年末になると、トゥインクル・シリーズもフィナーレを迎えてくる。もちろん、年が明ければまた新しいシリーズが始まる。それでも年末になると物寂しく感じたり、盛り上がってくるのは決して時期からでは無いだろう。
レースで言うと、クラシック級やシニア級のウマ娘が集って競い合う年末の最強決定戦。ダート最強決定戦を行うチャンピオンズカップ。そして、芝の最高グランプリウマ娘を決める有馬記念。どのウマ娘だって、目指したい場所だ。だが、そのレースに出るまでには厳しい道のりがある。
これから先の未来の話は置いておいて、ジュニア級のレースについてだ。年末にはジュニア級でもG1レースが3つ存在する。阪神レース場で競うマイル戦のジュニア級王者決定戦である、阪神ジュベナイルフィリーズと朝日杯フューチュリティステークス。そして、これから俺たちが挑む中山レース場で競うホープフルステークス。本来であれば阪神ジュベナイルや朝日杯フューチュリティを観戦、もしくはレース中継などを見て将来のクラシック級への傾向を掴む……予定だったのだが。
「ねえ、ねえどうするのー! もうすぐ『勝負服のデザイン申請』終わっちゃうよ!」
「分かってるって……考えてるけど悩むんだよ」
練習終わりのフリーな時間ほぼ全てが、勝負服デザイン作成に費やされていた。G1に出るウマ娘には勝負服を着るのが習わしだ。そのためG1に出れるような資格を持ち始めたウマ娘たちは、事前に勝負服を申請するための準備期間が存在する。G1に出るか出ないか。出れるかどうかも含めて未定であるが、可能性のあるウマ娘全員の勝負服デザインを受付することになっている。だからこの年末になると、教官など担当ウマ娘を持っていないトレーナー達も駆り出されて数百通単位でデザインを申請したりする処理に追われるのだ。
そして肝心の俺の勝負服だが、決まっていない。何個かデザインの要素は考えたが全く結びつかないのだ。元々海が好きだし、マリン要素が何点か詰まったような勝負服を考えられれば良かった。しかし、デザインセンスなども全くないため形にするには至らなかった。あれこれ考えては捨て、考えては捨てという作業をしているとデザイン申請期限まで残り僅かな期間しか残っていなかったのだった。
「うーん、ちょっと考え付かないなあ。そうだ、確か勝負服のデザインも勉強してたんだっけ?」
「あっ、まあそうだけど……ほんの触りだけだよ?」
煮詰まった中でお茶を飲みつつ、勝負服の話をアンカーにする。一応これまでの間での世間話程度でちょっとだけだが勝負服のデザインを学んでいたという。トレーナー養成学校では、単位として勝負服デザインの学問がある。しかしトレーナー養成課程では直接必須になる単位ではないため、人気がない単位なのが実情だ。
「じゃあせっかくだし、初めて担当するのがG1ウマ娘なるんだし、デザイン任せるよ」
「──良いの? 本当に大丈夫?」
「大丈夫だよ。これからのレースの調整もあるし、コンディション調整だって入念に済ませたいし、これ以上待たせて向こうに迷惑かける訳にはいかないだろ? それだったら少しでも経験ある人に任せたいからさ。──ダメかな?」
悩んだ末に思いついたのは、少しでも経験があるアンカーに勝負服のデザインを丸投げすることだった。自分で考えてもこれ以上いいアイデアも浮かばないし、逆に勝負服デザインに集中しすぎてコンディション調整など上手くいかなくなっても問題だ。そのような理由もあることを伝えた。
「分かったよ! アタシはルーラーちゃんと違って、勝てなかったし、勝負服着れなかったからさ、絶対に良い勝負服作るね!」
──その言葉が、強くこの身体に絡みつくのだった
