そちらへんは原作とほとんど変わらないので省略。
今回から、原作ハイスクールD×D同様、一人称形式になります。
俺の名は直江大和。
そして、悪魔にして「白龍皇」ヴァーリ・ルシファー。
「邪龍戦役」が終わり、この川神に戻ってきて、川神学園の2年生に進級した。
去年は海外ハイスクール交流メンバーに選ばれたという名目で川神をかなり離れていた。
仲間たちには、人脈を広げるチャンスだと言っておいたので、裏事情には今のところ気付かれていない。
俺の素性をある程度は知っている姉さんは少し訝し気だったったがな。
とはいえ、しばらく超常の世界は平穏だろうから、今年は穏やかに過ごせる……わけがないな。
そもそもこの川神は、武の総本山・川神院や九鬼家の本拠地である大扇島の近くにある都市なので、やたらと騒動が起こり易いし、俺の仲間である風見ファミリーの中で約2名、騒動に巻き込まれ易いというより自分から騒動に突っ込むのがいるからな…人の事が言えないというツッコミは聞こえんな。
さて、そんな風間ファミリーだが、新たに2名追加された。
ゲストメンバーであるユキが加わってから早数年、久しぶりのメンバー追加だ。
1人目は1-C所属 まゆっちこと「黛由紀江」。
同級生+年上1人しかいなかったファミリーで初めての年下だ。
俺は彼女と入学式に出会っている。
学校に何故か真剣を持って来ていたので銃刀法違反で通報したが、国から許可が下りていた。
その後、彼女は俺が暮らしている島津寮の新しい寮生となった。
黛という姓から、おそらく世界三剣聖の一人、黛十一段こと黛大成氏の御息女である様だ。
まあ、身のこなしからかなりの腕前なのは分かっていた。
それどころか壁超えレベルだというのも日々の暮らしで感じていた。
ここで壁超えという意味について説明しよう。
人間たちの解釈では、強さの壁を越えた達人の中の達人という意味だが、超常の世界からはそれプラス、超常の世界に関する道具、術など使わなくてもに超常の世界の住人たちの領域にまで上がってきた者、である。
つまり聖剣や魔剣、
その強さによっては並の上級悪魔程度では相手にならず、現に姉さん…川神百代は「駒王会談」時点のリアス・グレモリーならば苦戦する事なく倒せるだけの実力がある。
彼女もその剣技は既に父親を超えている様で、それほどの腕前プラス父親の後継者である事から、地元では神聖視され友達が出来ず、とうとう馬型の携帯ストラップに付喪神が宿ったという設定で松風と名付け、腹話術で一人遊びをするという、以前の俺とも違った何とも痛々しい娘になってしまった。
黛家は政府とも深い繋がりがある為、関りそのものは浅いが超常の世界の存在自体は認知していて、後継者であるまゆっちも教えられていた。
2人目は俺のクラスの転校生、クリスこと「クリスティアーネ・フリードリヒ」。
川神の姉妹都市、ドイツ、リューベックからの留学生の金髪美少女だ。
彼女は所謂「日本を誤解した外国人」の典型だ。
ドイツ軍中将、フランク・フリードリヒの愛娘であり、父親が軍人である為が本人も武を重んじ、騎士道精神を重んじるが、父親を含めた周りが甘やかす為、少々視野狭窄な面もあり、無神経な台詞を吐き一時、京やモロなどの怒りを買い、仲間から除外されそうになった事もある。
その時は俺が諭した為、自らの過ちを認めたが、普段学校では力を隠す為に軍師として振る舞い、小細工ばかり使う俺に対し不満を持っており、箱根旅行の折に勝負を挑まれたが、その結果は俺が勝利し、更に後日、俺の正体を父親から伝えられ、俺の普段の行動の意味を悟り、俺を仲間と認めてくれた。
ドイツ軍中将の娘で、ドイツ有数の名家出身である為、彼女もまゆっち同様超常の世界の存在を認知しており、さらに三大勢力が和平を結んだ事も知っているので、悪魔に対しても邪悪な存在としてではなく、悪魔と言う種族という認識をもってくれているようだ。
★☆★
実は、俺とフリードリヒ家は関節的に関係があった。
俺もフランク・フリードリヒと会って、その事を知った。
しかし当時の俺は、誰も信じる気にはなれなかったので、フランク・フリードリヒを頼らず、欧州の山奥で空き巣狙いをしながら生きていて、シェムハザに保護されたので頼る事はなかった。
シェムハザは俺を逃がした使用人からの情報で俺を保護したところを見ると、使用人は俺が誰にも頼ろうとしない事を見抜いていたのだろう。
それに一般人であった母は、俺に宿る
その後、俺はアザゼルと共に日本に移住し、直江大和という日本国籍をもらい川神で暮らしてきた。
