GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! 仮面ライダーメモリークロスヒーローズ 作:鳴神 ソラ
「そうか……コアエナジーの過剰摂取による暴走は人格を失う可能性と言う事か……」
前回からW達は合流したジャスティス達から聞いたのに腕を組む。
「やべぇなそれ、マジで麻薬じゃね?」
「確かに、使い過ぎれば体に悪い影響を与えると言う意味では同じだな」
うげぇとなるゴーダのにディケイドもそう述べる。
「制御をされたら神や魔族でも対処できない存在になりうると言う事か……」
「ホント、ワシらは皮一枚の状況じゃな……」
「とにかく、先を急がないとね」
呻くジャスティスやカオスにゼロワンはそう進言する。
「それにしても……この先からヤミーの気配を感じるぜ。それも相当大きく育ったのが」
「うえ?マジか」
「そうだな……遠くだが、それでも分かる気配だな」
【凄いですねウヴァさん、ゴーダさん。私も言われて気づきました】
【むむ、そうなるとスカルグレイモンの様な大型の存在がいると言う事か】
何気なく言うゴーダのに驚くウィスプへとウヴァも肯定し、調べたアイが感嘆した様に言い、心眼は呻く。
「急ぐと同時に気を付けないといけないと言う事か……」
やれやれとぼやくジャスティスのを聞きながら一同は進む。
「そういや、新たに生まれた奴はどんな名前にしたんだ?」
「映司さんの案でサガビになったッス」
「ヘイヘーイ!」
そんな中、前回増えた節足動物系マスコットので聞くゼンカイジュランにウィスプは答え、本マスコットも嬉しそうに鳴く。
他のマスコットとも仲良くなっているからウィスプは賑やかになったなと微笑ましそうに見ている。
その隣で本格的に胃痛になりかけているホロウには一部が同情した。
閑話休題
ある程度進んでいると先頭を歩いていたWが立ち止まる。
「妙な気配を感じるな……これがさっきゴーダ達が気づいたヤミーの気配か……」
【今いる場所は精製ルーム、この奥がコアエナジーの精製プラントです。その為、普段から探知するコアエナジー量は大きいのですが、今はさらに強いようです……】
「さっきゴーダ達が感じたので大型となるとさっきのカオスシードラモンの様な究極体の可能性もありえそうだね」
「うへぇ、さっきの奴の様なヤバい奴がいるって事か……」
「けどこの人数なら平気だし!陰念がいるから広い場所にも出来るもんね!」
「おいおい、あんまり期待を高めないでくれよ。俺のステージセレクトはあくまでランダムだからな……」
呟いたW(翔太郎)のにアイが解説をし、オーズは通路の先を見ながら呟き、ゼロワンはぼやいたのに対しゼンカイザーはそう言い、言われたホロウはぼやく。
「とにかく、先に進まない訳にはいかないって事だな……」
「なんであろうとぶっ飛ばせば良いだけだ」
通路の先を見て言うディケイドの隣で拳を鳴らすバルカンに脳筋だねぇとディエンドは肩を竦める。
少し進んで入った部屋の中で誰もが呆気にとられる。
部屋の隅々にラグビーボールサイズの卵が沢山保管されていたのだ。
「なんじゃこれは?」
「見た事もない卵ですね……」
「おお、結構でかいな……」
「止めろよ、ここで孵化なんてしないでくれよ……」
興味深そうにケースに保管されている卵群を観察するカオスとジャスティスの隣で興味津々でへばり付いているウィスプにホロウは心の底から願う中、オーズ達は驚いていた。
「これって、デジタマ!?」
「デジタマ?」
「デジモンの卵だよ……しかしこれは……」
「ああ、こいつ等全てがヤミーだ。言わば羽化する前の繭状になってる感じだ」
驚きの声をあげるオーズのに首を傾げるトリガーへとW(フィリップ)は簡略に答えてウヴァを見て、見られた本人は頷いてそう言う。
「……翔太郎。もしかするとセクターシティが異世界に転移したのは不幸中の幸いだったかもしれない」
「なんで……っ!そう言う事か……確かに不幸中の幸いだな」
デジタマを見ながら言った相棒のにW(翔太郎)は一瞬呆気にとられたがすぐさま察して手を握り締める。
