それではどうぞ!
※オリ主の名前を修正しました。名付け親のフォロワーさんから頂いた名前と少し違っていたので…申し訳ない(´・ω・`)
無敵の絶対王者ことダンデが初の敗北を喫し、ダンデを倒したハロンタウン出身の新チャンピオンがこれからの未来を引っ張っていくガラル地方にて、とある噂話が流行していた。まだ見ぬポケモン達が多く生息する極寒の雪原で
そのトレーナーを見た事がある現地の方の話によれば、何処か遠く離れた地方に伝わる伝説に登場するポケモンを連れており、トレーナー自身の服装も現代風のアレンジが加えられている青いスーツと謎の石がはめ込まれた青いグローブをしているらしい。
極寒の雪原ことカンムリ雪原は未踏の雪原。それ故に何処に危険が潜んでいるかは不明である。それ相応の実力を備えたポケモントレーナーでなければ全滅は免れない。それこそ、ガラルの元チャンピオンや新チャンピオンのような卓越した実力者でない限りは。
いち早くその噂を聞きつけたダンデは、その噂の真偽を確かめてもらうべく早速新チャンピオンのスマホロトムに電話をかける。
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時を同じくして、シュートシティにてダンデ主催で新たに開催されるトーナメント、『ガラルスタートーナメント』に参加するべくシュートシティに向かう少女が居た。
ローズの計画によって暴走するムゲンダイナを捕獲し、自分と同じハロンタウン出身のホップの兄であり無敵のチャンピオンのダンデを打ち負かして新たなチャンピオンの座に着いたユウリである。
チャンピオンの座に着いた彼女はヨロイ島でマスタードの修行を終わらせて次なる目的地であるカンムリ雪原にてまだ見ぬポケモンを見るべく雪原の中を駆け回っていた。
その最中、カンムリ雪原で知り合ったピオニーが落としたと思われる謎のメモを届けた後の事。豊穣の王ことバドレックスの元に向かおうとした時、突然スマホロトムが懐から飛び出る。着信を受け取ったらしく、その相手は言うまでもなくダンデだった。
(……あれ? ダンデさんから電話なんて珍しいな。一体なんなんだろ?)
疑問に思いながらも通話ボタンをタップし、ダンデとの通話を繋げる。内容は至って簡単、ガラルを盛り上げる新たな催しを考えた為、シュートシティに来て欲しいとの事。
三度の飯よりバトルが好き、と思われても仕方ない程にバトルが好きなダンデが考えたものだから、新たな催しもポケモンバトルに関連するものだろうなと思ったユウリは、待たせちゃ悪いとそらとぶタクシーでシュートシティへと向かった。
「……あら? 人の気配があったから何かと思ったのだけれど……まぁ、しょうがないわ。引き続き波動の修行を続けましょうか、ルカリオ」
───ユウリを乗せたタクシーが空を飛ぶ光景を、謎のトレーナーとそのトレーナーがルカリオと呼ぶ、全体的に青を基調とした獣人のような見た目をしたポケモンの二人が見ている事も知らずに。
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そらとぶタクシーであっという間にシュートシティのスタジアムに着いたユウリは早速中に入る。ダンデに代わる新チャンピオンの登場に彼女のファンは黄色い声援を送るが、ユウリの目的は自分のファンに会いに来た訳ではない。
「えーと……ダンデさんは何処に居るのかな…?」
自分をシュートシティに来るように促した張本人であるダンデの姿を探す。チャンピオンの座を降りてもなお、ポケモンリーグの委員長に就任したダンデの服装はチャンピオンの時の服装と大きく変わって赤を基調としたスーツ姿。故に見つけやすい筈なのだが、彼には致命的な欠点があった。