母からもらったペンダントは、母との唯一の繋がりとして大事にしていたが、そこにクリスが転校してきてその付き添いでフランク・フリードリヒも川神学園に姿を見せた。
いまさら援助などいらないが、母とどういう関係だったのか知りたかったから、彼を接触する事にした。
「何か用かね直江大和君…いや、ヴァーリ・ルシファー殿」
さすがはドイツ軍中将だけあり、俺の素性を知っていたようだ。
まあ、各国上層部の者たちはテロ対策特殊チーム「D×D」に注目しているらしいからな。
俺はかつて母に言われた様にペンダントを彼に渡した。
「こ…このペンダントは…‼」
「…やはり貴方は俺の母の事を知っているようだな」
「…母…では君の母親は…」
俺は母の事と自分の生い立ちをフランクさんに説明した。
話し終えた後、彼は膝を付き慟哭していた。
「何という事だ…。私は…私は、彼女程の器量の持ち主ならば、良き人と出会い、幸せに暮らしているとばかり…」
「いや、今は欧州の田舎町で結婚して家庭を持ち、幸せに暮らしている」
「だが、私がエヴァと結婚し、クリスという愛娘を授かり幸福を噛み締めている時に、彼女は屑の様な男の慰み者にされていたとは…」
あの男の事を説明したらフランクも屑と判断したようだな。
生まれた血筋の重圧、父親の顔色を窺い、息子の才能に怯え、言われるがままに虐待した男だからな
「いや、家の掟にただ諾々と従って、彼女を見捨てた私も同類か…」
彼はポツポツと語り始めた。
フランクさんと母はかつて恋人同士だったが、フリードリヒ家には見合い結婚をするという掟があり、恋人である母を諦め、今の奥さんと一緒になった。
ペンダントは恋人時代に母の誕生日に送ったプレゼントだった…と。
母は、フランクと別れた後にあの男に攫われ、慰み者にされた。
しかし、ペンダントを捨てずにずっと持っていたのは、別れた後もフランクさんを想っていたのだろう。
このペンダントをただ一つの拠り所にして、辛い日々をずっと耐えていたのだ。
そして俺を逃がす時に覚悟を決め、俺の助けになる為にペンダントを俺に託した。
現に母は、あの後記憶を消され、あの男に捨てられた。
恐らくだが、俺を逃がした罰としてフランクさんとの記憶も消されたと見るべきか。
だが、だからこそ今の夫と巡り合い、結婚して家庭を持てたとも言える。
「いつか再会した時、お互いあの頃の事は良き思い出として語り合う事を願っていたが、それは叶わない願いだった…いや、私にとって都合の良すぎる願いだったのだね」
ブランクさんは泣きそうな顔で笑っていた。
「そのペンダントは貴方に返そう。もう母には必要のないモノだ。処分は任せる」
「…ありがとうヴァーリ君」
おそらくだが、彼はあのペンダントの処分はしないだろう。
そう確信し、俺はその場を後にした。
★☆★
ヴァーリが去った後。
フランク・フリードリヒはペンダントを見ながら今後の事に想いを馳せた。
「…例え7年前にこのペンダントを持って彼が現れても、まだフリードリヒ家の全権は父が握っていた。あの当時では悪魔とのハーフであるヴァーリ君が頼ってきても、彼に手を差し伸べる事は出来なかった。私は彼女を二度も裏切る事になっていただろうな…」
今は三大勢力が和平を結び、フリードリヒ家の全権は自分が握っている。
「あの掟は、私の代で終わらそう。クリスに彼女と同じ苦しみを与えない様に…」
無論、クリスの相手に相応しいかは見極めるが、相応しい相手ならば恋愛結婚も認める。
そして、もしクリスがヴァーリに惚れたとしたら…。
「あの時、家の掟に逆らい彼女と一緒になっていたら、ヴァーリ君は私の息子として生まれていたかも知れない」
ならばクリスと結ばれれば、彼が本当に自分の息子となるのか。
それも悪くない。
自分と彼女は結ばれなかったが、二人の子供が結ばれるなら、願ったりだ。
打算的に見ても白龍皇、そして魔王ルシファー候補と縁を結べれば、ドイツとしても有益だろう。
情報では、イギリスのペンドラゴン家の娘が赤龍帝と契約を結び、赤龍帝との仲に期待していると聞く。
「だがドラゴンは一夫多妻と聞くし、クリスの他にも結ばれる相手が現れるとなると…」
何やら考えが変な方向へと向かって言っているフランクだった。
ヴァーリの母がフランクの元恋人…かなり強引なこじつけ設定ですね。
オリジナル設定。
世界三剣聖
世界的に選ばれた三人の剣士。
・ヴァスコ・ストラーダ
・ユーサー・ペンドラゴン
・黛大成
ストラーダ以外はそれぞれ我が子に実力は抜かれている。