「何? 戦衣にあんな機能があるの? 大赦はまた私達に隠して……。」
芽吹さんが何か言ってるけど、今はスコーピオンを早く倒さないと。
毒針がかすっているなら、治療をしないといけない。
「はあああ!」
天の神の神気をジェット燃料のようにスラスターから噴射する。
そのまま甲板から離艦してさっきコピーした神樹様の種をレールガンで発射する。
(ようやく、力の使い方が見えてきた。でも、まだこれだけじゃ足りない。)
「えええええ! 空飛べるのこれ。」
雀ちゃんが驚いて自分の戦衣もあちこち見ている、
「雀、よそ見しない。全員退却準備。これより私が持つ指揮権は2番から8番の指揮官に移行します。準備でき次第撤退を開始して。」
「芽吹さん!? 貴方はどうなさるおつもりですの?」
「シズク達を連れて帰ります。理由は分かりませんがさっきの攻撃ではバーテックスが回復していない。弥勒さんと雀はこの船で亜耶ちゃんを連れて行ってください。」
時空間に記憶されたコピー品とは言え、神樹様の力を直接受けたスコーピオンは再生が遅くなっている。
「芽吹先輩! そんな一人は危険です。シズクさんの他の方もいらっしゃるのに。」
「亜耶ちゃん、大丈夫。私一人ならうまく立ち回れるわ。それにシズク達もそれほどひどく打ち付けてなかったみたいだから。お願い、今は先に戻って待っていて。」
「芽吹先輩……。分かりました。お早いお帰りを。」
何でもいいけど早く撤退してくれないかな。
と言っても、今回は新装備が充実しているから、戦い自体は優位に進めている。
再生するよりも早い速度であらゆる部位を砕いていく。
お面のような顔を、最大の武器である尾を、そして重心となる胴を、全てを砕き、原型も分からないほどに。
それなのに、すぐに再生を開始している。
「でも、これならどう。」
今度は種の時間を加速して、スコーピオンの中からさっき亜耶ちゃんがやったのと同じような樹を生やす。
「え? もしかして倒したの? よ、よかった~。」
「ざ、残念ですわ。せっかくの手柄が……ぶつぶつ。」
スコーピオンは既に木の養分として扱われるだけの運命。
無限に再生を続けながらも、永遠に樹木の糧としてそこに在り続ける。
「見てください。芽吹先輩。神樹様の力をあんな風に使うなんて私も知りませんでした。」
周りをレーダーで確認しても星屑さえも見当たらない。炎が噴き出す音だけがBGMだ。
「そうみたいね。全員確認。このまま負傷者を救助する。」
スコーピオンが動けなくなったことで、周りの緊張が少し解けた。
私も一度自分の船に着艦しよう。
私がスラスターを動かそうとする前に、芽吹さんに呼び止められる。
「まちなさい。松永さんだったわよね。さっきのは何? あんな機能があるなんてどうして知っていたの?」
「私? えっと、上手くいくかどうかは現地でやってみないと分からなかったから、安芸先生に頼んで秘密にしてもらっていたんです。」
(本当は情報漏洩が気になっていたんだけど、それは今は言わなくても良いかな。)
「そう、全員使えるの?」
「えっと、飛翔ユニットは訓練と素質が必要だよ。どっちかっていうと巫女的な意味でね。でもこっちはできるよ。私の手作業だから大量は無理だけど。」
「芽吹さん、これはもうやるしかありませんわ。この種子が少数とはいえ作れるのでしたら、進むべきですわ。」
「ええー、何言ってんの。せっかく任務も終わったんだから早く帰ろうよ、メブ。私、まだ嫌な感じが残ってるんだけど。」
「そうね。……今回は撤退します。任務も大切だけど、さっきの飛翔の訓練もしておきたいわ。」
みんなの言葉を聞いても芽吹さんは堅実だった。
どうやら、昨日までの焦りはとれたみたいだ。
もっとも、飛翔訓練する機会はないと思ったほうが良い。
このあとはタタリを何とかしないといけないから。
飛んでどうにかなるものでもない。
