幻想禍津星   作:七黒八白

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 『俺のせいだ』


第十話 廻り叶える

「フランッ!!!」

 

「ハハハハハハハハハハハハハハハハハッッ!!!!」

 

 霧の湖周辺から遥か上空、まだ微かに残る紅い霧によって禍々しく輝く満月を背景に、高速で飛び交う吸血鬼が二人いた。

 

 一人は紅く輝く槍の様な弾幕を握りしめ無数の魔法陣を展開し、目の前の返り血に塗れた発狂している吸血鬼に弾幕を殺到させる。

 一人は先端がスペードの形に似ている杖の様な物を巨大な炎剣に変え、軽々と振り回し所々焼け焦げて焼失している吸血鬼に迫る。

 

 交錯する度に紅と赤がぶつかり合い流星さながらの軌跡を宙に残す。落雷染みた轟音が衝撃波をつくり出し、ワンテンポ遅れて様々弾幕が両者に降りかかる。弾幕の速度、近接攻撃の威力共に並の実力者では何が起こったかも分からず消し炭になる領域の闘いだった。

 

(────―…………駄目ね、あのレミリアとか言う吸血鬼があと五分もせず負ける)

 

 自分よりも上空で行われる超常の戦闘その全てを目で捉え、両者の実力差から勝敗がもう決している事を博麗霊夢は察した。

 

 無理もない話である、戦う時点で既に霊夢との戦闘でかなりの消耗があった。普段以上のフランと普段以下のレミリア。闘いになっている時点でレミリアの奮闘と本気具合が伺えるというものだ。

 

「と、なると私があのフランを仕留めないといけないわけだけど…………」

 

 現在進行形で行われている弾幕ごっこ──────否、殺し合いの領域に入っている時点で弾幕ごっことは言えない。あの吸血鬼にそんなルールなどを考慮して動く様な理性が残っている様には見えないし、思えない。

 

(もしも、日が昇っても止まらないようなら、死ぬまで止まらない事も考えられるわね──────さて、どうしましょうか)

 

「おお、どうしたどうした? 珍しく…………も無いか? 怖い顔して」

 

「それは喧嘩売ってるのかしら、魔理沙?」

 

 巻き添えを喰らわない様に距離をとって遠巻きに観戦にしていると、いつの間にか背後から箒に乗った白黒の見慣れた魔法使い──────霧雨魔理沙がいた。

 

「スゲー魔力がぶつかり合ってると思ったら何だアレ、仲間割れかよ?」

 

「だったらまだ良かったんだけどね…………それよりも魔理沙あんた今まで何処に行ってたのよ」

 

「んー? まぁ、アレだぜ、そいつを聞くのは野暮ってヤツだ」

 

「はぁ? 何よソレ、言っとくけど私まで盗人扱いされたら容赦なく見捨てるから」

 

「盗んでないぜ、ただ借りてるだけだ」

 

 黒い三角帽子のつばで片目を隠しながらいつも通り魔理沙はニヒルに笑う。それを横目に霊夢はいつも通り呆れる。

 

 霧の湖でメイリンとか言う門番と戦っている最中に、魔理沙はその脇を通り抜け紅魔館に忍びこんだ。霊夢も速攻で門番を倒し、後を追ったが見つけたのは血塗れの外来人カガオ。

 

 ──────そういえば彼はあの後どうなったのだろうか、ふと霊夢は気になった。

 

「…………ねぇ魔理沙、あんた紅魔館の中探索してたんでしょ? 何処かで外来人見なかった?」

 

「うん? 外来人だと?」

 

「そう、背が高くて瞳が赤い奴なんだけど……」

 

 紅魔館の中に男性の執事などはいなかった。

 それにあれだけ血に塗れた服装を着ているのであれば目立つであろうし、魔理沙が見かけていてもおかしくないだろう。そう思い聞いてみると僅かに魔理沙の顔が曇った。

 

「……そいつがどうかしたのか?」

 

「どうかって程じゃないんだけど……メイドと戦ってかなり負傷してたから手当したんだけど、見てない?」

 

「──────見てないぜ、どっかに隠れてるか逃げ出したんじゃないか?」

 

