2021年は平和……うおおドラゴン狩りじゃぁぁぁ!!!   作:蒲焼丼

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幕裏2. ワンチャンあるかもしれない

 

 

 

「それで、彼の怪我が完治するのはいつ頃だって?」

「あと二週間くらいだとお医者さんは言っていました」

「ふむふむ、順調だね。……あの大怪我を一か月しないうちに退院か」

 

 

 すごいなぁ、と苦笑いをするキリノに、自分もまた苦笑いしか返せない。

 

 

(やっぱり、ただの一般人じゃなさそう)

 

 

 数日前、母の墓参りに行って、そのとき出会ったアサヒナ一家とオクタという青年。彼らを含め病院地下にいた生存者は全員保護、新しく避難民登録をして、議事堂で暮らしていくことになった。

 アサヒナ家のハジメという青年は命を落としてもおかしくないぐらいの出血量だったが、なんとか一命を取り留めて順調に回復している。……本当に、冗談にならないぐらいの血が流れていたのに。

 強い生命力にまさかと思った。ムラクモ機関の研究者一同も、その話を聞いて目を光らせた。

 

 

『うん、その青年、異能力者の可能性があるネ』

 

 

 専門分野の能力開発から異能力者に長年関わってきたマサキはさらっと言った。それと同時に、現在議事堂を留守にしているムラクモ機関の最高顧問、エメルの言葉を思い出した。

「戦力確保の優先」。そのために、「異能力者と思しき者には積極的に声をかける」こと。人間が真竜ニアラに勝ったことを誰よりも誇り、同時に誰よりもドラゴンの再来を懸念していた彼女は、竜災害後も、今に至るまでムラクモの尻を叩き続けている。

 再来なんて何を恐ろしいことをとツッコむと、「真竜は全てで七体だ。あと六体いるのだぞ」とさらっと爆弾を投下された。

 あんな大災害があと六回。気が遠くなって卒倒してしまった日が懐かしい。

 真竜が星に降り立てば、地表はフロワロに覆われ、人間も動物も淘汰されてしまう。それを考えれば、戦力の増強に根強く取り組むことに文句はない。けれど、人の気持ちを一切無視するのはいただけない。

 アサヒナ ハジメが異能力者だとしても、彼には家族がいる。友人もいる。そしてマモノに襲われて死にそうになった経験がある。大切なものがあって、恐怖と痛みを味わっている人間を戦いに引き込むのは気が引ける。

 せめてじっくり考えて選択ができるように、ムラクモに属していない異能力者には心に余裕をもってもらいたい。キリノに相談して、彼の適性検査をするのは怪我が完治してから、ということにしてもらった。

 

 

「キリノさん、仮に彼が異能力者だったとしても……」

「わかっているよ。戦う意思がない人を、無理に前線に出すなんてことはしない。仮に今ドラゴンが来たとしても、ムラクモは去年よりは余裕を持てると思う。……去年の君のような無茶はさせない。そこは信用してほしい」

「はい。そこはもちろん信じてます」

 

 

 去年の竜災害時、それまで普通の生活を送っていた自分は着の身着のまま戦場に立った。そうしなければ生きる可能性がつかめなかったからだ。

 目の前には怪物がいるけれど、一歩後ろは崖で、逃げる場所などない。後退はそのまま「死」を意味する。だから前に出るしかなかった。

 最終決断をしたのは誰でもない自分自身。けれどさすがに、ムラクモに入ってすぐに帝竜と戦うことになるなんて誰も想像できないだろう。ウォークライ討伐後日、目が覚めたベッドの上でこの組織やばくないかと静かに汗を流したものだ。

 

 去年の竜災害での学びは、千年前から存在してきたムラクモ機関の地盤をより強固なものにした。

 表舞台に出て一般人との距離が近くなった分、彼らのことを考慮する必要もあってムラクモは派手には動けないが……自分たち人間が目指すものは復興と平和。武力の拡充ばかり考えて本当の目的を忘れてしまっては元も子もない。

 自分は何のためにどうあるべきかを胸中で再確認し、特筆事項を書き留めたメモ帳を広げる。

 

 

「現時点で報告できることは以上です。彼らが今後どうしていくのか……話し合いを進められるように、最低限、適性検査も準備は進めておこうと思います」

「ああ、ありがとう。ミナトくんも仕事ぶりが板についてきたね」

「え、そうですか? えへへ……」

 

 

 不意打ちの褒め言葉に頬が温かくなる。竜災害前は大学への進学を控えていたし、社会が崩壊しているのであまり自覚がないが、自分はムラクモ機関に就職した社会人なのだ。それらしいと言ってもらえるのは悪い気はしない。

 

 

「それじゃあ、失礼します」

 

 