もちろん、勇者がいてもアイツ相手だと足しにならない。
そもそも、力を与えてくださっている神樹様だってアイツから派生したようなものだから、力の量が違い過ぎる。
「仕方ありませんわね。」
「ええ、私ももっと早く進めたいですが、何事も基礎を作る時間はしっかり用意すべきです。」
それじゃ、私もそろそろ着艦……。
「え……。」
目の前を太陽が通り過ぎる。
今のって、まさか……。
けれど、振り返った先で輝く日輪をかざす巨体は夢ではないように見えた。
「さ、3番鑑。ロスト。見当たりませんわ!」
弥勒さんの声で我に返る。
3番艦って、わたしの帰るところ……。
目の前に召喚された巨体を見上げる。
私達の船も空を飛翔しているはずなのに、見上げなくてはならない巨体。
太陽を模し、さらに背負うかのような日輪。
顔も胴体も腕や足さえ見えない赤い巨体。
間違いない。あれは。
「レオ・バーテックス。それも御霊まで再生している……。」
呟く声が自分のものなのか、誰かのものなのか。
ふと、甲板を見るといつも騒ぐはずの雀ちゃんが黙り込んで呆然としているように見える。
驚きと言うにはその表情が虚無過ぎるのが気になる。
ダメだ。相手がレオなら考えてる余裕はない。
3番艦のみんなを回収して逃げないと。
もう一度スラスターを吹かせてレオのほうに突進する。
「何をやってるの!」
芽吹さんの叱責がくるけど、構ってる暇はない。
「船なんかで近づいたら3番艦みたいに良い的だよ。でも私一人ならこの通り。」
そう言いながら、再度充填された炎を余裕をもって回避する。
こっちはジェミニの数倍。
最大時速1000kmで飛び回れる。
時間加速がなくても相手の位置さえ特定できれば、回避するのは難しくない。
そもそも、こんな小さな的をそこまで器用に狙えるものでもないだろう。
そのまま横をすり抜け様にレールガンから種子弾頭を放つ。
狙いは間違いなく御霊に届くはず。
けど、弾はすべて焼き捨てられる。
コイツ、周りの焔を吸ってブーストしているのか。
ただでさえ、今の私ではレオの相手はしんどいのに。
だったら、時間加速で撃ちぬく。
準光速のレールガンの弾頭をさらに10億倍の時間加速で打ち出す。
時間加速に寄る速度はその大半が質量の増加と言う形でエネルギーとなる。
10億倍もの加速が質量となった力は、太陽が1年間かけて放出するエネルギーに近くなる。
太陽の化身と言われるレオへの皮肉のようなエネルギー。
発射した時の衝撃で、銃剣と一緒に腕が吹き飛び、私自身の体も後方に1kmくらい吹き飛ばされる。
レオがどうなったかはちょっと見えない。
煙どころか、炎も跡形もなく消えた虚空が数kmに渡って広がっている。
(発射角度を間違えてたらせっかく成長させた樹もふきとばすところだった。)
とにかく腕を再生して……。
「あ……」
この時のことは正直言って、あんまり覚えてない。
ただ、あの一撃ではレオは消えていなかった。
だから、私は目前に迫った太陽を前に何もできることがなかった。
(そっか、雀ちゃんが騒がなかったのは、もう何にも可能性がなかったからか。)
不思議と穏やかな気分だ。
着弾するまで2、3秒はあるんだし、私の心がしっかりしてれば、時間加速で逃げても良かったんだけど、もう、なんか嫌になった。
ここまでしても、アイツの手足にすらなれないバーテックスも倒せない。
その事実で自分がやろうとしていることがどれだけバカらしいか思い知らされてしまった。
「これで、何とかなったら、ホントに神様信じるよ。」
「それは、どちらの神か? 天か地か?」
だから、私のつぶやきに答えたその影が何だったのか、すぐには理解できなかった。
「アルフレッド! どうやってこちらに?」
「お嬢様に危険が近づいているかと、少々遅くなり申し訳ございません。」
アルフレッド……。
なんでアイツの使徒が私を助けるんだ?