ダンデは
「リザードンが何処かに居る筈だけど……流石に室内には出してないかな」
彼を探す上で一番簡単なのはリザードンを探す事。リザードンの傍には必ずダンデが居るからだ。しかし、シュートスタジアム内ではリザードンの姿が見えない。探すべきなのか、又は大人しく待っているべきなのかを迷っていれば、彼の方からやって来た。
彼にしては珍しく迷わなかったようで、ユウリを見つけるなり満面の笑みを浮かべて駆け寄ってきた。ダンデの笑顔を見るのは久々な気がする、とユウリが思ったのは言うまでもない。
「急に呼び出してすまなかったな、ユウリくん」
「いえ、大丈夫です。それで、ダンデさん。緊急の話とは一体?」
ユウリに言われてそうだった、とダンデは自らが主催する新しいガラルの催し物……『ガラルスタートーナメント』の話をし始める。
年に一度の一大エンターテインメントであるジムチャレンジも終わり、ユウリが新チャンピオンに君臨してから幾日が経った今。ガラルには新しい刺激が必要だと思い至った為、それならチャンピオントーナメントに替わる新しいトーナメントを開けばいいというなんとも安直な考えで開催を決定したとの事。
ダンデらしいと言えばそこまでだが、ファイナルトーナメントにて戦ったジムリーダー達は勿論、ユウリが旅の中でこれまで出会ってきた人達とも再戦が出来るようにするらしい。
「という訳だ、ユウリくん。どうだろう?」
「新しいトーナメント……楽しそうですね、ダンデさん」
玩具を与えられた子供のように活き活きと喋るダンデを見ながら、新しく開かれるトーナメントの概要を聞いていたユウリ。バトルジャンキーでは無いが、彼女もポケモンバトルは好きなのだ。
ダンデ主催のガラルスタートーナメントに早速参加したい、とダンデに言うユウリだが、少し待ってほしいと言われる。一体何故なのか、と思っているユウリを他所目に、ダンデはある頼み事をした。
「実は、俺にとって凄く気になる噂を聞きつけたんだ。ユウリくんには悪いが、トーナメントに参加する前にその噂の真偽を確かめに行って欲しい」
「噂……ですか? それはどういう……」
「噂の出処はカンムリ雪原。なんでも、カンムリ雪原に謎のトレーナーが居るという噂があってな……ガラルには数多くのトレーナーが居るから何ら不思議じゃないんだが、問題はそこじゃないんだ」
「……というと?」
「俺達ガラルのトレーナーが使うダイマックス。ガラルでは最早お馴染みになっているが、噂になっているトレーナーはダイマックスとは違う力を使うらしい。それを聞いたらこの目で見たいと思ってしまったんだ」
「ダイマックスとは違う力を使う、謎のトレーナですか……」
ダイマックス。ユウリやダンデを含めた一部のトレーナーが使う力。ガラル粒子と呼ばれる赤黒い素粒子と、ねがいぼしという鉱物が組み込まれたアームバンド型デバイス『ダイマックスバンド』を用いる事でバトル中、任意のタイミングを以て使用可能になる力の事を指す。
各町に存在するジムスタジアムやワイルドエリアに点在するポケモンの巣穴など特定の場所でしか使えない力だが、その効果は歴然。
ポケモンの身体がトレーナーの何十倍にも大きくなるだけでなく、覚えている技も大幅に強化される。更に、一部のポケモンはダイマックスすると姿が大きく変わって専用の技も使えるようになる。『キョダイマックス』と呼ばれるものだ。一部のポケモンしかキョダイマックスは出来ないが、それを抜きにしてもダイマックスは強力な力だ。
ガラルのポケモントレーナーである自分達にとってはダイマックスは最早見慣れた力なのだが、
「つまり……カンムリ雪原に居るとされる謎のトレーナーを探して、ダンデさんの元に連れて来ればいいという事ですか?」
