作者の励みになります
−ネェル・アーガマ 食堂−
獣戦基地から宇宙に上がったネェル・アーガマはインダストリアル7を目指して航行している
ネェル・アーガマの食堂では恵那がカミーユ達と一緒に食事をしている
ファ「どう恵那?少しは無重力に慣れた?」
恵那「はい…でもやっぱり変な感じです…」
カミーユ「恵那は地球の重力に慣れてるから仕方ないさ。少しずつ慣れていけばいい」
未だに無重力に慣れない恵那にカミーユがフォローを入れるようにそう言う
恵那「それより…ネェル・アーガマが目指しているインダストリアル7ってどんな場所なんですか?」
カミーユ「工業用のコロニーの筈だがネオ・ジオンは何故そんな場所に…」
インダストリアル7について恵那が訊ねるとカミーユは答えるが工業まだコロニーであるインダストリアル7をネオ・ジオンが向かっているのか解らずに考えていた
食事を続けながら恵那達はネオ・ジオンについて話し合っていた
カミーユ(ネオ・ジオンの目的は一体…何故インダストリアル7を目指す必要がある…行ってみないことには解らないか…)
ファ「恵那。さっきからピーマンをお皿の端に避けてないで食べなさい」
恵那「…美味しくないですもん…と言うかピーマン、人参、椎茸は食べ物じゃありませんよ!毒物です毒物!」
カミーユ「子供か!?…一体、ピーマン、ニンジン、シイタケに何の恨みがあるんだ…」
カミーユが考えを巡らせていると皿の端にピーマンを寄せていた恵那に気付いたファが注意するが恵那は一瞬、嫌な顔をすると真剣に拒絶の言葉を言う
そんな恵那の言葉を聞き、カミーユは思わずツッコミ、そして呆れていた
恵那「ピーマン、人参、椎茸を食べるくらいならネェル・アーガマの格納庫を十周する方がマシですよ!」
カミーユ「…どれだけ嫌いなんだ…」
恵那が立ち上がりながら言った言葉を聞いたカミーユが呆れていると食堂に由木が入って来ると恵那の方に向かって歩いて行く
食堂に入って来た由木に背中を向けている恵那は由木の存在に気付かず、背後に立った由木に肩に手を置かれ、由木の存在に気付く
恵那「あっ…由木さん。おはようございます?」
由木「えぇ、おはよう鷺森さん。じゃあ早速、格納庫のランニング十周…やってもらいましょうか?」
由木のその言葉を聞いた恵那は急いで逃げようとするもガッチリ後ろ首を掴まれ、引き摺られていく
恵那は目でカミーユとファに助けを求めたが二人は恵那のその助けを無視した
−ネェル・アーガマ 格納庫−
獣戦基地から搬入後、早乙女研究所の戦いで損傷していたアルテリアスの修理が急ピッチで行われていた
その隣ではウィングルやグラントルーパー、モビルスーツの整備が進められている
リディ「後少しでアルテリアスの整備も完了するようだ」
那月「ありがとうリディ君。結構酷くやられていたから…こっちも細かい調整を終わらせなくちゃいけないし」
リディ「君もそう言う所は真面目だな…所であのコンテナは何なんだ?」
コックピット内で細部の調整を進めている那月にリディはアルテリアスの近くにあるコンテナを指差しながらリディは那月に訊ねる
那月「この機体のパーツらしいわ。何でも博士から預かったアルテリアス用の新装備であの子の戦闘スタイルに合わせて博士が開発した武器らしいわ」
リディ「アルテリアスの新装備か」
コックピット内で細部の調整をしながら那月がコンテナの中身に付いて説明する
コンテナの中身の説明を聞いたリディは納得する
リディ「それで…件の恵那はあそこで一体何をやっているんだ」
那月「何の話?」
リディ「………」
アルテリアスのコックピットから顔を出した那月がリディに訊ねるとリディは無言であっちを見ろと親指で合図を出し、那月はその方向を見る
恵那「何でこうなるんですか!?」
由木「格納庫を十周走る方がマシって言ったのは鷺森さんでしょ?」
恵那「た、確かに言いましたけど…重り背負って何て言ってませんよ!」
由木「普通に走るだけじゃ特訓にならないでしょ?」
恵那「だからって…」
