スター・ウォーズ 〜腐り目は宗教法人の武力団体に加わる〜 作:テクロス
まず最初に、すみませんでした。
感情はなく、平和がある
高ぶる感情に平和は宿らない
無知はなく、知識がある
知識は欲を産み心を知りたがる
熱情はなく、平静がある
平静は死を表し熱を欲す
混沌はなく、調和がある
混沌は悲しみを、調和は刺激を求める
死はなく、フォースがある
死はある、フォースは俺といてくれるか?
35BBY ハチマン・ヒキガヤの教科書の落書きより
Ⅲ IV Ⅶ Ⅷ
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「どうした?イニシエイト・ハチマン。ライトセーバーを早く出さないのか?それとも始める前から降参か?」
目の前でニヤニヤと笑いながら青いライトセーバーを構える同じイニシエイトで少し年上の男は100パーセントの悪意をこちらに向けていた。その理由は自分の悪い目付きとこの手に握っているセーバーのせいだろう。てゆーか、こいつダークサイドの素質あるんじゃないのか?
「んな訳ないだろ…!」
バシュ…!!
俺の手に握られていたセーバーの柄から伸びた光、否、闇の刃は何が出るか分かっていても驚きの声を挙げるイニシエイト達の困惑に包まれた。
「異端め…行くぞ!!」
訓練用にと出力が調整されていても当たるとめちゃくちゃ痛いし刃が至近距離に感じると熱さを感じる。
なぜそれが分かるかって?
「ああぁぁああッ……!!!」
結論、俺が負け続けた結果知り得た情報だからだ。フォースの訓練もセーバーの扱いも特に劣ってはいないと思えるがどうしても誰かと試合をすると思うように体が動かない。
「そこまでだ!イニシエイト・ハチマンは医務室にて治療を、その他は次の座学に向かえ!…」
冷たい地面の感触を十分に堪能した後にムクリと起き上がり医務室に入る。医務員は在室しておらず、棚には治療用の道具が一頻り揃っていた。
「はぁ…」
何度目か分からないため息を吐いて服を脱ぐ。
地球とは違うその布は慣れていなかったがここに来てから4ヶ月で大体慣れてきた。
セーバーが当てられた部分に火傷用の軟膏を塗りたくりその上に湿布を貼り包帯を巻く。一連の作業を終わらせて部屋を後にして静かな廊下を歩く。宇宙地理の座学はもう始まっており、全員モニターを眺めていた。
「遅れました」
「始まったばかりだ、すぐに席に着け、イニシエイト・ヒキガヤ」
「はぁ……」
ため息か返事かも分からない息を吐いて端の席に座る。
「それでは今日はタトゥイーンに住み着くタスケンレイダーから話します……」
何の捻りも無い座学は終わりを告げ、放課後を告げる鐘が鳴る。
「帰るか…」
寺院の近くに俺達が暮らすアパートのようなものがある。ここコルサントで共に引っ越してきた家族の元へこっそり帰る者もいる。はいそこ執着、いやまあ見逃すけどさ…家族が恋しいのは誰にだってある。
「家族…ね」
別に地球の家族が恋しいわけではない。
未練はない…と思う。
「4ヶ月は耐えた方だと思うぞ」
「どぅわあっ!!」
「そこまで驚くなよ、悲しくなるだろ」
「マスター・サイフォ、どうかしたんですか?」
ヘラヘラと夕日の射す廊下にて待ち構えていた彼はこっちへと向かって歩いてくる。
「いやなんだ、噂の“2本目”を是非お目にかかりたくてな」
「……どうぞ」
腰に下げていたセーバーを渡そうとするとマスターは渡されるのを手で制した。
「安易にセーバーを渡さない事だ、もし私が裏切り者だったらお前には自分を守る術が無くなるぞ」
「すみません、分かりました」
忌々しいセーバーを起動させてその闇の刃を見せる。
普通のライトセーバーとは違う高い振動音を発しながら漆黒の刀身はぼんやりとした白い光に包まれ、不気味な輝きを放っている。
