スター・ウォーズ 〜腐り目は宗教法人の武力団体に加わる〜   作:テクロス

5 / 6
比企谷 八幡の帰還

 

「やっぱり搭載する兵器がちょいと不安だな…」

 

パダワンとなったハチマンは新しく製作を試みている戦闘機の研究をしていた。子供の頃からのアナキンとの目標であり、途中から参加していたアシャラドも一枚噛んでいた。

 

「山猫でも取り扱ってないもんな…どこなら…はぁ」

 

戦闘機を研究し尽くしていたりフィクションのアイデアが豊富な場所は一つしか心当たりが無かった。

 

「BD、今すぐ飛ばせる船はあるか?」

 

「ピポパ?」

 

「あれはまだ作ってないぞ…、それに出来ていたとしても勝手に使うとアナキンとアシャラドに怒られる」

 

正面の壁に飾られた図面『8式戦闘機スカイヘッド』。子供の頃から考えていても未だに構想段階であったが、一応の図面は出来たのだが如何せん要求パーツが1級品なものだからジェダイの仕事で材料費を稼ぐ必要がある。

 

「ピピピ!!」

 

「あったか、行くぞ…地球に」

 

マスター・メイスに当てた手紙を残してジェダイ専用の発着場に向かう。

 

「稀な休日に外出なんて珍しいな、ハチマン」

 

「マスター・オビワン、それにアナキン」

 

「僕達も休暇なんだけど落ち着かなくてね、良かったら着いてくよ」

 

「言葉が通じないぞ」

 

「翻訳家ならそこにいるだろう?」

 

「違いない」

 

3人で船に乗り込み宇宙に出る。

 

「場所は分かるのか?」

 

「えぇ、マスター・サイフォが図面に書いてくれてて…座標を打ち込んで、後は計算してからハイパードライブが…びゅん」

 

「ハチマンしか座標を知らないのか…」

 

「えぇ、いざという時にはここで隠居もできる」

 

座標の書かれたメモをヒラヒラとさせる。

 

「ハチマンは隠居なんてしないでずっと働いてる感じがするよ」

 

「ははははっ!なんやかんや言っても仕事はこなすからな!」

 

「よしてくださいよ…本当にありそうで怖いんだから…」

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

デジャリックで暇を潰していたり日本語を軽く教えていると青い星が目の前に鎮座していた。

 

「あそこがハチマンの故郷か…綺麗な色だ」

 

「俺がジェダイ・テンプルに入ったのが8歳位で…それからもう9年だから今は春かな…高校2年位か…」

 

「こうこう?」

 

「学校の階級みたいなものだよ、タトゥイーンより田舎者だから上下関係には厳しいぞ」

 

「見た所海が広いがどこに着陸するんだ?」

 

「取り敢えず日本ていう国ですね。宇宙に進出してないから面倒事は嫌なのでステルスモードをオンにしますよ」

 

日本の千葉…サイフォと出会い、そして宇宙へと飛び出した思い出の山の中に宇宙船を止める。

 

「ここが地球か…空気の綺麗な所だ…」

 

「木がピンク色だ!?」

 

「あれは桜といって丁度この季節に咲く花だ。いつ見ても綺麗だな」

 

一応目立たないようにローブは脱いで町を散策する。

 

「新しい弾薬といっても…こんな平和そうな所で見つかるのか?」

 

「ここで探すのは情報です。ここにあれば完璧なんですけど…海外でしょうからね、どこにあるのかが分かれば…あの人がいいかな」

 

「「??」」

 

道を歩く人に向かって歩くハチマン。

 

「す、すみましぇん」

 

「?、はい?」

 

必死に笑いを堪えてるオビワンとアナキンを他所に話しかけた男性に手をかざす。

 

「そのスマホ貸してくれませんか?」

 

「…スマホを貸します…」

 

「あとパスワードも教えてくれます?」

 

「○○○○…です」

 

どうも、と言いながら慣れない操作で目当ての物を探している間にオビワンとアナキンは公園の遊具で遊んでいた。

 

「なんだこれは!?バンサの背中にいるようだ…うぷっ」

 

「回る牢獄…新手の拷問器具か?」

 

スプリング遊具で酔うアナキンと回るジャングルジムを分析するオビワンに若干呆れつつ調べたデータをBD-8に保存させる。

 

「こんなものか…ありがとうございます」

 

スマホを返し改めてやって来た街を見回す。懐かしい街並み、懐かしい公園、懐かしい空。帰ってきたという実感が全然沸かない。

 

「リムジンなんか走ってるのか…」

 