 キリノに頭を下げて執務室を出る。

 上司からの良い評価はやる気を燃え上がらせてくれた。今日はまだまだ働けそうだ。

 ニアラを倒してドラゴンがいなくなったといっても、依然世界は荒廃したまま。一日も早く復興を進めなければならない。

 できることを探すため、ミナトはチェロンがいるクエストオフィスに向かった。

 

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

 

 病院で自分たちを助けてくれたシバ ミナトと、彼女と一緒にいたシキという少女は、思ったよりもずっとすごい人物だった。

 ドラゴンの襲撃を受けたその日から、ムラクモ機関は生き残った人間をまとめて対ドラゴン戦線を組織していた。途中からその最前線に立ち、主戦力としてドラゴンを倒していったのが、あの女性と少女が所属する機動13班らしい。

 避難生活を過ごす市民から出た依頼を解決し、拠点環境の改善にも尽力したのだとか。昨年から彼女たちを見ていた人々は、口を揃えて「英雄だ」と13班を称えていた。

 称賛を浴びても、新聞記者の記事に大々的に取り上げられても、彼女たちは協力者の存在をあげて、天狗になる様子はない。そんな謙虚な姿勢もあって、13班は一般市民からも自衛隊からも、信頼と友好を抱かれているみたいだ。

 

 

「それでね、この薬は痛み止めなんだけど……普通の人と異能力者とじゃ、効果に小さいとは言えない差異があるの」

「量も限られてますよね。やっぱり、別々に作るしかないのか……にしてもローパーは万能だなぁ……薬にも使えるなんて」

 

(そろそろ終わる時間か)

 

 

 ミナトは毎日、朝早くか夜遅くに医務室に来る。手が空いている現役看護師の人たちに医療の勉強を見てもらっているようだ。ときどき怪我人の手当てを手伝うこともあった。

 自分が観察してきた中では、勉強時間は長くても二時間。今日は時計の針が一周と半分回ったところで、彼女はペンを走らせていたルーズリーフをバインダーにまとめた。

 

 

「よし。今日はこんな感じで……」

「そうだね。人も増えてきたし」

「いつもありがとうございます」

「ううん。こっちも復習になるしね。いつもお手伝いありがとう」

 

 

 筆記用具を脇に抱え、看護師のナミと挨拶を交わしたミナトの動きが急に止まる。

 真剣な顔になって床を見つめ続ける彼女を、ナミが覗き込んだ。

 

 

「ミナトちゃん? どうしたの?」

「……いえ、なんでもないです。それじゃ、失礼します」

 

(……俺もミナトさんって呼びた──)

 

 

 い。と思ったところで、ぐるっとこっちを向いた彼女の目と自分の視線がかち合った。

 

 

(心読まれた!?)

「すみません!」

「え、どうしたの?」

「なん、なんでもないっす……」

 

 

 ただの偶然だったみたいだ。ミナトは首を傾げたまま自分に向かって歩いてくる。

 国会議事堂に来てそれなりに日が経った。最近は彼女の勉強の帰りに声をかけ、話をするのが日課になっている(そのたびに妹たちが絡んでくるのは適当に流すことに決めた)。

 けれどそれももう最後だろう。右胸の怪我は二日前に完治。何度か健診を受けて、普通に動いても問題なしと太鼓判を押された。

 自分は今日、家族とオクタがいる一般居住区に移る。ミナトは一般市民の立ち入りが禁止されているムラクモのフロアにいることが多いので、医務室を出れば顔を合わせられる確率がぐっと下がってしまう。

 

 

「ハジメくん、ちょっといいかな。あ……いまさらだけど名前呼びは失礼か。アサヒナくんって呼んだほうが」

「え!? いえ、ハジメで大丈夫です! むしろぜひ」

「そ、そう?」

 

 

 せめて最後は今までで一番楽しい話題を、と考えていたが、先にミナトが口を開く。

 

 

「話したいことがあるんだけど、大切な話だから……まず、君のご家族と、それからオクタくんたちをここに呼ぶね」

「え? わ、わかりました。ていうか、そろそろ来る時間だと……」

 

「おにい、元気? 迎えに来たよー!」

「私たちがいなくて寂しかったでしょ?」

「怪我は大丈夫そうだね」

「こーらシホ、ニナ、ミウ、静かにしろ」

 

 

 噂をすればのタイミングで家族が入ってくる。各々自由に喋りだす妹たちを父が嗜め、母がミナトに挨拶をした。

 数分後にはオクタ一家がムラクモの誰かと一緒に医務室に来る。全員揃ったところで部屋の隅に案内され、人目に触れないよう周りをカーテンで囲んだところで、ミナトの隣に立つ眼鏡の男性が会釈をした。

 

 

「ムラクモ機関の総長のキリノです。突然お呼び出ししてしまって申し訳ありません」

 

「む、ムラクモの総長!? なんでそんな上の人が……」

 

 

