俺の凡高での日常   作:ブリザード

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自分でおもった。タイトル無理矢理すぎる……
変なのですいません


第7話 ミンナデ勉強会

「……そういえばさ、中間テストがもうすぐ迫って来てるような気がするんだけど気のせいかな?」

 

俺は昼休みに宮本と話してるときにふと思った。

 

「中間テスト?……確かにもうすぐだった気がするけどそれがどうかしたの?私もクロ君も成績はそれなりにいいんだし大丈夫でしょ」

 

「そうじゃなくて………」

 

小野寺にはあまり聞かれたくない事だ。

 

「宮本、ちょっと耳」

 

「だから、何よ」

 

宮本が俺の方に顔を近づけてくる。やばい。宮本めっちゃいい匂いがする。って俺は一体何を考えているんだ!

 

「だから、………………って事」

 

「…なるほど。そんな事考えるなんて流石クロ君ね」

 

俺達は小野寺を見ながらニヤニヤして笑う。小野寺は首を傾げながらこっちを見ている。

 

「どうも。って事で宮本は小野寺うまくを誘っといて。なんなら、あいつの家でも大丈夫だから」

 

「了解。メンバーはこの3人に一条君でいいの?」

 

「うーん……桐崎さんも多分くるだろうな。集は『却下!!』…了解」

 

うん。どうやら宮本は集のことが苦手みたいだな。てか、ヘタしたら嫌いなんじゃないのか?

 

「まぁ、いいか。じゃあ楽を誘ってくるから小野寺にいい感じに頼むわ」

 

「了解。頼んだわよ」

 

「おう。そっちもな」

 

楽を探しに教室を出ようとした瞬間、小野寺の叫び声が聞こえた気がしたが、聞かなかったことにしておこう。

 

 

 

 

「……というわけで、今日お前の家で勉強会をしようと思っているんだけど、別にいいか?」

 

「別にいいけど。ハニーはどうする?」

 

てか、何でこいつらは屋上で2人で飯食ってんだよ。どんだけ仲良しだよ。羨ましいぞ、この野郎!

 

「勉強会!?行く行く!絶対行くわ!私友達と勉強会なんて始めてなんだけど!!」

 

目をキラキラさせて、手をブンブン振りながら行くことを了承してくれる桐崎さん。

 

「サンキュー。じゃあ、放課後校門前で集合な」

 

そう言って俺は屋上を後にした。

 

 

 

「オッケーもらえたぞ」

 

「ありがと、というわけよ小咲。あんたはこの勉強会で一条君との距離を少しでも縮めなさい」

 

「そんなの無茶だよ!私に出来るわけないよ」

 

「出来る出来ないじゃなくてやるのよ!いいわね!」

 

「でも『いいわね!!』……はい」

 

何か無理矢理でかわいそうな気もするけど、これもお前と楽のためなんだ。我慢してくれ。

 

「………まぁ、出来るだけ私達がサポートしてあげるから。頑張りなさいな」

 

「るりちゃん……」

 

「勉強教えてもらってるときに勢いで押し倒せばいいのよ」

 

「私の信頼返してよ!!」

 

そんなこんなで昼休みが終了した。午後の授業はノートを取りながらも今日の勉強するメンバーを見てみた。楽と小野寺はお互いに見合っては視線を逸らしあったり、桐崎さんはよっぽど楽しみなのか凄くそわそわしていた。俺としては少しでも2人の距離が縮まればいいんだけど。

 

 

 

 

「……デカイわね」

 

宮本達と楽の家に来た一発目の感想がこれだった。

 

「そうだな。楽もよくこんなとこに暮らしてるよな。息苦しくないのか?」

 

「俺はもう慣れたよ。子供の頃からいるからな」

 

「いや、高校生なんだから楽もまだ子供だろ」

 

「うんうん。俺も楽の家久し振りに来たけど、何も変わってねえよな」

 

俺の右隣にいるメガネをかけた人物が楽の家を見渡しながらも言う。

 

「で、どうしてあなたがいるのかしら、舞子君」

 

「やだなー。こんな楽しそうなものに俺が嗅ぎつけて来ないわけないでしょうが」

 

「帰れ!!」

 

やっぱり宮本は集の事が嫌いなのか?結構いい奴だし、面白いと思うんだけどな………

 

「取り敢えず、上がってくれ。龍、茶を頼む」

 

「ヘイ、了解です坊っちゃん!」

 

返事をして台所に向かった龍さん。その間に俺達は勉強する部屋に向かった。

 

「坊っちゃん、お茶が入りました」

 

「お、おぅ、サンキューな」

 

「私も手伝うよ」

 