あからさまなセレブなんていたんだ、と思いながら見ていると少女の悲鳴にも近い声が聞こえた。

 

「ダメだよサブレーー!!」

 

路地から飛び出す犬とその道を走るリムジン。5秒先の未来は火を見るより明らかだった。

 

「ヤバいな」

 

フォースを使い犬を引き寄せ、尻尾スレスレで犬の命は助かった。

 

「すみませーん!!」

 

走ってくるジャージを着たピンク髪のお団子少女が駆け寄ってくる。

 

「アンタの犬か…」

 

「は、はい!」

 

「二度と離すなよ…死んだら戻りはしないんだから」

 

「あ、あの…さっきサブレが貴方の所へ飛んだように見えたんですけど…」

 

「愛犬が轢かれそうになったんだ、気のせいじゃないのか?」

 

ポカンとするピンク髪を他所にヒューヒューと遠目に茶化す二人の所に戻る。

 

「なんだよ…」

 

「別に?なんでもない」

 

若干のもどかしさを感じ、船の元へ戻ろうとするとさっきのリムジンが信号待ちで止まっていた。信号の関係上俺達も立ち止まっているとリムジン後方の窓が開いた。

 

「貴方、エスパーなのかしら?」

 

「…真実を知った所でアンタはどうもできないぞ」

 

「なんですって?」

 

黒髪の少女はしかめた顔をこちらに向けてくる。

 

「アンタは殻を破る事に固執し過ぎてる…その方法も知らないのに」

 

「貴方に何が分かるの?」

 

眉を顰める彼女を横目に足で地面をトントンと踏む。

 

「それを知ってどうする?俺に教えられてお前がそれを克服したところで今度は俺の殻に閉じ込められるんだぞ?」

 

「何が言いたいのかしら?」

 

「見つけたければ自分で見て気付かなきゃな」

 

アナキンとオビワンに船に戻るよう言って少し寄り道をしようとするとガチャ、と車のドアが開く音がした。

 

「お嬢様!?」

 

「体調が優れないと学校に伝えて頂戴、これはスピーチ用の原稿よ」

 

執事らしき人にそう伝えるとその少女はこちらに向かって来た。

 

「おめでとう、一歩全身だ」

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

私が乗るリムジンが犬を轢きそうになった。

華々しい入学式で完璧なスピーチをする事で良い出だしを迎えようとしていたのに出鼻をくじかれる所だった。不思議な装いをした男が手を出すと犬がその男に引き寄せられるように中を浮き、間一髪で救い出した。

 

犬を飼い主に戻すと仲間と思われる男二人と去っていった。

他2人もそうだが犬を救った男の目は驚く程腐って…いや、死んでいた。まるで大量殺人鬼みたいに、鋭いのに何処か温かさを秘めていた。

 

敵わない…私以上に完璧の姉をもってしても彼の秘める得体の知れない物には敵わないだろう。

 

簡単に言えば興味が沸いた、私の心にあるものを言い当て、その解決策を見つけるように諭した。言わば、餌の与え方を教えず気付かせたのだ。謎の多い彼を知りたくなった。

 

「貴方は何者なの?」

 

「ここでは行方不明者」

 

「それじゃあそれ以外では?」

 

「宗教法人の武力団体」

 

「益々分からないわ…」

 

日本では珍しいタイプの甚平のようでそうではない服装。それでいて腰にぶら下げている白色の筒のような道具は得体の知れない違和感を放っていた。

 

「てかお前、学校は大丈夫なのか?時期的に入学シーズンだろ」

 

「殻には囚われないんじゃないのかしら?それと私の名前は雪ノ下雪乃よ行方不明者さん……ところで何処に向かっているの?」

 

幻滅の目を向ける。勿論本心ではない、口は達者なようだから少し試そうとしたのだ。

 

「アンタの面は確かに良いだろうが貧相過ぎる体じゃ元気な子は産めないな…一次成長期からやり直しだな」

 

プツン………

 

「で、どうしてららぽーとに?」

 

気が付いたらららぽーとにやって来ていた。後ろにはタクシーが控えている。どうやら体力切れを起こした私がタクシーに頼ったどのこと。車内でも長々と説教を垂れていたと彼は言っていた。

 

「資料を買いに来た」

 

「資料ですって?」

 

「船を作るからデザインと機能面のアイデアをパクリ、もといオマージュする為にな」

 

漁師の出となればこの服装にもやや納得はいく。

 

「それは分かったけど貴方、お金はあるのかしら?」

 

「スリをします」

 

「私は犯罪者と一緒なんて嫌よ、欲しいのがあるなら言いなさい」

 

「後で仮は返す…」

 