 身にまとうのはスーツではなく白衣。顔つきは柔和温順。雰囲気は企業戦士というより研究職だ。

 思わず目が瞬く。目の前の彼は良い意味で、ドラゴンとの戦いに勝利した組織の長とは思えない。どちらかと言うとリーダーを支える副リーダーに向いていそうに見える。ミナトに目を向けると、「私の上司です」と笑って紹介された。

 ムラクモ機関総長に13班のメンバー。まさかの組み合わせに疑問と興奮でオクタの鼻息が荒くなる。直後に両親に悪い癖だと叱られ、彼は居住まいを正した。

 キリノ総長が続ける。

 

 

「まずはじめに、注意事項を……。ここからの話は、他の方々には口外しないでいただければと思います」

「この話をしないことで日常生活に支障をきたすことはないので、どうかよろしくお願いします」

 

 

 優しそうな笑顔を作ってキリノとミナトは頭を下げる。反射的にこっちも全員頭を下げて、話はゆっくりと始まった。

 

 

「今回、朝比奈(アサヒナ) (ハジメ)くんと奥田(オクタ) 僚悟(リョウゴ)くん、そしてご家族の皆さんにお集まりいただいたのは、彼ら二人の適性検査の許可を頂くためです」

「適性検査?」

「はい。……落ち着いて聞いてほしいのですが」

 

 

 何の検査、と全員揃って首を傾げると、ミナトがなぜか沈んだような顔になり、遠慮がちにこっちを見つめてくる。

 

 

「ハジメくん。前に、私が倒れてる君を見つけたときね、君、出血多量で死んでもおかしくない状態だったの」

「えっと、そうっすね……?」

「君を議事堂に運んだ後に調べたんだけど、成人男性の平均の血液量……その約半分が、君が倒れてた場所に流れていた。血液の総量が人より多かったとしても、君は致死量を超える血を流した。しかも、止血はしたけど輸血をせずにその場で数時間過ごした。それでも死なずに、今日までに快復したの」

「あー……それは、すごいことなんすか?」

「うん、すごいこと。あとね、」

 

 

 次にオクタの方を向いて、ミナトは「聞いたんだけど」と続ける。

 

 

「関西から東京に向かう道のりで何度かマモノに襲われて、それをオクタくんがなんとかしてくれたっていう話。それに君は、一緒にいた人を守るために病院でもマモノに抵抗してたよね」

「ああ、おれ、昔から体が頑丈で……なんとか追っ払うぐらいなら」

「うん、そう。『マモノと戦えるくらい』。……以上の経緯を踏まえて、私たちムラクモは、君たち二人に『異能力者』の力があるのではと考えました」

 

 

 え? と、朝比奈家と奥田家、計九人の声がハモる。告げられた結論に、無意識にオクタと顔を見合わせていた。

 異能力者。ムラクモの、ミナトたちと同じ。

「マジかよ」以外の言葉が見当たらない。

 

 

「あくまでも予想です。調べもせずに断定はできません。異能力者かどうか……異能力者だった場合、何の力をどの程度持っているのかの適性検査をするのは、ご本人と保護者も方から許可を得られてからになるのですが……」

 

 

 恐る恐るといった様子でミナトは語りかけてくる。たっぷり沈黙をおいて、父が「ちょっと待ってください」と手を上げた。

 

 

「そもそも、異能力者というやつの基準は?」

「常人にはない、特殊な潜在能力を持ち、それを引き出せる人間。とムラクモでは定義しています」

「それで、息子たちが異能力者だった場合、」

「……ムラクモとしては、新しいメンバーとして参入する意思があるかどうかを、お聞きしたいのですが……」

 

「ですが」

 

 

 渋い顔になってあご髭を弄る父に「強制ではありません」とキリノ総長が落ち着かせるように言った。

 

 

「異能力者であってもそうでなくても、議事堂にいるみなさんは戦力以前に市民だということを、僕たちは心得ています。ですからもちろん、ムラクモへの参加は義務ではありません。これは今後の身の振り方の選択肢として提示しているだけです」

 

 

 何度も何度も椅子から腰を浮かせかける家族に対し、とにかく安心してほしいと繰り返し、粘り強く説き伏せる。

 ミナトが柔らかい笑みを作って続けた。

 

 

「まずはみなさんご自身の生活と安全を確保することが第一です。ただもし異能力者だった場合、力の扱い方を把握しておいて損はない、とは思います。戦うということではなくて、自分の力がどういうものなのか理解して、何かのはずみで日常生活中に事故を起こしてしまわないよう、コントロールする術を学ぶといいますか……」

「シバさんも、そうだったんすか?」

「子どものときにちょっとやらかしちゃったことがあって。……話を戻しますが、ムラクモには長い間異能力の研究、開発に携わってきた研究者の方々がいらっしゃいます。何か、自分の能力に対して不可解なことや不安なことがある場合は、その方々にお話を聞くこともできますから、気になることはあればご相談ください。……でも、これは異能力者だった場合のお話です」

