スター・ウォーズ 〜腐り目は宗教法人の武力団体に加わる〜   作:テクロス

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遅くなりました!


予言の子との対峙

「……………」スッ

 

「ピポ」パシャ

 

「……………」スッ

 

「ピポ」パシャ

 

「……………」スッ

 

「ピポ」パシャ

 

銀河最大規模を誇るジェダイ・アーカイブにて黙々とホロクロンをBDユニットに撮影させている影が一つあった。

 

「一通り終わったかな」

 

「ピポパ!」

 

虚ろな目で天井を仰ぎ、自身の身長より高く積み上げられたホロクロンの山をフォースのテレキネシスを用いる事で効率よく元あった場所へと戻す。

 

「ここにいたか、イニシエイト・ハチマン」

 

「マスター・プロクーン…どうかしましたか?」

 

「彼らはここを去るようだ」

 

「…そうですか、きっとそこまでの奴らだったんでしょう」

 

「君は…変わったな…戻ってくる前の君なら君を嘲笑った者達を完膚なきまでに叩きのめす事はしなかっただろうに」

 

「さあ、再戦を申し込んできたので誠心誠意応対しただけです」

 

「腕を折ったりしなければ君の言い分は良い方向に認められていたかもしれないのに…勿体ない」

 

「……それは、頭に血が上って…」

 

「まぁ、君の問題行動のお陰で教鞭を執る者達のイニシエイト達への仕打ちが明確になり問題も解決できた…ありがとう」

 

素直に頭を下げるプロクーン…彼がここまで誠実なのはジェダイ・マスターとして人気の理由だった。

 

「ところで何を見ていたんだ?」

 

「ダークセーバーの歴史や調査記録です」

 

「ダークセーバー…か…」

 

大昔マンダロリアンのター・ヴィズラによって製作された()()()はまたとなかったセーバーだ。その製法は謎に包まれており、今現在ハチマンの持っているそれは奇跡的にギリギリで扱える代物になっただけだった。

 

「セーバーに問題が見つかったのか?」

 

「えぇ、カイバークリスタルの素質が謎に包まれていて何となくでセーバーの回路に無理矢理直結させたんですけどイマイチ出力が弱くて…直接肌に対して使うなら問題ないんですけど如何せんアーマー越しだと切れ味が悪くて…もしかして柄に問題が…」

 

「そうだったのか…それでホロクロンを漁っている…と」

 

「当時の技術レベルを吟味しても現代で作れない事は無いと思うんですけど…どうなんでしょう」

 

「確か昔、ジェダイ・テンプルに短期間ながら保管されていたと聞いた。その際に多少なりとも調べてはいるだろう。その節の者に心当たりがあるから問い合わせてみよう」

 

「御協力ありがとうございます…」

 

「うむ…その代わりBDユニットに保存したデータは3日以内に消去する事だ」

 

「っ……了解」

 

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マスターの死を受け止めきれずに心に秘めて新しい日常を再開したハチマン。その朝は早かった。

 

「起きろBD-8、行くぞ」

 

「ピッ!!」

 

太陽が顔を出し始めた頃には慌てて飛び起きるBD-8を肩ではなく背中のフードに入れて外に出る。

 

トレーニングルームまで静かな廊下を走り向かうのだがそんな彼に付き纏う影が一つあった。

 

「今日も早いな!ハチマン!」

 

「ヘッド…今日もか」

 

ニカッと笑うハチマンより体格の大きいその子供はハチマンと並び走る。彼の名はアシャラド・ヘッド。右も左も分からなかったコルサントでの暮らしをハチマンにある程度教えた人物でもある。

 

「おう!1人より2人で特訓した方が楽しいだろ!」

 

「別に変わらないと思うけど…」

 

始業のチャイムの鳴る10分前までトレーニングルームにてセーバーによる打ち合いやフォースの扱いについてアドバイスし合う。

 

「そういえばハチマンはフォースセンスは訓練しなくていいのか?そこも評価基準だぞ?」

 

アシャラドの言っている評価とは、パダワンになる為の通過儀礼であり、ライトセーバーによる剣舞やフォースとの共鳴を多くのジェダイに見せることによりパダワンとして認めてもらう催しだ。マスター亡きハチマンもそれに参加するようになったのだった。

 

「その必要があるようだが…ヘッドは大丈夫なのか?」

 

