幻想禍津星   作:七黒八白

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よく子供の頃虫取りしました。

そして大体死なせてました、ここで懺悔します。


星 骸喰らう毒虫のように

 ふと気が付くと、誰かを俯瞰的に眺めていた。

 

 狭く、暗く、ごちゃごちゃとゴミが散乱した閉め切った部屋の中。

 

 やせ細った汚い少年が膝を抱えて座っている。

 

 何日も風呂に入ってないのだろう、髪はボサボサ。

 

 肌は薄汚く、服も当然のように汚く、腐臭が漂う。

 

 顔を幽鬼のように青白く目は落ちくぼみ、爪は歪な形をしており軒並み短い。

 

 少年はただ座っている、それ以外出来ないのか、それ以外()()()()()()()()()

 

 くぅ、と小さく腹の虫が鳴いた。少年は、ガリリと爪を嚙んだ。

 

 齧られた箇所から少しだけ血が滲みだすが、少年は気にも留めない────或いは留められない。

 

 バランスを崩し、横に倒れた。

 

 少年の視界の先には、黒い扁平型の嫌われ者と言われる虫が死にかけていた。

 

 寿命か、それとも単にエサを探せなくなり力尽きたのか、僅かに脚を痙攣させるだけだ。

 

「…………………………………………………………あ」

 

 少年は思い出した。捕まえた虫を籠の中に閉じ込め餓死するまで放置していたことを。

 

 少年は思い知った。自分の愚かさと、同時に()()()()()()()()()()()()()()()()()と。

 

 あの()よりも前の夏に、その事を母親に叱られたことがあった。

 

 その時は理解できなかったが今になって理解できた。

 

 ────────―今更ながら理解出来てしまった。

 

「…………………………………………………………しぬ、の?」

 

 誰に聞いているのだろうか、虫か、自分か。

 

 虫はもう動かない、ただその場に力なく転がっているだけだ。

 

 

 

 ──────―骸、死骸。

 

 

 

「………………………………………………………………」

 

 幼いながらにも、死が何なのか理解できているのだろうか。

 

 少年は、彼は────────────────俺は目を閉じて、そのまま意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 ────────機械的な音声が規則正しく鳴っている。

 寝る前に設定したスマホのアラームだ、毎朝毎朝鬱陶しいことこの上ない。

 

「………………朝か」

 

 ボロいアパートの一室、俺以外誰も居ないので当然返事などない。俺は薄っぺらい布団から抜け出して、いつものようにまずドリップコーヒーを用意する。コポコポと少しずつ珈琲が溜まっている間に歯を磨き、顔を洗う。

 

 洗面所から流れる冷たい水で顔を洗うとぼやけた視界と意識が覚醒する、タオルで顔を拭き鏡で自分の顔を見る。

 

「………………我ながら人相悪っ」

 

 ──────まるで殺人鬼のようだ。

 

 自分自身の顔の癖に他人事の様にそう思った。特にいつまで経っても赤銅色の瞳が、何故か癪に障る。

 

 ドリップコーヒーの香りが狭いアパートの一室に充満した。

 

 

 

 ♢

 

 

 

 よもや、夢見が悪いなどという理由で学校をサボれるわけも無し。俺はトーストとハムエッグを速攻かつ雑に作り上げ、それを珈琲で胃に流し込んだ。

 

 一年前から体がグングン成長しているせいか朝はしっかり食べないと頭も体も言う事を聞かない。体が頑丈なのは良いことなのだが、ちゃんと食べないとやせ細りそうなのでバイトや仕送り金は食費に回さなくてはならないのが玉に瑕である。

 

「あら、輝雄ちゃん。いってらっしゃい」

 

「ウス、いってきます」

 

 早朝から掃除をしていた老婆。俺のアパートの大家さんに軽く挨拶をして、遠い親戚のお古の革の学生鞄を脇に抱える。学ランと相まって俺の姿はまるで昭和の様だとよく言われる。

 

「…………好き好んで使ってるわけじゃねーよ」

 