「僕たちは、まず君たちが異能力者なのかを確認したいです。検査結果がどうあれ、その情報は悪用しないと誓います。ムラクモ機関は個人の能力を把握すると同時に保護する役割もありますから。そこはイヌヅカ総理も尽力してくれるはずです」

 

 

 懇切丁寧な説明だ。なるべく自分たちの心に寄り添おうという配慮を感じる。悪いようにはされないというのは、信じてもいいのかもしれない。

 だが、まだわからないこともある。

 学校で授業を受けるときよりもずっと真面目に、オクタが「はい!」と手を挙げて、気になることを訊いてくれた。

 

 

「その、適性検査っていうのは、具体的に何をするんですか? 機械みたいなので体をスキャンしたりとか?」

「それもあります。まず体が健康体かどうか知らなければいけないので、最初に医師による基本的な健康診断。それから、日本の教育機関でも実施されている身体検査……短距離、長距離走や握力ですね。大概はそれで異能力者かどうかの見当はつけられるので」

「え、そんな簡単なので?」

「大概の見当は。これで見つけられるのは、身体能力に秀でた異能力者になります。……どんな力を持っているにせよ、異能力者は常人より優れた身体能力を持っていることが多いのですが……。他には、特殊能力がないかどうかの検査です」

「特殊能力?」

「……ミナトくん、見せてくれるかい?」

 

 

 総長に名前を呼ばれたミナトが、えっ、と固まった。

 

 

「み、見せるんですか? 今、目の前で?」

「ちょっとだけでいいよ。彼らを救助する際にも能力を見せたんだろう?」

「そうですけど……ちょっと待ってください。クロウ着けます」

 

 

 さっきまで真摯な眼差しで自分たちと向き合ってくれていた目が泳ぐ。ミナトは下を向いたまま、上着の胸ポケットから小さなケースを取り出した。

 開いた口から取り出されたものが彼女の指先に着けられるのを見て、女の妹たちが真っ先に反応する。

 

 

「ネイル? なんですか、それ?」

「クロウっていうの。私みたいな異能力者の人が使ってる道具のひとつだよ」

「ネコ柄だ、かわいい……」

「え……あ、いや、違う! 私の趣味じゃないの! そもそもお洒落でネイル着けることもないし、いい年してネコ柄とかそんな……あ、嫌いなわけじゃないんだ。友達からもらった大切な物だしこういう素敵なのはかわいい子じゃないと似合わないのはわかってるんだけど……いやそうじゃなかった、異能力の話の続きだけど! ですけど!」

 

(かわいいな)

(似合うのにな)

 

 

 頼れる年上女性の雰囲気はどこへやら、顔を赤くして頭を横に振ったり舌足らずになる様子を見て、自分と相棒の心がひとつになった。

 クロウは両手分、計十個あるが、ミナトは左手に薄手のグローブをしている。彼女は何も着けていない右手だけにネイルを装着し、自分たちから少し離れた。そして服の袖をまくって、手のひらを上に向ける。

 

 

「えーっと、キリノさんがおっしゃっていたように、異能力者には身体能力に秀でた人と違って、特殊な形の力を持つ人もいます。スーパーコンピューターみたいに機械の扱いや情報処理に優れている人とか、私みたいなサイキックとか」

 

「サイ──?」

 

 

 ふわ、と空気が暖まる。

 何もないはずのミナトの手の上に、小さな火の玉が踊っていた。

 全員が固まる。というか、時間が止まったみたいに動かない。病院で助けられた時にもほんの少しだけ目撃したが、何の前触れもなく火なんか出されたら呆けるしかない。

 

 火はミナトの白い手に押し出されて宙に浮いた。続いて、彼女は手招きをするように五本の指を曲げる。

 今度は空気が冷えたかと思えば、その指先が拳大の氷を握っていた。全員の顎がかくんと開く。

 

 

「私はいわゆる超能力者……サイキックと呼ばれる異能力者です。普通、道具を使わなければ起こせない現象を、ある程度人為的に発生させることができます」

 

 

 火と氷がまとめられてジュアッと音を立てて消えた。それを聞いて、夢から覚めたように全員が動き出す。

 すごいのか怖いのかわからない表情で全員がミナトを見た。彼女はぎこちなく笑って、「あとは」と言いながらもう一度氷を生み出す。

 ナイフのように薄く鋭く尖ったそれで、彼女は自分の手をチクリと刺した。自分たちに向けられた手のひらには血の赤い珠が浮かんでいる。

 

 

「ある程度の怪我なら、こうして治せます」

 

 