由木「つべこべ言わずにさっさと走れ!後、5周追加するわよ!」
恵那「…陸上部の練習に付き合ってる方がましに思える…」
重りを背負って格納庫を走る恵那は由木に文句を言うも恵那の訴えを受け流す
走りながら更に恵那は抗議の声を上げるも由木の言葉を聞くと黙って走り続ける
那月「知らないわよ…と言うかパーカー着たままよく走れるわね…」
重りを背負って走っている恵那を見るも那月は知らないと答えると細部の調整に戻る
リディ(さて…今向かっているインダストリアル7には何があると言うんだろうか。それに最近、インダストリアル7の宙域では次元歪曲現象がよく起こっていると聞く…何も問題が起こらなければいいが…)
−L3宙域−
ネェル・アーガマから一時離れ、ダンガイオーの調整の為にこの宙域に宇宙船を待機させているターサン博士の元にダンガイオーチームの四人は戻って来ていた
ターサン「数週間しか経っていないと言うのに随分と派手にやったの」
パイ「日が空いてたってつっても連戦続きだったんだ。仕方ねぇだろ」
ターサン「…まぁ、いいじゃろ…今からダンガイオーの調整に入る。待っておれ」
ミア「博士。私達はまたすぐに出なければなりません。急いでもらえると助かります」
ターサン「…一時間で仕上げよう。それまでは休んでおくといい」
ミアの言葉に答えたターサンはダンガイオーの調整に向かって歩いて行く
ランバ「一時間掛かるのね」
ミア「それでも急いでくれるのだし贅沢は言っていられないわ」
ロール「調整が終わるまでは休んでいよう。終わったら急いで向かおう」
ダンガイオーの調整に終わるまでの時間にロール達は体を休める事にし、四人はその場を離れていく
その間、ターサン博士はダンガイオーの調整を続けていく
−インダストリアル7−
オードリー「バナージ。ここまでで結構です」
バナージ「………」
工業コロニーインダストリアル7…そこにある工業専門学校に通う少年−バナージ−は助けた少女−オードリー−とともにオードリーを追ってきたネオ・ジオンの人間を振り切り、インダストリアル7内にあるビスト財団の屋敷まで来ていた
一緒に来ていたバナージに声を掛けたオードリーは屋敷の中に入って行くとバナージも追い掛けるように入っていく
オードリー「ここまでで結構と言ったはずよ」
バナージ「俺が勝手に着いてきているだけさ」
オードリー「好きになさい」
ビスト財団の屋敷の廊下を歩いて行くバナージとオードリーの二人。暫く歩いて行くと広い応接間の様な部屋に出る
バナージ(なんだろうあの絵…見覚えがあるような…)
部屋にある絵を見てバナージが考えていると部屋に一人の男性が入って来るとオードリーの元へと近付いて行く
男性「このような場所までお越しいただけるとは」
オードリー「挨拶は結構です。この屋敷の当主に話があります」
男性「そうでしたか。では当主の元へご案内させていただきます」
オードリー「バナージ。貴方はここまでで結構です。去りなさい」
男性と共にビスト財団の当主の元へオードリーはバナージにそう告げると部屋を出て行こうとする
バナージ「オードリー…!」
男性「彼女の言う通りだ。これ以上は君が関わるべき事では無い。立ち去りなさい」
オードリー「バナージ。ここまでありがとう。だけどこれ以上は貴方が関わるべき事ではないわ」
何かを言おうとしていたバナージにオードリーはそう告げると男性と共に部屋を後にする
一人残されたバナージはビスト財団の屋敷のもと来た道を戻り、屋敷を出て行く
バナージ(オードリー…君は一体、何を抱えて…)
屋敷を出て振り返りながらバナージはそう考え、ビスト財団の屋敷を後にする
バナージが屋敷を後にし、帰路に着いていると激しい揺れが起こる
バナージ「な、何だ!?爆発でも起こったのか!?」
突然、起こった激しい揺れにバナージは辺りを見回すも爆発が起こっている様子はなく煙も上がっていない
バナージ「何だったんだ今のは…地震か?」
バナージ(だけどコロニーで地震が起こるわけがない……オードリー…君は無事なのか?)