アンカーに任せていた勝負服デザインは無事に申請が通り、遂にホープフルステークス当日を迎えた。迎えたのだが当日は昨日から降り続いている大雪。中山レース場は総勢700人強の人で除雪作業を行っている。除雪車などの導入など当然できないため人力での作業になるのだが、大変なことには違いないだろう。予定時間よりもかなり早めに前倒しで控室入りしていたおかげでギリギリになっての大慌てになることなどが無くて良かった。発表されている芝状態は、もちろん大雪の影響で不良馬場。基本的に良馬場や稍重、あっても重馬場ぐらいまでのところだが、ここまでの不良馬場になることはあまり出てこないケースだ。
「やっぱり不良馬場かあ、パワー出して頑張らないとね!」
「パワーを出して頑張るだけで勝てるなら苦労はしないよ……」
「──っと大事なものを忘れちゃいけない! はい、これが勝負服だよ!」
アンカーからパワーを出して頑張ってと、対してアドバイスにもならないエールを貰うと、何やら慌てた様子で荷物を渡してきた。宛名や差出人などを見るとどうやら勝負服を製作しているメーカーさんの名前とURAの名前が。つまり中に入っている服は勝負服である。受取日は今日のレースより3-4日ほど前だ。大方サプライズで渡そうと思ったのを渡し忘れたのだろう。
「全くもう……忘れてたの? まあ、直前も直前だから良いけどさ──開けてもいいかな?」
「うん、良いよ! 開けて開けて!」
「──おおっ、セーラー服か。良いデザインだと思うし可愛いね。それじゃあ、今から着るよ?」
「後ろ向いてるから、着れたら呼んでね!」
箱の中から出てきたのは勝負服。セーラー服をモチーフにしているようだ。同じような勝負服が二着入っている。レース用の勝負服と、ウイニングライブ用の勝負服。同じデザインで二着あるが生地が全く違う。レース用の勝負服は多少激しいアクションや、最悪の場合の転倒事故などが起こっても丈夫であるような硬くしっかりとしている。反面、ウイニングライブ用の勝負服はパフォーマンスに使うため、少しでも軽く、ふわふわとした印象を与えられるように作られている。手に持ちながらウマ耳と尻尾が反応しているのがよくわかる。アンカーが着れる姿を楽しみにしていると言いながら目を両手で隠して後ろを向いた。それを確認して俺も勝負服を着ることを始めたのだった。
俺の勝負服は5つの要素に分かれている。一つ目はセーラー服の上半身部分。襟部分が紺色で後は白色の一般的にイメージしやすいセーラー服に似通っている。丈が短いため胸の下半分が見え隠れしている。横から見ると垂れ幕のように見えるかもしれない。だがそのぐらい綺麗に肌を見せることは他の勝負服でもあることだし、大して気にすることも無いだろう。上だけ着たところで、少しテンションも上がってくる。
二つ目はスカートだ。セーラー服らしい紺色のプリーツスカートだが、腰回りを船の鎖のような形をした金色のチェーンベルトのようなもので留めるような仕組みだ。チェーンには鎖とモチーフになる小さな錨のモニュメントが取り付けられている。着てみると思ったより短い。股下ギリギリが隠れるところだろうか。黒のアンダースコートを穿いて丁度いい感じになってくる。
三つ目と四つ目が、それぞれアシンメトリーになっている黒のロンググローブとショートグローブ。ガーターベルトを合わせて使う、ロングストッキングとショートストッキングだ。ロンググローブは右手側、ガーターベルトは左足部分が長くなっている。それぞれの反対側は短くなっているため、ちょっとしたオシャレポイントにもなるだろう。比較的色白な肌に黒色が映える。上半身も白っぽいし、このぐらいの濃い黒色が丁度いいだろう。アンカー曰くもっちりとかつ弾力があるらしい腕やふともも周りの魅力を最大限に引き出すために準備したのだろう。