 指先が淡い光を放つ。じわじわと膨らんでいく血の珠を包み、浅く裂けた傷口をあっという間に塞いでみせた。

 優しく温かな光。見覚えがある。薄ぼんやりとした記憶が頭の片隅で揺り動かされた。薄暗く廃れた地下で自分が浴びた光だ。

 

 

「それ、もしかして、それで俺の傷も治してくれたんすか?」

「うん。でも君の傷は結構深くて、完全に治せなかったの。止血はできたけど……君の命を助けたのは、私じゃなくて腕のいいお医者さんだよ。私に手術はできないから」

 

 

 家族一同、どうしていいかわからず未だ動けずにいた。……鼻息荒く目を輝かせるオクタ以外は。

 こいつはもうだめだろう。おそらく興奮で脳内アドレナリンどばどば状態だ。

 

 

「すっげー! その力でドラゴンと戦ってたのかぁ……! あの、ムラクモの主力ってことは、シバさんがムラクモ機関で最強なんですか!?」

「え、最強? いや、私よりもずっと強い子が……」

「はい、ミナトくんたちの話はそこまでにしましょう」

 

 

 こほんとキリノ総長が咳払いをした。大きく脱線しそうになった話を元に戻して、ミナトがネイルを外す横で自分たちに向き合う。

 

 

「今見せていただいたように、異能力者には超常的な力を持つ者も存在します。なので適性検査は、まず異能力者かを調べ、次に体に宿る力が身体能力型か特殊能力型かを判断、最後にそれがC級〜S級のどこに当てはまるのかを決めるという流れになります。……何かご質問は?」

 

 

 沈黙する。話についていけていないのかそれぞれが顔を合わせる中、シホがおずおずと手を挙げた。兄妹の中でも一番勉強嫌いの末っ子が積極的に話を聞く姿勢になるのは珍しい。

 

 

「は、はい。あの、もし、おにいが異能力者? ……だったとして、ムラクモに入るんじゃなくて、今まで通りの生活を選んだら、何か……」

 

 

 妹はもごもごと口ごもる。言葉が見当たらないんじゃなく、言ってもいいのかどうかためらっているように見えた。友人とケンカをして、どんな風に謝ればいいのかと反省するときに見せる顔だ。

 ミナトが首を傾げて妹の表情を伺いながら、予想した質問を優しい声音で口にしていく。

 

 

「大丈夫。誰も怒ったりしないよ。安全なほうを選ぶのは賢い選択。命は大事だもん」

「じゃあ……」

「何も変わらない。今まで通りの生活が続くだけ。もし文句を言ってくる人がいたら、堂々と言い返していいからね」

 

 

 ほーっ、と妹たちが息を吐いた。同じように、両親、オクタの両親も安心して笑みを浮かべる。

 

 

(……やっぱ、反対だよなぁ)

 

 

 ムラクモに興味を持っていると言ったら、たぶん家族総出で止めにくるだろう。

 いや、まだ入るかどうか決まったわけじゃないし、それ以前に……。

 

 

「それも、異能力者だった場合の話です。入隊希望だとしても、試験で基準を超えた結果を出せなければメンバーとして迎えることはできません。さらにS級であってもなくても、伸びしろがない限り戦闘への参加は認められません。戦闘員でも、教官や研究者をつけ、初歩的な訓練から始めてもらいます。A級やB級と判断された入隊希望者は、基本、物資の調達や、戦闘員の補佐が役目の作業員として働いてもらうことになります」

 

 

 さあ、と自分たちの返事を促すように、ムラクモの二人は居住まいを正す。それぞれの瞳が、自分とオクタを交互に見た。代表してキリノ総長が口を開く。

 

 

「どうでしょう。……適性検査を受けてみる気は? もちろん、これも拒否するか承諾するかは自由です」

 

「……」

 

 

 あくまでも自分たちの意思を尊重するという話に、オクタと顔を見合わせる。家族も一斉にこっちを見てきた。

 

 検査結果・個人情報の保護。

 専門家による能力の判断。

 入隊するかしないか、選択の自由。

 入隊後のサポート。

 

 

(……条件は)

(しっかりしてるよな)

 

 

 自分たちはムラクモの人員じゃない。だから、まだ知らないことがたくさんある。議事堂に来てからしばらく、いろんな人たちから話を聞いたとはいえ、不安要素は数えきれないし保証もできない。

 けれど、この人たちは体を張って自分たちを守ってくれている。

 ちらっとミナトを伺ってみる。彼女は立ったまま瞑想するように目を閉じていた。唇は自然な横一文字を描いていて、自分は干渉しないと意思表示している。

 

 ……正直に言うと、「安全なただモンはもらいたい」主義だ。

 さらに欲を混ぜると、目の前にいる彼女とお近付きになれるかもしれない。

 

 言葉にしないで目だけでオクタと意思疎通する。何度も確認する必要はなかった。

 