−ネェル・アーガマ 格納庫−
格納庫内にけたたましい警報が鳴り響くとオットーからネェル・アーガマ全体に通信が入る
オットー『各員、第一種戦闘配置。各パイロットはそれぞれの機体で出撃の指示が入るまで待機せよ!繰り返す…各員、第一種戦闘配置。各パイロットはそれぞれの機体で出撃の指示が入るまで待機せよ!』
オットーから出撃待機の指示が入ると格納庫を走り終えた恵那は素早くアルテリアスに乗り込む
那月「一体何なの…新しい武装の調整がまだ終わってないのに…!」
恵那「………」
オットーから入った通信に那月が毒突く中、恵那は機体のコンソールを立ち上げ、無言で何かを打ち込んで行く
那月「貴女、何をまた勝手に…」
恵那「…揺れたんです一瞬」
那月「は?揺れた?」
恵那「一瞬、宇宙が揺れたそんな気がするんです」
那月の疑問に恵那はそう答えながらもコンソールからは目を離さず打ち込んで行く
恵那「…これでよし。後は実戦でこの武装が何処まで通用するか…」
那月(あの短時間で武装の最適化を済ませた…本当にこの娘…)
取り付けられた新しい武装の最適化を済ませた恵那がそう言うと格納庫にパイロットスーツに着替えたカミーユ、ファ、リディ、由木、フェイがやって来るとそれぞれの機体に乗り込む
カミーユ『恵那。さっき宇宙が揺れたと言ってたな』
恵那「はい」
リディ『…次元歪曲現象か』
恵那「次元歪曲現象?」
フェイ『次元境界線が不安定になり起こる現象よ。その現象によってデフォールドのような事が起こるのよ』
カミーユ『インベーダーやボアザン星人、ゼラバイアにバジュラもそれによってこの世界にやって来たともに言われている』
聞き返した恵那にフェイが答えるとカミーユが説明を補足する
二人の説明に恵那は納得すると那月が口を開く
那月「じゃあ、今の第一種戦闘配置は…」
オットー『そうだ。我々が目指しているインダストリアル7付近の宙域で次元歪曲現象が確認された…よって我々はインダストリアル7に急行する。インダストリアル7ではネオ・ジオンとの戦闘が予想されるが先程の次元歪曲現象で何が起こるかわからん。パイロット諸君は気を引き締めよ』
那月の言葉にオットーが通信で答えると通信を切り、ネェル・アーガマはインダストリアル7に向かって急行して行く
恵那(インダストリアル7…一体何が起こってるんだろう…アタシも気を緩めるわけにはいかない)
第6話『ユニコーンの日』
次元歪曲現象が起こったインダストリアル7の宙域…空間が歪むと1機の巨大ロボットが現れる
現れた巨大ロボットの名はグランティード・ドラコデウス
フューリーの玉座機であるグランティードに神竜バシレウスが合体した姿のロボットだ
トーヤ「うっ…此処は…」
トーヤ(XN−Lを倒した後、俺達はクロスゲートを破壊して…いや、その時に光に包まれて…)
トーヤ「…!…テニア、シャナ=ミア!無事か!」
G・ドラコデウスのコックピット内でトーヤは同じ機体に乗っている二人の少女に声を掛ける
テニア「うっ…うぅ…トーヤ?」
シャナ=ミア「聞こえていますトウ=ヤ」
声を掛けられた二人の少女−テニアとシャナ=ミア−はトーヤの言葉に気付き返答する
トーヤ「二人共無事だな」
テニア「うん。それよりあたし達…」
トーヤ「あぁ、XN−Lを倒した後、クロスゲートをインフィニティキャリバーで破壊した…はずだ」
テニア「そっか…あの時光に包まれて…」
トーヤ達は自分達の体験した最後の記憶を思い出すように会話する
シャナ=ミア「それよりも此処は…私達は地球近郊にいたはず…」
トーヤ「あぁ。だけど此処は地球じゃない…それにあんなコロニーは俺達は知らない…転移したのか…」
テニア「待ってトーヤ、シャナ=ミア。何かが来るよ」
G・ドラコデウスのレーダーの反応に気付いたテニアが二人に声を掛けるとネオ・ジオンの戦艦が現れ、モビルスーツを出撃させて来る
トーヤ「パーソナルトルーパー?いや…何だあの機体は…」
