もうそれが空に向かわなくとも。
下へ、下へ…
"ハァーーーッ……"
随分と重たいため息をつく金、それもそうだろう今日パニックになっていたとはいえオフィサーを5人殺したのだ、巣の住人にはちょっとキツいだろう。
「まぁ、よくある事ですよ。別に赤の他人だったし良かったじゃないですか」
「…あ?ちげぇよ、そっちじゃねぇ」
思わずキョトンとする
「俺ぁな、お前みたいな新入りにダセェ所見せちまったのが恥ずかしいんだよ」
…思ったより図太い性格してんな、コイツ
「そう言う事なら良かったんですけど…」
「俺は別に弱いって訳じゃねぇからな、精神だけが脆弱なんだよ」
「…パワーがある事はしっかり分かりましたけど」
実際金が殴った鉄パイプや壁はベコベコになっていた…整備員に小言言われてたみたいだし、結構な破壊力なんだろう。
「まぁそれしか無いからな、業務もバリバリできるぞ」
…だから上も捨てるに捨てれないんだろうな。
「んじゃ、飯も食い終わった事ですし、そろそろお開きでいいですか?」
「おう、俺払っとくからまた明日な」
……よく分からん文化だ、普通下を虐げるもんじゃ無いのか、上司って
「こん にちは」
「うぉあ⁈」
突然、水色が俺の視界を覆う…それはこのキョトンとした奴の髪だった様だ
「こん にちは 泥暮 さん」
「お、おうこんにちは……ってもう夜だろ、窓なくて分かりづらいけど!」
まだ心臓がバクバクいってる…そのせいかどうでもいいツッコミを入れてしまった
「では こん ばんは 泥暮 さん」
妙なカタコトの言葉を喋る職員は…『ジョシュア』で俺らと同じアブノーマリティーの管理担当らしい。分かりやすくネームプレート付けてあった。
「…何でもいいからその片言喋りやめろ、気分悪い」
今日入ってきたみたいだからラフに話す
「? 何が? 片言? ですか?」
……こいつ、アホか
「その 言葉の 合間 合間に 空白 入れんの やめろって ことだよ」
「これが 私の いつもの 喋り方 です」
「知らんがな!」
イライラする、これがゆとり世代ってやつなのか?
「では 私は 失礼 します」
「ちょ、お前待っ…」
…なんだったんだ、結局ジョシュアの名前が分かっただけじゃねぇか
「イラつくなぁ…チッ」
社内寮なら戻り、自分の部屋を見渡してみる。パリッとしたシーツに覆われたベッド、何も無いテーブル、適当に詰めたからゴチャッとしたタンス、なんだかよく分からない肉の入った保冷箱、何もかも新鮮だこれからずっと住むと考えると気分悪いが
「そこはベッドの柔らかさで差し引いふわぁ……」
喋りながらベッドの柔軟性に呑み込まれそうになる。久しく寝床で寝れてなかったというのもあるが、めちゃくちゃ柔らかい。普通の布団の密度を二分の一にしながら包み込むように支えている…みたいな、そう言い切れそうなくらいには気持ちいい。
「この職場はアタリ……ふぁぁあ…」
仕事は終わったし、着替えもしたし、飯も食った、なんの気兼ねもなく眠りに…"ドガッ!"
「おい泥暮!E.G.O.届けにきてやったぞ!」
…首捩じ切ってやろうかな、そんな物騒な思考を枕と一緒に放り捨て、起き上がる。
「なんすか、俺めちゃくちゃ忙しいんすけど」
「いやいや、今さっきまでゴロゴロしてたろ」
「…そうです、だからすごい集中力がいるんですよ」
「馬鹿な事言ってねーで、ほれサイズ確認しろ」
金は"ドサッ"と箱を地面に落とす。蓋を開けるとそこには
「『懺悔』って名前の武器と防具だ、精神攻撃、物理攻撃、混合攻撃と効果は低いが大概の物から守ってくれる。俺のは別だがな」
「…俺に何か懺悔しろって事すか」
意味のわからん名前の装備をまじまじと眺める。ただのプロテクター付けたスーツみたいだがな
「いや、そうじゃねぇよ。それが今のお前の能力に合ってて1番強いやつってだけだ。俺の着てるやつ付けたら勤務時間終わる頃に人間じゃ無くなったりするらしい」
悍しい話を聞いてしまった気がするが別に今からそれをする訳でもないし。
「用事終わったならさっさと帰ってほしいですね」
「おうおう、冷てぇなぁそんなんだとお前の初恋言うまで終われま10…」
「アレイア、はい言ったから帰れ」
「え、もっと詳し」"バタン!"
半ば無理矢理扉を閉じて追い出す。…散らかった装備がまだ喧しく騒いでいるようだった。
これからもこんな感じにDAYとその暮みたいな感じでやっていくと思います。ネタなければ飛ばすかもしれません。