 

「まず受けるだけなら」

「お願いしたいです」

 

「え、本当?」

 

 

 ミナトがぱちっと目を開けて、喜んでいいのかどうか伺いを立てるような微笑を作った。キリノ総長も、話が一歩前進したことに満足そうに頷く。

 対照的に家族は……まあ想像はできていたが、渋面を作っている。

 妹たちが一斉に顔を覗き込んでくる。選ぶ言葉を間違えてないかなんて言いたげに眉を寄せてニナが「本当に?」と確認してきた。

 

 

「本当に? 本当に受けるの?」

「何度も言うけど検査だろ? 別に危険な真似させられるわけじゃないし、結果がどうでも選ばせてもらえるんだから、損ないじゃん」

「そうだけど……!」

 

「あとは、保護者の方々のご判断になりますが……」

 

 

 キリノが親側に視線を移す。オクタは自分の親を、こっちはこっちで父と母の説得を試みた。

 

 

「検査を受けるだけだろ。別に何も問題ない」

「それで、あなたが異能力者だってわかったら、どうするの?」

「そんときに考えるよ。ドラゴンがいなくなっても、外にはマモノがいるし。ある程度危険があるのには変わりないんだから。ただ……シバさん」

「うん?」

「もし俺が異能力者で……ムラクモに入らないとしても、その、力の使い方とか、もしものために自衛の術とか、教えてもらえるんすよね?」

「復興作業で忙しいから、いつ、誰が君に教えられるかはわからない。能力によっては手探りで能力開発を進めていくしかないかもだけど。それでもいいなら、ムラクモは力を貸すよ」

「あざっす。……そういうことだから」

 

 

 ムラクモ云々は置いておいて、検査を受ける意思は曲げないことを伝える。オクタも同じだ。

 保護者達は揃って譲らないことを悟ってくれたみたいで、仕方ないと頷く。ミナトとキリノは表情を緩めて頭を下げた。

 

 

「ご協力、感謝します。ただ、ハジメくんの体のこともあります。これからも一日に一回は医務室に来ていただいて体調を確認して、一週間後あたりに適性検査ということでよろしいでしょうか? まずは議事堂での生活に慣れてもらって、心身ともにコンディションを整えてもらえれば」

 

 

 ムラクモの二人はもう一度頭を下げて礼を言う。今日はその場で解散になって、ミナトがムラクモ居住区に帰るついでに自分たちを一般居住区まで送ってくれることになった。

 

 

「ごめんなさい。いろいろと驚いたでしょ?」

「いえいえ! むしろあのムラクモ機関に声かけてもらえるなんて……」

「これで俺たちがただの体が丈夫な一般人だったら笑えるけど」

「現実的なこと言うなよハジメ!」

「あはは、まだ可能性の話だからね」

 

 

 列の先頭を歩く女性の隣にさりげなく並ぶ。さっきの誘いを受けたことが気に入らないのか、後ろにいるニナがふんっ、と鼻を鳴らし、ミウが鋭い視線を背中に刺し、シホが無言で踵を蹴ってきた。

 だがもう決まったことだ。自分とオクタは来週のどこかで適性検査を受ける。それでもし、異能力者で、さらにS級と判断された場合は……まだ決まっていないが。

 

 気付かれないように隣を歩くミナトを横目で見下ろす。

 普通の女の人だ。ついさっき火や氷をひょいと出してみせたとはいえ、それ以外は自分たちとまったく変わらない人間に見える。

 医務室で彼女が自分の力を見せたときの表情を思い出す。あまり気が進んでる様子ではなかった。子どものときにやらかしたなんて言っていたから、人にその能力を見られるのは好きじゃないのかもしれない。

 じーっと見つめ続けていると、彼女の小振りな鼻がぴくりと上下した。

 

 

「あれ……いい匂い」

「え? ……本当だ」

 

 

 一緒に鼻を動かして、廊下の向こうから流れてくる匂いを嗅ぎ取る。確かこの先には、議事堂の人間が利用している食堂があったはず。

 どこか懐かしいと思わせる、芳ばしいスパイスの香り……味気ない病人食ばかり食べさせられていた舌がその刺激を受け取って一気に唾が出始めた。

 間違いない、この香りは。

 

 

「カレー! 今日の昼、カレーなんすか!?」

「みたいだね。お昼までまだまだあるけど、食堂行きたくなるなぁ……!」

 

 

 今日から思い切り塩気や油があるものを食べられると知って、さぞかし美味なのだろうと思いを馳せながら居住区に入る。妹たちは相変わらず踵につま先をこつこつ当ててきていて、振り返ると顔を逸らされた。

 

 