「伝説のセーバー、ダークセーバーの2本目か…本物についてはどのくらい知ってる?」
「教科書に書かれてるくらいの事は…」
「座学については成績が良いと言われているのは本当のようだな」
マスター・サイフォに連れられて寺院の廊下を歩く。
そこから下を覗くと空飛ぶ車は慌ただしく往来しており、星々の輝きはその光に呑み込まれていた。
「今日の星はどうだ?」
「すぐ下の光が強くて…あまり綺麗ではありませんね」
「遠ければ綺麗に見えても近くなるとそうでも無いことがある」
「…それってジェダイ評議会の事ですか?」
「こら、あまり広い所で言うな」
「すみません…」
そのまま真っ直ぐ歩くのかと思ったらマスターは寺院の端っこに位置するそこそこ広い空き部屋に入っていった。
「偽善者まみれのフォース狂いの多い職場だからな!」
「ちょっと…マスター?」
「広い所で言うな、と言ったんだぞ?言葉の表面に騙されないよう今後気を付けることだ」
「…はい!」
少し暗いそこは子供だからか謎の恐怖心を駆り立て、バッとマスターの後ろに身を潜める。
「ところでハチマン、座学については良く分かった。しかしライトセーバー技術の方は少々心許無いようだな」
「……このセーバー、重いんですよ。トレーニングを増やしてもてんでダメです」
「きっとそれは、お前がそのセーバーに持たれているからじゃないのか?」
「?」
「抵抗があるんだろう?戦う事に」
「…っ!!」
「いいんだ、ハチマンの星を一通り見たが戦争なんてのとは縁がない、平和に感じた。そんな所で育ったんだ、気持ちは分かる。お前は優しいんだって事が身に染みるよ」
「ありがとうございます…」
だがな、とマスターは続ける。
「優しさは心を癒すが決して腹は膨れないし争いが無くなる訳じゃない。何事にも優しさと力が要求される」
「そうですか…」
「フォースが…私に未来を見せてくれた…そう遠くない内に戦争が始まる。銀河を巻き込む愚かな戦争だ。それを知った私には備えが必要だがどうにも評議会達は容認してくれない。まぁ、平和を重んじるのだから分かってはいたが…」
「戦争…ですか…」
「一応手は打ってあるがどうにも心許無い…だからハチマン…それを持つお前が勝利に導いてやるんだ」
「俺が…ですか?」
「そうだ、それを高らかに掲げ皆を先導し、銀河を平和にしてくれ…俺との約束だ」
小指を出してくるサイフォ・ディアス。それに吸い寄せられるように俺は自分の小指を巻き付けた。まるで新しい希望に縋るように。
「一つ、決して殺しに快楽を感じるな。一つ、決して仲間を見殺しにするな。一つ、食い物は食える時に食え。一つ、学はいつでも助けになる」
「一つ、決して殺しに快楽を感じない。一つ、決して仲間を見殺しにしない。一つ、食い物は食える時に食べる。一つ、学はいつでも助けになる」
四つの誓いを繰り返し唱えて心に刻む。
「よし、ならば特訓だ!セーバーを構えろ!俺が1人前にしてやる!ジェダイが無くなっても賞金稼ぎとして食ってけるような1人前に!!」
「はいマスター!!」
「リミッターなんて外すんだ、命を奪う武器への緊張感を常に感じるんだ」
太陽が沈んできた頃に始まった鍛錬は月が傾いてきた頃まで続いた。セーバーを取り扱う際に型というものがあるがそれを1から叩き込まれた。
寺院で学んでは放課後にマスターとの鍛錬に打ち込む。そんな毎日が続いているある日にマスターは口を開いた。
「ブラスター…買いに行くぞ」
「え、急にどうしたんですか?ていうかジェダイはブラスターとかの所持が禁止されてませんでした?」
「シャラップ!掟に縛られてたらお先真っ暗だぞ!」
「それには同意しますけど…お金とかあるんですか?」
「ふふん、我、ジェダイぞ?クレジットならたんまりある」