 ただの金の節約である。課題と、その時必要なプリントや教科書を入れればそれでいいのだ。最近中学校が新しく校則やら校風やら何やら変え始めて学校指定の鞄が無くなった、なので皆好き勝手な鞄を使っている。

 

「………………なんでこんな革鞄だけで硬派に見られるのか」

 

 そういえば年上の不良共もこの鞄にいちゃもんをつけていた。馬鹿馬鹿しいと思うが実際に奴らは馬鹿なのだから仕方ない。よく河原で喧嘩だの決闘だの…………もうちょいマシな青春の使い方とかあるだろうに、体力あるなら部活に行け部活に。

 

「あ、馬鹿で思い出した。再来週から試験期間じゃん………………アイツ平気か?」

 

 校風が少しばかり緩いとはいえ、中々気合の入った頭髪をしている後輩思い出す。アイツ確か文系軒並みやばかった気がするけど………………。

 

「俺には関係無いな」

 

 自宅から歩いて来たのか、駅から歩いて来たのか、同校の生徒がチラホラ見えてくる、俺はさっさと借りている本を読破して、新しい本を借りたいので足早に自身の教室を目指す。

 

「先輩先輩先輩先輩先輩、せーーーーんーーーーぱーーーーいーーーーー!」

 

「………………」

 

 ──────────―うるせぇ。朝っぱらからうるせぇ。

 

 心ではそう思いながらも、苛立っている今の状態で言えばそれは八つ当たりにしかならないのでグッと堪える、そして極めて自然に他人のふりをする。

 

「ちょっと! シカトする事ないじゃないですか! 折角可愛い後輩が呼んでるんですから!」

 

 ────────しかし まわりこまれてしまった! 

 

「朝っぱらから五月蠅いんだよ…………近所迷惑とか考えろ」

 

 大きくパッチリとした眼とメイクなどで不自然に揃えたりしたものではない長い睫毛は年に不釣り合いな色気というか凛々しさがある、小さくも一つ一つが整った顔立ちとパーツは黄金比や白銀比を感じさせる。

 

 しかしそこまでの異性としての魅力がありながら、俺に追い付くため走ったのか僅かに紅潮した頬は年相応の物を感じさせる────────―そして一切のムラが無い、明るい新緑色の腰に届きそうな髪。

 

「迷惑になるほどこの近辺は住宅は密集してませんよ、てかなんか機嫌悪いんですか? 顔凄いですよ」

 

「マジか…………出てた? どんな感じ?」

 

「なんか株で失敗してお金溶かしきった感じでした」

 

「いやどんな感じ???」

 

 やったことねぇよ、株。後ろから先輩を連呼しながら来たのは一ヶ月程前に、()()()()した日常から関わりを持つようになった、なってしまった緑髪の後輩だった。最初は少し揶揄う程度のつもりだったのだが…………まぁ、コイツとんでもない食わせ者だった。いや断じて悪い奴ではない、それは確かだ。

 

「それだけ言えるなら大丈夫そうですね! じゃあ先に教室いってます!」

 

「おぉ………………あ、再来週から試験期間だぞ。文系ガンバ」

 

「──────先輩、祟りますよ?」

 

「なんでだよ?」

 

 ──────俺なんか祟る暇があるなら前向きに勉強しろよ。

 

 もうすぐ期末テストがあることを思い出してウンザリしたのか、後輩はそのままとぼとぼ歩いて門をくぐる。いやどんだけ文系ヤバいんだよ、歴史は兎も角、国語系は勉強してなくても授業だけで平均点くらい取れるだろうに。

 

「…………俺もさっさと行くか」

 

 

 

 ♢

 

 

 

 キーンコーンカーンーコンと、間延びした聞き慣れた音が聞こえる。小学校の時と大差ないように聞こえるが、このチャイムは全国共通なのだろうか? 少なくとも俺の小学校とは変わらない様に聞こえた。

 

「おい…………おいってば輝雄!」

 

「あぁ? …………何だよ、東かよ」

 

