GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!! 仮面ライダーメモリークロスヒーローズ 作:鳴神 ソラ
前回から少しして、1号達はWやジャスティスからこれまでの事を聞き、1号は成程と納得する。
「邪眼以外でもそんな事が起きていたとは……」
「我々が時空を超えて戦った時と似てますね先輩」
そうだなとV3の言った事に1号は同意する。
「そうなんですか?」
「ああ、邪眼に利用された科学者、田所博士は奴の依り代となる究極の人工生命体を作らされていたんだ……再び蘇った奴がしている事はあの時の戦いに似ている……」
「今回は時間をかけずに急成長させていたデジモンヤミーを利用して復活しようとしていた。ホントに危機一髪だった」
「確かに、奴がコアエナジーを過剰摂取していた事で不安定化していたカオスロードをカオス三将軍のメダルを使って無理やり安定化なんてさせていなければ僕達も危なかったね」
聞くウィスプにV3と1号は答え、W(フィリップ)の言葉にウィスプはゾッとする。
【邪眼が介入したせいで分かり難かったですが、ゼウス博士はもしかすると、まだ過剰摂取の制御はできていないかもしれません】
「君達の話を聞くとここはコアエナジーを過剰摂取させて暴走した個体からデータを採取する為の実験場だったんだろう。もしかするとその際に得たデータを分析する場所がある筈だ」
報告するアイのを聞いてRXがそう述べる。
「ねえねえ、もしかしてあいつの後ろ側の入り口の先とかにあるんじゃない?」
【そうです。あの入り口の先に研究データや資料などが保存されているデータセンターがあります】
「オッケー、そういう事なら早速そこに行こう!」
辺りを見ていたツーカイフリントがそう言って指さした先の入り口を見てアイが肯定し、ゼロワンは歩き出す。
「あ、この世界の横島君」
「?あ、えっと、五代さんで良いんですよね?」
誰もが続く中、最後尾になった五代クウガがウィスプに話しかけ、ウィスプは小野寺クウガと一緒にいたのもあって確認する。
「うん、五代雄介だよ……やっぱり、君は、クウガに似てるね」
「クウガに、ですか?」
頷いてからウィスプを観察して何かに納得している五代クウガに観察された本人は戸惑う。
「横島君、俺から言えることは……痛みを忘れないで欲しい」
「痛みを……ですか?」
突然告げられた事に呆気にとられるウィスプに五代クウガは自分の手を見る。
「俺はね。中途半端や拳を振るうのはとっても嫌いなんだ……殴った時の感触は……例え相手がなんであろうと、守るためとはいえ暴力を振るわなくてはいけない時にやったあの感触は好きになれないんだ……」
「…………」
その言葉に込められたのにウィスプは言葉が出なかった。
心眼もまた、それが綺麗事であると分かってはいるが言葉に出せなかった。
目の前の人物はその事を分かっている……だけど、誰かを傷付けている者がいるのならば、その為に嫌っている拳を振るう。
誰かの笑顔を守る為に、己の嫌う暴力を使うと言う男にウィスプは過去の時代での月神族との戦いを思い返す。
目の前の男の痛みを忘れてはいけないと言う言葉を当て嵌めて、手が震え始めた。
「……俺、凄く怖くなりました。自分が怒った相手に一方的にやった事、相手が楽しんでいたからって、理由を付けて、そうやって殴り続けた自分の姿に……」
「……それで良いんだ。俺は君を責めてる訳じゃない。ただ、戦うからには、拳を振るう事で起こる痛みの重さを忘れてはいけない……そして優しさを捨てないで欲しい」
手の震えをなんとか抑えながら言葉を絞りだしたウィスプに五代クウガは優しく声をかける。
「五代さん……」
「大丈夫!その痛みを忘れない君ならね」
そう言ってサムズアップする五代クウガにウィスプは1号とはまた違う偉大な先輩だと感じる。
「これ、俺の得意技で俺の恩師から教わった古代ローマで満足できる、納得できる行動をした者にだけ与えられる仕草だよ」
「はは、すげぇですねそれ」
笑顔で言ってるだろう五代クウガにウィスプは笑う。
【なお、中南米の国々ではサムズアップは侮蔑を意味する仕草になるから、その国の者の前ではやらない様にな】
「ちょ、心眼……」
「良い相棒だね……あ、そうだ横島君、何も入ってない眼魂を俺に渡してくれないかい?」
そんなウィスプへと心眼は注意し、台無しだよと言うウィスプへとクウガは笑ってからそうお願いし、ウィスプは言われた通りにブランク眼魂を渡し、五代クウガは力を籠めるとその眼魂は黒く輝き、黒いクウガの眼魂へと変わり、五代クウガはその眼魂をウィスプに差し出す。