「──────魔理沙、本当の事を言いなさい」

 

 それは傍から見ると殆ど不自然な点が無い口調で表情であった。

 だがしかし、勘が未来予知レベルに鋭く長年の付き合いから魔理沙が自分に対して何かを隠している事は明らかだった──────そしてまた霊夢の中に今までに感じたことが無い、重苦しい何かが出来る。

 

(突然現れた吸血鬼、暴走状態、吸血した可能性大、紅魔館の中に人間は──────―)

 

 事実が脳内で勝手に列挙されていく、そして博麗の巫女特有の勘はそれらを統合させ一番あり得る可能性を浮上させる。霊夢自身、その可能性が一番高いと考えていた。

 

(…………………………………………まさか、いや、でも、だったとしても)

 

 そういった犠牲者を見たことがないわけでは無い、別に妖怪退治も今回が初めてでは無い。

 

 しかし霊夢の中に生じた息苦しさは収まるどころか徐々に体を蝕んでく、上下感覚が少し曖昧になり、脳内がぐわりと歪むような感覚を覚える。

 

「………………相変わらず鋭いな、お前………………まぁ、珍しいことじゃないだろ? ソイツには悪いけどさ、よくある悲劇ってヤツだよ。気に病むな」

 

「────────―死んだの?」

 

 無意識に出た言葉だった。霊夢自身自分の声とは思えない程、小さく掠れていた。

 

 ────────脳内でジリジリと焼け付く様な感覚する。

 

「………………図書館の魔女から逃げてる途中、逃げ込んだ地下室で高所から落ちたみたいな死体を見つけた──────息は無かったし、私の魔法じゃどうにもならんかった」

 

 ────────ジリジリと、ジリジリと脳内で、何かが蠢く、感じた事が無い頭痛がする。

 

「ぐッ…………!?」

 

「おい、どうした? 霊夢?」

 

 

 

 その時、僅かに霊夢の中に泡沫の様に湧きあがる────────

 

 

 

「どうしたんだよ!! 霊夢!?」

 

「頭が…………!! 痛い…………!?」

 

 

 

『こ■子の■、お■い■、■■■』

 

 

 

 ────────畳の上に寝ている自分と、何かを言われている誰かの姿。

 虫食いの様に穴だらけの()()()()()()()()()()()

 

 

 

「本当にどうしたんだお前!! 吸血鬼に何かをされたのか?」

 

「…………何でも無いわ…………それよりも、あの吸血鬼が負けたら今度は私が戦うから…………」

 

「何言ってんだよ!? そんな状態で────────―」

 

「──────────私がやる、いいわね?」

 

 詰め寄る魔理沙を押しのけ、痛みに耐えながらギラついた眼光で黙らせる。今まで見たことが無いその姿に魔理沙は押し黙ってしまう。

 

(何があったんだ………………霊夢)

 

 自分の知らない何かが起こっている事を薄々感じると同時に、紅い槍を持っている吸血鬼が隕石の如く落下していくのが視界の端に見えた。

 

 

 

 

 

(────────勝てない)

 

 レミリア・スカーレットがその結論に達するのにさして時間は掛からなかった。

 手加減は初めからしていなかった、吸血鬼には高い再生力がある。だからフランの魔力が底をつくまで捨て身で攻勢に出る、短期決戦がレミリアに出来る全てだった。

 

「ハハハ モウ 終ワリ?」

 

 しかしそれでも届かない。元々フランは魔力も破壊力も何もかもレミリアと互角かそれ以上だった。しかも満月と吸血がそれら全てのスペックを大幅に底上げしている。地力に差がある以上純粋な力量が勝敗を決めた。

 

(私じゃ、フランを止められない…………博麗の巫女は幻想郷の維持を優先する…………フランを正気に戻せる保証がない以上、彼女が取る手段は一つ)

 

 完全な抹消、スペルカードルールを守らない以上その結末に異論は挟めない。

 人間であろうと妖怪であろうとルールを守らないはみ出し者を許容するほど、幻想郷は甘くない。

 