「そうだ。そのトレーナーの特徴は青いスーツを着込み、傍らには獣人のような見た目をしたポケモンを連れているらしい。名前までは分からなかったが……」
「獣人のような見た目のポケモン…?」
ポケモンというのは多種多様な姿をとる不思議な生き物。姿によって生息地が大きく変わるのも特徴の一つ。中には人に近い姿をとるポケモンも居るのだから驚きだ。そして、ダンデが興味を示している謎のトレーナーのパートナーポケモンも人に近い姿をしているのだそう。
それはそれとして、ガラルスタートーナメントに参加する前にそのトレーナーが本当に居るのかどうかを探ってきて欲しいと頼まれたユウリは再び極寒の雪原に舞い戻った。バドレックスが待っている城の跡地近くの山道に降ろしてもらい、謎のトレーナーがよく訪れるというフリーズ村に向かう事に。
雪が降りしきる雪原を自転車でかっ飛ばし、フリーズ村に来たユウリはまず情報収集をしようと付近の村人から話を聞いて回る。すると、村人達は揃ってそのトレーナーを何度か見かけた事があるのだという。そして、そのトレーナーの傍らにはダンデのいう獣人のようなポケモンが従者のように付き添っているという情報も得られた。
「半信半疑だったけど、噂は本当だったんだ……」
そんな事を呟き、情報をくれた村人達にお礼を言ったユウリ。次なる目的地は見たことも無い鳥ポケモン達が集っていた巨木が聳え立つ丘の近くにある洞窟。村人達の話によれば、
とはいえ、探し人の居場所が分かっただけでも大きな進歩だ、と考えたユウリは早速そこに向かう事にした。新たな出会いに胸を躍らせながら。
(一体どういう人なんだろ……楽しみだな)
そう思いながら、目的地に向けてユウリは自転車で駆け抜ける。
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後にガラル三鳥と呼ばれる事になる三匹の鳥ポケモンが集う巨木が聳え立つ丘『ダイ木の丘』の周辺に広がる『ボールレイクの湖畔』の一角にある洞窟。暗い場所を好むポケモンが暮らすその洞窟にて、一人の人間と一匹のポケモンが居た。
背中まで届く黒い長髪に青いスーツを着こなし、スタイルも良いその人物の傍らでは、リカオンのような獣人のような凛々しい容姿で二足で立つポケモンが戦闘態勢に入っていた。全体的に青を基調とした身体で、頭部の大半や四肢の先端などは黒くなっており、胴回りの体毛のみ薄い黄色で、手の甲と胸には白いトゲ状の爪がそれぞれ1本ずつ付いている。
そのポケモンは真っ直ぐ正面を見据えている。その視線の先には全身を鎧で覆った角竜のような容姿をしたポケモン、コドラの最終進化である『ボスゴドラ』が居た。此方も同じく戦闘態勢に入っているらしく、唸り声を上げて威嚇している。
「───ルカリオ、神速」
『了解した、我が主』
獣人のような凛々しい容姿のポケモンを『ルカリオ』と呼んだ人物───
ボスゴドラは目の前に居た筈のルカリオを見失い、四方八方に『アイアンテール』を繰り出す。しかし、何度アイアンテールを繰り出そうとも目にも止まらないスピードで動き続けるルカリオには当たらず、一瞬の隙を突いたルカリオの一撃がボスゴドラの腹部に炸裂した。
だが、ボスゴドラには対して効いていないように見える。それを察知したルカリオは大きくバックステップし、一旦距離を取る。それを見ていたナジレは呟く。
「うーん……見た感じあんまり効いてなさそう? となると、あの子に対して使った貴方の神速は大したダメージを与えられてないって事ね」
『そのようだ。どうする、我が主よ』
ポケモンの世界にはタイプによる相性が存在する。ルカリオが使った神速はノーマルタイプに分類される技であり、それを受けたボスゴドラのタイプは『いわ』と『はがね』の複合タイプ。