「これは俺の願いを込めたんだ。怒りのままに誰かを傷付けず、誰かの笑顔を守る為に、戦う君を見守り続けたいと言う願いを込めてね」
「五代さん……俺、五代さんの様に出来ないかもしれないけど、それでも、オレ、怒りのままに傷付けない様に、親しい人達を守りたい……この眼魂に誓って行きたいと思います!」
受け取ったクウガ眼魂を手にウィスプはそう宣言する。
頷いた五代クウガはそれじゃあ行こうと言い、ウィスプもはいと答えて後に続く。
☆
ゲートを通り抜けた面々は少しの通路の後に円形の部屋を目にする。
見渡せば天井まで高く、上に通路と思われるのがある。
そして視線を下げて正面に戻せば、中央に情報を映し出すだろう黒い台の上に設置されたモニターとキーボードがあり、そんなモニターを囲む様に端末が複数設置されている。
「ここがデータセンター……」
「すっげー!最先端のデータ処理設備だ!機密データが、ここから“出ーた”ら良いんだけどな……」
「そりゃあここデータが出るんだから出るに決まっとるやろ!!」
「「はい、アルトじゃ~ないと!!」」
呟いたオーズの後にゼロワンが言った事にウィスプがツッコミを入れてから同時に正面を指差す2人に何してんだお前等とディケイドとホロウは呆れ、バルカンは笑わない様に体を震わせる。
「君、ひょっとしてデータと出た「ウォッホン!!こ、ここならゼウスの革新に迫る情報があるかもしれねえな」」
「けど、多過ぎゼンカーイ!!」
「確かにこれは骨が折れそうっス……」
「なあに、こんなに人がいるんだ。手分けして探して行けばすぐに見つかるさ」
「良いね。こういう極上なお宝探しは得意分野だ」
「ヨホホーイ!なら探しに探しまくってやろうじゃないか」
何かを言おうとした相棒を遮ってW(翔太郎)は見渡して言い、ゼンカイザーとゼンカイマジーヌは思わず嘆くが1号がゼンカイザーの肩を叩いて励まし、MRトリガーダークは楽し気に指を鳴らし、ツーカイザーも乗っかる。
【でしたら、私が各端末で厳重に管理されているファイルをリストアップしてみます。それなら時間を短縮できると思います】
【オイラも手伝うっチュン!】
「頼んだぜアイ!」
「では、探索開始だ」
そう申し出るアイにセッちゃんも乗っかり、W(翔太郎)の後に1号が号令する。
早速、メンバーは散らばり、端末を調べ上げて行き、アイとセッちゃんにより見つけ出されたファイルを中央の端末へと持って行く。
「これだけ見て、重要そうなのが2つだけってな……」
「まぁ、あまり多過ぎるのも骨がおれそうだしね……」
ぼやくホロウにジャスティスが苦笑する中、2つのファイルをアイはロックを解除して行き、あるファイルのに声をあげる。
【!?これは……事故の前日にゼウス博士が書いた記録です!】
「おお!いきなり重要な奴が来たんじゃない?」
「僕らの世界にあった時に閉鎖の原因となった事故の詳しい経緯が分かるかもしれない。読んでみよう」
喜びの声をあげるジオウの後にW(フィリップ)のにそうだなと返した後にW(翔太郎)は読み上げる。
「なになに……『いよいよ明日、ムチリの創造実験を行う……やや不安定な数値も散見されるが誤差の範囲だ。結果に大きな影響も出ないだろう……成功すれば他のグリード創造も容易く行えるだろう……このプロジェクトは財団内の注目度も高い。盟友であるアイダ博士も島に来てくれた。彼女はナビAIのメンテナンスだと言っているが、実験に注目している事は一目瞭然だ。財団、そして彼女の期待に応える為にも、実験の失敗はもちろん、遅延も許されない……』」
「ムチリは事故が起こる前から作られる事が決まっていたのですね……」
「しかも他の新世代ってほざいてやがるグリード共も同じか……」
読まれた事にゼンカイブルーンは顎を摩りながら呟き、ウヴァは不機嫌に呟く。
「アイダ博士とは盟友か……それなら彼女がセクター内を調べ回れた理由も納得が行きますね」
「そうじゃな。分野は違っておるが天才同士故にウマが合ったのであろうな……」
「けどこれってゼウスの計画について書かれてないね」
「まぁ、事故前の日誌だし、アイダ博士との関わりをより知れたから良くね?それにまだファイルがあるんだしよ」
文章を見ながら呟くジャスティスにカオスは同意した所でゼンカイガオーンが残念そうに言う中でゼンカイジュランが窘める。
「次のは……事故の後の記録だな……『まさか、実験が失敗してしまうとは、不死身化の為に供給した大量のコアエナジーに耐え切れず、ムチリは暴走し、爆発、私も瀕死の重傷を負ったが、ゼウスメモリによって一命を取り留めた……】
