを実行に移そう。今日は長い事電車に乗ってたから疲れた……」
「………… それもそうね」
「つーことで、俺布団敷いとくから。るり、風呂行ってきたら?」
「そうさせてもらうわ。ちなみに、覗いたりでもしたら殺すわよ」
ギラッとした目で俺を睨むるり。怖い。すごく怖い。
「んな事しねえよ。集でもあるまいし」
「そう。ならいいけど。それじゃあ、また後で」
「おう」
着替えを持って、風呂場に向かったるりを見送った後、俺は立ち上がりたたんである布団を敷き始めた。
「はぁ………にしても、この部屋広いな。下手したら俺の部屋より広いんじゃないのか?」
部屋を見渡す。あまり部屋には置いてないけど、2人で寝るなら十分に広い部屋だ。
「……よく考えたらここ、るりがいつも寝てる部屋なんだよな……」
るりの部屋。そう考えると自然に顔が赤くなっていくのを感じる。
「いかんいかん。こんな悪い考えはやめないと、うん。布団ちゃんと引いておとなしく待ってよう」
悪い考えを振り払い、るりが帰ってくるのをおとなしく待った。しばらくすると、るりも帰ってきて俺も交代で風呂に入り、疲れた身体を癒して部屋に戻りそのまま2人で寝る事にした。
「まぁ、俺から提案したとはいえ、やっぱり緊張するな。少し布団を離したとはいえ」
「私も同じ気持ちだから言わなくてもわかるわよ。まぁでも寝ないと明日も辛いしそろそろ寝ましょう」
電気を消して、布団に入る俺たち。寝ましょうっていきなり言われて寝れるほどそんなに甘くない。だって彼女と2人っきりで寝るのとか初めてだし。るりも多分同じだろう。
目を閉じてしばらく時間が経ったが、眠れない。身体は疲れてるのに。
「…………るり、起きてる?」
「……えぇ、起きてるわよ」
るりも同じで眠れないみたいだ。
「なにするか決まった?」
「とりあえず、おじいちゃんになにして欲しいか聞いてみるつもりよ」
「そうか……」
寝返りをうつと、何故かるりもこっちを向いていた。豆電球はつけてるからそれはわかる。
「クロ君?」
「な、なに?」
「………やっぱりいい。なんでもない」
るりは何か言いたそうにしていたが、俺の顔を見るとやっぱりやめて、とても不安そうな顔をした。そんなるりを見て俺は咄嗟にるりの手を取った。
「え、な、なに?」
突然の事でるりも驚いている。
「いや、その……るりが不安そうにしてたから………俺はそばにいるから心配しなくてもいいぞ、的な感じで」
とてつもなく曖昧な感じだが俺の気持ちを伝える。すると、るりはクスッと笑った。
「ありがとう、安心した」
「そ、そうか?なら良かった」
安心したのか、るりは俺の手をつないだまま目を閉じた。今日はこのまま寝ようって事なのか。
「………おやすみ、るり」
一言いって俺も目を閉じた。るりの手を握り安心したのか。俺もその後はすぐ眠りにつく事ができた。
「で、なんで川釣りなんですか?」
次の日、るりがおじいさんに何かして欲しい事はないかと頼むと、何故か川釣りをする事になった。
「ほう、君エサをつけるのうまいのう。筋がいいぞ?」
「え、そうですか?ありがとうございます」
「おじいちゃん。本当にこんな事でいいの?」
「うん?ええんじゃええんじゃ。今日1日遊ぶのに付き合ってくれたらわしはそれで楽しいからのう」
おじいさんはるりと1日遊びたいとの事らしい。確かにこのまま重たい空気が続くのも嫌だし、俺も川釣りしたことないからしてみたかったしいい感じなのかもしれない。
「楽しいならいいけど」
川釣りの他に、セミ捕りをしたりみんなで昼食食べたりスイカ食べたり、思いっきり川に飛び込んだりして充実な1日を過ごすことができた。100歳まで生きてることあってなんでも知っているおじいさんには少しびっくりしたりもした。
「はぁ、遊んだ遊んだ。楽しかったなぁ」
部屋で1人で座ってゆっくりしていると、失礼しますと声の後里中さんが部屋の中に入ってきた。
「神崎さん、先にお風呂に入ってください。もう準備は済ませてありますので」
「あ、はい…………でも、るりを先に入らせてあげてください。あいつも今日1日遊んで汗かいたでしょうし、俺は我慢できますので」
「お優しいのですね。でも大丈夫です。るり様に許可を取ってありますので」
「そうなんですか?それなら………」
着替えを持って、風呂場に向かうことにした。だがその時の俺は里中さんが密かに笑っているのに気づかなかった。
「ふー、にしても疲れたなぁ。おじいさんがなんであんなに元気なのかも俺にはわからない……やっぱりこれはるりが来てくれたからなのかな」
カゴの中に脱いだ着替えを置いて腰にタオルを巻いて風呂場のドアをあける。
「…………なっ!?」
「へっ?」
何故か、浴槽の中にるりがいた。
「………………ちょっと待って。なんで?意味わからないんだけど」
「…………意味わからないのは、こっちのセリフよ!!!」
「ぶへぇ!」
風呂桶を思いっきり投げつけられた。
「どうして!なんでクロ君がここにいるの!」
「それはこっちのセリフだ!俺は里中さんに先にお風呂にって言われたから来たんだよ!」
風呂桶を顔面に当てられて物凄い痛いが俺はるりに反抗する。
「里中さんに?で、でも、カゴの中に私の着替えが入ってたはずでしょ!」
「いや、入ってなかったぞ、そんなの?」
「嘘、なんで?そんなはず…………もしかして、これも里中さんが?」
そうだ。俺も最初に気づくべきだったんだ。どうしてるりは部屋にいなかったのか。なんで、里中さんがわざわざ呼んでくれたのかを。
「全部あの人のせいか………ごめんるり、すぐ出る。大丈夫。お前の身体は何も見ていない。うん、見ていないから」
俺は背を向けて、扉のドアを閉めようとする。
「ちょ、ちょっと待って」
だがるりに呼び止められて俺の手も止まる。
「その………クロ君も今日たくさん汗かいたと思うし、そのままでいるの嫌だろうし、何より私が1人でいると色々考えちゃうし、1人でいるより楽なの。だから…………」
ちょっと待って。その続き言わなくていい。俺の理性が効かなくなるかもだし。そりゃ少しは期待もしたけど、それはまだ早いと思うし。だから………
「一緒に入らない?」
「……………………はい」
彼女との初めての混浴。断る?断らない?無論断れない。
どうでしたか?
久しぶりに書いて少し不安。
るりちゃん料理できるのかな?
あと、お風呂で何が起きますかねww
新しく活動報告をあげました。前回と同じくアンケートです。
ぜひお答えください。
感想と訂正があればお待ちしております。