最後の五つ目が、黒のロングヒールブーツだ。左足のガーターベルトがショートサイズになっていることもあるからか、左足のストッキングはほぼブーツに隠れている。ブーツは中に入っていた説明書を確認する限りだと若干ヒールも入っているらしい。履いてみると少し目線も高くなって少し凛々しく見える気もする。自分で考えていた時は、データや勝負服のイメージの参考になればと思い、ウマ娘たちの勝負服紹介雑誌なども漁っていた。雑誌でしか見たことがないが、主に参考になったのは海外ウマ娘だった。海外ウマ娘達はヒールを履いた俺よりも、ずっと背が高い。アンカーも雑誌を深く読み込んでこの勝負服に至ったのであろう。全身勝負服に身を包むことで、不思議と闘争心やこの勝負服を着た姿をもっと周りに見せつけたくなってきている。
やはり、勝負服は奥深いと感じられるのだった。
「──勝負服着れたよ? ほら、こっち向いて良いよ?」
「そう? じゃあそっち見るね……凄い、思った以上に凄いよ。とっても似合ってる」
「そっか……なら良かった。──そろそろ時間だ。行ってくるよ」
「うん、初めてのG1レース。初めての勝負服。頑張ってきて!」
勝負服を見せると、少し恥ずかしそうに、それでも自信があるような形で俺に勝負服が似合っていることを伝えてくる。デザインを作ったからこそ、実際の完成物を見て、実際に着ている姿を見て、感動したのだろう。喜んでいる姿を見るとこっちもつられて嬉しくなってくる。ひとしきりのほめ言葉や、感想があった後にパドックアピールの時間がやってきた。まもなく大事な勝負の時間だ。最後のエールをアンカーから受け取ると、控室を離れるのだった。
パドックアピールだが、これまで体操服で走ってきたジュニア級ウマ娘の勝負服初披露のため、どのウマ娘が勝負服を披露しても歓声が湧いてくる。今回の枠番とウマ番は4枠8番。俺にとって初めての、フルゲート18人の出走。なんとかギリギリ内枠の中に入っているのが気持ち的にはありがたい。
パドック前の公表される人気発表は前走の結果やウマ娘の得意な走法などから評判が決まってくる。後は結果などを覆すほどの絶対的なアイドル性などがポイントになってくる。そんな俺の人気は4番人気、前走まで無難に先行策を取っていたのと、俺の出走予定だった中山レース場で行われた葉牡丹賞で逃げ切り勝ちをしたウマ娘達などの人気が上がったためこの位置らしい。一番人気を貰えても、一番勝てないのがレースの難しいところ。このレースに出走するライバルのアジアタメンテさんは3番人気。枠番とウマ番は5枠9番。枠を挟んで隣り合う形だ。直近の俺と対戦した京都ジュニアステークスでは2着だったものの、追い込みのパフォーマンスが映えるからか俺よりも少し高い位置での人気だった。
「──っと前の人のアピールも終わったみたいだし、もうすぐ俺の出番か。確かアンカーにこうやって欲しいって言われて練習していたけど上手くできるかなあ……」
前のウマ娘のパドックアピールが終わったため、俺はパドックへと向かっていく。そこで勝負服を隠している上着を払って決めポーズ……なのだが、イメージとやり方だけ教わったが肝心の勝負服到着がレース直前も直前に着たためぶっつけ本番だ。まあやるしかない。覚悟を決めた俺はパドックに向かうのだった。
「──8番、ルーラーノーツ。4番人気です」
「前走の京都ジュニアステークスを王道の先行策で一着を取っていますからね。4番人気ながら、今日のレースでも期待が出来るウマ娘です」
実況と解説による各ウマ娘の番号や人気紹介が終わったタイミングでパドックの外側にいるスタッフから、アピールの指示を貰う。指示を貰った俺は、上着を下に振り払う……ようにしながら、上着の先を後ろ手で掴む。そのまま上着を船の帆のように見立てながらくるりと一回転する。回転しながら帆のように棚引かせた上着を空中に放り投げて決めポーズ。難易度高すぎる。良く一発で上手くいったと褒めたいくらいだ。
「──これは……凄いですねえ。水兵風の勝負服でしょうか?」