それぞれノーマルタイプの攻撃には耐性がある為、神速をまともに受けたにも関わらずボスゴドラが平気そうにしていたのはその為だ。分かりやすく言えば『効果はいま一つ』だろう。
「それなら……ルカリオ。神速で躱しながら波動弾の準備」
『───御意!』
戦闘態勢を崩さず、身構えているルカリオに対してナジレは次なる攻撃を命じる。それに頷いたルカリオは深く腰を落として両手を腰にひき、鳥の
己の命を懸けた、まさに必殺の一撃がルカリオに迫る。だが、その瞬間ルカリオの姿が消えた。先程も行った神速を回避に応用したのだ。先程と同じように標的を見失ったボスゴドラは突進の勢いを止められず、そのまま洞窟の壁に衝突する。もろはのずつきは強力な大技というのもあるのだが、強力故にデメリットも存在する。
当たれば大ダメージは確実な技の代わりに使用者本人にも反動が襲い掛かる技の筈なのだが、もろはのずつきを使ったまま洞窟の壁にぶつかったボスゴドラはそんなのは気にしていない、といった様子でナジレの方を向いた。身体を覆う鋼の鎧には傷一つ付いていない。それを見ていたナジレはある結論に至る。
(使ってきたのはおそらく『もろはのずつき』。もろはのずつきは威力が大きい反面、反動も大きい大技。でも、あの子にはもろはのずつきの反動で受けた傷は無い……もしかして、あの子の特性は『いしあたま』なのかしら? もしそうだとしたら、反動が無いのも納得出来るわね)
ポケモンは自身が覚えている技の他に『特性』という特殊な力を持っている。特性はポケモン一匹につき一つしか備わっていない反面、強力なものが多い。そして、ナジレの予想通りルカリオと戦っているボスゴドラの特性は『いしあたま』。
効果は単純明快、反動を受ける技を使用しても使用者本人には反動が来ないという特性。ボスゴドラのもろはのずつきが空振りに終わり、洞窟の壁にぶつかっても尚平気そうな顔をしているのはその特性のおかげである。
神速を使いながら『波導』と呼ばれるエネルギーを全身に巡らせ、両手に集約させて『波導弾』の準備を着々と済ませるルカリオの目にもボスゴドラの次なる行動が視界に入る。先程と同様にもろはのずつきの構えを取っていたのだ。そして、ボスゴドラはもう一度もろはのずつきを使ってきた。
それを見ていたルカリオは神速でボスゴドラの攻撃を回避する。先程と同様に洞窟の壁にぶつかるボスゴドラだが、そんなのはお構いなしといった様子で再び向き直った。もろはのずつきの反動はやはり無いようだ。その後ももろはのずつきを連発するボスゴドラ。避けるのは容易なのだが、一つだけ大きな問題がある。
(このままあの子を壁にぶつけていたら、洞窟そのものが崩れかねないわ……早期決着が望ましいのは確かね)
ナジレとルカリオ、そしてボスゴドラが戦っているのは洞窟。次に、ルカリオがボスゴドラの攻撃を避ける度にボスゴドラは洞窟の壁にぶつかっているという点。この状況が続けばいずれ洞窟自体が崩壊しかねない。
万が一洞窟が崩れればそこに暮らす野生のポケモン達の命が危険に晒されるだけでなく、生態系が崩れる危険性が高い。それを壊す事はあってはならないという考えに至ったナジレは右の手に嵌めている青いグローブに視線を落とした後、これはまだ使うべきじゃないと首を振り、ルカリオに最後の指示を飛ばす。
「次で決めるわ、ルカリオ! 次の攻撃を神速で躱したらトドメの波導弾!」
『───承知!』
神速でボスゴドラのもろはのずつきを躱したルカリオは、ボスゴドラが振り返る前にさっきまで躱しながら高めていた波導の力を凝縮させ、青く輝くエネルギー弾『波導弾』をボスゴドラ目掛けて放つ。極限まで高められた波導のエネルギー弾が振り向いたばかりのボスゴドラの腹部に命中した。