「『何だよ』って、なんだよ! いやそれよりもさ、オマエ最近登下校の時誰かと一緒にいるよな? 誰なんだよ!」

 

 眠たくなる定年間際の老年教師の授業が終わり昼飯の時間。

 俺は自分で握ったおにぎりと、水筒に入れておいた緑茶で腹を満たそうとしていると後ろからいつものように声が掛かった。

 

 やや短めの茶髪でヤンチャそうな顔つきの男子────────東幸孝(あずまゆきたか)

 俺がこの中学校に入った時、同じクラスで今年度も同じクラスだった。コイツの事を簡単に説明するなら『一般的に想像されやすい男子中学生』といったところだろう。

 

 どういう事かと言うと──────

 

「オマエさぁ! 忘れてないよな!? どっちかに彼女出来たら紹介して、そこから女子伝いにお互いに彼女作り手伝うって! にも関わらずによぉ! 自分だけさっさと彼女作りやがって! あの時の桃園での誓い! 忘れたとは言わせねぇぞボクにも紹介してくださいお願いします輝雄君いや輝雄さん否輝雄様!!!」

 

 ────────うん、まぁ、こういう事である。

 

 いるよね、やたらと彼女作りたがる奴。いたよね、性欲全面的に前面に出す奴。マーラにでも憑りつかれたか? 

 

「忘れた、てか桃園の誓いなら一人足りねぇだろ」

 

 謝れ、なんなら下座れ、劉備と関羽と張飛に。

 いやだよ、非モテ同盟組む三国志の英雄。カッコ悪いとかそういうレベルじゃねーよ。

 

「おおぉぉぉぉい!!? そりゃねぇだろ!? 義兄弟!」

 

「黙れやかましいわ、いくら昼休みでも叫ぶ奴があるか」

 

「だってさぁ、オマエ毎日毎日一人で帰ってたのに…………いや偶に不良のセンパイに絡まれてたりしてたけど…………それが! 女の子と! 一緒に帰ってるって言うじゃん! 気になるだろ! オマエの一年時の暴れ具合知ってる身としてはさぁ!?」

 

「あーーーはいはい、話してやるから落ち着けって………………因みに誰からのタレコミだよ」

 

「うんにゃ? 誰っていうか、皆?」

 

「は?」

 

 若干ぶりっ子ぶった返事にイラッときたがそれはいつもの事なのでスルー、しないと俺が持たない。

 

「最近ウチの学年はオマエの噂で持ち切りだぜー? あの健康優良不良少年の輝雄に彼女が出来たって。なぁなぁ、やっぱ不良ってモテんの?」

 

「自ら行動を起こさない草食以下の絶食系男子よりは可能性あるかもな、最もそんな不良に靡く女は大体碌なもんじゃないと俺は思う。あと俺は別に不良じゃねぇし、暴走族でも無い」

 

 ついでに興奮剤のような薬物も使ってない。やめろよお前、勘違いされちゃったらどうしてくれんだよ。そんな事を話しながら何時ものように机を向かい合わせにして飯に食いつく。周りも周りで好き勝手に飯を食べたり、他のクラスに出張したりと俺達の話には見向きもしない、されても困るが。

 

「ほーん…………つまり普段から努力を怠らないオレはワンチャンあるってことだな!」

 

「あーあるある、全然あるよ。なんだったら股掛けたら?」

 

「いやそれは人としてダメだろ」

 

「なんでそこは真面目なんだよ」

 

 振り切れろよ、せめてギャグキャラとして。自惚れて有頂天になっていたかと思ったら急にスンと冷めた顔で人としての良識を説かれた、コイツに良識を説かれる日が来るとは………………。

 

「で、何? アイツの事、聞きたいのか?」

 

「てか、ぶっちゃけオマエより詳しいんだけどね」

 

「は?」

 

「いやーだってよ、あの子だろ!? わかるさ。あぁ理解るとも義兄弟! 突如としてウチの学校に現れたアイドルも霞む美少女! 注目が集まらないわけが無い! そして入学式が終わった時には俺の情報収集は既に終わっている!」

 