「ムチリの奴、1回誕生させられてたのかよ!?」
「しかし、内容を見るからにまだコアエナジーの扱いに慣れていなかった故に起きてしまったと言う事だね」
驚きの声をあげるウィスプの後にディエンドはそう言ってから欲張った故だね……と肩を竦める。
「なっ!?」
「どうしたんだ翔太郎さん?」
「何か衝撃的なのがあったんですか?」
続いての文章を見て驚きの声をあげるW(翔太郎)にホロウとトリガーは聞く。
「『しかしアイダが……
「ええ!?」
「アイダ博士は、もう死んでると言う事か……」
告げられた事に誰もが驚き、1号は静かに呟く。
「まだ続きがあるね……『同じレベルで語り合える盟友を失う事がここまで苦しいとは……私は、生き残ったアイダの助手と名乗る女と共に計画の目的を変更し、ムチリをベースに、アイダを復活させる事を決意する』」
「復活……だと?」
「成程、邪眼はそれを利用して……」
「ってかここで新しい人物が出て来たな……」
続きを読み上げたW(フィリップ)の言った事にV3は反応し、RXも納得する中、ホロウはめんどくさそうに頭を掻く。
「……『ムチリの不死身な肉体があれば、アイダを二度と失う事は無い。失敗の原因も分かっている。問題は彼女の頭脳だ……肉体は消滅した。あの頭脳を再生させる事が出来るだろうか……』」
「事故に巻き込まれたアイダ博士の復活、それがゼウスがこの事態を引き起こした切っ掛けか……」
「…………」
腕を組んで呟くバルカンのを聞きながらウィスプは顔を伏せる。
先程まで、ウィスプはゼウスの事を身勝手な存在で月神族と同類とも思っていた。
だが、先ほどの記録を聞いて、ウィスプの脳裏に過ったのは過去でガープによって殺されるジャンヌオルタの姿であった。
自分ももしも復活させれると聞いたら、どうなっていただろうかと思わず考えてしまう。
(それに、ゼウスってもしかしてアイダ博士の事……)
「これで元々の依頼は永遠に果たせなくなっちまった訳だ……」
考えていたウィスプはW(翔太郎)の残念がる言葉に意識が浮上する。
【翔太郎さんっ!?まさか!この事件から手を引くんですか!?】
「何言ってんだ!こんな世界を跨いだ大事を今更手を引くわけねえだろ……つーか、なにビビってるんだ?アイ?」
慌てるアイにW(翔太郎)は力強く返してから少し茶化す様に声をかける。
【それが……先ほどから、私の処理が不安定なのです……どうしてでしょうか……】
「それってさ、生みの親のアイダ博士が死んじゃったのを知って悲しいんだよ」
「そう言えば情報交換のでアイはアイダ博士に開発されたから生みの親の死を知って動揺しちゃうのは仕方ないよ」
戸惑いを見せるアイにゼンカイザーはそう言い、アギトも慰める。
「そう言われると、改めてアイのAIは高度なんだなって感嘆しちゃうよな」
「おい社長。ゼウスの計画を阻止しなきゃならないんだ。そう言うのは後回しにしておけ」
興味深そうにアイを見るゼロワンにバルカンが注意する。
「計画が進んでいると言っていたからゆっくり出来ないのは事実だな」
「そうだな……アイ、生みの親の死を知っちまった事で動揺してる所悪いが引き続き頼んだぜ」
【はい、ですが、ここに暴走制御に関する資料はないようなので、上のフロアへ向かいましょう】
「上に行くって……どうやって行くんだよ?」
「そりゃあやっぱ、飛ぶ奴に変身するかこれじゃないか?」
アイの言った事に見上げた小野寺クウガはFFRカードを見せるディケイドにだよな……と頬をポリポリ掻く。
「隠しエレベーターがあるかもしれんから探すのもありかもしれんぞ」
「まぁ、飛べる奴のは最終手段として早速……」
探そうとジャスティスが言おうとした瞬間、一陣の風がメンバーを駆け抜ける。
直後……何かがぶつかる音が響きわたる。
「がはっ!?」
「!?或人!!」
続けて聞こえたゼロワンの声に誰もが慌てて振り返る。
そこには壁に叩きつけられたゼロワンと、そんなゼロワンの首を掴んでいる存在がいた。
その存在を見てバカなとバルカンは呟く……
「ふ、不破さん。或人さんを掴んでるの知ってるんですか?」
「ああ……なぜだ。なぜ
怒声を発するバルカンに呼ばれた存在、仮面ライダー滅亡迅雷は振り返り……
《仮面ライダーの抹殺を開始する》
無機質な複眼を輝かせて英語で告げる。
※:作者は英会話が苦手なので滅亡迅雷の《》で喋っているのは英語で話してると認識してください。
次回、第57の章:操られし滅亡を望む者