廃工場に何体もの戯我が跋扈し、会合を行っていた。
仮面ライダーたちを脅威に感じている彼らは、今後どのようにして人間から色を喰らうか、どうやって封魔司書を滅ぼすかを話し合っている。
しかし、そこに扉の破壊音と共に闖入者が現れた。
「なんだぁこいつは!?」
ツチグモ・ギガが見たのは、銃器を持った鋼鉄の人形。統率された動きで接近し、銃口をこちらに向けている。
LOTの新兵器、Aオートマータ。彼らは警告を発する事さえなく、無慈悲にAウェポンT/GのGモードのトリガーを引いた。
「ギャアアアアッ!?」
破壊的なまでの銃撃の暴風雨。
逃げようとすれば、その退路に既に封魔人形たちが配置されており、今度は刀で真っ二つにされる。
「ち、ちくしょう! ちくしょおおおおおお!」
突如として自分たちを襲う惨劇に断末魔を発し、戯我たちは瞬く間に殲滅されるのであった。
そんな一部始終を、LOT磐戸支部の地下でモニター越しに笑ってみている男がいる。
LOT本部から査察に現れた封魔司書の男、アレックス・フォン・ブラウベルクだ。
「順調順調。圧倒的だな、我が封魔人形は!」
傍に控えるフェイと織愛に話しかけ、上機嫌で笑うアレックス。
対し、織愛は眉をひそめていた。
今出て来た程度の相手ならば、紫乃たちがいた頃でも同じような成果を挙げられたはず。
なのに、この男はなぜこんなにも得意気なのか。これ以上の相手が現れた時、本当に対抗できるのか。
苛立ちを募らせつつも、織愛は「そうですね」と生返事をした。
「くくく! いずれ仮面ライダーが不要になる日も近い! その時こそ、私の天下となる……!」
アレックスの放った言葉を一言一句聞き逃さずに、織愛は目を細めて窺う。
彼女の目的は、本部からやって来た彼とフェイの内情調査だ。仮面ライダーたちの出立の直前、晴明から頼まれたのだ。
急に仮面ライダーを追放するような行動を取り、支部の権限を乗っ取った理由。それを探るために。
しかし、彼らも今はボロを出していない。晴明たちが帰ってくる前に、何かしら成果を出さなくてはならないのだが。
「今日のところはここまでだな、下がって良いぞ」
そう言って、アレックスは織愛を執務室から出そうとする。
これでは調査にならない。そこで、彼女はある手を打って見る事にした。
「ブラウベルク卿、たまには一緒に飲みに行きませんか?」
酒をたっぷり飲ませて酔わせ、硬い口を割らせるという作戦だ。
「いや、悪いが私は女性とは飲まんようにしておる。妻も子もいるからな」
あっさり失敗してしまった。
頭を抱えかける織愛であったが、そこで意外にも向こうの方から助け舟がやって来る。
「フェイ。代わりに相手をしてやりなさい」
「は……私がですか? しかし……」
「良いじゃないか。君も酒は飲める方だろう? 少しは休みたまえよ」
「……では、お言葉に甘えて」
そう言って、フェイは困りつつも織愛と共に退室した。
願ってもない好機だった。しかも二人きり、となればやりようはいくらでもある。
「じゃあフェイさぁ~ん、行きましょうか」
「ええ……ん? お待ちを、ここは……」
そそくさと素早く案内された場所は、織愛の自室だった。
ここには冷蔵庫の中に酒類が豊富に取り揃えられている上、寝室もシャワールームもある。文字通り、彼女自身のテリトリーなのだ。
「あの、織愛支部長……?」
「まぁまぁまぁ、上がって上がって~……ね?」
自身の制服についた胸元のボタンをひとつ開けた後、織愛は妖艶に微笑み、フェイの手を取って部屋に連れ込んで行く――。
磐戸を離れた紫乃たちは修行のため、淡路島付近に存在する異界の入口から、オノゴロ島を訪れていた。
しかし修行の準備がある都合上、初日は何もできない。なので、一行は島内で自由に遊ぶ事に。
そして遊び疲れた一行は、そのままホテル内に設置された大浴場へと向かうのだった。
「んで紫乃、ロゼとはどうだったんだよお前」
髪を洗い終えて身体をボディソープで洗っている最中、隣に座る灰矢が尋ねる。
先程の海の時と違い、今はお互い一糸纏わぬ状態だ。
「どう、というのは?」
「とぼけんなって。もう付き合って何ヶ月か経ってんだろ? それで二人きりで海を楽しんで、その時に何もないって事ァないよな?」
灰矢の質問の意図が分からず、紫乃は考えては何度も首をひねり、無駄な体毛のない身体を洗い続ける。
「分からない。一体何を言いたいんだ?」
「おいおいおい」
そっちこそ一体何を言ってるんだ、とばかりに灰矢が肩を竦めた。