「まぁ、同期にはパッとしない奴が多いから楽勝だ。悪いな、一足先にジェダイになってくる。先で待ってるぜ?」

 

「その時は頼むよ、先輩」

 

「おう!」

 

ボッチを貫いているハチマンにとってアシャラド・ヘッドは数少ない交友であった。

 

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「マスター・クワイ=ガンが死んだ?」

 

「あぁ、ナブーでの戦争でシスの暗黒卿に殺された」

 

ジェダイ寺院にて読書に明け暮れているとマスター・メイスがやってきてクワイ=ガンの悲報を告げた。ナブーでの戦争はガンショップ山猫で聞いていたから知ってはいたがまさか知り合いが派遣されていたなんて。とハチマンは複雑な気持ちを抱いていた。

 

「……葬儀はやりましたか?」

 

「まだだ、ナブーで執り行われるらしい。…貴様も来るか?」

 

「なんで俺も?」

 

「メイスの分も弔ってやるといい…心残りも軽くなるだろう」

 

最近暗い様子のハチマンを見兼ねてメイスは少しでも暗黒面に引き寄せられないように気配りをしたのだった。

 

「…是非行かせてもらいます」

 

シャトルにヨーダとメイスとハチマンの3人で乗り込みナブーへと向かう。水の綺麗なその星には戦争の跡があり、凄惨な戦いが繰り広げられたのが誰の目にもよく分かった。

 

「どうも、マスター・ヨーダにメイス殿」

 

「これはパルパティーン最高議長、自らお出迎えとは感謝する」

 

「いやはや、優秀なジェダイが亡くなられて…残念だ。して、その子は?」

 

白髪のパルパティーンと呼ばれた男は戦争の跡を見回しているハチマンへと注目した。まるで何かの素質を感じたかのように…

 

「イニシエイト・ハチマン、こちらは元老院最高議長のシーヴ・パルパティーン様だ、自己紹介をするんだ」

 

「ハチマン・ヒキガヤです…よろしくお願いします」

 

「ほお、君が噂の…確認なんだが、持っているのかね?」

 

「えぇ、護身用に、肌身離さず…」

 

「君には個人的に興味があるんだ、後で話でもどうかな?」

 

「…機会があればぜひ」

 

そんな話をしながら火葬場へと向かう。そこには沢山の人がいた。どこかの偉い人に奇抜で変な格好をしたお姫様に無能臭がする変な生き物。そんな人々に囲まれたクワイ=ガン・ジンだったもの。

 

「ハチマン…君も来たのか」

 

「マスター・メイスに説得されて…マスター・サイフォの分も弔うようにと」

 

「そうか、マスターも君に送られて幸せだろう」

 

「お悔やみ申し上げます…偉大な人だったのに」

 

「あぁ、本当に…そうだな」

 

オビワンに迎えられ…星の煌めく夜の下でクワイ=ガン・ジンは燃やされた。鼻腔を擽る人の肉が萌える匂いは2年間嫌という程嗅いできたのにどうしてか今夜の匂いはいつまでも忘れることが出来なかった。

 

「ハチマン」

 

「どうかしました?オビワンさん」

 

「今度ジェダイ・イニシエイトにこいつが加入するんだ。歳は近いと思うから色々と教えてやってくれないか?ほら、挨拶をするんだ」

 

「僕はアナキン・スカイウォーカー、君は?」

 

「…ハチマン・ヒキガヤです。よろしくお願いしましゅ」

 

自然豊かな星空の元、その子供達は出会った。

運命に翻弄されるアナキン・スカイウォーカーとハチマン・ヒキガヤ。握手を交わす2人を側で見つめるオビワンと遠くから眺めているパルパティーン最高議長、否、暗黒卿ダース・シディアス。

 

銀河を揺るがす出会いがここに起こったのは今は誰も知ることが無かった。

 

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「ねぇ、なんでそんなに早起きなの?」

 

「いや、別に…鍛錬したいから」

 

「真面目なんだね…パドメみたい。彼女も故郷の為に頑張ってるんだよ、僕も彼女を守れるジェダイになれるかな」

 

「頑張りゃなれるんじゃないのか?ていうかその話、これで68回目だぞ?他に会話のボキャブラリーは無いのか?」

 

「だってハチマンがあまり喋らないから僕がずっと喋る羽目になるんだよ?」

 

「それは……すまない、言いすぎた。長い会話は得意じゃないんだ」

 

「ううん、時間はまだあるからゆっくり話そうよ」

 

