スター・ウォーズ 〜腐り目は宗教法人の武力団体に加わる〜   作:テクロス

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遅れました!
いやー、スターウォーズは奥が深くて大好きです!


肩乗りドロイドの記録

私の個体番号はBD-8am。

コルサントの露天商の品物として他のガラクタ達と共に陳列している。この忌々しい制御ボルトさえなければ今すぐにでもこの店主を始末して“自由”を確認できるだろう。

さて、私のこれまでの経緯を整理しよう。

 

賞金稼ぎ等のアクティブな主人向けに製造されるBDシリーズ。その体はR2ユニットより小型で主人の肩に乗れてしまうくらいだ。

 

私もそんな兄弟達と共に主人の肩乗りドロイドになっていたであろうがそうなる事は無かった。

 

これは後から記録した事だが裏で進行していた暗殺ドロイドの製造計画用の高度な演算を可能にするCPUやそれを運用するAIが開発された。しかし出来上がったそれは共和国にバレた時に開発者はあろう事か私のパーツと交換して言い逃れしたのだ。しかしそれでもやって来た追ってにスピーダーで逃亡するも事故を起こして死亡した。事故直前にスピーダーに振り落とされた私はそこから持ち主を転々とした。

 

買われた私はその恩義で主人の望み以上の事をして利益をもたらしたものの私を気味悪がった主人達は私をその肩に乗せることなく売り飛ばした。

 

BDシリーズの望みは主人に利益をもたらし、その肩に乗せてもらう事。きっとこんなAIさえなければ今頃私は凸凹した地面をこの足で走ることなく、主人の肩に乗りこのセンサーでその横顔をスキャン出来た事だろう。

 

……何故、私だったのだろうか。

 

目の前を過ぎ去っていく客達。たまに立ち止まったかと思えばR2ユニットやプロトコルドロイドを購入していく。

 

視界センサーの橋から立派な髭を蓄えたスラリとした紳士風の老人と年端もいかない少年がやってきた。

 

その少年は何といっても目が奇々怪々だった。今までスキャンして来たどの目と形状は酷似していてもどこか異様さを放っていた。

 

そんな目が私の視界センサーの中央と視線が交差した。

 

「ドゥークーさん、少し寄り道してもいいですか?」

 

「うむ、構わん」

 

その少年は真っ直ぐ私の元へ歩み寄ってくる。

 

やめてくれ…どうせコイツも私を気味悪がるだけだろう。

 

「店主、このドロイドは?」

 

「?、あぁ、売れ残りのガラクタだ。何度も売られては買われてを繰り返してるからろくでもないドロイドなんだろうよ!」

 

ペシペシと私の頭を叩く。

分かっていた、私もここに並んでいる時点でガラクタなのだと…。

 

「コイツはガラクタじゃない…良ければ買わせてくれないか?」

 

「坊主も変わってるな…300クレジットだ」

 

「マスターの金は別として…丁度かな」

 

「ハチマン、私が金を出してやろうか?」

 

「ドゥークーさん…いえ、俺がコイツを見つけたんです。俺が買わなきゃ意味が無い…」

 

「毎度あり、これがボルトのスイッチだ。解除はこのボタン、電流を流すのはこのボタン…離れたらBON!だ」

 

「ありがとうございます…」

 

ハチマンと呼ばれた新しい主人は一つボタンを押した。加虐趣味の主人は以前にいたがコイツもか、と思っていたらいつまでたっても電流が流れる事は無かった。

 

その代わりカラン、と体に着いている異物が取れた。

 

「ほら、来いよ」

 

腕を私に伸ばす主人。

おそるおそる足をその手に乗せても振り払われる事は無い。全身乗せた私は肩を目指してゆっくり腕を伝う。

 

「少し擽ったいな」

 

生まれて初めて肩に乗った私は低出力に調整したレーザーで地面に自身の個体番号を記す。

 

「BD-8am…これがお前の名前か、俺の名前はハチマン・ヒキガヤ、宜しくな」

 

「ッ…ピポパっ!!」

 

「おいおい、何目から流してるんだよ…」

 

濡らしてしまった肩にヤレヤレ、と言いながら少年はドゥークーとやらと歩を進めていく。

 

ピピピピピピ……

 

●REC…開始

 

私はこの横顔を生まれて初めて忘れたくないと思った。メモリを消されても、ハチマン・ヒキガヤ…彼の顔を、この光景を絶対に忘れたくない。

 

私の名前はBD-8am…

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

新しい相棒を肩に乗せて目的の店へ向かう。どうやら隣で歩くドゥークーさんはマスター・サイフォと昔からの友達で元ジェダイらしい。その佇まいや言葉遣いはどこか貴族らしさが漂う。

そうそう、さっき知り合ったばかりのマスター・クワイガンの師匠らしい。ビックリ!