「お前将来道踏み外しそうで怖いわ」

 

「美少女と付き合いと心の中で思ったならッ! その時スデに行動は終わっているんだッ!」

 

「そんな尊敬できない兄貴は嫌だ」

 

 最後のおにぎりをあと一口で食べきるというところで何を言い出すのかコイツは。俺に話を聞きたいとか言っておきながら全てのやり取りが茶番だった。まぁ、確かに美少女だろう、いくら俺がアイツの実際の性格を知っているとしてもその事実は変わらない。

 

 何なら『痘痕も靨(あばたもえくぼ)』と言うし、あの変わった性格や破天荒もあれだけの容姿なら大概の男子生徒は盲目的に付き従う事だろう。あと『巫女』とかにも付加価値的なもので『萌え』とか感じる奴は感じるんだろう、知らんけど。

 

「そんなに紹介して欲しけりゃしてやるよ」

 

「マジっすか!? パネェっすよ輝雄さん!」

 

「急に三下感出すな、勘違いされるだろうが。あとドン引きされても俺は知らんからな」

 

「いいよいいよ全ッ然いいよ!! 自力で射止めて見せるさ!」

 

 なんだかんだと言いながら、アイツと東は多分気が合いそうなのでもしかしたら付き合うかも知れない。別に東も悪い奴ではない、俺とまともにコミュニケーション取れるだけ懐の深さと陽キャとしての完成度が伺えるというもの、言うなれば東は周りに迷惑をかけず、道徳的分別のあるパリピである。

 

「じゃあ俺トイレ行くから」と東を席に残してその場を離れる。窓から運動場にいる生徒を見ながら「いっといれー」と東が送り出す、だからそういうのやめろよ、シンプルにダサい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやー輝雄もやっぱイイ奴だよなぁー…………………………お、噂をすればあの()()ロングの美少女は! やっぱ可愛いぜぇ………………これで現役の巫女さんなんだから、もはや国宝だろ!」

 

 

 

 

 

 ♢

 

 

 

 放課後。

 

 多くの生徒達が部活など各々の用事に向かう中、俺は早々に荷物をまとめて自宅に急ぐ。理由は今日はバイトのシフトがあるからだ。東に後輩の事を紹介するのは忙しいのでまた今度という事になった。

 

「あ、先輩! 今朝ぶりですね」

 

「よぉ、お前も今帰るとこか」

 

 下駄箱で靴を履き替えて校門を出たところで後輩を見つけた、容姿が整っているのもあるだろうが恐らく髪の色から周りから注目を集めているのだろう。帰ろうとする生徒や部室棟に向かう部員達がこちらを見ている。

 

「…………行くか、視線が鬱陶しい」

 

「ですね、先輩はバイトですか?」

 

「そうだ、お前は神社でお勤めか? お互い勤労学生で大変だな」

 

「私は働いている、というと少し語弊あるかもしれませんが………………」

 

 背後から視線を感じながらそのまま校門を抜けて後輩と歩き出す。一ヶ月程前に知り合ってからというもの何故かコイツはよく俺について来る。

 

「ねぇ、先輩? 前から思ってたんですけど何で中学生なのにバイトしているんですか?」

 

「…………別に? 親と死別してて親戚の仕送りだけじゃ生活出来ないからだよ。よくある話だろ」

 

 流石に中学生が学校に無断でバイトなんて出来るわけが無い、許可は貰っている。仕送りも本当に必要最低限だ、何なら俺はその親戚と顔を合わせたことは数回しかない。身元保証人とは言えほぼ赤の他人だ………………正直、血の繋がりも定かではない。

 

「そうですか…………じゃあ私たち似た者同士ですね」

 

「似てる…………?」

 

「私もお父さんとお母さんはいないんです、子供の頃に事故と病気で亡くなっちゃって…………」

 

 両親との死別、それは初耳だった。神社での務めは代々家業としてのものと聞いていたので、てっきり親の手伝いか何かと思っていたが。

 

「じゃあ待て、お前はどうやって生活してんだよ」

 