ハチマンは絶望的にコミュ障だった。

アナキン・スカイウォーカーへの教育はある程度上手くいっていたがプライベートでの会話は二人の出自のせいもありできていなかった。

 

元奴隷のアナキンはそのフォースセンスをクワイ=ガンに見出されジェダイ・イニシエイトへとなったものの歳の近い友達がいなかった為、どう接すれば分からないのだ。

対するハチマンもサイフォに才能を見出されジェダイ・イニシエイトになったが目付きやダークセーバーが彼を孤独にした。尊敬するマスターも死に、自分に残ってるのはサイフォとの誓いだけだった。

 

「あー、飯、食いに行こうか?」

 

「美味しいなら行くよ」

 

コルサントの街へ繰り出した2人は工業区位置するデックス・ダイナーという店に腰を下ろす。適当な飯を注文し談笑しながら料理に手をつける。

 

「それでポッドレースで優勝できた訳なんだ」

 

「ポッドレース…面白そうだな…」

 

「今度一緒に作ろうよ!ポッドじゃなくて…スピーダーとかスターシップとかさ!」

 

「作るって…出来るもんなのか?」

 

「お金さえあれば…なぁなぁでいけるんじゃない?」

 

「随分と曖昧だな…どこから手を付ける?」

 

「うーん、パーツなら大人になってからでいいから、設計から初めてみようよ!」

 

「おチビちゃん!お喋りで折角の飯を冷ますなら次は家畜の餌を出すぞ!!」

 

「「す、すみません!!」」

 

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ハチマン・ヒキガヤは狂っている。

 

ジェダイ・テンプルでの差別やダークセーバー、彼を狂わす要素はそこらにあった。

 

1番の要因は2年間の戦争経験…そしてサイフォ・ディアスが彼に運命付けた戦争の切り札としての役割が彼を狂気へと陥らせた。

 

怒りも悲しみも薄く、感情のコントロールに長けている。もしかしたら現在するジェダイの誰よりも感情をコントロール出来ていると予想する。

 

戦場での彼の様子は私の耳によく入った。

 

とある星を脅かそうとする分離主義勢力へのゲリラ攻撃。並の賞金稼ぎを言わせても見事な射撃。それでいてセーバーの扱いも並より良でる。7つある型の良い所を吸収、アレンジし独特な型を作りつつあるとの事。

 

会話をしてみれば実弾の銃にも興味を示しており、新しい弾薬の制作を試みてるとの事。

 

前例に囚われず、己が道を作りつつある新世代。

マスター・ヨーダは認めないだろう、ここが漬け込み所だと考える。

 

彼が暗黒面に染まった時はそうだな…ダース…何がいいだろうか。楽しみだ。

 

ベイダー…ルーイン…ペインは安直な気がするのう…

 

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「自身の方はどうなんだ?」

 

「平気だ、出来ることを最大限やるだけだ」

 

「珍しく気合いが入ってるな、ハチマン」

 

ニカッと笑うアナキンにフッと笑みを浮かべるハチマン。成長した2人はローブの色以外はお揃いの衣装を身にまといジェダイ・テンプルを歩いていた。

 

「今回の評価には前代未聞のメンツが来る。パルパティーン最高議長にマスター・オビワンとアシャラド。それとこれが1番驚いたんだけど…僕が来るらしい!」

 

「そっか、それは…緊張するな」

 

反応薄くない?とツッコミながらもアナキンは話を続ける。

 

「オビワンもハチマンを弟みたいに可愛がってるから気になるんだろうね」

 

「は〜、気疲れしてきた」

 

「ほら、会場はもうそこなんだから、頑張って!その間BD-8は預かっておくよ」

 

「ピポ〜〜」

 

「嫌じゃないよ!BD!ハチマンに迷惑かけないの」

 

BDを大人しくさせながら観客用の入口に向かったアナキンを尻目にハチマンは控え用の部屋に入った。照明の消えているその部屋の椅子に座り携帯食をポケットから取り出して貪る。

 

『イニシエイト・ハチマン、時間です』

 

アナウンスに従い入場用のゲートを潜る。明るい照明の元、出てきたハチマンを取り囲む様に上から見守る多くのジェダイと少ない観客達。アナキンや

 

「よし…やるか」

 

その呟きが引き金になったからのように周りに訓練用ポッドが10機程取り囲む。

 

「ちょっと、多くない?」

 

いつもなら5、6機の筈だと思いながらセーバーを起動させる。

 

バビュン!