「フラン、あなたはこれで満足なの……? ずっと地下室に引き籠って…………初めて出来た友人を殺して…………私達は化物よ、それは純然たる事実…………でも目に映る物全てを壊し続けて、自分以外何も無い世界が、そんなにも心地いいの…………?」

 

「フフフ 何言ッテルノ?」

 

 血に酔った吸血鬼は、何が何だかといった風に首をかしげる。もはや言葉も忘れているのだろうか、レミリアは自分が落下した事によって出来たクレーターの中心でゆっくり今までの事を思い返す。

 

 パチュリーと色々派手に企んだこと、異国から来た妖怪を門番として雇ったこと、気まぐれに拾った人間に咲夜と名付けてメイドにしたこと。

 他にも色々な事を思い出し、中々に愉快な生涯だと自賛するが──────

 

(フランとは、フランとは…………フランとは………………?)

 

 ──────実妹との関わりは、殆ど思い出せなかった。

 こんな風に全力でぶつかったのすら今が初めてでは無かろうか。

 

「………………まぁ、最期に、姉妹喧嘩出来たのが思い出ね…………」

 

 

「モウ 踊レナイノ? ジャア イラナイヤ」

 

 視界にレミリアを収め、手に魔力を集中させる。そしてフランの視界あったレミリアの脆い点が掌に移る。

 吸血鬼といえど決して不死身では無い、極端に死ににくいだけであり通常の妖怪と同じく魔力が枯渇し、再生力が追い付かない程、頭部などの急所が破壊されれば消滅する。

 

「────―ごめんねフラン、愛してるわよ」

 

「ハハハハ──────」

 

 能力が行使され、破壊される直前に一言だけ残す。決して満足のいく結果では無い、無念だ。この後フランが手に余ると判断されれば辿る道は一つだけだろう。しかしもはやレミリアにはどうしようもなかった──────―

 

 

 

「ガラじゃないんだけどな」

 

「………………え?」

 

 

 

 ──────―だから、この状況を打破出来るとすれば紅魔館でも博麗の巫女でも無い、無関係の第三者だけだろう。

 

「オラァッ!!!」

 

「──────ガッ!!??」

 

 フランが手を閉じる直前に、何者かが上空から不意打ちで飛び蹴りを喰らわせた。一切防御せずまともに喰らったフランはそのまま勢いよく森に墜落し、地面を削りながら木々をなぎ倒す。

 

 その男は体中ボロボロで魔法の治療跡が痛々しく残っている、上半身のカッターシャツは血で染まり、もはや衣服として機能しておらず纏っていると称した方が正しい。しかし五体満足で、確かに自分の脚で立っていた。

 

「仲良く姉妹喧嘩してるだけなら介入するつもりは無かった…………けど、流石にそれは見過ごせないな。何より俺にも責任の一端がある」

 

「…………なん、で…………?」

 

「俺が生きている事ですか? それとも助けた事ですか? どっちにせよ全部後で話しましょう、俺はフランを止めに来ました…………でも時間稼ぎにしかなりません。パチュリーさんに合流して下さい、魔力が不足しているみたいです」

 

 レミリアを地面から引き起こしながら言う。血に塗れた体からは今まで以上に霊力があふれ出している、確実に今のレミリアよりも圧倒的に強くなっている。

 

「フランを助ける気は当然ありますよね? レミリアさん」

 

「敬称は不要よ、輝雄。悪いけど今の私よりも貴方の方が戦えそうね………………お願いフランを助けてあげて」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──────────―フランとレミリアが戦い始める少し前。

 

 

 

『──────い? ……ん輩? ……先輩ってば……せーんーぱーいー?』

 

 聞き慣れた、だがしかし、酷く懐かしいような声が聞こえた。

 

 頬に感じる固く平べったい物から顔を上げると、使い慣れた自分の学校机だった。窓際から差し込む茜色の夕日が現在の時刻を教えてくれる────────どうやら自分は放課後にもかかわらず眠っていたようだ。

 

『もう、先輩ってば。バイトで疲れていたんですか? もうとっくに下校時間ですよ?』

 

『────―…………寝てたのか、俺は? 何時からだ……?』

 