龍さんが部屋にお茶を持ってくると、楽と小野寺が立ち上がっておぼんを受け取ろうとする。だが、受け取ろうとした時に二人の手が触れ合った瞬間、二人はおぼんを上にあげた。当然、おぼんの上にあるお茶もぶちまけてしまった。

 

「どわー、大丈夫ですか、坊っちゃん!!」

 

「うおお!?大丈夫か、小野寺!」

 

「ごめんっ、ごめんなさい、ごめんなさい!!」

 

なんだこいつら。手が触れ合った瞬間お茶をぶちまけるって。あれか、ラブコメ展開でよくありそうなあれなのか。

 

「すまん、龍。タオルか雑巾を頼む」

 

「へ、ヘイ!」

 

龍さんがまた何処かに行ってしまった。その間に宮本は鞄の中を探ってタオルを取り出した。

 

「はい、小咲。これで拭きなさいな」

 

「あ、ありがとう、るりちゃん」

 

テーブルやら、床やらを拭いた後に勉強道具をテーブルの上に置いた。取り敢えず、今日出された宿題をやろうと言うことになり、俺達はプリントを広げて始めだす。

 

 

 

 

暫く勉強に集中し出した頃。俺は数学の問題で苦しんでいた。

 

「………るりちゃん、ここわかる?」

 

小野寺は自分のわからない問題を宮本に聞いた。そういうことを楽に聞いたらいいのに………ん?何だ、宮本がアイコンタクトを………

 

「ごめん、小咲。私もこれわかんないから一条君に聞いてくれる?私はクロ君にこの問題を教えてもらうから」

 

「えぇっ!?るりちゃん、この前もっと難しそうな問題を解いてたよね?」

 

「知らん。ねぇ、クロ君。これってどうやって解くの?」

 

何のためらいもなく俺の隣に座る宮本。小野寺は戸惑いながらも楽の隣に座った。

 

「なぁ、お前この問題わからないの嘘だよな?」

 

「当たり前でしょ。小咲と一条君をくっつけるためよ」

 

こいつはしれっと何してるんだ。まぁ、結果オーライだろうけど。

 

「ところで、この問題わからないから教えてくれない?」

 

「何で私とクロ君の立場が逆なのよ」

 

「すまん。でも、どうしても解き方がわからないんだ」

 

「仕方ないわね……」

 

少し俺の方に身を寄せて、途中式を書きながらも俺に問題を教えてくれる。宮本は本当に凄いよな。頭いいし、運動もそれに出来るし……可愛いし。

 

「……っていうわけ。わかった?って何でそんなに顔が赤くなってるの?熱でもあるの?」

 

「へっ!?いや、大丈夫大丈夫。ただ、何かちょっと暑いなって思っただけだから」

 

「………それ本当に大丈夫なの?」

 

「うん、大丈夫!大丈夫だから」

 

そう言って俺は宮本と反対の方向を向いた。落ち着け。落ち着け俺。

 

「クロ君」

 

「どうし………!?」

 

落ち着いた俺は宮本の方を向いた。だが、俺の顔はまた真っ赤になっていく。何故なら、宮本のおでこが俺のおでこに当たってるから。

 

……マジで、これは反則。宮本の顔がこんなに近くにあったらダメだって。ますます真っ赤になるから!

 

「ちょ、凄く熱いわよ!熱でもあるんじゃないの!?」

 

違う熱じゃない。他に理由があるに決まってるだろ!

 

「いや、そんなのないって!本当に大丈夫だから。だから………少し離れてくれるとありがたいです……」

 

「あなたは何をいって…………あ」

 

やっと気づいたのか。確かに宮本の顔があんな近くにあったら顔は赤くなる。だが、それだけではなく。今ここにいるのは俺達のクラスメイト。そいつらにこんなのを見られたらどうなるか。答えは恥ずかしくてさらに顔が赤くなる。

 

見ると、小野寺は顔を赤くしているし、集はニヤニヤ笑ってこっちを見ている。桐崎さんは察したような顔をしていて、楽は不思議そうな顔をしていた。

 

宮本を見ると、宮本の顔も俺と同じように顔がだんだん赤くなっていった。おそらく、俺達の今の顔はゆでダコ状態だろう。

 

「……勉強に戻ろうぜ」

 

「そ、そうね。いきなりごめん」

 

「いや、大丈夫。心配してくれたんだろ?ありがとな」

 

俺達はまた勉強に戻った。さっきの光景がフラッシュバックしまくって全然集中出来なかったけど。

 

 

 

 

「ねぇねぇ。俺もちょっと聞いていいかな?」

 