命中と同時に爆発を引き起こし、辺りを煙が覆う。やがて晴れればそこにはボスゴドラが立っている。先程の波導弾が効いてなかったのかとナジレもルカリオもそう思った。このまま長期戦にもつれ込んだとしたら不利になるのは此方側。故にナジレはいつでも動けるようにルカリオに波導を高める命を伝えておいた。
だが、ボスゴドラは一向にその場から動こうとしない。不思議に思ったナジレとルカリオは戦闘態勢を解いてボスゴドラに近寄ってみると、立ったまま気絶しているように見えた。
おそらく、ボスゴドラはルカリオの波導弾を喰らっても尚立ち向かおうとしたが、最後の最後で体力が尽きてしまったのだろう。動いてこないボスゴドラを見たナジレは一息ついた。
「……ふぅ。お疲れ様、ルカリオ。一旦休憩にしましょう。この子の手当もしておきたいし」
『うむ、我が主もお疲れ様だ』
「えぇ、ありがとう。それじゃ、こっちもパパっと済ませちゃいましょうか」
戦闘を終えた二人はそれぞれ休憩に入る。ルカリオはナジレから少し離れた場所で瞑想に入り、ナジレは気絶したボスゴドラの手当をする。野生のポケモンとはいえ、倒れたまま放置する訳にはいかないと思った故の行動だった。
二人がボスゴドラと対峙したのは訳がある。湖畔の洞窟にて波導の修行中だったナジレとルカリオ。その途中でルカリオが何者かの波導を感知したのだ。ルカリオの後頭部には左右二つずつ、合計四つの「房」と呼ばれる器官があり、そこで生き物が無意識に発している波導を感知出来る。
房によってルカリオが修行中に感じ取った波導は、『憤怒』に近いもの。それを感じ取ったルカリオが戦闘態勢に入ってすぐにボスゴドラが現れ、先程まで戦闘を繰り広げていたという事である。
「ん、これでよしっと。それにしても、なんでこの子は見境なく暴れていたのかしら……?」
慣れた手つきでボスゴドラの手当を終えたナジレは、ボスゴドラが暴れていた理由について考えを巡らせる。山一つを自身の縄張りとし、そこを荒らす者に対しては容赦なく襲い掛かるボスゴドラだが、山が荒れると土を運び、木を植えて、綺麗に掃除するというなんともエコな生態を持つポケモンなのだ。
二人の修行場でもある湖畔の洞窟にはボスゴドラ以外にも様々なポケモンが住んでおり、ボスゴドラの縄張りとは考えにくい。戦ってる最中の波導には人の手が加えられている不可解な点は見受けられなかった。となれば、この地特有の何かが影響していると捉えた方が妥当だろう。そこまで考えた所で一旦考えを止める。何者かの気配を感じたからだ。
気配がした方向に振り向くと、そこには探検家の服装に身を包んだ少女と少女のパートナーと思われるウサギの獣人のような人間に近い体型のポケモンが居た。如何にもサッカーが好きそうな、見たこともないポケモンを連れた少女は、ナジレを見るなり驚きの声を上げる。その声を聞いたナジレは優しい笑みを浮かべ、少女に声をかけた。
「やぁ、可愛いトレーナーさん。その様子から察するに、私を探しに来た……ってことかしら?」
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ボールレイクの湖畔にある洞窟。そこに向かっている最中、地響きが聞こえてきた。それに混ざってポケモンの雄叫びも聞こえてくる。誰かがそこで戦っているのだろうか、と自転車をかっ飛ばす。そうして、無事に洞窟の前に辿り着いた時。一際大きい爆発音が耳をつんざく。
ユウリは咄嗟に耳栓で鼓膜を護ったが、ユウリの相棒であるエースバーンはその爆発音をまともに聞いてしまったらしく、少しの間怯んでしまっていた。その事に気づいたユウリは慌ててエースバーンをボールに戻し、回復するまで休ませることに。
(さっきの爆発は、一体……?)