 

「歩き疲れてはいないか?」

 

「それ、3回目ですよ?俺は大丈夫ですから…全く、おじいちゃんでもないのに」

 

「!!、も、もう一度言ってくれないか?」

 

「えぇ…お、おじいちゃん…これでいいですか?」

 

「………ジェダイとして活動してた故、結婚とは無縁と思っていたが、素晴らしい物だな」

 

「単語一つでそこまで感動するんですか…」

 

「執着を捨てる…ジェダイの教えは人の心すら捨てさせるものだからな」

 

「確かに…少しやりすぎ、というか違和感はかんじますね」

 

「疑心はジェダイを転落させるらしいぞ?」

 

「げー、マスター・ヨーダが言いそうですね」

 

「ふっ、先生も昔口を酸っぱくして言っていたな」

 

驚きの新事実、ドゥークーさん、マスター・ヨーダの弟子だった。

 

驚きしかない会話をしていると目的の店に着いた。

 

「ガンショップ山猫…ここがブラスターの専門店なんですか?」

 

「そうだ、コルサントでここの右に出る店は無い」

 

カランカラン…と鈴の音と共に店に入る。壁やショーケースには拳銃のようなブラスターから固定砲台のようなブラスター?まで揃っている。

 

「らっしゃい」

 

「この子に一丁「シー、シーシー」……」

 

その店主はドゥークーさんと似た背格好をしていたがウエスタン風の服装を身にまとい、カシャ、カシャ、と歯車の着いた靴の音を鳴らしながら。俺に近づいてきた。そして腰まで届きそうな白髪をなびかせながらこちらを見つめてきた。

 

「ピポポ…」

 

BD-8も少し体を縮めて警戒してる。

 

「伯爵よ、外で待ってるんだな」

 

「どういう事だ?」

 

「それが聞けないなら注文は無しだ」

 

「…ハチマン、襲われたら迷わずセーバーを使え」

 

こくり、と返すとドゥークーさんは外に出ていった。

 

「気取った貴族は気に入らなくてね、いらっしゃい、御要望は?」

 

「えと、ブラスターが欲しくて」

 

「子供がブラスターか?世も末だな」

 

「戦争に備えてね、マスターが買ってけって」

 

「じゃあアンタの初めては俺か…嬉しいね」

 

何か他意を感じるが一々気にしてたらキリがなさそうだ。

 

「OK、家の店は少々特別でね、ブラスターは勿論売るがそれは顧客が組み立ててからだ。面倒だからって組み立てないバカもいるからその時はガラクタを売りつけるがな」

 

「………」

 

「安心しろ、お前が組み立てさえすれば問題ない」

 

店に設置されてる作業台へと案内される。

 

「お前の癖に合わせたブラスターを作ろうか。安心しろ、俺が手取り足取り教えてやるからな。先ずは…どんな性能を目指す?」

 

どんな性能か…子供である俺にはよく分からないな。

 

「…威力と射程に優れててそれ以外は平均でいいかな」

 

「難しい要望だな…射程は伸びても精々20mかそんくらい…」

 

少し難しい顔をして店主はこちらを見つめた。

 

「さっき戦争って言ったな、本当か?」

 

「マスターはつまらない嘘は着いても悪質な嘘は着きませんから」

 

「そうか…なら、今後の店のお得意様になるかもしれない訳だな。最高の一丁を作ろうじゃないか」

 

制作は無骨なオートマチックピストルをベースにして始まった。

 

「外に配線を剥き出しにしてみろ、すぐ傷付いてトラブルを起こす。おいおい…それじゃリロードに支障をきたす、こうするんだよ」

 

「成程…」

 

「余り構造を複雑にしすぎるとメンテナンスが面倒になる。最低限に最高のパフォーマンスが出来るように頭を使え。ドロイドも手伝ってやれ」

 

「ピポ!?」

 

手取り足取り指導を受けながら順調?にそれは進んでいった。

 

「やっと…できた」

 

「ようやくだな…いいセンスなんじゃないのか?」

 