そうだ! アルフレッドって弥勒さんの執事の名前だ。
それなのに、なんで気づかなかった!
絶対におかしいのに、まるであたり前のように気づかなかった。
(アイツがそうしたから? だったらアイツの記憶を共有されても、気づきを選別されたら何の意味もない。)
いや、そもそも この男性がアルなの?
気づくかどうかまで操作できるなら、記憶も絶対じゃない。
「お前、アル、なんで……。」
「あのままではお嬢様も危なかった。」
記憶の参照どおりの抑揚の少ない物言いだけど、確かにアルだ。性別が反転しているのは意味がわからない。
でも、本当に確認すべきなのはそこじゃない。
「そうじゃない。なんでお前の主が弥勒さんになるんだ! お前の主はアイツじゃないのか?」
アルにとっての主は天の神だけのはず。
それなのに、弥勒さんをお嬢様と呼んだ。
「それが今の私の役目なので。まずは降りられよ。」
「絶対、あとで聞くから。逃げるなよ。」
それだけ言い終えると、ようやく甲板に降り立つ…ことができずに尻もちをついてしまう。
防人の装備が強制解除される。
宙を舞う収まりの悪さから解放された安心感で油断した。
長時間の時間加速に加えて、天の神の力をフルで使っていたせいだ。
足が夢現の時みたいにピクッと震え、再現した手も痺れたように感覚がない。
(気持ち悪い。やっぱり神の力を適性のない私には負荷が大きい。)
ヒトの限界。
アミノ酸で合成されたタンパク質。
カルシウムを主な材料とする骨格。
高分子化合物の精密機械ともいえる内臓。
どれも大切だけど、繊細で壊れやすい。
心と同じように体も壊れやすいのだから。
適性のない私が天の神の力を完全に使い切るには素粒子変換が必要。
でも、その線分を越えることは確実に人間やめることになる。
物理的にもだけど、何より心の在り方が変わってしまう。
時間の束縛は鬱陶しいけど、自分の居場所でもある。
それすら捨て去ったら、戦う意味自体がない。
(アイツはそれを結城さんが好きだからそれくらい越えられると思ってるけど、既にその思いこそが結城さんを苦しめる元凶だよ。)
「うわ、顔真っ青じゃない。メブどうしよう。」
「少し休んでもらいましょう。」
雀ちゃんが顔真っ青にしながら、芽吹さんを呼んでいる。
芽吹きさんと雀ちゃんが私を受け取り、弥勒さんがアルフレッドへ尋ねる。
「アルフレッド、どうやってこちらに? いえ、どうするつもりですか?」
「まずはレオを仕留めましょう。お嬢様達はこちらでしばしお待ちください。」
「仕留めると言いましても、あれは何なんですの? いくら完全体とは言っても、今までのバーテックスと違いすぎませんか?」
「しかし、バーテックスには違いないでしょう。問題ございません。それから墜落した船の方々はまだ生きておられます。お早く。」
言うが早いがアルが軽く甲板をつま先で叩くと、もうレオの目の前にまで移動している。
大方、質量のない光子やボーズ粒子で移動したんだろう。
「わわわ、また出たあぁぁ~。」
雀ちゃんの悲鳴に合わせるように星屑とバーテックス達が現れる。
「今度はライブラか。」
こちらに近づくと、どういう構造なのかライブラの体が回転を始める。
熱風が吹き荒れ、竜巻に船が流される。
「く、全船舵取り。距離が詰まらないように注意して!」
芽吹さんの声も風切音でどこまで続いているか分からない。
「ぶつかる! ぶるかる! ぶつかるぅうう!」
雀ちゃんの言葉の通り、3つの船がお互いに手が届く距離まで近づいている。
「みんな伏せて!!」
芽吹さんの声に合わせて慌てて伏せる。
バリバリと木を砕く音と風切音が奇妙な合奏を続けて、私達の船はそのまま炎の中に乗り上げて停止する。