ネオ・ジオン士官「インダストリアル7で取引があるからと待機していたが次元歪曲現象が起こるとは…」
ネオ・ジオン兵「何だあの機体は…連邦軍の新型か?」
ネオ・ジオン士官「だとすれば放置するわけにはいかんな」
ネオ・ジオンの戦艦の艦長の言葉の後は、モビルスーツ隊はG・ドラコデウスに対して一斉に攻撃を始める
テニア「撃ってきた…!」
トーヤ「待ってくれ!俺達は…!」
通信でトーヤは呼び掛けるもののネオ・ジオンのモビルスーツはG・ドラコデウスに対して攻撃を続ける
トーヤ「…テニア、シャナ=ミア。戦うしかない!」
シャナ=ミア「待ってくださいトウ=ヤ。それを決めるのは…」
トーヤ「そう言ってる間にも攻撃されている。オルゴンクラウドもいつまで保つかわからない。それに二人を死なせるわけにはいかない!」
トーヤはそう叫び、オルゴンクラウドで攻撃を防ぎながらG・ドラコデウスをネオ・ジオンのモビルスーツ…ギラドーガの方に向ける
テニア「トーヤ。グランティードの出力が上がらない。出せても50%までしか出力が上がらない」
トーヤ「転移の影響か…だけどやるしかない!」
万全の状態ではないがトーヤはG・ドラコデウスをギラドーガに向けて突っ込んで行き、フィンガー・ドラコ・クラッシャーでギラドーガを貫いて、爆発させる
シャナ=ミア「トーヤ解っているとは思いますが」
トーヤ「解っている。コックピットは狙わない。喰らえ!ドラコ!ブラスタァァァ!」
G・ドラコデウスに対して距離を置く、ネオ・ジオンのモビルスーツに対し、G・ドラコデウスはオルゴン・ドラコ・ブラスターでモビルスーツを破壊していく
モビルスーツが破壊されて行くとネオ・ジオンの後続の戦艦からさらにモビルスーツが投入され、G・ドラコデウスに攻撃を仕掛けていく
ギラドーガのヒートホークやマシンガンをオルゴンクラウドで防ぐも出力が大幅に落ちているためかオルゴンクラウドが数発が貫かれ装甲に傷を付けていく
トーヤ「クソっ!…やっぱり出力が上がらない影響でオルゴンクラウドも持たないか…!」
シャナ=ミア「トウ=ヤ。此処は一度退くべきです」
テニア「退くって何処に?此処にはハガネやヒリュウがいないんだよ!?」
トーヤ「テニアの言う通りだ。何とかして切り抜けるしかない!」
トーヤ(だがこのままじゃ確実にやられる…打開する方法を見付けないと…!)
両腕にオルゴナイトを纒わせたロケットパンチ−ドラコ・ナックル−で反撃しながらトーヤが打開する方法を考えているとメガ粒子砲が放たれ、G・ドラコデウスとギラドーガの間に奔り、ギラドーガが後退する
トーヤ「今のは…」
テニア「トーヤ。戦艦が来た」
オットー「機動部隊は急いで出撃せよ!ネオ・ジオンを追い払うぞ!」
ネェル・アーガマが戦闘宙域に入って来るとネェル・アーガマのカタパルトからモビルスーツ隊、ウィングル、グラントルーパー、アルテリアスが出撃する
恵那「巨大ロボット?」
カミーユ「50m以上はあるぞ」
オットー「そこの所属不明機聞こえるか!こちらは地球連邦軍ロンドベル ネェル・アーガマだ。聞こえているなら応答されたし」
オットーが通信で呼び掛けるとトーヤは通信に応答する
トーヤ「(ロンドベル?聞いたことない組織だ…)聞こえている。こちらは地球連邦軍 鋼龍戦隊所属グランティード。こちらはまだ状況が飲み込めていない」
オットー「(鋼龍戦隊?聞いたことがないが…)これよりそちらを援護する」
オットーが通信を終えると同時にカミーユの駆るリゼルとリディのデルタプラスがMA系体に変形しながらギラドーガにビームライフルを放ちながら接近するとMS系体に姿を変えるとビームサーベルで切り裂き、ギラドーガを両断する
ウィングルは超振動フルーレを引き抜き、ブーメランを飛ばしてギラドーガの武装を破壊し、武装を失ったギラドーガをフルーレで滅多刺しにし、グラヴィティ・アローを連射して武装を失ったギラドーガを破壊する