そうしてくれると助かるわ、と返してららぽーとを散策する。

 

「あのな、人酔いも方向音痴も酷いとかどう生きてくんだよ…」

 

「今後直していくつもりよ…」

 

欲しいと言っていた本(SFアニメの設定資料集やカメラ)を購入した私達は噴水広場にて休憩していた。

 

「もうお昼…」

 

「ほんと、学校は大丈夫なのか?」

 

「今更なんて事ないわ、それよりお腹は空いたかしら?」

 

「や、携帯食がある」

 

懐から取り出したグミみたいな物を口に放り込みもちょもちょと食べる。どこからどう見ても見た事も聞いた事もない食べ物だ。

 

「それ、一つ頂けるかしら?」

 

「口に合わないぞ」

 

それでも、と言うと不思議そうな顔をした彼は小さいのを一つ渡してくる。彼を見習って口に入れて舌の上で転がす。不味くはないが不思議な味がする。酸っぱいような甘いような…味わえば味わう程分からなくなる。

 

「美味くないだろ」

 

「そうね、『よく分からない』が素直な感想よ」

 

「俺も慣らすのに時間が掛かったな…」

 

懐かしむような表情をしている彼の顔を眺める。哀しくも嬉しい表情と表すのが適切なのだろう。

 

「あれ?雪乃ちゃーーん!」

 

初めて味わう時間の味を楽しんでいる所を急に現実に引き戻されてしまう。視線を声のした方に向けると姉とその取り巻きがいた。彼は姉をチラ、と見るも直ぐに視線を謎のグミに戻した。

 

「姉さん…」

 

「入学式サボったって話は聞いたけどまさかこんな所にいたんだね〜!もしかして、デートかな?」

 

「あれが陽さんの妹さん?可愛いッスねェ!!」

 

「やーーん!お人形さんみたーい!」

 

「すっげぇ綺麗な黒髪だァ!」

 

取り巻きの一人が近付いてくる。心底嫌いな部類の人間だ。吐息すら掛かるのに嫌悪感を抱く。

 

「すんません、連れにちょっかい出さないでもらえますか?」

 

「!!」

 

さっきまで蚊帳の外を決め込んでいた彼が口を開いた。

 

「は?何言ってんの?彼女ちゃんが取られそうになって怒っちゃってんの?」

 

「まぁ、怒っても良いんだぞ?」

 

腰に付けていた筒状の道具を右手に持ち彼は言葉を放つ。

 

「はったりかどうか…試してみるか?」

 

冷たかった。私の脅しや罵倒とはまるで違う冷たさだった。心も命すらも凍りつく様な…まるで人殺しの様な目をしていた。

 

「怒らせちゃった様ならごめんね?彼ったら、朝から少し嫌な事があって頭に血が上っちゃったの…だからさ、許してくれるかな?」

 

同じく彼の本質に触れたのか姉さんがフォローに入る。その横顔には一筋だけ汗が流れていた。取り巻き達を解散させて3人きりになれる場所に移動する。

 

「許すも何も…彼女に謝ったらどうなんですか?それとも、責めますか?私に全部押し付けたなって…」

 

「!!君、何者?」

 

その質問に賛同するように私も彼に視線を向ける。

 

「名前は比企谷八幡…銀河の彼方から来た………」

 

ぽつりぽつり、と自分の経歴を話す。宇宙から来た事、地球人だが宇宙に飛び出した事。今日は趣味の為に戻ってきた事。ジェダイという団体に属している事。

 

「にわかには信じがたいけど…嘘とも思えないわね」

 

「う〜〜ん、信じるとしてさ…一つ聞いてもいい?」

 

「どうぞ」

 

「どうして私の本音に気付いたの?」

 

「本音?」

 

私の反復に姉さんが頷く。

 

「俺のフォース・センス。簡単に言えば特殊能力なんですけど、それはある程度の考えを読み取る事。人だけじゃなくて動物も。例えば今雪ノ下姉は俺のコレに興味がある、とか」

 

「デタラメだね……」

 

「当たってるのね…」

 

その筒状の道具を持ち、スイッチを入れると光の刀身が不思議な音を出しながら出現した。

 

「当たればタダじゃ済まないと思ってくださいね」

 

姉さんと揃って唾を飲み込む。

姉さんはじゃあ、と言葉を続ける。

 

「私を宇宙に連れてってくれるかな」

 

「姉さん!?」

「ほう…」

 

「海外とかだと捕まると思って諦めてたけど…宇宙なら家の事なんて考えずに済むもんね」

 