だが直後に、ふと気付いた様子でハッと顔を上げる。
「お前、保健体育の授業とかちゃんと聞いてるよな?」
「当然だ、戦いに身を投じているとはいえ学生でもあるんだぞオレは。点数が下がって怪しまれないよう、真面目に聞いている」
「あー……じゃあさ、子供の作り方も知ってるんだよな?」
「ん? いや、言われてみれば方法まで教わっていない」
「マジ!? そういうモンだっけ!?」
「一体なぜそんな事を聞く? 何の関係があるんだ?」
今度は頭を抱える灰矢。
恐らく言葉だけは知っており、多少の知識もあるのだろう。だが、実際どのようにするのかなど完全に無知なのだ。
思えば、紫乃がクラスメイトとそういう卑猥な方面の話をする事など、灰矢には想像できなかった。
「ロゼとそういう、子作り的な事をしたいとか……話したりしねぇのか?」
恐る恐る、灰矢は尋ねてみる。
ピュアな瞳の紫乃から返って来たのは、予想通りではあるが衝撃的な言葉だった。
「成人していない人間が子供を作ってはならないと教わっているぞ」
沈黙し、灰矢はそのままシャワーで自分の身体についた泡を洗い流す。
そしてふらふらとした足取りで、大きな浴槽の方に向かっていく。
「俺は……汚れた大人になっちまったんだな……」
「何を言っている?」
「……なんでもねぇ……」
紫乃は突然に意気消沈した灰矢を不審に思いつつも、自分も浴槽へと足を運んだ。
一方、ロゼたちのいる女湯の方では。
「料理の腕でさ、男を虜にする事を『胃袋を掴む』って言うじゃない」
大きく両足を広げ、自身の肢体を堂々と見せつけながら、浴槽に浸かったイシュタルが口火を切る。
その右隣に若葉、左には菫がおり、さらに菫の隣ではロゼが入浴していた。
「じゃあ女のカラダで魅了する時って玉ぶく……あいたたたたた!?」
明らかな下ネタを口走ろうとした瞬間、頭の緊箍児がイシュタルを叱りつける。
若葉も菫も、呆れた様子で苦笑していた。
「んもー、何やってるんですかイシュタル様ー」
「うえぇ~ん若葉ぁ~」
痛みで泣きながら、イシュタルは若葉に抱きつき胸に縋り付く。
そんな中、ロゼだけは不思議そうにポカンとしている。
「先輩、イシュタルが何を言おうとしたのか分かるんですか?」
たちまち、湯船の中だというのに全員の表情が凍りついた。
「え……っと、それはその~」
しどろもどろになり、視線を泳がせながら若葉はどう説明して誤魔化そうかと考える。
すると、菫が小さく挙手してロゼの顔を見つめ、冷静に口を開いた。
「タマタマが入った股間の袋の事よ」
「菫さぁん!?」
あまりにも直球で表現して来たので、若葉が頬を染めて絶叫気味に驚き、イシュタルは噴き出しそうになって口を押さえる。
そしてロゼはと言うと、顔を耳まで赤くして俯き、先頃の若葉よろしく慌てふためいていた。
「あ、えと、それは……ご、ごめんなさい!」
「謝らなくて良いのよ。別にそういうジョークが分からなくたって、生きてて困るワケじゃないんだから」
慰めるように背中を撫でる菫。だが、直後に意地悪な微笑みを見せ、ロゼの肩を優しく掴んだ。
「ところであなた、紫乃くんの『ソコの袋』は掴んでるの?」
「ふえっ!?」
「あの子と付き合ってるんでしょう。どうなの、その辺り」
「いや、あの、その……私たち、まだ……カラダの関係とか、そういうところまでは……まだ早いっていうか……」
どんどん声が小さくなって羞恥から縮こまっていき、ロゼはそのまま湯の中にぶくぶくと口元まで沈んで行った。
若葉はまた苦笑しつつも、菫やイシュタルと共に興味深そうに彼女の話に耳を傾ける。
「でもさでもさ、水着選びに行った時にTバックのヤツ履いてったでしょ? アレならイチコロって私言ったのに、見て貰わなかったの?」
「それは、その……わざとじゃないんですけど、パレオが落ちちゃって……紫乃くんがすぐ巻き直してくれました。その後は特に何事もなく」
「んー! そっかぁ、流石にマンガやアニメみたいには行かないよねぇ」
「こういうの良くないですよ、やっぱり。私たちまだ高校1年ですし、もっと大人になってから……」
ロゼが俯き加減に言いかかったところで、それをバッサリと断ち切るように割り込む者がいた。
「あんたは甘いッ!!」
「え!?」
飛沫を上げながら勢い良く立ち上がり、裸体を晒すイシュタルだ。
我慢ならないとばかりに吠え、さらにロゼを指差して言い放つ。
「せっかく恋仲になったのに何を悠長な事やってんのよ! 小中学生が言うならともかく、成人までずっと我慢なんてしてたら、変にお互いズルズル引き摺って、その内恋に飽きて破局にまで発展するわよ! 男はパートナーと肌を重ねるのが最高の悦びなのよ!」