エースバーンを戻したユウリは洞窟の入り口から中を覗く。洞窟の中は暗くてよく見えなかったが、ほんのりと青い光が見えている事に気づく。その正体が何なのか知りたいと思ったユウリは意を決して洞窟の中に足を踏み入れた。
音を出さないように慎重に歩き、光が見える場所に視線を送る。その先にあるのは、立ったまま動かない二足歩行の角竜のようなポケモン『ボスゴドラ』の手当をする女性とそこから少し離れた場所で瞑想をする獣人のような凛々しい容姿のポケモンが居た。
その二人を見て、ユウリはダンデから聞かされていたカンムリ雪原に居る謎のトレーナーの噂の事を思い出す。ボスゴドラを手当している女性の服装は噂通り青いスーツを着ており、女性のパートナーポケモンと思われる獣人のような凛々しい容姿のポケモンも、噂に出てくるポケモンの特徴と合致しているのだ。
(もしかして、この人がダイマックスとは違う力を使うとされる謎のトレーナー……なのかな?)
そんな事を思っていれば、先程の怯みから回復したエースバーンが外に出てくる。それと同時にボスゴドラの手当を済ませた女性が此方の方を向いて笑みを浮かべ、声をかけてきた。
「やぁ、可愛いトレーナーさん。その様子から察するに、私を探しに来た……ってことかしら?」
「あ、はいっ! カンムリ雪原に謎のトレーナーが居るって噂があって、村の人達から此処に居るんじゃないのかって情報を頂いて……」
「え、私の事はもう噂になってるんだ? へぇ……それは嬉しい、かも?」
自分の事が既に噂となってあちこちに広まっていると知った女性は、喜ぶべきなのかそうではないのか、といった様子でいる。暫し考える素振りを見せた女性は「まぁいいかな?」と呟いてユウリの元に歩み寄った。
背丈はユウリより大きく、スタイルも良い。まさに大人の女性といった雰囲気を醸し出す女性は、瞑想を続ける獣人のような凛々しい容姿のポケモンを呼びに行き、すぐに戻ってきた。
「さてと、せっかく会えたのだから自己紹介しなきゃね。私はナジレ。そして、私のパートナーポケモンのルカリオ。よろしくね」
「ナジレさんに、ルカリオ……あっ、私はユウリって言います。こっちはエースバーン。よ、よろしくお願いします!」
「ユウリちゃんにエースバーンね? えぇ、よろしく」
ナジレはユウリに手を差し出し、ユウリはナジレの手を取る。互いに握手を済ませた後、ユウリはナジレに探していた理由を簡潔に話す。
「なるほどねぇ。ダンデっていう人に頼まれて私を探しに此処まで来た、と」
「はい。噂によれば、ナジレさんは
噂のトレーナーことナジレは見つける事が出来たのだが、人には事情というものがある。それを無視して強引に連れていく事など出来ない。しかし、ナジレの答えは予想外のものだった。
「構わないわよ? 私達の修行って言ってもどこでも出来るもの。今回は偶然此処で修行してたってだけだし、ね♪」
「え、いいんですか!? じ、じゃあ……私はダンデさんに連絡してきますね!」
ナジレの返答に戸惑ったものの、そう言ってエースバーン共々ユウリはダンデに連絡を入れるべく洞窟を後にする。その後ろ姿を見送っていたナジレにルカリオは疑問をぶつけた。
『良いのか、我が主。ダンデという人物に会っても』
「野生のポケモンと戦っても経験は積めるけど、より多くの経験を積むならやっぱり対人でなきゃ。それに、ユウリちゃんがいうダンデって人に興味があるのよ。個人的にね」
『主がそう言うなら……了解した』
「嗚呼、そうそう。貴方の事だから大丈夫だと思うけど……
『分かっている。我が主も
「えぇ、勿論♪」
そんなこんなでユウリが戻ってきたのを確認したナジレはルカリオと共にユウリについて行く。ユウリが呼んだそらとぶタクシーに乗り、ダンデが待つシュートシティのスタジアムに。絆の力が織り成す『進化を超えるシンカ』がガラルの地に降臨するまで、あと少し。
今回のオリ主であるナジレさんの容姿は、ダイパに出てくるトレーナーであるゲンを女性っぽくした感じです。ゲンもルカリオ使いなので、私の描くオリ主のイメージにピッタリでした。
次回はダンデとの邂逅及びバトルシーンをメインに書いていきます。
それでは、また次回(・ω・)ノシ