社交的で完璧な姉も家の仕事に嫌気が差していた…その事に気付く。社交的ではない私に代わって姉さんは背負ってくれていたのだと思うと自分が嫌いになる。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

言っちゃった…頼っちゃった…得体の知れない人に。

 

「別に良いですけど…」

 

彼の了承も経て宇宙行きが確定する。

きっとこの提案で雪乃ちゃんは私の本音に気付き自己嫌悪に陥るだろう。

 

「雪ノ下…」

 

「何?」

 

「や、妹さんの方ね?分かってるでしょ?」

 

それにこの子、比企谷君は面白い子だ。中に抱えている物は私のより黒く重いだろう。それを知りたい好奇心があるのも理由の一つだ。

 

「何かしら…」

 

「お前も来い」

 

「何を言ってるのかしら?私には私の生活があるのよ?」

 

「黙って来い、6万3780円分の貸しがある。それを返すのに一々地球まで行く訳ないだろう」

 

強引だった。きっとほんの2、3時間での会話で雪乃ちゃんを理解したのだろう。ふぉーすせんすとかでは無く会話の中で。

 

「誘拐するのね…やっぱり私の体目当てじゃない」

 

「そうなるな、思わず美人2人誘拐する事になった」

 

「罪深いわよ、本当に、もう…」

 

雪乃ちゃんも、私も…チョロいね。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

「どういう事だ?パダワン・ハチマン」

 

貨物船内でマスター・オビワンは頭を抑えていた。

 

「つい…」

 

「つい、で誘拐するな…!全く、連れてくにしても彼女達の生活はこれからどうするんだ?」

 

「彼女達の要望で俺の部屋に住み込みで働くらしいです…」

 

「ハチマンの部屋もこれから騒がしくなると思うと嬉しいやら悲しいやら」

 

「茶化すなアナキン。一応確認するが…惚れてないだろうな?」

 

「まさか」

 

ジェダイの掟とか、執着とか関係なくそんな心を持つはずがない。俺はマスター・サイフォが予言した戦争に勝たなくてはいけないのだから。そう思いながらオビワンに短く返し船を発進させる。

 

「ハチマン、僕とオビワンは少し休むよ。あの後沢山寄り道して歩いたから疲れた…今日は本当にありがとう」

 

「あぁ、付き合わせてすまなかったな」

 

休憩スペースに向かう2人を背中で感じていると両脇に攫ってきた2人が興味深そうにやって来る。

 

「座標はセットしたから後は待つだけだが…言葉が通じないのは不便だし…できるだけ教えるぞ」

 

サイフォに攫わせた日もこんな感じだったな〜と思いふけながら公用語から教える。

 

「3時間で覚えるのか…吸収早過ぎない?」

 

「あら、教えてなかったかしら?」

「自慢だけど頭いいんだよね〜、退屈させないでよね〜」

 

「とんでもないのを攫ったな…BD」

「ピポ…」

「充電ポートは死守してやるよ…」

 

こうして羨ましくも大変な美女2人を侍らせたパダワン生活が再スタートするのだった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

「エンジンは機首から離れると的がデカくなるよな…かつ機動力が高いのがいいよな」

 

「色んな同盟国から帰還したスターファイターの被弾箇所のデータを貰ってきたよ。参考にしよう」

 

「ミサイル対策にフレアをできるだけ搭載したいな…ブラスター砲は4門は欲しくなる…」

 

3人共有のガレージにて腕を組みながら各々の考えを共有している中、室内の中央にはある程度の骨組みを終えた戦闘機が鎮座していた。

 

「「「後はパーツなんだよな…」」」

 

「アナキンはパーツ集めはどうだ?」

 

「いいエンジンの目星は付いたよ…お金は次の任務で溜まるかな。アシャラドは?」

 

「今装甲を誠意製作中だ…完成までに必要なのは時間だな。ハチマンは?」

 

「故郷で良い資料を手に入れた…今『山猫』に制作依頼をして作ってもらってる。お得意様割引が適用されて金が余ったからアナキンの方に回せるぞ」

 

「だったら十分かな…作れるよ!」

 

とうとうこの時が来た。定食やで話し合ったあの時から作ってきたのがあと少しで完成しようとしている。

 

「勿論メインパイロット兼テストパイロットはハチマンだからね」

 

「俺か?」

 

「当たり前だろ、お前が提案して始めたんだからな!」

 

こりゃいつも以上に気合いを入れないとな…

別ヒロインも参加して欲しいですか?

  • 由比ヶ浜!!
  • 川崎!!
  • いろはす!!
  • 平塚先生!!
  • 小町!!!
  • ルミルミ!!
  • うるせぇ!!全員出せぇ!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。