アルテリアスはバーニアを吹かせ、変則飛行をしながら接近するとレーザーサーベルで頭部を吹き飛ばすと新しく右腕に装備されたビームライフルを連射して破壊する
恵那「まだ!」
背後からビームトマホークを振りかざすギラドーガに右腕に装備されたビームライフルと併合されている実体剣の刀身を起こすとそのまま切り飛ばす
恵那「ブレイクブレイド…感度良好。後はもっと使いこなすだけ…!」
那月「勝手に名前をつけない!ソードライフル!」
恵那「細かいんですよそんな事!」
言い合いながら恵那はアルテリアスを動かし、実体剣でギラドーガを切り裂いていく
ネェル・アーガマ隊の援護を受けたG・ドラコデウスはオルゴナイトをエネルギー状にした光線−オルゴン・ドラコ・スレイブ−を放ち、ネオ・ジオンのモビルスーツ隊を押し返していく
カミーユ「あの機体…すごいパワーだな」
リディ「そうだな」
G・ドラコデウスのパワーを見たカミーユは関心するとリディが同意する
ネオ・ジオンとの攻防が続く中、4機の戦闘機がやって来ると合体し、ダンガイオーへと合体する
ロール「ダンガイオー見参!すまない皆、遅くなった…」
リディ「いや、間に合っただけでも十分だ」
遅れた事にロールは謝るがリディが問題ないと答えるとダンガイオーも戦闘に加わる
ダンガイオーも戦闘に加わった事でネオ・ジオンのモビルスーツと戦艦は数を減らしていく
カミーユ(このまま何もなく終わればいいが…)
何も問題なく終わればいいとカミーユは一人考えるとインダストリアル7で爆発が起こる
恵那「爆発!?コロニーの中で!?」
フェイ「コロニーの中で戦闘でも起こっていると言うの!?」
由木「コロニー内での戦闘なんて何を考えているの!?」
インダストリアル7で爆発が起これば数機のモビルスーツがコロニーの中から飛び出してくる
マリーダ「姫様も連れ帰る事も出来ずに逃げ出すはめになるとは…」
緑色の4枚の羽のようなスラスターを持つ、モビルスーツの中でマリーダは一人呟く
カミーユ「あの機体…サイコミュシステムを搭載した機体か…!」
コロニーから出て来たモビルスーツを見てカミーユは呟く
カミーユ「サイコミュシステム搭載機はさっきまでのモビルスーツ達とは違う、気を付けろ!」
−インダストリアル7 ビスト邸−
バナージ「オードリー!無事なのか!?」
コロニー内での爆発の影響でビスト邸は燃えていた
燃えているビスト邸をバナージはオードリーを捜しに戻って来ていた
バナージ(頼む…オードリー…無事でいてくれ!)
バナージ「此処は…!?」
カーディアス「探し人ならば…既に此処から出て入る…」
バナージ「貴方は…!」
オードリーの無事を願いながら探していたバナージが格納庫のような場所に辿り着くとモビルスーツを目にしたバナージが驚いているとカーディアス・ビストが声を掛ける
バナージ「何故、こんな物が此処にあるんです!」
カーディアス「………」
バナージ「答えてください。何故、こんな物が此処にあるんです!」
カーディアス「いずれ解る事だ」
バナージ「答えになっていません!」
カーディアスのは言葉に納得出来ず、カーディアスにそう詰め寄るも爆発が起きる
カーディアス「此処は危険だ…早く脱出しなさい」
バナージ「出ろと言われても何処に行けと言うんですか!?」
爆発が酷くなるビスト邸でカーディアスがバナージに早く逃げるように告げればバナージは思わず言い返す
言葉を返したバナージは突然、カーディアスに押されるとモビルスーツの方へと流されて行く
バナージ「ちょっと!?」
カーディアス「コレを君に託す…きっと正しい者を導き…答えを出してくれるだろう」
カーディアスはモビルスーツのコックピットに乗ったバナージにそう言葉を掛けるとコックピットハッチを閉じる
コックピットハッチを閉じたモビルスーツは動き出し、コロニーの外へと向かって行く
カミーユ「…!」
リディ「どうしたカミーユ?」
カミーユ(何だこの感覚は…ジュドー?いや…違う…何だ?)
