貯金が底をついた。
理由は至極単純、お金を使ったからである。
主に食べ物だ。ちなみに、貯金とは言ったが銀行に預けているわけではない。
ソファーに寝そべって、財布の中身の絶望的な状態を確認したその少年…神無討也は、ため息をつきながら自分の影に手を伸ばし、そこから一万円札の束を「製造」する。
取り合えず……真面目に働いてる人に謝るべきだ。
魔王を異世界……この地球に送ってからしばらくして、討也、エミリア、オルバの3人がエンテ・イスラから、魔王が逃げた(投げ込まれた)異世界へと移動することになった。
討也ではなく、オルバがゲートを開いたことによって、討也は知るよしもないが、原作通りにオルバは地球には来ていない。
もっとも、事前にベリタスが討也にゲートを開かないように忠告していたのだが。
討也は原作を知らないが、ベリタスの方は知っているのだ。どちらかというと、これから起こることを事前に知っているという点において、ベリタスは討也よりもよほど転生者らしいと言えるだろう。
こちらに討也が来てから数週間経ったが、まだ魔王はマグロナルドでは働いていないようだ。
「あー、こっちでは真奥貞夫……なんだったっけ?」
そんな独り言をつぶやいても誰かが反応するわけでもなく、またその疑問に対しての答えがわかるわけでもない。
ぼけーっと天井を眺めた暇人(但しチート)は何か面白いことは無いだろうかと考える。
討也は基本的には面白いことが起こるのを「待つ」スタンスを取る。しかしながら、今の状況は本当にすることが無い。討也は、ロードラの世界にいるときから、一個目の特典で、影の中にしまっておける空間倉庫と言うものを持っている。恐ろしい事に、この倉庫のサイズはかなり広く、それこそこの地球を入れてもまだ余り有るほどの大きさを持つ。
この世界……というより、以前いた涼宮ハルヒの憂鬱の世界でもそうだったが、こういう近代的な社会構造を持つ世界観の世界では、エンテ・イスラでやったような修行というのはできない。
そのため、修行の時にはこの空間倉庫内を利用するのである。が、それもすでに飽きてきた。
「仕方ない。俺から何か行動をとってみますかねぇ」
つまり、何が言いたいのかというと、討也が真奥貞夫の住む、ウィラ・ローザ笹塚ニ○一号室に遊びに来るのは、避けられない事だったのである。
「さて、エミリアちゃんにバレでもしたら原作崩壊になっちまう。ま、どうせ今仕事中だし関係無いでしょ?」
そういいながら、討也は身支度を整え自分の住むマンションの一室を後にする。ちなみに、討也が、住んでいるのはエミリアの部屋の隣の部屋である。
この世界に来てからしばらく(現在も)エミリアは何故働いている自分より、働いていない討也の住む部屋の方が高い部屋なのかとか、食生活が、豪華だとか言って喚いていたものである。
討也にかかればお金などダークマター能力で簡単に作れるのだ。
「何かお土産でも持っていってあげようかな?」
やはりチートはどの世界でもチートである。
というわけで、原作開始です。
もう少し一話辺りの文量ある方が良いのかなぁ?(^-^;