「そ、そんな事あなたに言われたくないし、勝手に決めつけないで! 仮にそうだとしても、紫乃くんがそれを望んでいるとは限らないでしょう!?」
「百歩譲って彼もあんたと同じ事を考えてるとするわ。でもそんなんじゃ将来的に子供が欲しいとなった時、夜の営みで苦労するわよ。まさか根拠もなく最初から上手く行くとか思ってないでしょうね?」
「むぅ……」
グッと口を噤んでしまうロゼ。そこへイシュタルは畳み掛けるでも怒鳴るでもなく、諭すように語りかけた。
「勿論、焦る必要はないわ。二人には二人なりの距離やペースがあるのは理解してるつもりよ。だけど、慎重に行きすぎるのもダメ。時には自分の魅力の全てを奮って相手を落とさなくっちゃ」
「……どうしたらいい?」
「そうねぇ。手始めに添い寝から始めて見るのはどう?」
「手始めのハードルじゃないわよ!? というか、そんな事言っていたらまた緊箍児が……」
指摘を受けて頭を押さえようとするイシュタルだが、どうやらその環は反応していないようだった。
これは一体どういう事なのか。考えていると、若葉が推論を口にする。
「もしかして、今のは悪意も何もない純粋なアドバイスだったから? 愛の女神としての?」
合点の行く推理であった。イシュタルは嬉しそうにロゼを見下ろしてビシッと指を突きつける。
「良い? これがあんたのもうひとつの修行! 夏休みまでに、彼と関係を結ぶのよ! 自分の魅力で必ずタマを掴ん……ほげえええええ!!」
「もー、すぐ調子に乗るー」
「若葉ぁ~」
頭を押さえて泣き出すと、イシュタルは若葉の胸に抱きつく。
一方、突然に妙な課題を突きつけられたロゼは、うんうんと唸りながら、またも浴槽に水没し始めていた。
「添い寝……添い寝かぁ……」
※ ※ ※ ※ ※
「こいつはすごいぞ……!」
同じ頃、LOT日本支部――即ち京都。その広大な地下空間にて。
晴明が留守にしているここ京都の地では、本部から送られたあるものが緊急配備されていた。
磐戸でも実戦に投入されている
アレックスの差し金で、支部長不在の間に支給されてしまったのである。
所属する封魔司書たちは当初こそその性能に疑念を持っていたものの、いざ投入してみると仮面ライダーのみでは考えられない速度で鬼の戯我の討伐を完了しており、凄まじい戦果に度肝を抜かれていた。
「京都各地に配置された十二天将様が戯我を発見し、封魔人形が討ち取る……こんなにスムーズに事が進むなんて!」
「この分なら例の斬り裂き魔も簡単に倒せるのでは!?」
司書たちが地上の様子を観測して喜色を見せる中、留守を預かっている日本支部の副支部長は訝しむ。
確かにこの機械人形たちは絶大な力を持つ。隠密性にも優れるため、いずれ本当に仮面ライダーに取って代わる戦力になり得る、かも知れない。
しかし、この兵器には疑問点が多い。まず一番に湧いて来るのは『この兵器の開発をなぜ今まで秘匿していたのか?』。そして『本部とドイツ支部の共同のみで可能な技術なのか?』という点だ。
前者については外部へと情報が漏れないようにする意図があるのかも知れないが、そもそも本部はその場所自体が特定の人物以外には秘されているので、開発の話自体が漏洩したところで侵入・奪取される心配はない。
深刻なのは後者だ。もしもこれが、本部及びドイツ支部の外側――LOT外部の技術によって成り立っているのであれば。
「一度調べ直す必要があるかも知れんな……」
「
渋い表情を部下に見られ、島と呼ばれた男は首を横に振る。
「何でもない。しかし、この封魔人形にばかり頼るのも感心しない。市民に見られては危険なのは変わらんからな」
部下たちに無用な混乱や恐怖を煽るワケには行かない。
何より支部長に迷惑をかけないためにも、島はひとまず指揮を執る。諸々の調査はその後だ。
「総員、油断せず戯我に対処せよ!」
『了解!』
威勢の良い部下たちの返事を聞きつつ、オノゴロ島にいる晴明やその養子に思いを馳せながら、島は指示を飛ばし続けた。
そんな京都の山中で、破れた西洋のカソックを羽織るボロボロになった僧衣の男が一人、潜んでいた。
ロゴス・シーカーの幹部の一角、天海である。その腕には、布に包まれた大きな棒状の物体が担がれていた。
「ククフフフ、やはり京の都は美しい。赤々とした炎もよく似合う。大文字、それに……本能寺は勿論外せませんよねぇ」
思い出を回想するように、天海は呟く。