「きゃあああ!」
悲鳴は自分のものか、誰かのものか。
船は止まっても風は止まらない。
このままライブラが近づいてきたら、今度は乗り上げるだけじゃなくて、巻き上げられてから地面にたたきつけられる。
そうなったら、私達以上に亜耶ちゃんはきっと無事じゃすまない。
「弥勒さん。船の操作をお願いします。できるだけ地面に倒して少しでも風の影響を避けてください。」
いち早く立った芽吹さんがぐるりと辺りを見回すと、弥勒さんに船の操舵を任せたいらしい。
「芽吹さん、どうなさるおつもりですの?」
「このまま全員固まっていると、またぶつかって墜落します。だから、単騎で近づいて竜巻の上。風が止まっているところから攻撃します。」
「ええ~! 1人なんて無理だよ、メブ。死んじゃうよ~。」
雀ちゃんの元気はすっかり戻っている。
これなら後は3番艦の人たちを救出できれば撤退できるんだけど。
(上から倒す戦法はかつて勇者が使ってる。対策されてなければ良いんだけど…。)
全部アイツの匙加減だから、どうなるか分からないけど、やるしかないのか。
でも……。
「ちょっとだけ待って。芽吹さん。……これで良し。」
少し芽吹さんの手を握り、ちょっと呪い仕掛けをかける。
「何? どうかしたの?」
「ううん、ちょっと仕掛けを用意しただけ。亜耶ちゃんのお祈りじゃなくて悪いけど、今はこれで何とかお願い。」
天の神の力はもう少し使えるけど、ちょっと残しておく。
もし、アルがまだ天の神の地上代行者なら連戦になるかもしれない。
「分かったわ。貴方もあとでいろいろ聞かせてもらうわ。」
「それなら、必ず無事に戻ってくることだね。聞かせる相手がいない秘密ほど恥ずかしいものはないから。」
芽吹さんが頷き、ライブラに向かって跳躍する。
どうやら、飛翔ユニットの使い方は見ただけで覚えたみたいだ。
風に逆らわず、器用に竜巻の中心。ライブラの頭上を捉える。
「神だろうと……いつまでも好き勝手出来ると思うな!」
芽吹さん放った銃弾がライブラに向かって吸い込まれていく。
(吸い込まれる?)
私が思考した瞬間。
まっすぐ飛んでいたはずの弾が何かに引き寄せられるようにライブラを反れて、その天秤の測り皿に収まる。
「何!? 弾が……。」
驚く芽吹さんに向かって、測り皿の銃弾が芽吹さんを攻撃する。
けど、芽吹さんに届く前に銃弾は小型の結界に遮られる。
「ううー、怖いけど、怖いんだけど、メブがいなくなったらもっと怖い目に会うから、防御だけは私達が。」
「戦うことはできなくても、結界の補助くらいさせてください。芽吹先輩。」
雀ちゃんはまだしも、亜耶ちゃんまで。
「後輩たちに任せきりというわけには参りませんわね。」
「口は良いから手ぇ動かせや。お嬢。」
いつのまに近づいていたのか、文字通り地を這うようにしながら、風を避けた影が2つ飛び出して、測り皿の鎖を断ち切る。
「なんかいつもより切れやすくないか?」
「そんなことはありませんわ。これが弥勒の本来の力です。」
どうやら、天の神の力は上手く伝達されていたみたいだ。
同種の力だから、バーテックスが持つ加護も再生能力も阻害されている。
「本当にみんな。こんな無理をして。特に雀。亜耶ちゃんまで連れてきたのは後でお説教よ。」
「そんなぁ~!」
まだ、3番艦の人たちは回収できていないけど、アルが無事だと言ったんだ。
今はそれを信じるしかない。
たとえ敵の言葉だったとしても、アイツはそういう嘘はつかないし、つかせない。
他ならぬ自分のことだから分かる。
だから――
「楠、決めろ。」
「今回は譲って差し上げますわ。」
「芽吹先輩、お願いします。」