 

正面のポッドから発されたビームをセーバーで難なく跳ね返すと直撃したポッドは黒煙を上げながら落ちていった。その様子から実弾である事を察したハチマンはフォースを用いて少し先の未来を見通し、セーバーを握る手を強め、構えの体制をとる。

 

「実弾なんて…誰が指示を…」

 

観客席にてヨーダに耳打ちするメイス。ヨーダの顔にはより一層懸念の皺が浮かぶ。

 

「悪意によるイタズラか…単なる手違いか…今はハチマンを見届けよう」

 

「ですが…余りにも多すぎます」

 

「ハチマンはアナキンに並ぶ実力者。それでやられるのならそれまでだったということじゃ…それに見ておれ、冷静に捌いておるじゃろう」

 

視線をハチマンに移すメイス。そこには顔色を変えずにレーザーを打ち返すハチマンが居た。フォースによってポッドを引き寄せ左手に掴み同時に飛んでくる別方向からのレーザーの盾に用い、壊れたそれを別のポッドに投げ飛ばし体制を崩した所を駆け寄り、蹴り飛ばし壁に激突させ破壊する。

 

「あんな戦い方があるのか…いつ見ても思うがあれじゃ獣だ」

 

観客席にいるオビワンが心配そうに零す。

これはハチマンの将来を心配しての小言だった。

 

「ですがマスター、獣というのは理性の無い生き物です。ハチマンには強い理性がある、怒りも憎しみも別腹とよく言ってましたよ」

 

アナキンが得意気に説明する。

それを盗み聞きしながらパルパティーンは微笑ましそうにハチマンを眺める。

 

客席とハチマンのいるステージを隔てる壁を走り、己を囲ませない。まるで機会を伺う狩人のように目を鋭くさせたハチマンは追ってくるポッドの群れの前列をフォースで止めることによって止まれない後続を衝突させる。落ちたポッドにトドメを刺す為に地面に降り、切り返しポッドの元に走る。セーバーを地面に走らせながら再始動しようとするポッドを次々と刻む。

 

「これで最後」

 

残り一機をダークセーバーで突き刺す。バチバチ、という焼けた電子音が響く中、観客はただ黙ってハチマンを眺めていた。

 

「この中に彼、ハチマン・ヒキガヤをパダワンとして受け入れる事を申し出る者はおるか」

 

ヨーダが声を上げる。

静まり返る観客席に一人立ち上がるジェダイが現れる。

 

「ふむ、メイス・ウィンドゥただ一人が立候補するか…ならばメイス、お主にイニシエイト・ハチマン改め、パダワン・ハチマンを任せる」

 

歓声が響く中、パルパティーンは席を立ちその場を去ろうとしていた。

 

「やはり予想通りマスター・メイスがパダワンを取る事になりましたか」

 

「彼奴の技はどちらかというとダークサイドに近い。より一層引き込みやすくなった」

 

控え室に戻ったハチマンの元に新しいマスターとなったメイスがやってきた。

 

「見事な戦いぶりだった…イレギュラーについては既に調査の手が回っている」

 

「評議員に裏切り者か…俺に対する私怨か…後者ですかね」

 

「どちらも後に分かる事だ、イニシエイトでは無くなっても私のパダワンになったのだ。これからはいつも以上の訓練になる、気を引き締めるのだ」

 

「…はい、マスター」

 

感情の起伏が少ないハチマンに己の秘技を伝授しようか悩むメイスを他所にハチマンは外に向かって行った。

 

「どこに行くんだ、パダワン・ハチマン」

 

「打ち上げに呼ばれていまして…アナキンとマスター・オビワンとアシャラドと一緒に飯を食いに…マスターもどうします?」

 

「……………美味いんだろうな」

 

かくして、ハチマンはメイス・ウィンドゥのパダワンとなった。サイフォの代わりを努めようと内心奮起するメイス。来たる戦争に向けて大きな一歩を踏み出したハチマン。アナキン・スカイウォーカーとの出会いを経て、今後どうなるか知るものは誰一人としていない。

 

別ヒロインも参加して欲しいですか?

  • 由比ヶ浜!!
  • 川崎!!
  • いろはす!!
  • 平塚先生!!
  • 小町!!!
  • ルミルミ!!
  • うるせぇ!!全員出せぇ!!
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