彼の周囲には、八つの棺桶が取り囲むように配置してあり、その重い蓋は開いていた。
中に入っているのは同じ数の鎧兜。その外見から、恐らく鎌倉時代の頃に作られたものであると推定できる。
源氏八領。清和天皇を祖とする源氏の一族に代々受け継がれ、そして失われたはずの鎧。即ち、
それらの見事な美しい鎧を、ホームレスの男女の屍が纏っている。天海が命を奪って着せた、と言う方が正しいのだろう。
「さて、それでは……拙僧も始めると致しましょうか」
言って天海は包みを破き、その中身を地面にズブッと突き刺す。
八ツ首の大蛇が巻き付いたかのような意匠が施された、巨大な骨杭。磐戸で鬼たちが使っていたものと同じだ。
しかし色と大きさが前回と違い、今回は炎のように赤く、遥かに太く長い。
「フンッ」
天海が拳を一度振り下ろすだけで、骨杭は完全に山の一部となったように飲み込まれていってしまう。
それを見届けた後、今度は両掌を鋭利な爪の先で斬った後、血の流れる手を強く打ち合わせ、ブツブツと呪言を唱え始めた。
すると彼の背に蝙蝠のような膜の張った翼が拡がり、地面に滴り落ちた血が百足めいて蠢いて、棺桶の中の屍体に吸い込まれていく。
天海はニヤリと笑って、さらにその血生臭い儀式を続行する。
「全ての秩序を破壊し、そして生まれ出たる混沌より、新たなる世界を再創造するのです。それこそが拙僧らの使命なれば……ククフフフッ」
そう呟いた天海の頭の包帯が解け落ち、額にある『何か』が光を揺らめかせた。
※ ※ ※ ※ ※
翌日。
結局添い寝を持ちかける勇気はまだなかったようで、紫乃とロゼは別々のベッドで起床した後、訓練着に着替えて晴明の元に集う。
他のメンバーも既に到着しており、若葉が密かに視線を送った後にロゼが首を横に振っているのを見て、紫乃は首を傾げていた。
「皆さんお揃いですね。ではまず、これを君に」
そう言って晴明はモンストリキッドをひとつ取り出し、それを灰矢に手渡した。
ガンメタルグレーのそのインクカートリッジは、表面に狩人のレリーフが施されている。
以前に晴明が封印した、バルバトスのリキッドだ。
「日本支部長、こいつは……!」
「ええ、本部の査察の時にこれだけは死守しておいたんですよ。以前のデュアルタイプより、こちらの方がユーダリルとの相性も良いですからね」
「マジか!」
「用途は後で説明するので、修行の時に使ってみると良いでしょう」
続いて晴明は、紫乃の方に視線を向ける。
「君には最も厳しい修行を課す事になります」
「ほう?」
「地図を渡すので、その地点に向かって下さい。特別講師が待っておりますので。それと……無事を祈ります」
紫乃は真剣な口調で出て来たその言葉に、表情を堅くする。
あの晴明に対してここまで言わせる程の相手。何者か分からないが、想像を絶する修行になる事は間違いない。
「では紫乃くん以外の皆さんは、私と一緒に来て下さい」
『了解!』
全員が返答した後、紫乃のみが別方向へと足を進める。
その様子を名残惜しそうに見送り、ロゼは残りの面々と共に晴明の後に付いて歩き出す。
が、途中でふと若葉が足を止めて首を傾げた。
「……あれ? そう言えば、菫さんは……?」
腕を組んで考え込むが、元より彼女は封魔司書でも戦闘要員でもない事を思い出すと、きっとどこかで休暇を楽しんでいるのだろうと結論付けるのであった。
一方、紫乃は指定された場所まで徒歩で赴いていた。
そこは森林の奥、川が流れる清澄な場所だ。周囲からは滝の音や小鳥のさえずり、虫の声も静かに響いて来る。
溢れる自然に目をやりつつ、紫乃は川のほとりにある手近な岩の上に座り、その講師を待つ。
「ん?」
ふと川の方でザバッと音が聞こえるのを耳にし、紫乃はそちらに視線を向ける。
そこに一瞬見えたのは、滑らかな褐色の肌と艶やかな膝下まで届く黒い長髪。さらに、繊細ながらもしっかりとついた筋肉。
紫乃はまさか裸の女かと思い目線を逸らしかけるが、そこへ件の人物から声がかかった。
「よう。お主か、ワシに修行を付けて欲しいというのは。確か紫乃と言ったな」
中性的な高めの声だ。琥珀色の瞳が、丸い形の目と共に真っ直ぐに紫乃を捉えている。
顔立ちは美しく整って色香を醸し出しており、睫毛が長く、自信ありげに引き結ばれた唇は薄く微笑んでいた。
まるで女性のような容姿を、しかし下半身でぶらんと揺れ動く『雄の象徴』が否定する。
「あ、あなたは……?」
戸惑いながらも、紫乃は名を問う。
すると、紫乃に比肩する美貌の持ち主であるその男は、自らの胸板を叩いて笑い出した。