「なんだよさっきから……っておい、ニナにミウまで加わんな!」

「ふーんだ。おにいのバカ!」

「そうよ、ハジメのバカ」

「そうだね、ハジメくんのおバカ」

「言っとくけどな、この中で一番成績良いの俺だからな……?」

『頭脳の話じゃないし、バカ』

「ハモんなバカ!」

 

 

 なぜだかずっと不機嫌なままの妹たちとつっけんどんな会話が続く。お気に入りのブーツの踵がへこむので本気でやめてほしい。

 こっちの意思などお構いなしの様子に頭をがしがし掻く。するとミナトが控えめに笑った。

 

 

「仲良いんだね?」

「え、そう見えます?」

「見えるというか、雰囲気で。ちょっと羨ましいな。私一人っ子だったから。あ、はい、ここが君とご家族の生活スペースだよ」

 

 

 さりげなく彼女の家事情が語られる。自分から話すということは、もう少し突っ込んだ質問をしても大丈夫なのだろうか。

 思いきって口を開いたとき、一瞬早く別の声が「ミナト」と憧れのファーストネームを呼んだ。同時に妹三人が「あ、〇〇校!」と口に手を当てる。

 部屋の入り口を振り向くと、長い黒髪の女子が一人、こっちに向かって歩いてくるところだった。

 

 

「あ、あんときの」

 

 

 自衛隊と一緒に救援として病院に来ていた女子だ。

 病院で見たときは余裕がなかったから気付かなかったが、袖口・胸もとが小洒落たセーラー服に、ストラップが交差した形のローファーには見覚えがある。女子からの圧倒的人気を誇る都内の中高一貫校の制服だ。

 長女のニナ、次女のミウ、三女のシホが「この制服着たい!」とロックオンしたものの、上二人は中学・高校受験ともに撃沈。シホは中学受験で落ち、高校こそはと目指していた私立校の証。竜災害があったから、シホは高校受験ができなかったが。

 

 

「やっと見つけた。あんた通信機忘れないでよ。議事堂の中広くて探すの大変なんだから」

「ごめんごめん」

 

 

 目鼻立ちがはっきりした、意志の強そうな美少女だった。鮮やかな赤のサイハイを穿いた足を前後させながら、ミナトに何かを投げ渡す。

 年が離れているはずの人にタメ口はいかがなものかと思ったが、この少女もムラクモで、ミナトと仲が良いゆえの態度なのだろう。笑顔で謝るミナトから親しげな雰囲気を感じる。

 憧れだが手が届かなかった制服をバッチリ着こなして歩いてくるムラクモに気圧され、女衆がうおおと後退る。さらにピカピカに磨かれた籠手と腰に下がる剣にオクタが目を輝かせた。

 

 

「す、すげえ……かっけえ……! 君もムラクモの機関員だよね!?」

「……ミナト、誰?」

「二週間前に議事堂に来た人たちだよ。ほら、シキちゃんも一緒に助けてくれたでしょ?」

「ああ、あの時の……」

「そ。今日お話して、来週に適性検査を受けることになったの。アサヒナ ハジメくんとオクタ リョウゴくん。検査受けるのは男の子二人で、こちらはハジメくんの妹さんたちと、それぞれの親御さんたち」

 

 

「紹介しますね」とミナトがこっちを振り向く。肩に手を置かれた少女は、不機嫌ではないのだろうが上機嫌でもない無表情でされるがままだった。

 

 

「私と同じ、13班の飛鳥馬 式ちゃん。ムラクモ最強はこの子です!」

「そういう紹介やめて。それで道場破りとかなんとか言って一般人がムラクモ居住区に突っ込んできたんだから」

「あ、そうだ、あれどうなったの?」

「床割ったら逃げ帰った」

「……廊下の損傷はそれかぁ……」

「怒られた」

「それはそうだよ!」

 

 

 スケールの違う言葉が飛び交っている気がするが聞き流す。この少女がヤバいのはわかった。

 医務室のときと同じくらい呆気にとられる自分たちの前で話は進み、ミナトが手を合わせる。

 

 

「そうだシキちゃん、今日は食堂でお昼食べない? 今日はカレーなんだって」

「無理じゃない? たった今仕事が入ったし」

「え?」

 

 

 ミナトが笑ったまま固まる。シキと紹介された少女は「だからあんたを探してたの」と小さい用紙を取り出して提示した。

 

 

「首都高の瓦礫撤去が難航してる。あそこを車が通れる状態にしないと、自衛隊の車両が物資や怪我人を運べないから、それの片付け。ついでにそこらへん回って、生存者の捜索と物資の調達していくわよ」

 

 

 箇条書きで数個書いてあるメモが読み上げられていくたびに、ミナトの顔が青くなっていく。続いて目がぐるぐる回り出し、チャカチャカチャカチャカチーンと何かを計算する音がした。……ような気がした。

 

 

「……カレーは?」

「諦めて」

「……たぶん、量に限りが」

「そうね、諦めて」

「……カ」

「弁当でも栄養は取れる。諦めろ」

 