代金を追加で支払い、黒革のホルスターを購入して左側にそれを付ける。

 

「お前左利きだったか?」

 

「いや、セーバーを使うのは右手だから」

 

「なるほどな…またなんかあったらうちに来い、歓迎しよう」

 

「そうさせてもらいます…では、また今度」

 

「次なんて…来ないといいな…」

 

ボソッと聞こえたそれをわざとスルーして店を出るとドゥークーさんとマスターが立ち話していた。

 

「終わったか、ハチマン。どれ、見せてくれ」

 

「はい、ところでマスター・クワイガンは?」

 

「俺も逃げてきたからもしかしたら追ってくるかもな」

 

「ほう、なら私はもう失礼しよう。また会おう、ハチマン」

 

「はい、ドゥークーさん」

 

去っていくドゥークーさんを尻目に俺のブラスターをマジマジと見つめるマスター。

 

「ま、必要な物も揃ったし…行くか!!」

 

「行くって…どこに?」

 

「“戦場”だ、ハチマン。道具は揃ったし技術の基礎は教えた。後はお前が発展させる番だ。2年間だけでいいから実戦を実践してみよう」

 

いきなり迎えた“本番”。

俺は有無を言わせてもらえずマスターのシャトルに乗せられた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

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〜あれから2年の時が過ぎた〜

 

「戦闘終了、BD-8はリロードを頼む」

 

「ピポ!」

 

BD-8から伸びたワイヤーは器用に左腰に着いているブラスターにマガジンを差し込んでリロードさせる。

 

「くそッ…ガキに殺られるなんてェ…!!」

 

「………」

 

生き残りを見つけた。

地面に転がってるブラスターを手に取ろうと足の無い体を引きずっている。

 

バシュウ……

 

独特の振動音を発しながら右手から伸びた黒色の刃はユラユラと動いてその男にゆっくりと近付いていく。

 

「ひ……」

 

切り離された頭からはこれ以上言葉が発される事は無かった。

 

「ピピピ…」

 

「生体反応無しか…帰ろう」

 

「ピポッ!!」

 

胸ポケットにしまってた記録用ホログラムを起動させると予め記録されていたホログラムが映し出された。

 

「お疲れ様だ、先にお前はコルサントに戻りマスター・ヨーダに挨拶しに行ってくるんだ。俺は先に向かってる…この2年、本当に頑張ったな」

 

「さ、報酬を受け取ったらシャトルに乗ろう」

 

この2年間色んな星を飛び回り賞金稼ぎみたいにお尋ね者を捕まえたり、傭兵として紛争に派遣されたりしていた。マスターが依頼を受けて俺がそれを達成するといった形だ。

 

『次は惑星コルサント』

 

何百回と聞いたアナウンスを聞き流して窓からコルサントを眺める。2年ちょい前にマスターに連れてこられて以来だから本当に懐かしい。

 

不思議な紋様の浮かぶその惑星に降りたってその街を歩く。これといって変わった様子は見受けられず、本当に2年空けていたのかが疑わしい。

 

「マスター・ヨーダはどう言うんだろうな」

 

「ピポ…」

 

「褒められはしないだろうな」

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

「考えたな…!マスター・サイフォ!」

 

「何の事かな…マスター・メイス君」

 

ジェダイ・テンプルの廊下にてゆっくりと歩くサイフォの元へメイス・ウィンドゥが駆け寄った。

 

「とぼけるな!道徳観の未成熟な子供を戦場に送って殺しを慣れさせるなんて…!人のすることじゃない!」

 

「大声を出すなよ…これも未来の戦争の為なんだ。それにハチマンはしっかりと考えて行動している。同意の上だ」

 

「他の選択肢を見せてなかったら強制と同じだ…!」

 

「何故怒る?いつもなら脱走したイニシエイト一人を気にも留めないくせに…なぜあの子に拘る?」

 

そう、ジェダイになる訓練は相当過酷な物で夜な夜な脱走する者は少なくない。評議員はそれを脱落者として見放している。

 

「それは「当ててやるよ」……」

 

「ダークセーバーを持ってるからだろ!?あってはならない2本目を作り出したからお前達は恐れてるんだよ!もしハチマンが手元から離れたら、シスの暗黒卿にでもなったりしたら気が気じゃないからどうしても不安要素から遠ざけたいんだろ!殺しの快楽を覚えられたらと夜も眠れないんだろ!?」