「ワシに名を聞くとは、即ちこの国の名を問うのと同じ事よ。まぁ良いわ、聞かせてやろう!」
麗しい髪から水を滴らせ、川原の石を踏みながら、素っ裸のまま両腕を組んで名乗りを上げる。
「我が名はヤマトタケル! 日本最強の英雄よ!」
威風堂々と自身の雄を示し、ニッと笑うヤマトタケル。
直後、くしゃみをしてから紫乃に尋ねる。
「とりあえず服を着て良いか?」
「どうかお願いします」
そして、数刻の後。
紫乃はレリックライザーとライズホルダーを装着し、素肌の上に袴を纏うヤマトと対峙していた。
「晴明が言っておったが、この修行の果てにお主は三貴神様の力を使う事になる。しかし、それら全てを同時に扱うなど常人には不可能。ワシはできるがな」
「だからあなたと手合わせする必要がある、と」
「左様。お主にアマテラス様たちの力を借りるだけの力量があるのか、ワシが見定めさせて貰う」
それを聞いて、紫乃は心から嬉しそうに唇を釣り上げた。
「身に余る光栄です。日本に名高き半神の英雄に、こうして挑めるなんて」
「うむ。さぁ、いつでも掛かって来い」
武器も防具も持たずに、大きく伸びをしてヤマトが言う。
相手はほとんど無防備だ。しかし、紫乃に油断はない。それほどの相手であると理解しているのだ。
「それでは……」
《サンダー!》
《ハウンド!》
「いざ!」
《天を裂く紫電の咆哮! サンダーハウンド!》
リキッド装填の後、紫乃はムラサメへと変身。七星紋を持つAウェポンT/G-SSSを手に疾駆した。
対するヤマトは不動の姿勢、となればムラサメは先手を打つ。
「シィィッ!!」
上段から、気合を込めた白刃の縦一閃。受けてしまえば、腕や肩の両断は免れない。
しかしヤマトは、全く退きもせずにゆるりと斬撃を受け流し、逆にカウンターの手刀でムラサメの右肩の装甲を深く抉る。
「がっ!?」
「中々良い剣だが、それでは話にならぬな」
そんな無慈悲な言葉を受けるのに続いて、ムラサメの顎に的確な掌底が叩き込まれる。
だがこれで諦める彼ではない。今度はリキッドを押し込み、能力を使う。
《サンダー!
「急々如律令!」
四方からの雷が、ヤマトに向かって――ではなく、その足元に飛来。
石が砕け、地面から砂煙が舞い上がり、ヤマトの視界を埋めた。
「む」
これではどこから来るのか見えない。
とはいえ、この程度の一手などすぐに覆すだろう。故に間髪入れず、ムラサメは手を繰り出す。
《アイス!》
《セイレーン!》
「次はこれだ……!」
《冴え渡る青氷の歌声! アイスセイレーン!》
ムラサメが選んだ形態は、スピードタイプのアイスセイレーン。
これに加え、Aウェポンの七星紋ひとつに指で触れた。
《貪狼ノ型!》
アイスセイレーンのスピードに加え、七星戯による身体速度の上昇。
これらが組み合わされば、もはや肉眼で追い切れる速さを凌駕する事だろう。
「セァッ!!」
果たしてムラサメの目論んだ通り、高速移動に加え、無数の斬撃がヤマトへと殺到する。
だが。
「手温いぞ!!」
「ぐぅ!?」
ヤマトの一喝と共に、正拳突きが正確にムラサメのAウェポンに直撃し、手から放り出されて川へと突き刺さる。
さらに、鋭い前蹴りが胸の中央に食い込み、紫乃は堪らず変身解除させられて仰向けに倒れ込んだ。
「な、なんて強さだ……全く歯が立たない!?」
「気迫だけは褒めてやるが、戦い方がまるでなっておらん。真の力を見せるまでもないわ」
落胆した様子で息をつくヤマト。彼の話を聞いて紫乃は悔しがるが、その目に諦めの文字はない。
すると目の前の半神は、ニッと微笑んで手を差し伸べた。
「だがまぁ、負けていながらそんな力に満ちた目ができるなら十分だろう」
「ヤマト様……」
「
「え?」
「は? うん? もしや、お主……」
ヤマトはきょとんとしている紫乃を見て、差し出した手をそのまま紫乃の下半身に持っていき、布越しに彼の股間に掌でそっと触れた。
「うわっ!?」
「おお、なんだ! お主その顔でおのこであったのか、気づかんかったぞ! いやはや顔で判断してはならんな、まぁワシの言えた事ではないが」
「ちょっ、手を放して下さい! 放し……」
「しかし成長する見込みがあるとは言え、逸物はちゃんと鍛えた方が良い。大きさは中の下と言ったところか? 齢から考えれば今はそれで十分だが、先っぽが『蕾』だし――」
「放せと言ってるだろうが!!」
「あだーっ!?」
品評するような言葉を聞かされながら股間を触られた紫乃は、羞恥で耳まで真っ赤になって目尻に涙を浮かべ、ヤマトの顔面に蹴りを加える。