再び吹き荒れ始めた風を避けて、地上に落ちていくみんなの声。
「ええ、分かっているわ。みんな、ありがとう。」
それでも芽吹さんは取り乱さずに、みんなが作ってくれたチャンスを見つめてもう一度引き金をひく。
その銃身は大きく変わり、アイツの記憶の中で見た神樹様の中の世界の夢の切り札のよう。
うまくいった。
遥か彼方に神樹様の中の世界で呼ばれた試練の世界。
あそこであったことはみんなの記憶になくても、全知全能のアイツは知っている。
(だから、私には再現できる。これで防人の力も星座に届く。)
現実では神樹様の寿命が近いから、勇者の数は増やせない。
けど、私を通じて天の神の力をみんなに分けられるなら、勇者が増えたって問題ないはずだ。
アイツに時間を巻き戻されたせいで、失われてしまった世界の約束。
敵が無限の力を持つなら、こっそり分けてもらえないかなとは、園子さんの入れ知恵だ。
(天の神の力の横取り。まさか本当にできるとは思わなかったけど。)
芽吹の新しい銃口から放たれたビームと実弾が次々にライブラを穿つ。
御霊は……見える。
「そこかああぁあ!」
芽吹さんが最後に撃った一撃。
御霊が砕かれ、ライブラ・バーテックスは砂となって崩れていった。
「彼は本当に弥勒さんの家の方なんですか?」
「ええ、それは間違いなく。けれど、アルフレッドがどうしてここに……。」
「それは、後で本人に聞けばいいじゃん。ほら、あっちも何だか勝てそうだよ。助かったあ。」
雀ちゃんが指さそう方向を見ると、アルはレオの炎を片手で地平線の彼方まで薙ぎ払っている。
「雀ちゃんの言う通り、アル、いえ、アルフレッドさんは勝てるよ。勇者以上に強いんだから。」
「どういうことですの? 松永さんはアルフレッドのことをご存知ですの?」
「それは本人に聞こうよ。私もどういう経緯でアルが弥勒さんの執事になったのか気になる。」
信じたくないけど、これもすべてアイツの思い通りかもしれない。
でも、その理由が全然分からない。
てっきり、私を乗っ取って結城さんと同じ時を歩みたいのかと思っていたけど、それだけじゃないみたい。
同じ人間なのに、分からないのはアイツが共有していない記憶にまだ何かあるからだ。
「とにかく、今は3番艦のメンバーの捜索をしましょう。確認が終わったら撤退よ。」
芽吹さんの号令にその場にいる全員が頷く。
「捜索でしたら問題ございません。すでにあちらに。」
私が少し喋っている1、2分の間に戻ってきたらしいアルが甲板の後ろ側を指し示す。
「みんな!」
慌てて近寄ると、ところどころ軽い火傷跡が見られる。
痛々しい姿で気を失ってるけど、みんな致命的な怪我とかはないみたいだ。
「アルフレッド、レオはどうしましたの?」
「御霊を破壊したので、すぐには復帰しないでしょう。」
合体前ならレオでも簡単に倒せるんだ。
やっぱり、アルなんだ。
アイツ自身が定めた地上代行者。
もう、未来を知っていても変えることはできない。
知っていても、気づくことができないようにされているなら何の意味もない。
自分が本当に生きているのか、生きていると感じさせられているだけなのかさえ、今の私には分からない。
もう、分からなくなって……。
「え? ちょっと、ねぇ!」
声をかけてくれたのは誰だったのか?
確認することは叶わず、冬に暖かい布団を被ったかのように、私の意識は薄く引き伸ばされていった。
そろそろ、もう一度西暦編に戻りたいです。
あと人増えてきたし、登場人物紹介とか、時系列とか、原作との対比点とかあったほうが見やすいんでしょうかね。
このあたりの作法が全然わからないです。本当なら作品外の説明なんて邪道なんでしょうけど、うまく説明しきれる自信がないです。