緑色のモビルスーツ−クシャトリア−のファンネルをビームサーベルで切り落としながらリゼルのコックピットでカミーユは何かを感じ取る
何かを感じ取ったカミーユが意識を向けるとインダストリアル7からバナージを乗せた白いモビルスーツが姿を現す
恵那「一本角の…白いモビルスーツ?」
オットー(アレがネオ・ジオンがインダストリアル7を目指していた理由か?)
白いモビルスーツを見て恵那は言葉を漏らすと白いモビルスーツ−ユニコーン−は向きをネオ・ジオンのモビルスーツの方に向ける
バナージ「勝手なんですよ…こんな物を俺に託して…どうしろって言うんですか!」
ユニコーンのコックピットでバナージはそう叫ぶと操縦桿を握るとビームサーベルを引き抜き、ネオ・ジオンのモビルスーツに向かって行く
バナージ「やるしかないなら…!」
由木「速い…!」
フェイ「ただのモビルスーツじゃないわね」
マリーダ「新型が1機増えた所で!」
ユニコーンはビームサーベルを構え、突っ込んで行くもののクシャトリアがビームサーベルで鍔迫り合いに持ち込むとユニコーンを蹴り飛ばす
バナージ「ぐぅぅぅぅ!?」
マリーダ「パイロットの腕がその程度ではな!行け!ファンネル!」
吹き飛ばされたユニコーンに向かってクシャトリアがファンネルを飛ばすとユニコーンはファンネルの集中砲火を受ける
ファンネルの集中砲火を受けるユニコーンのコックピット内でバナージの乗っているシートが動き、NT−Dが作動する
ユニコーンが藻掻くように動くと装甲が開いて行き、赤い蛍光色の光を放つパーツが姿を現し、頭部にある一本角が割れればユニコーンが真の姿を現す
ロール「アレは…!」
那月「ガンダムタイプ!?」
カミーユ「あの光…サイコフレームの光か…!」
恵那「アクシズショックの時の…」
真の姿を現したユニコーンガンダムの姿を見て、恵那達は驚いているとユニコーンガンダムは物凄い速さでクシャトリアに接近するとビームサーベルを振るう
クシャトリアは装甲を掠めながらもユニコーンガンダムのビームサーベルで回避するとファンネルで迎撃する
しかしユニコーンガンダムは飛ばされるファンネルをビームサーベルで切り払うと主武装の一つであるビームマグナムを構えるとクシャトリアに放ち、直撃させる
マリーダ「グッ…あぁぁぁ!?ガンダムめ!」
クシャトリアはビームマグナムが直撃したものの爆発を免れると残っているネオ・ジオンのモビルスーツと共にインダストリアル7から撤退していく
リディ「ネオ・ジオンは撤退したか…」
ファ「だけどあのガンダムは一体…」
恵那「……!カミーユさん!」
カミーユ「…ッ!」
撤退したネオ・ジオンを見てリディ達は気を緩めるがユニコーンガンダムが接近して来るのに気付いた恵那が声を上げるとカミーユはリゼルのビームサーベルを抜き放つと鍔迫り合いになる
頭部のバルカンを放ち、ユニコーンガンダムとの距離を取るもユニコーンガンダムはリゼルに急接近し、距離を縮めて行く
カミーユ「クッ…こいつ!」
カミーユはリゼルを操り、距離を取りながらユニコーンガンダムにビームライフルを放つも全てシールドで防がれ、ユニコーンガンダムはリゼルに向かってビームマグナムを放つ
ユニコーンガンダムが放ったビームマグナムをカミーユのリゼルは緊急回避するも躱し切れずにビームライフルを持っていた右腕に直撃し、吹き飛ばされる
カミーユ「ぐぅぅぅ!先程までと動きが違う…!」
ファ「カミーユ逃げて!」
リディ「何故、カミーユがあのガンダムに狙われて…」
フェイ「…まさかNT−D!?」
ロール「NT−D?」
ユニコーンガンダムの動きの違いにカミーユが困惑する中、フェイはユニコーンガンダムに使われているシステムに気付く
フェイ「NT−D…通称ニュータイプデストロイヤー…対ニュータイプに力を発揮するシステムよ」
恵那「ファンネルはサイコミュ兵器…それにカミーユさんはニュータイプ…だから狙われてるんですか!」
ファ「このままじゃカミーユが危ないわ!」