初めての命中。しかし、どうにも情けない気分だった。
「はぁ……ロゼは上手くやっているのか?」
独りごちて、紫乃は恋人を想い空を見上げる。
その後、二人は適度に休憩を挟みつつ、先程のように修行を続行するのであった。
時を同じくして、変身したロゼと灰矢はある人物に刃を向けていた。
晴明だ。今は京都に配備させて十二神将を持たない彼が、呪符を手にブリューナクとユーダリルの二人を同時に相手取っている。
初めに動いたのは、ブリューナク フラッシュケンタウレスカラーだった。
「ヤァッ!」
槍を躊躇なく晴明に向かって突き出し、ブリューナクが突撃する。
しかしそれを予期していた晴明は、呪符を撒くとその場に障壁を生み出して攻撃を逸らす。
「くっ!」
「オラァッ!」
続いて、ユーダリルの精密に放たれた矢が、晴明に向かう。
だがこれも、僅かな体捌きだけで回避された挙げ句、反撃とばかりに足元の木の葉が飛んで装甲を浅く裂く。
「クソッ、当たらねぇ!?」
「終わりですか?」
「……まだまだァ!」
叫ぶユーダリルだけでなく、ブリューナクも攻撃を続行する。
そうしてしばらく模擬戦闘で打ち合うものの、晴明は無傷のまま。
疲労困憊となってロゼと灰矢は空を仰いで地に倒れ、変身を解除していた。
「とまぁ、このように。変身せず戦う術は一応あるのですよ」
「いやいやいや……ここまでできるのはあんたくらいのもんでしょ、若葉に求めないでよコレ」
若葉をギュッと抱き締めながら、抗議するようにイシュタルが言い放つ。
これを、晴明は頭を振って否定した。
「もちろん若葉さんひとりにこのような戦いを望みはしません、そのためにあなたがいるのですからね」
「……なるほど。つまり、今みたいなレベルで若葉が戦えるように鍛えるっていうのを、私に教えたかったワケだ」
「そういう事です」
晴明はそう告げた後、一歩後ろにステップする。
直後、三つの光の柱が彼らの前に降り立った。
アマテラス・ツクヨミ・スサノオ。日本に名高い三貴神たちが揃い踏みだ。
「これからの修行期間、ロゼくんにはアマテラス様、若葉さんとイシュタルにはツクヨミ様、灰矢くんにはスサノオ様という組み合わせで鍛錬を行って頂きます」
名を挙げられた者たちは、それぞれ師となる神々に頭を下げる。
「アマテラス様、これからよろしくお願い致します」
「ええ。妾が手ずから鍛えるのじゃ、期待していなさい」
「はい!」
元気良く返事をするロゼを見て、微笑みを返すアマテラス。
一方、若葉も同じくにこやかにツクヨミと話していた。
「ツクヨミ様、よろしくお願いします!」
「……ところでアンタ、男? 女?」
そこへイシュタルが割り込む。美と愛の女神である彼女でさえも、ツクヨミの性別は判別できないようだ。
するとツクヨミは、口を一文字に引き結んだまま、首を傾げて二人に問いかけた。
「どちらだと思います?」
「確かめたいから見せて……あ痛い痛い痛い痛い! ウソウソ、ごめんなさい!」
頭を押さえてイシュタルが悶える。
そしてもう一人、灰矢はスサノオに肩を組まれて絡まれていた。
「ガッハッハッ! 我がスサノオじゃ! 灰矢と言ったな、我が鍛えたからにはお前は最強の戦士になるぞ!」
「お、おう……っていうかあんた、弓使えんのかよ?」
「ガハハ、当然よ! オオクニヌシのヤツに弓を与えた事もあるからのう!」
大笑いしながら、スサノオが背中をバシバシと叩く。
彼らの様子を見守りながら、晴明は満足げに頷いている。
「では皆さん、修行を始めましょう」
各自その言葉に返答し、各々の力を高めるための訓練が始まるのであった。
そして、全員が修行を行っている真っ最中の事。
オノゴロ島から見える空の遠い場所で、僅かに暗雲が立ち込めていた。
だがそれは普通の雲ではない。ドス黒い雲の内側では炎が燃え盛り、雷鳴ではなく呻き声が漏れ出ていたからだ。
「あのバルトとかいうヤツの話の通りなら、ここに親父がいやがるはずだが……」
雲の中から、そのような低くくぐもった声が発せられる。
そこにいたのは、真っ青な肌のぶかぶかな死装束を着た赤子。しかし雲で隠れているとはいえその体格は異様に大きく、まるでゾウのよう。
しかしそれ以上に異様なのは、その姿だ。首から上は切断されてそこから固まった血液のように黒い炎が燃え盛っており、四本の角の生えた頭は、断面が腹部から伸びたヘソの尾で繋がっている。
目は充血しており、黄色い瞳が執念めいた気迫でギラギラと滾っていた。