 

 天井からタライが落ちて頭に衝突し、ミナトが崩れていくような幻覚が見えた。

 ああ、おそらく舌がカレーモードだったのだろう。嗅覚と味覚を敏感に刺激する魅惑的な香りを嗅いでたのだから仕方ない。

 ゆっくりゆっくり俯いていくミナトの腕をシキがつかんで引きずり出す。ううん、容赦がない。

 

 

「ほら、日が暮れないうちにさっさと行くわよ」

「うん……わかってる。わかってたよなんとなくね……。あ、そういうわけで、失礼しまーす……」

「お、お疲れ様っす……」

 

 

 ミナトの上着とシキの黒髪が翻る。

 赤い腕章が存在を誇張するように揺れて、自分たち以外にもその背中を見送る人たちが、はーっ、とため息をついた。

 

 

「毎日大変ねぇ」

「若い女の子二人でしょ? ドラゴンなんて化け物相手によくやってこれたね」

「あの人たちの活躍で差別が減って、他の異能力者の人も過ごしやすくなったんだって」

「俺、マモノに食われそうになったところをあの子たちに助けられたんだ! いいだろ?」

「間抜け」

 

 

 あちこちから言葉が生まれて交わされていく。ここにいる誰もが13班に対して好意的だった。それだけ、あの二人は去年誰かのために頑張って戦っていたんだろう。

 ドラゴンとマモノ相手に立ち回り、東京ひいては日本も世界も救い、英雄と呼ばれるようになったムラクモ13班。そのメンバーが目の前にいる。しかも屈強な男じゃなくて、美少女とお姉さんという組み合わせ。いろいろクるものがあった。

 

 

「……マモノ討伐の専門家、か」

 

 

 自分より小さくて細い背中。けれど見かけは関係ない。どんどん遠ざかっていくにも関わらず、それはとても大きく見える。

 これがムラクモ13班。

 自分たちとは住む世界が違う気がして、隣にいる友人だけに聞こえるように呟いた。

 

 

「……オクタ」

「どした?」

「あわよくばお近付きになりたいとか……やっぱダメだよな」

「何言ってんだよ男だろ! 欲望に忠実になろうぜ!」

「嫌な言い方やめろ!」

 

 

 ぎゃーわーと騒ぎ始めたところで、天井につけられたスピーカーから中断されていたラジオが再放送される。

 肌の露出が高いことで有名なDJチェロンの声と一緒に、新しい音楽が流れ始めた。

 

 

『ヘイ! ラジオ止めちゃってソーリー! リクエスト、バンバン流してくよー!』

 

「……あれ?」

「この曲……」

 

 

 流れ始める聞き覚えのあるイントロに耳が反応した。自分もみんなも動きを止める。

 歓声のSEから始まって、軽快なメロディで男も女も入れるようなノリをBGMに……、

 

 

『今日も今日とてベリービジーなヒーロー、13班のミナトからのリクエスト! え? 本人がいないのに流すのはバッド? ドンウォーリーッ! ミナトには携帯レディオをパスしたよ! そーゆーことで、みんなも知ってるよね? 有名三姉妹アイドル「tricolor(トリコロール)」! 曲名は──』

 

 

 ガッ!!! と上を向いていた頭が下がる。

 言いたいことは全員同じだ。けど言葉が出ない。驚きすぎて目配せするしかなかった。

 

 13班の彼女が? リクエスト?

 

 ……「妹たちの曲」を?

 

 

「え、ま、マジかよ! おいハジメ! ニナちゃんたちの曲じゃねえか! これは踊るしかねえ!」

 

 

 竜災害の前、配信、CDの売り上げ共に大きく伸びて話題になった、妹たちのユニットの曲が流れる。

 少女三人の声が伴奏に乗って再生される中、オタクの血を押さえきれなかったのか、オクタがどこからともなくペンライトを取り出してヲタ芸を始めた。おまえは何をしているんだ。

 周りの人たちがざわつきながら注目してくる。けどそんなことどうでもいい。頭の中がたった一つの事件で埋め尽くされていた。

 

 ミナトがリクエストした。この曲を。自分が作詞、作曲して、妹たちが歌った歌を。

 気まぐれで選んだのではなくて、彼女が妹たちのファンだからだとしたら。

 

 

「……ニナさん、ミウさん、シホさん」

 

「……何よ、さん付けで呼んだりして」

「うーん、なんとなく予想はつくけど……」

「おにい、言いたいことがあるなら言いなよ」

 

「ワンチャンあるかもしれないので、今度あの人と話すときに一緒に来て──」

 

『バカ!』

 

 

 拳三つが容赦なく顔面に埋まる。

 ですよね、と心の中で呟きながらハジメは議事堂の床に倒れた。

 

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