「マスター、何処へとも着いて参ります故甘味が堪能しとう御座います」
「よろしい!ならば着いてこい!!全軍進軍せよ!」
「2人しか居ませんけど…了解!」
部屋を出てコルサントの街へ繰り出そうとしていると廊下側の向こうから待ち構える二つの影があった。
「甘味ですか…同行しましょう」
「クワイ=ガン…それとパダワンの…」
「オビ=ワン・ケノービです。はじめまして、マスター・サイフォ・ディアス。それとパダワン候補のハチマン・ヒキガヤ君も」
「はじめまして…ハチマン・ヒキガヤです」
クワイ=ガンと呼ばれた髭を蓄えた男性は出口を塞ぐようにオビワンさんと立っていた。
「その子が例の?」
「まぁな、今から彼と腹拵えに向かうのだが…着いてくるのかね?」着いてくるな)
「えぇ、マスター・サイフォからは師匠の話を聞きたくてございまして」面白そうですから、着いていきます)
「分かった、いい店を知っているんだ。着いてくるといい」
そのままマスター・クワイガンとマスター・サイフォはドゥークーと呼ばれる人の話を熱心にしていた。どうやらマスターとそのドゥークーさんは仲がとても良かったらしいが評議会を抜けてしまったらしい。
「8歳ですか…良く評議会が容認しましたね」
「まぁ、マスター・ヨーダも彼に何かを感じたのだろう。もし次それなりの年齢の子供が連れてこられたら彼が良き前例として機能してくれるだろう」
そんな話が聞こえてくる中、俺はオビワンさん並んで後ろを歩いていた。
「君はもしジェダイになったら何がしたいんだ?」
「俺は…さぁ、考えた事もありませんでした」
実際、戦争が始まるのだからそれに備えているだけでハッキリとした目標はない。
「そうか、それを探すのが目標だな」
「はい…」
「「…………」」
「オビワンさんは…もう実戦を?」
「まぁ、何度か経験してるよ」
「やっぱりその、人を?」
「やむを得ない時はね…」
「着いたぞ」
マスターに誘われて甘味が楽しめる店に入る。各々がそれぞれの甘さを楽しんだ後にコーヒーを飲んで落ち着こうとする。
「苦い…」
「ハチマンは甘党だもんな」
「マスター達はよくブラックで飲めますね」
「大人の味って奴だ、お前も成長したら分かる」
「マスターもハチマンも極端なんですよ。丁度いいのが1番味を生かすんですよ」
「丁度いい…ね」
ミルクと砂糖を大量に入れたコーヒー?に口を付けて啜る。
(ハチマン…聞こえるか?)
「マスター?」
「?、どうした」
(俺がコイツらを引きつける、その間に好みのブラスターを買ってくるんだ)
「俺、もうすぐ閉まっちゃうお店で買いたいものがあるので行ってきます」
「分かった、お小遣いをやろう。これで買ってくるんだぞ」
「ありがとうございます!」
足早に店を出る。受け渡されたカードを見てみると一緒に小さく折りたたまれた紙があり、簡単だが分かりやすい地図がある。
「ええと…大通りの3つ目を右の…すぐ左の路地裏で…?どうなってるんだ?」
何度も確認した道は間違っていないはずなのにそこは行き止まりだった。試しに壁をトントンとノックしたり押したりしても何のカラクリもありやしなかった。
「君が…サイフォの弟子か」
「!!」
振り向くとそこには長身の男が立っていた。白髪と白髭を生やしていても背筋は伸びており、貴族を彷彿とさせる服装をしていた。
「貴方は?」
「私はドゥークー、サイフォと古い友だ」
この時俺はこの人と深い関係になる事を思ってもいなかった。
最後に、すみませんでした。
別ヒロインも参加して欲しいですか?
-
由比ヶ浜!!
-
川崎!!
-
いろはす!!
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平塚先生!!
-
小町!!!
-
ルミルミ!!
-
うるせぇ!!全員出せぇ!!