「ニオイもする。どうやら間違いないらしいなぁ」
低い鼻をヒクつかせ、唸り声のような低い声で赤子がひとりごちる。
「待っていろ親父……それにその血筋の神どもと木っ端人間。近い内に全員まとめて俺が焼き殺してやるからなぁぁぁ」
怨嗟の言葉と同時に首のない胴体から噴き上がる炎が激しくなり、暗雲の中の呻き声も大きくなっていった。
その日の夜。
一日目の修行が終わって、紫乃とロゼは夕食と湯浴みを終え、娯楽室にて合流していた。
浴衣姿の二人は、しばらく卓球を楽しんだ後に椅子に座って休憩する。
「はぁ~……紫乃くん、そっちはどうだった?」
「ん?」
「修行の話。確かあのヤマトタケル様と手合わせしたって聞いたけれど」
ああ、と言った後、紫乃は立ち上がる。
「あまり成果は芳しくはない。たったの一撃も、あの人に当てる事はできなかった……」
「そっか……」
「ロゼの方はどうなんだ?」
「私も似たようなもの。アマテラス様に色んな戦い方を教わっているのだけど上手くいってなくて」
二人して溜め息を吐く。だが紫乃は、直後に頭を振ってロゼに向き直った。
「泣き言は言っていられないな。今も駿斗が待っているんだ、オレたちがやらなければ」
「……うん」
小さく頷くロゼの返事には、元気が感じられない。
話題を変えた方が良さそうだ。紫乃はそう考え、別の話を持ち出す。
「そういえば、修行は厳しかったが不思議と身体の疲労は少ないと思わないか?」
「あ、言われてみれば確かに。温泉とか休養できる施設が多いからかしら」
「ヤマト様が言っていた事だが、それ以外にもここの料理に秘密があるらしいぞ。食えば食うほど身体が活発に、精力もついて強くなるとかなんとか」
「へ……へぇ~、精力が……そ、そう……ふ~ん……」
話を聞いていたロゼは、突然に頬を赤くして紫乃の体を見ながら数度頷く。
そしてまた、二人は沈黙してしまう。
どうしたものかと思案した後、紫乃はひとつ問いを投げた。
「ロゼ、何かオレにできる事はあるか?」
「え……?」
「修行初日で躓いたのはオレも同じ、少しでも互いに元気を取り戻したい。オレにできる事ならなんでもする、何かないか?」
その提案を聞いたロゼの表情が、あからさまに動揺に染まっていく。
妙な話をしてしまったのだろうかと紫乃は心配するが、そうではない。
なぜならば、イシュタルたちから半ば強引な課題を叩きつけられていた彼女にとって、それは天啓だったからだ。
「困っているようならこの話は忘れてくれて良いんだが……」
「う、ううん違うの! あるわ、して欲しい事!」
慌てて引き止め、ロゼは何度か咳払いしつつ、緊張した面持ちで口を開きかける。
が、娯楽室には他に客や従業員がいるため、一時中断して彼の耳元まで顔を寄せた。
「一度、部屋に戻ってから話しても良いかしら?」
「あ、ああ……構わないぞ」
ふわりと香ったロゼの髪の匂いに、心臓を高鳴らせながら、紫乃は頷く。
そうして二人は部屋に戻り、就寝に向かうのであった。
※ ※ ※ ※ ※
「……よ、し……動ける、ぞ」
深夜。
ロゴス・シーカーの本拠地の館、その一室にて。
純白のシーツのベッドの上で、身を起こさんとする者がいた。
駿斗だ。バルトの正体を知ってしまい、さらにウロボロスが完全に力を取り戻した事によって肉体の所有権を簒奪されてしまった彼だが、その心はまだ砕けてはいなかった。
「調べなきゃ……バルトの正体、それからこの身体からウロボロスを追い出す方法も……!」
それが友の、紫乃の助けになると信じて。若葉の元に戻るために。
駿斗は室内から適当にロングソードを手に取り、慎重に探索を開始する。
「身体が妙に軽い。これも英雄の髄液ってヤツのお陰かな?」
今、駿斗の体内にはペルセウスの髄液と、ウロボロスがアダンから奪ったアキレスの髄液が入っている。
ギリシャに名高い無敵の英雄二人が自分に力を貸しているのだと考えれば、これほど心強い事はないだろう。
ゆっくり扉を開け、駿斗は部屋を出る。目指す場所は、バルトの部屋。
駿斗はバルトの正体が自身の祖父であるとは思っていない。というより、そもそも人間かどうかさえ疑っている。
ウロボロスのような怪物を己の息子と呼び、さらにモルガン・ル・フェや南光坊天海のような大物を従えている以上、当然の疑念だ。
正体を調べ、必要ならば暗殺さえ厭わない決意を胸に、駿斗は廊下に出て歩き出した。
「……ん?」
現在は一階にいるが、探索の途中で彼の視線はある場所の扉に留まった。
書斎だ。駿斗の肉体を奪っている間、ウロボロスはこの部屋を訪れていないのだ。