ユニコーンガンダムに積まれているシステムをフェイが説明する中、カミーユのリゼルはユニコーンガンダムに狙われ続けている
何とかユニコーンガンダムの攻撃を回避しているが右腕を失った影響もあり、スピードが落ちている
スピードが落ちている隙きをユニコーンガンダムは見逃さず、ビームマグナムを放つ
トーヤ「テニア!オルゴンクラウド最大出力!」
テニア「OK!トーヤ!」
G・ドラコデウスがリゼルとユニコーンガンダムの間に割り込むとオルゴンクラウドでビームマグナムを防ぐ
しかし、出力が落ちている為に完全に防ぎ切れずに貫かれるもわずかに装甲を持っていかれる程度ですむ
恵那「それ以上はやらせない!」
一瞬、ユニコーンガンダムの動きが止まった瞬間を恵那は見逃さず、アルテリアスでユニコーンガンダムに体当たりすると羽交い締めにする
羽交い締めにされたユニコーンガンダムは抜け出そうと藻掻くがそれは叶わず、各装甲が閉じて行くと一本角の状態になり動きを止める
バナージ「………」
恵那「止まった…」
リディ「NT−D…厄介なシステムがあった物だ…」
動きを止めたユニコーンガンダムを見て恵那は安堵し、リディはNT−Dを発動していたユニコーンガンダムの凄まじさを思い出していた
レイアム「艦長。インダストリアル7周辺に展開していたネオ・ジオンは撤退したようです」
オットー「うむ。では本艦はこれよりこの宙域から離脱する」
レイアム「あのガンダムと巨大ロボはどうしますか?」
オットー「ユニコーンガンダムとそのパイロットはネオ・ジオンに狙われる前に回収する……少尉。あの巨大ロボのパイロットに繋いでくれ」
ミヒロ「はい」
副長であるレイアムにオットーは返答するとそのままミヒロにG・ドラコデウスに通信を繋ぐように指示をする
オットー「そちらのパイロット。聞こえているか?」
トーヤ「あぁ…聞こえている」
オットー「我々は君達と情報を交換したい。何故、この宙域にいたのか…君達が何者なのか。無論、こちらも出来る限りの情報を提供するつもりだ。どうだろうか?」
オットーは通信でトーヤ達にそう呼び掛け、トーヤ達の反応を待つ
トーヤ「………」
テニア「どうするトーヤ?」
シャナ=ミア「提案を飲むべきだと思います」
テニア「シャナ=ミア…」
シャナ=ミア「私達に今必要なのは情報だと思います」
トーヤ「あぁ。シャナ=ミアの言う通りだ。此処が何処なのか…あの戦いの後どうなったのか…知らなきゃいけない事だらけだ」
シャナ=ミアの言葉を肯定するようにトーヤが答えるとオットーに言葉を返す
トーヤ「解った。そちらの指示に従う。俺達は情報が欲しい」
オットー「了解した。誘導に従って各機と本艦へ合流してもらいたい」
トーヤ「あぁ、解った」
オットー「機動部隊はユニコーンガンダムとそのパイロットを回収し帰還せよ!これより本艦はグランティードと共にインダストリアル7より離脱する!」
トーヤ(俺達は何処へ来てしまったんだ…)
オットーが宙域に展開している機動部隊にそう告げると各機体はネェル・アーガマへと帰還し、G・ドラコデウスは誘導に従ってネェル・アーガマへと合流し、インダストリアル7から離れていく
恵那(ユニコーンガンダム…何故か解らないけど重要な何かを解き明かしそうな気がする…)
ネェル・アーガマの格納庫へ回収されたユニコーンガンダムを見て恵那はそんな考えを巡らせていた
インダストリアル7でのネオ・ジオンとの戦いを終えたネェル・アーガマ隊は補給をするためにフロンティア船団へと立ち寄る事になる
気分転換でフロンティアへと降りた恵那はランカと再会する
ランカとの再会に心躍らせる恵那。しかし、束の間の再会はユニコーンガンダムを追ってきたネオ・ジオンの一団との戦いになる
ネオ・ジオンとの戦いはフロンティア船団のS.M.S.とその協力者と共に戦う事になる
フロンティア船団での戦いはネオ・ジオンだけではなく現れた過去の大戦で決着を着けたはずの者達が現れ混戦へとなっていく…
次回、スーパーロボット大戦X−Drive 第7話A『トライアングラー』