「それは勿論親の遺産と親戚からの援助が…………!」

 

 言ってる途中で後輩はしまった、と顔を歪める。そんなつもりは無いのだろうが自慢している様に聞こえるかも知れないと思ったのだろうか。別にそんな事全く気にしてないのだが…………。

 

「そうか、いいんじゃねぇか? 俺と違って仲がいいならその縁は大切にしとけ。哲学的な話じゃなくてな、即物的というか金銭的問題で人は一人じゃ生きていけないからな」

 

 一応フォローしておく、そんなに精神的に脆い奴ではないだろうが気を使われるのは面倒臭い。それに親戚から援助があると言っても、実際の生活は全部自分でやっているのだとしたら中学生にしてはかなり苦労しているだろうことは想像に難くない。

 

「うーーーーん…………先輩本当にシビアですね…………でもありがとうございます」

 

 少し曇った表情をしていたがすぐに元の明るい顔に戻った、やはり立ち直りが早い。茜色に染まった帰り道、一年前の今頃は独りで帰ってたのだがすっかりコイツのお陰で様変わりしてしまった。

 

(……………………ま、別にいいか)

 

 ボッチである事に特別思い入れあるわけでは無い。ただ煩わしさを感じるくらいならば一人の方が色々都合がいいだけだ。因みに東は地元民では無いので電車で帰ってる。

 

「──────────そういえば、先輩ちょっと聞きたいことがあるんですが」

 

「何だ? 壺なら買わないぞ」

 

「違います! こちとら伝統ある神社ですよ!? 怪しい新興宗教と一緒にしないで下さい!」

 

 いかにも心外だと叫ぶ後輩、俺も神社がそんな事をするとは思わないしコイツが人を騙して金を巻き上げる何て真似出来るとは思ってない。でもいいイメージが湧かないんだよなぁ、宗教は………………。

 

「先輩って…………生まれはここじゃないですよね? どこから来たんですか?」

 

「…………? 関西のほうだけど?」

 

「そのぉ…………ちょっと、聞きづらいんですけど…………実は凄い家系とか血筋とか、そういうのは…………」

 

 何故か、後輩は恐る恐るそんな事を聞いてきた。家系? 血筋? 何の話だろうか。今までもアニメとか漫画とか、何故か政治の話をしたりしたが生まれに関しての話は初めてだった。………………それにしても、中高生が政治の話をするイメージっていつからどこで着いたんだろうか。

 

「ねぇよ。そんな凄い出生があったら、もうちょい贅沢な生活送ってるよ」

 

「そうですか………………あの、両親はどういう風に亡くなられたんですか……?」

 

「……………………お袋は病気で、親父は俺が産まれる前に蒸発した」

 

「蒸発…………?」

 

「失踪したってことだよ」

 

 …………………………………………思い出したくない、思い出したくもない。

 

「そうですか…………すみません、嫌なこと聞いちゃって…………」

 

 なんで後輩が俺の血筋だのなんだのに気がかりなのかは知らないが、こちらの過去を詮索したことに引け目を感じたのかまた萎縮してしまう。学校が終わり気軽に帰れるはずの家路が重苦しいものに変わってしまう。

 

「ったくよ…………もういい、気にすんな。俺は気にしてねぇから」

 

「はい…………あ! でしたら今夜私の家に来ませんか! お詫びにご馳走しますよ!」

 

「…………ありがてぇけど今夜はバイトで遅いから、またにしてくれ」

 

 女子中学生が男子中学生をしかも年上を一人暮らしの家に招くという、良からぬ事が起こりそうなシチュエーションに後輩の危機感が少し心配になるが丁重に断る。コイツあれだな、無意識の間に男子を勘違いさせてそうだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば先輩って何のバイトしてるんですか?」

 

「駅前の喫茶店の従業員」

 

「…………………………似合いませんね」

 

「はっはっはっ──────シバくぞ?」

 

 ────────後輩のくせに生意気だぞ。

 




東君はあれです、ギャルゲの主人公の親友枠。もしくはやたらコミュ力高いオリ主
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