 寝落ちする前の事がよく思い出せない、周りを見渡すといつもの教室だ、自分と後輩以外誰もいない。

 昭和の時代を思わせる古い木造建築の校舎の中にある教室、規則正しく並んでいる机も木製で出来ている。ガタがきたとかで買い換えられた黒板隣に配置された棚上の液晶テレビだけが今の時代を正しく表している。

 

『さぁ先輩、帰りましょう。いつも通り、一緒に』

 

『…………』

 

『あ、今日は疲れたならうちで食べていきませんか? 私これでも女子力高いんですよ~』

 

『…………』

 

『いつも一人で頑張ってますからね、先輩は。実際凄いと思いますよ────―だから、またには甘えてもいいと思いますよ?』

 

 何となく、本当に何となくだが状況が読めてきた。

 自分が今見ているのはきっと──────―

 

 後輩は教室の後ろの扉で手招きしている、確かに帰るときはそちらから行っている。

 

『──────悪いな、まだ帰れない』

 

『…………何で、ですか?』

 

『多分俺のせいで状況がややこしくなっちまった、その負債だけは清算しないと俺が俺を許せない』

 

 後輩とは違う、前の扉に向かう。

 白い塗料が剝げかかっている木製の横開きの扉。ガラスの向こう側には何の変哲もない木の廊下が見えている。だが分かる、()()()()()()()()

 

『…………そうですか、えぇ分かりました。ではご武運を』

 

『…………女子高校生が使う言葉じゃねぇよ、ソレ』

 

 行ってくる、その一言だけを残し夕焼けに照らされた教室から一歩外に出る。

 その瞬間、天地が逆転するような感覚とともに意識が暗転する。

 

 

 

 

 

 

 

 

『────―がんばれ、男の子』

 

 意識が消える最後に、聞き覚えの無い女の声が聞こえた。

 

 

 

 

 

 

「────────────―がふッ! ごは……!!!」

 

「パチュリー様!! 輝雄様が息を吹き返しました!!!」

 

「落ち着きなさい小悪魔、そこにある水差しを飲ませて。劇薬だけど量は調整してあるから輝雄なら耐えられるはずよ」

 

 輝雄の真っ赤に染まった視界に最初に映った物は、パチュリーと小悪魔だった。

 全身が鈍痛に苛まれ、まともに動けない中パチュリーが何やら魔法陣を展開し、その中に自分がいるようだ。

 

「パ…………チュ、リー…………さん……?」

 

「まだ喋らない方がいいわよ? ある程度持ち直したけど、貴方さっきまで潰れたカエルみたいになっていたから…………フランに襲われてよく生きていたわね、いや今し方まで息が無かったけど」

 

 仄かな淡い緑色の光が自身の体を包み込み、徐々に体に感覚が戻ってくる。小悪魔に飲まされた水差しに入っていた薬の効果もあるのか朦朧としていた意識も鮮明になり、輝雄は記憶を探る。

 

(俺は……何があった……? フランは……何処に?)

 

「……忠告も聞かずになんで貴方がここに居たか今は問いたださないわ、正直そこはどうでもいいし。それよりもフランに何をしたの? 何があったの?」

 

 何があったか? それを問われた瞬間に輝雄は一気に噴き出すように思いだす。

 血を飲ませた事、フランが正気ではなくなった事、そして手を翳されたと思ったら急に自分の内側と外側から爆ぜた事。

 

 反射的に叫んだが、殆ど痛みは感じなかった。そもそも感じる間も無い程、突然体から血が噴き出したようにしか思えなかった。

 

「…………フランに、血を飲ませました……そしたら正気じゃなくなって……突き放した数秒後に、俺が爆ぜました……」

 

「────────―まさかと思ったけど貴方、フランの能力を食らって生きてたの?」

 

 パチュリーがフランの地下室に来たのは白黒の魔法使いに負けた後、尋常では無い魔力が紅魔館の結界を内側から破ったからである。レミリア達紅魔館の者なら結界を素通り出来るように設定している。

 

(つまり内側から強引に結界を破れるのは輝雄とフランだけ、そして輝雄は魔力は持っていないから確実にフランがやった事は分かっていたけど…………)

 