「どういう事?」
「2人だけで納得してないで教えてくんねぇ?」
「……俺達の世界は色々とあったけど、デジモンと共存できる状況になってるんだ。けど、もしもデジモンとほぼ同じ姿のデジモンヤミーが暴れていたら……」
「成程、デジモンと人の関係が悪化しちゃって戦争が起こりえたかもしれねぇって事か……ひでぇ事を考えるもんだな」
ツーカイフリントとゼンカイジュランの問いにオーズが代わりに答え、理解したMRトリガーダークは心底気に入らない声で吐き捨て、他のメンバーも理解して憤慨する。
「だったら壊しておいた方が宜しいのではないでしょうか?」
「えぇ!?けどまだ産まれてない様なもんだから流石にそれは可哀そうだよ!!」
「だが一理あるぞ。この卵達が一斉にデジモンとなり、都市部で暴れれば大混乱は間違いない。悪意の根は断っておいた方が良い」
「ダメダメダメ!!俺もガオーンのに賛成!まだ何も知らないのに殺すのってどうかと思う!」
進言するゼンカイブルーンのにゼンカイガオーンが反対し、ゼンカイブルーンに賛同してジカンザックスを構えるゲイツにウィスプがケースを背に庇う。
「どう思うフィリップ?」
「もしも、これまで遭遇したデジモンヤミーがコアエナジーを過剰摂取しての場合なら、今の状況ならまだ暴れる事はない可能性があるかもしれない……」
話を振るW(翔太郎)にW(フィリップ)はそう返す。
「おお!なら、過剰摂取させられる前にある奴全部孵してやった方が……ってなんで離れてるの陰念、それに西条さんにカオスのおっちゃん?」
「いやぁ、流石に怒られたくないからね……」
「小僧よ、流石に全部やったら怒られる未来しか見えんぞ」
「止めろよな!絶対に全部孵化なんて止めろよな!!マジでフリじゃねえからな!!!」
それにすぐさまそう提案したウィスプにジャスティス、カオス、ホロウは各々にそう返す。
【横島よ、フィリップはもしもと言ってるのだぞ。孵化させてすぐさま襲い掛かられたら損でしかない】
「う……だったら1匹!1匹だけ孵化させて確かめさせてください!!」
「賛成賛成!1匹なら対処できるし良いでしょう!」
粘るウィスプにゼンカイガオーンも強請る。
「あたしも気になるから見てみたい☆」
「1匹だけならこのメンバーで対処できるであろう?特に問題もないのではないか?」
「……はぁ、分かった。1匹だけ、確認の為に孵化させよう」
続いて乗っかるツーカイフリントと軽く言うダーゴンのにジャスティスは梃子でも動かないと判断したからか許可する。
「ようし!あ、そう言えば映司さん。デジモンって普通に生まれるのに時間かかります?」
「いや、確か知り合いの話だとデジタマはナデナデしてあげると早く生まれるって聞いたよ」
「普通のデジタマの方だがな……」
確認したウィスプはならとケースからデジタマを取り出して優しくナデナデしてあげる。
「戦闘兵器で産まれて来るなんてそんなの損してるだけだ。色々と遊んで、色々と見て、色々と食べて、元気に過ごした方が良いもんだ。だから元気に生まれて来いよ」
良い子良い子と声をかけながらウィスプはデジタマをナデナデし続ける。
【あ、卵の反応が強くなっています。変化しようとしてるかも】
「お!生まれるのか!」
嬉しそうにデジタマを見ていたウィスプは……周りで起こり始めた事に呆気にとられる。
なんと、ケースに収められていたデジタマが次々とセルメダルになって行くのだ。
「え?え?なに?何が起きてるの?」
いきなり起きた現象に誰もが戸惑っていると、大量のセルメダルが浮かび上がるとウィスプの持つデジタマへと次々と吸収されて行く。
「何々何!?」
「おいおい、横島、お前、ホント予想もしてない事を起こすな!」
驚いているウィスプを知らず、卵はドンドン大きくなる。
「にゃん!?」
「パオ!?」
「ブゥゥン!」
「皆、構えるんだ!」
何が起きても良いように誰もが身構える中、卵は成人男性位に大きくなった所で光り出し……
「キシャァァァァァァァッ!!」
1体のデジモンへと変化した。
黄色い頭に赤いラインが数本入った青緑色の細長い胴体を持つ龍であった。