「ええ、上着を取る仕草も有効に使えていますね、これはかなり良いパフォーマンスをしてくれますね」
ちょっと遅れて実況や解説の人が反応する。パドックを見ていた観客もちょっと唖然としたような表情だ。失敗してしまったのだろうか。でも唖然としてる中で、ちょっと聞こえてきた「やっば、惚れた」や「ふとももに挟まれてえ」とか「葦毛だけど黒船来航してる」とかワードが出てきているのは褒め言葉なのだろうか。疑問に思いながらパドックを終えるのだった。
地下道を通りレース場に入る。足元の感触はやはりかなり悪そうだ。だがある程度のパワーでしっかり踏み込むとしっかり踏ん張れそうな感覚がある。俺より前の番号だったウマ娘達も足元を慎重に確かめている。他のウマ娘達のレース場入りを待っていると、俺の次のウマ番であるアジアタメンテさんがレース場に入ってくる。
「いやー、その勝負服結構えげつないな。ウチが着てって言われても勇気入るやつや」
「このぐらいの勝負服なんて良くありますけどね。そういうアジアタメンテさんは……執事服ですか? もっとこう……ルーズな感じかと」
目の前に見えたのがアジアタメンテさん。黒一色のコーディネートだが、臙脂色のネクタイや白手袋が映えている。今まで見ていたのが、気分屋や風来坊みたいなイメージだったから意外だった。これはこれで、ギャップがあっていい感じだ。
「まあ、そうよな? けどこんなガッチガチに硬い感じも嫌いじゃないからな。勝負服は個性の爆発や、着る方も、着られる方も、見られるのも楽しんでいかないと」
「確かにそうですね。──始まりますね、レースが。精一杯楽しみましょう」
「──前回の京都より良くなってるし、簡単には負けへんで?」
軽くアジアタメンテさんと会話を終えると、G1ファンファーレがなる。年末のジュニア級ウマ娘が、新星の輝きを得ようとするために走り出すのだ。ゲートに入り、スタートを待つ。
「──夢のクラシックに向けた希望の一番星となれるか? 中山レース場芝2000m、ホープフルステークス。今、スタートしました!」
ガコンッ! という音が勢いよく聞こえながら、ホープフルステークスが始まった。先頭争いは前走でも好結果を出していた3頭の逃げウマ娘達が争っている。先頭二番目グループ、順位にして4番手争いをしているのが、俺を含めた6人のウマ娘。差しウマ娘達が5人で足を溜めている。一番最後方にアジアタメンテさんも含めた4人のウマ娘グルーブ構成だ。
中山レース場は前回走った京都レース場とは違い、坂を登って第一コーナーに入り、そこから一気に下って平坦な向正面を迎え、最後のゴールに向かう直線でもう一度上がるという構成だ。スピーディかつパワーが全体的に必要だ。特に不良馬場では一般的な良馬場に比べてもスタミナやパワーを使わされる。
スタート位置からゴール板までの上り坂を駆け上がり、第一コーナー、第二コーナー、向正面へと入っていく。前を走る三人の逃げウマ娘達が作り出すスピード感に、他の先行勢も少しずつ焦りが見えてきている。だが、ここで焦ると逃げウマ娘達、後ろを走るアジアタメンテさんも含めた差し追い込みウマ娘達の思う壺だ。ひたすらに耐え、差しウマ娘や追い込みウマ娘達のプレッシャーをガンガン受けながら、逃げウマ娘達の背中を捉え続ける。
第三コーナーから第四コーナーに入るところで後ろの差し追い込みウマ娘達が加速してくる。俺は4コーナーに入る少し前からアクセルを全開にしていく。一気に先行勢の軍団から抜け出し、逃げウマ娘達の集団に入り込んだ。ここまでかなりハイペースで三人が三人で先頭争いをしていたため、並び立ってもそこまで足は伸びてこないだろう。だからこそ、ここからは後ろから迫る差し追い込みウマ娘を突き放すために走り抜けるのだ。
「さあ第四コーナーを抜けて、先走りしていた集団を抜ききり、先頭に立ったのはルーラーノーツ! 二番手アジアタメンテ! 最終直線が短い中山レース場、後ろの娘達は間に合うのか!」