 治癒魔法をかけながら輝雄の体を観察してみる、その傷は体に各所にひび割れる様に走っており辛うじて繋がっているが内部が見えている個所もある。恐らく内臓や骨格も同様に滅茶苦茶になっているはずだ。

 

「それでもフランの能力を受けたのならこれでも()()ね、ホントなら木っ端微塵よ?」

 

「…………フランの、能力って何ですか……?」

 

「『ありとあらゆる物を破壊する程度の能力』、効果はその名の通りあらゆる対象を破壊する能力よ。物質にある脆い点を自身の手に移し、それを握り潰すことで発動する…………基本吸血鬼のような再生力が無ければ即死のはずだけど」

 

 瀕死の重傷、放っておけばそのまま死んでいたには違いないがそれでも輝雄は息を吹き返した。パチュリーが知る限りフランの能力をまともに食らって生きているのは人間と妖怪含めてレミリアだけである。

 

「能力でフランの効果を無効化までは出来ずとも半減くらいは出来たのかしら? 何にせよ貴方はここで休んでなさい、これ以上は本当に死ぬわよ」

 

「……すみません、けどフランが暴走する切っ掛けは俺のせいで──────」

 

「だから何? 私は『確実に死ぬ』って言っているのよ?」

 

 それは輝雄を心配して出てきた言葉ではなく、ただ純粋に事実を述べているだけに過ぎなかった。話している間にも輝雄の肉体は驚異的な速度で回復している、しかしパチュリーからしてみれば()()()()()()()

 

「何か勘違いしているようだけど貴方が生き返れたのは運が良かっただけ。フランは恐らく慣れない吸血で酩酊状態になって貴方の死体をその場に捨て置いただけ────────―今度は能力とか関係なく粉々にされるわ」

 

「…………」

 

「……別に貴方の事を攻めるつもりは無いわ、フランが時折暴走する事は今までもあったから。フランは私とレミリアで何とかする」

 

「──────―ただでさえ消耗しているパチュリーさんが、満月と吸血によって普段以上の力があるフラン相手に?」

 

「…………」

 

「流石にわかりますよ、表面上は幻術か何かで取り繕っているみたいですが。ここに来るまでにハクレイの巫女と戦ったんですね? 魔力がかなり少ない」

 

「…………相手は、巫女じゃなくて人間の魔法使いだけどね。喘息が無かったら絶対に負けなかったわ」

 

 言い切ると同時にパチュリーの姿が歪み、ボロボロの姿に切り替わる。致命傷などは見当たらないがそれなりに手こずったのだろう、輝雄と何度か模擬戦を行った時以上に消耗している様だった。

 

「今のフランに隠れて行動するような理性があるとは思えない…………まず間違い無くハクレイの巫女かレミリアさんとかち合っているはずだ。フランに勝てると思いますか?」

 

 先程まで辛うじて人の原型を保っているだけの肉塊の状態から回復したのか、自ら起き上がる。

 

 その回復力は明らかにパチュリーの魔法によるものだけではない、最早目の前の青年に常識が当てはまらない事にパチュリーは慣れつつあるが小悪魔は顔が引きつっている、正直パチュリーもその気持ちはよく分かった。

 

「…………厳しいでしょうね、流石に二人が手を組むとは考えにくい。精々、休戦する程度…………多分レミリア一人でフランと戦うはず。そしてその場合間違いなく勝つのはフランよ」

 

 そしてレミリアが負けた後、フランが正気に戻らない場合。危険因子として博麗の巫女に抹殺されるのが一番可能性として高い。ルールを守らない人妖に幻想郷に居場所は無いのだから。

 

「…………さっき、普段からフランを止めているのはパチュリーさんの様な物言いでしたが、具体的にはどうするつもり何ですか?」

 

「…………時間を稼いで特定の場所に一定時間留める必要があるわ、出来る?」

 

 輝雄が首を縦に振るのに一秒も掛からなかった。

 




 レミリアが弱いのではなく、相手が悪いだけ。

 補足
 魔理沙、先に紅魔館到着、図書館へ直行。
 霊夢、少し遅れて到着、その後レミリアへ直行。
 
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