「こいつはシードラモン!ちっさ!」
「うわぁ~人間サイズだ!!」
「なんと言うか、ゲームで主人公のパートナーになった際に見る様なサイズですね」
「おお!こいつもカッコいい!どんな奴ッスか!」
「海竜型の成熟期デジモンだよ。しかし、やはりヤミーだからか、幼年期から段階をすっ飛ばしてるね……」
現れたのにゼンカイジュランは驚き、ゼンカイザーとゼンカイブルーンが珍しそうに見ている中で自分に擦り寄るシードラモンに対して聞くウィスプにW(フィリップ)は簡略に答えてから興味深そうに観察する。
「シャア~♪」
「おお、どうやらコアエナジーをたっぷり入れられたからむやみやたらに暴れていたみたいッスね」
(君だからと言う可能性もありえるけどね……)
(横島ホイホイ強過ぎだろ……)
(ホントに横島には卵を与えん方がええな……)
頭を摩り寄せるシードラモンを優しく撫でて上げるウィスプにジャスティス、ホロウ、カオスは各々に心の中でぼやく。
ーぎゃおぉぉぉぉぉぉぉん!!!ー
直後だ、けたたましい雄叫びが聞こえて来たのは……
「おわ!?なんだ!?」
「まさか、さっきアイやウヴァが言っていた大型ヤミーか」
突如響いた雄叫びにゼロワンは驚き、ゼンカイレッドが聞こえて来た方の扉を睨んだ後に誰もが頷いてからWとバルカンが扉を開けて進む。
そこは大きく広がった大部屋で、ガラスで仕切られた先に、そいつはいた。
全身を赤い装甲で身を包み、背中に巨大な砲門を備えており、無機質な赤い瞳は入って来たW達を捉えるとその強靭な口を開かせて吠える。
ーぎゃおぉぉぉぉぉぉぉん!!!ー
「うわ、うるさっ!?」
「映司さん、こいつは知ってるのか?」
「ムゲンドラモンみたいだけど、亜種なのかな?ゼンカイジャーの皆は知ってる?」
「確かこいつはカオスドラモンだけど……角に黄色の線があるって事は……」
「もしかしてカオスロードッスか!?こいつまで作られてるってマジヤバッス!!」
耳を抑えるツーカイフリントの後にクウガは確認し、オーズも知らないのかゼンカイジャーに話を振って、記憶から当て嵌めたゼンカイザーの後にゼンカイマジーヌが頬を抑えながら目の前の存在に絶叫する。
「そんなにヤバい奴なのか?」
「ゲーム的に言えばちゃんと育ててないと勝てない相手ですから、とてつもなく強いかと!」
(つまり究極の魔体並みの可能性があるっちゅう事か……なんとも厄介過ぎであろう……!)
質問するゴーダにゼンカイブルーンはそう返し、カオスは逆行する前に対面したのに当て嵌めて呻く。
そんなカオスロードに天井からコアエナジーを帯びたセルメダルがドンドン流し込まれる。
「こいつも過剰摂取状態にされてる状況か?」
「そうなると、今送られている以上にさらに過剰に摂取させれば、不安定になるかもしれない……実に興味深いね」
「お前な……だけどさらに過剰摂取させるのは名案かもな!流石相棒!」
「確かに、想定以上に過剰に摂取させれば自己崩壊を起こして倒しやすくなるかもしれん」
興味深そうに見ながら呟くツーカイザーの続いたW(フィリップ)のにW(翔太郎)は指を鳴らし、カオスもカオスロードを見ながら追従する。
【それでしたら、先ほど通った部屋に実験用のコアエナジー活性剤がある筈です!それで今カオスロードに送られているコアエナジーを増幅させられます!それを供給装置にセットすれば……!?皆さん気を付けてください!右前方から巨大なコアエナジー反応接近!数は2です!】
誰もがその言葉に身構えると一行の前にその姿を現す。
1体は全身が黒とシルバーグレーの装甲に包まれた竜人。
もう1体は全身を黒とグレーに染めて、肩から赤い紐が伸びている道化師
「あれはウォーグレイモンにピエモン!?」
「と言うかこの流れ的にカオスグレイモンとカオスピエモンっス!」
【カオス三将軍の残り2体も来たっチュン!!】
「大将を守る為に来た感じか!」
現れたのに驚くオーズの後にゼンカイマジーヌとセッちゃんは叫び、バルカンはオーソライズバスターを構える。
そんなメンバーへと2体は構える。
次回、第53の章:混沌の竜人と道化師