「いや、勉強しろよ」

 

また暫く勉強に集中し始めてやっと、はかどり出して来た時に集が口を開いた。

 

「いや、クロも気になる事だと思うからさ」

 

何かこいつの事だから読める気がする。

 

「まさか、楽と桐崎さんってどこまでいってるんだ?って質問じゃない

だろうな?」

 

瞬間、楽と桐崎さんがブフーッ、と噴き出した。

 

「ご名答。流石はクロ!で、どこまでいったんだ?」

 

「ど、どこまでって?」

 

「それはもちろんキ『集!ちょっとこい!』」

 

爆弾発言をしようとした集が楽に連れていかれた。

 

「何だ、あいつら」

 

「さぁ?何か二人きりで話したいことがあるんでしょ。私達は勉強でもしときましょう」

 

「そうだな。あ、宮本。ここ教えて。途中式が出来んのに何故か答えが合わないんだ」

 

「これ?これは………今日授業でやったところよ。ここはこうやって……」

 

「ねぇ、小野寺さん。あの二人って付き合ってるの?」

 

「付き合ってはないけど、何て言うのかな。友達以上恋人未満ってやつなのかな?」

 

「つまり、凄く仲が良くて付き合ってるように見えるけど、付き合ってはいないと」

 

「そういうこと」

 

「小咲、今桐崎さんに何を話していたのかしら?」

 

「えっ!?いや、何も話してないよ。単なる、普通の会話だよ」

 

宮本が座ってる場所から移動して小野寺の隣に座り、何の話をしているのかを問い詰める。………暇だな。

 

それから、暫くして楽と集がもどってきた。

 

「何でぇ、坊っちゃんと桐崎のお嬢ちゃんが何も進展してねぇじゃねえか」

 

「ここは一つ俺達が人肌脱ぐべきですね」

 

後ろから扉越しにそんな声が聞こえてくる。恐らく、龍さん達だろう。そう考えていると、俺の後ろの襖を開けて龍さんが入ってきた。

 

「すいません、坊っちゃん。ちょっと蔵からあれとって来てもらえません?桐崎のお嬢ちゃんと」

 

「はぁ?何で俺が。お前らだけでも十分だろう」

 

「俺達はちょっと組長に呼ばれてまして……とにかく頼みましたよ!入ってすぐ右にあるやつですから!」

 

「あ、おい!……行っちまった。仕方ないか、いくぞハニー」

 

「あ、ちょっと待ってよ、ダーリン」

 

今度は楽と桐崎さんが出て行った。いや、正確には龍さんのせいで出て行かされたと言った方がいいのか?まぁ、しばらくしたら戻ってくるだろ。勉強でもしとこ。

 

15分後

 

「二人とも遅いね」

 

「何してるのかしら?」

 

中々戻ってこない楽と桐崎さんを心配してなのか、小野寺と宮本が呟いた。

 

「小咲、クロ君。ちょっと見に行きましょう」

 

「うん、わかったよ」

 

「了解。集はどうする?」

 

「俺もいくよ。一人っていうのも寂しいしな」

 

結局全員楽の様子を見に行く事に。集が行くと言った瞬間、宮本は舌打ちしていたが、何人の人が気づいてたんだろうな。

 

「そういえば、さっき蔵って言ってたな。そこに行くか」

 

外に出て蔵を探す。暫く歩くと蔵を見つけた。その扉の前に誰か立ってるけど。

 

「あの人誰だろ?」

 

「さぁ?けど、どっかで見たことがある気がするんだよな………何処だっけ」

 

何か学校で見たことがある気が……まぁ、いいか。今は楽達の方が心配だし。

 

「おい、小僧。いくら恋人同士だからってそういうことはまだ早いんじゃないのか?」

 

そういうこと?どういうことだ?

 

「あ、一条君。ここにいたんだ」

 

「やっぱり二人ともここに来てたのか…………おい、それはやばいだろ?」

 

蔵の中で桐崎さんが楽を押し倒していて、二人はキスしそうなくらいに距離が近い。こいつら、蔵の中で愛を確かめようとでもしてたのか?

 

「し、失礼しましたーーー!!!」

 

これを見た瞬間、小野寺が俺と宮本の襟首摑んで蔵とは反対の方向へ走りだした。何だ?これが火事場の馬鹿力っていうやつなのか!?

 

結局、今回計画した勉強会は小野寺のためにあまり何も出来なかった。むしろ、俺と宮本。楽と桐崎さんがラッキーだっただけかもしれない。小野寺、本当にごめん。でも、まだきっとチャンスはあると思うから大丈夫だと思うぞ!多分。

 

 

 

 

 

 




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