足を溜めていても、不良馬場の影響で中々に大変なのだろう。だがそれでもジュニア級でG1に出ることを決めたウマ娘。困難であっても、自分の才能や潜在能力を信じて走り抜けてくる。その後ろから来る圧力に脳内に別な気持ちよさが迫ってくる。ここまでのレースで分かったことだが、俺は後ろから狙われている感覚が堪らないらしい。それを感じながら、強引に振り切らんと走っていくのが走法として似合っていると。また、大外から強い圧力を感じる。アジアタメンテさんが大外一気で駆け上がってきた。前回の京都ジュニアステークスと同じようなシチュエーションだが、前のレースよりも圧力が凄い。目の前のライバルを喰ってしまえと表現するように。
「残り50mほどまでルーラーノーツとアジアタメンテの一騎打ち! だがアジアタメンテはもう伸びない! そのまま先行をしたルーラーノーツが今ゴールイン! ジュニア級の輝く一番星が今、誕生しました!!」
──それでも大外を走ったアジアタメンテさんのディスアドバンテージが、前回と同じくレース結果を決める内容になった。前回の一馬身差よりも近付けられた半馬身差での決着。この後アジアタメンテさんがどのようなクラシック級でどのようなレースに出るかは分からないが、かなりの強敵になるだろう。このレースで上位に入れなかったウマ娘だって、ジュニア級でひたすら地道なトレーニングをしていたウマ娘達だって、クラシック級で急に爆発してくる。これから先には強敵や困難しか訪れない。それでも、だとしても、あの子のために、アンカーゲートのために、勝ち続けて証明させるのだ。ウマ娘同士のペアであっても、立派にトゥインクル・シリーズでも勝負出来るのだと。
「あーやっぱ、ダメかあ! 悔しいなあ……でも近付けたから次は差し切って見せるからなあ?」
「──次だって、絶対差しきられませんから。クラシック級でも、これからもっと先のシニア級であっても」
「ほーん、結構おっきい口叩けるやん? でもまあ、レース終わったからどうでもいいやお疲れさん!」
二着になったアジアタメンテさんと会話をする。悔しそうだが、晴れやかな顔だ。売り言葉に買い言葉ではないが、これからだって負けないように、先行し続けると。そう宣言すると、前走の京都レース場と同じく笑顔になる。多分アジアタメンテさんは気分屋で、なおかつ楽しみたいのだろう。強敵とのレースを、ライバルとの激戦を。アジアタメンテさんの眼には、俺がその資格たり得るから、だから気にしているのだろう。感謝の言葉を告げられた後、俺はアジアタメンテさんに抱きつかれた。
「えっ……ええ! アジアタメンテさん!?」
「いやー走るの頑張って疲れたわー。これはもうルーラーちゃんにシャワー室まで連れてって貰わないと、全然動けないわー」
「──分かりましたから……一緒にいくから離れてください……」
急にアジアタメンテさんに抱きつかれて動揺している。汗や土の匂いに交じり、ミント系の良い匂いが鼻孔をくすぐる。離そうと努力するも抱きついて絶対に離さないと言わんばかりにパワーが強い。結局離れることを諦めると、汗や泥を流すシャワー室に向かうことを伝え、二人で移動した。
シャワー室までの道でアジアタメンテさんとのちょっとした勝負に負けてしまった結果、アジアタメンテさんとお互いの身体や髪を洗うことになってしまった。そのためG1ウマ娘としてのウイニングライブのセンターをやるよりも、先に緊張しきってスッキリ晴れやかにやれたのは、メリットだったのかもしれない。
さあ、ここから波乱のクラシック級へ向かっていく。その道のりには、アジアタメンテさん以外にも凄いウマ娘達がいっぱいいるだろう。どんな困難でも戦い抜く。『あの子の夢をもう一度』その時叶えてあげられなかった夢の先へ進むために、俺の船出はまだ始まったばかりだ。