ひょっとしたら、バルトやウロボロスについての手がかりが見つかるかも知れない。そう思って、駿斗は扉の鍵を壊して中に入る。
「うっ!?」
そして、目を大きく見張る。
書斎と書いてありながら、その広大さは図書館と呼ぶに相応しいのだ。
洋館の外装からは考えられない程に広大。これもまた、何かしらの力によって拡げられたものなのではないかと、駿斗は予想していた。
「だとしたら、なんて途方も無い力の持ち主なんだろう……」
一抹の恐怖感を覚えつつも、駿斗は書斎の本を漁り始める。
バルトの正体に関する手がかりはないか。ウロボロスを肉体から剥離させる手段は何か。
それを探っている途中、駿斗の視界の端にある文面が飛び込んでくる。
「……え!?」
驚き、駿斗は手に取った書の文章を読み進める。
しかし、その時。
「ここで何をしているのかね」
室内に男の声が響き渡った。
バルト・アンダース。その姿を見た瞬間、駿斗は疾駆して一息で距離を詰め、相手の心臓に剣を突き刺した。
「む」
「今! 僕の手で終わらせてやる、バケモノめ!」
「そうか、駿斗。ウロボロスが眠っている間に肉体を奪ったか」
自身の負傷など問題ないとばかりに、バルトは笑う。
そして駿斗の身体に自身の足を叩きつけて無理矢理引き剥がし、刺さった剣を抜いてローブで血を拭った。
「本が汚れてしまうだろう、こういう遊びは別の部屋でやりたまえ」
「う、うるさい……こっちはもう、お前の正体が分かったんだからな……!」
「……ほう?」
興味深そうに、フードの奥の目が細められた。
怖気づかず、駿斗は言い放つ。
「名前ですぐに気づくべきだった……
「くく、なるほど」
「お前は自分の姿を自在に変える事のできる戯我だ! その能力を使って、僕のじいちゃんの姿を写し取ったに過ぎない! 偽物なんだ! そうやって僕を欺いて、ウロボロスが操れるように――」
言い終える前に、バルトは剣を握り潰して砕く。
「流石我が孫と言いたいところだったが、その解答では正解はせいぜい三分の一……証明失敗だ」
「え……?」
「まず第一に、私の真の正体はバルトアンデルス・ギガではない。確かにこの肉体はその戯我のものだが、私自身の正体とは違う」
「ど、どういう……」
疑問を挟む事を許さず、バルトはさらに続けた。
「第二に、お前と私は本当に血が繋がっている。そして私とお前の知る祖父が同一人物なのも事実だ。お前にとっては残酷な話かも知れないがね」
「そん、な……」
「第三の間違い。単なる戯我が、ワイルドハントを引き起こしたり、あの者たちを部下として従えられるはずがなかろう」
バルトの発言を聞き、駿斗は目を見開く。
ある部分について、初耳だったからだ。
「お前がワイルドハントを!?」
「おや? とっくに気付いているものと思っていたがな」
くつくつと笑いながら、バルトは倒れ込んだ駿斗の顔の前まで近づき、頭に向かって手をかざす。
「私の正体は、ゆっくり眠ってから考えるが良い。またウロボロスが隙を見せてくれる事を祈りながら、な」
その言葉を聞いた直後、駿斗は段々と意識が遠のいていくのを感じていた。
眠ってはならない。紫乃たちのために、抗わなくてはならないのに。
「く、そ……!」
そんな思いが届く事はなく、駿斗は自分の意識を手放してしまうのであった。
付録ノ二十七[三貴神]
日本の創世神の一角、イザナギから生まれた三柱の神々の姉弟のこと。
長女・アマテラスは、太陽神や農耕神と言った多様な権能を持ち、高天原と呼ばれる場所を統率する日本の神々の長でもある。
有名な逸話は岩戸隠れで、彼女がある出来事から引き籠もってしまった事で、結界の効力が失われて地上に戯我が蔓延った事があった。
その窮地を救って岩戸からアマテラスを引き摺り出したのが、神話界の日本代表アイドル・アメノウズメである。以来、アマテラスはドルオタとなった。
長男(次女?)・ツクヨミはアマテラスとは反対に月夜を支配する神である。性別不詳。
それ以上の情報はあまり記録されていないが、それもそのはず。彼はLOTのように、日本の裏の歴史を秘匿する役目を担っているからだ。
他の神々と協力し、人間たちに使命を与え、何度も戯我を狩り続けたという。その事実が明るみになる事はない。
次男・スサノオは海や天候を支配する男神である。
母たるイザナミに会いたいと泣き叫び、父の怒りを買って追放されてしまった経歴を持つ。
何かと大暴れする荒ぶる神であるが、ヤマタノオロチを退治したのを契機に、日本を守るべく心を入れ替えた。