 

「その通りだ、それを知っていながら戦場に駆り立てるから貴様は評議員の立場を追われたのだ!その過激な思想はどうにかならないのか?!」

 

あまり感情を表に出さないメイス・ウィンドゥも額に青筋を浮かべていた。あの目とダークセーバー、出身から生い立ちとハチマン自身の型に囚われない思想も相まってジェダイ評議員は以前から懸念していた。

 

「今は俺一人がお前たちで言う『過激』で結構だ。だがお前達も否が応でも『過激』に染まることになる」

 

「………」

 

「もし私に何かあったら…あの子を頼んだ。本当に優しい子なんだ」

 

そう言い残してサイフォは去っていった。メイス・ウィンドゥはその背中を見つめることしか出来なかった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

「よくぞ帰還した、イニシエイト・ハチマン」

 

「お迎えなんて勿体ないです。こちらから向かおうと思っていました」

 

「最近運動不足での…少し歩きながら話さないかの?」

 

緑の小柄な老人、ジェダイ・オーダーを取り纏めるマスター・ヨーダはヨチヨチと歩きながら2年間行方を晦ましていたハチマンと歩いていた。

 

「この2年…戦地に身を置いてどうじゃった?」

 

「……別に、どうと聞かれてもそう答えるしかありません」

 

「ふむ、と言うと?」

 

「仕事はマスターが持ってきて、それを俺が取り掛かるって流れですから。あぁ、でも仕事内容に社会情勢が関係してきたりしました」

 

「そうではない、お主がどう感じたかが疑問点じゃ」

 

「すみません、よく分かりません。まだ10歳の子供ですし」

 

嘘だった、暴虐非道の男を殺す仕事でヘマをし首を絞められ、初仕事でこの子供は死にかけたのだった。薄れる意識の中、BD-8の電子音で保てた意識と咄嗟に押したセーバーのボタンで仕事を達成することが出来た。初めての殺しは彼の中で何かが弾ける音を発させた。快楽にも苦悩にも取れるソレはそれからの彼の行動を最適化させたのだ。フォース、ダークセーバー、ブラスター、BD-8に自分自身。身に付ける信頼できる道具と目に映る小道具を使いこなして淡々と人の命を摘み取っていった。

 

「……それもそうじゃな」

 

ヨーダと歩を進めていく内に寺院へと足を踏み入れた。

 

「戻ったのはいいんですけどこらから俺はどうすれば?」

 

「うむ…お主はまだまだ子供じゃ。正式にパダワンとなるにはここで学ぶべき事がまだまだ残ってる筈ではないかの?」

 

「そう…ですね」

 

「では部屋に戻るとよい…その後また話がある」

 

言われるがままマスター・ヨーダと別れて懐かしい部屋に戻る。二人一部屋の筈だが全体数が奇数で俺一人使い余した部屋へと。

 

「?、手紙?」

 

テーブルの上に置かれた紙切れを手に取る。埃は積もってない為、つい最近置かれたのが見て取れる。

取り敢えずBD-8の充電ポートや机の上にブラスターやセーバーのメンテナンス道具やら証明を設置する。

一通り済ませたら古びたスプリングを軋ませてベッドに腰掛け手紙を読む。

 

親愛なる弟子へ

 

顔を見せてやれなくて残念だ。急用が入ったもんでカミーノに向かう為暫く顔を出せなくなった。お前のマスターとして教えられる事は全部教えられた気がする。あーすまない、手紙なんて書くのは初めてなんだ、箇条書きになるかもしれないが許してくれ。取り敢えず今後の課題としてセーバーの技術とブラスターの命中率をもっと上げておけ。他には…誓いは忘れないでくれ。他には、えと、生き延びろ、何があっても。

ごめんな、こんな師匠で…お前といられた二年ちょっとは本当に楽しかった。俺の事忘れないでくれよ…ありがとう。

 

お前のマスターサイフォ・ディアス

 

「なんなんだよ…これ…まるで…遺書じゃないか」

 

「ピピ…」

 

「あぁ、こんなに不安になったのは初めてだ」

 

その2週間もしない内だった。

 

 

マスターが死んだ

別ヒロインも参加して欲しいですか?

  • 由比ヶ浜!!
  • 川崎!!
  • いろはす!!
  • 平塚先生!!
  • 小町!!!
  • ルミルミ!!
  • うるせぇ!!全員出せぇ!!
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