木原「なぁ、これどういう状況なんだと思う?」
目を覚まし時、そこは全く見覚えのない空間だった。遠目には全く見知らぬ者たちと、ちょっと・・・いやかなり見覚えのあるのが二人。そして服装に統一性がなく、拘束されたままの男が一人。状況を整理しようと首を動かしたら、なんか自分と似たような境遇の男が二人。
白衣を着た男が寝たままの体勢で、隣で同じように横になっている二人に話しかける。
ネレク「・・・・・」
「無視しないで欲しいなぁ。ほらほら、答えてくれないと狸寝入りしてること、あそこの子たちに教えちゃうよ?ほ〜らほら〜起きないの〜?」
ネレク「・・・・いい正確してるよなアンタ。なんとなく他人な気がしないのが腹立つなぁ。そこのあんたもそう思うだろう?答えてくれよ。返事がないと俺だけ引っかかった間抜けじゃないか」
春澄「迷惑は遠慮して生きていくのが信条なんだけど」
ネレク「そんでもって、他人には迷惑を押し付けるってんだろう?安心しなよ俺も同じ事考えてるから」
春澄「はいはい、可哀想だから俺も引っかかってあげるよ。感謝してよね」
ネレク「ひょっとして、ここで放置されてる俺たちって、似たような性格してんのか?だとしたら心外なんだが」
春澄「・・・・・・・まずそれ以前に君と一緒くたにされること自体、不愉快なんだけど。だから自分だけが被害者みたいに振る舞うの止めてもらっていいかな?」
ネレク「お前も結構、言うじゃないか」
自分の目の前で二人の男がそれぞれ口喧嘩しているが、生憎と全く同じ体勢で横になっているため、緊迫感が皆無である。正直なところ、放置して自分だけ知り合いのところへ向かおうと思ったが、それでこの二人の罵り合いに決着がつくはずもない。自分がいる状態でコレなのだ。二人だけにしたら悪化するに決まっている。
木原「お〜い」
ネレク「だいたい説得力ないんだよ、お前の体勢」
春澄「うーわ、君にだけは言われたくないね、その言葉。鏡でも見てきたらどうだい?多少は格好良くなるかもよ?」
木原「・・・ちょっと〜」
ネレク「はっ、それがあれば、とっくにやってるっての。そんなこともわかんないのか?残念なやつだな」
春澄「君こそ皮肉が通じないなんて可哀想に。知ってるに決まってるだろう?それともアレかな、勉強教えて欲しいのかな?」
木原「・・・・・・ねぇってば〜」
ネレク「俺が?お前に勉強教えてもらう?・・・・冗談も大概にしろよ、下手すぎて笑う気すら起きねえっての。あとそこの白衣着た奴、さっきから五月蝿い」
春澄「それに対して君は、さっきから似たような言葉しか使ってないね、ひょっとして、脳内の辞書に空白か虫喰いでもあるのかな?ねぇ白衣着た君、少し黙っててもらえるかな?今はそれどころじゃないんだ。もう少し空気読んでくれる?」
木原「・・・・・・・・・・」
もう止めよう、この二人に話しかけるのは。ひょっとしたらこの状況について何か知ってるんじゃないかと思って声をかけたのにこの対応。おまけに止めようとするこっちにまで飛び火しかけている。
諦めよう、そう思ってさっきの方向を見てみると・・・・・例のちぐはぐな男が飛んできた。
木原「あ、なんか飛んできた」
ネレク「・・・・・・・は?いきなり何言い出してんだ?」
春澄「冷たくあしらわれてるからって、適当なこと言って気を引こうとしてんじゃないのか?」
いや、本当に飛んできてんだけど。しかも、良い感じにこの二人目掛けて飛んできてる気がするんだけど。・・・・うん、別にいいや。この二人にぶつかってくれるなら、なんかもう、いっそのこと盛大にやらかしてくれると非常に喜ばしい。
ネレク「ようやく静かになったことだし、再開してやるよ」
春澄「何か勘違いしてるみたいだから、一つ教えてやるよ。お前と遊ぶんじゃない。お前の遊びに付き合ってやるよ」
段々と男が近づいてくる。二人に気づかれないように、こっそり離れる。自分だけ巻き込まれないように、二人だけが被害を被るように。そしてソレは、まるで最初からこの二人を狙っていたかのように綺麗な放物線を描きながら・・・・・・・今もなお、互いに罵り合う二人の頭上に落下した。
ネレク「ぶっ!?」
春澄「がっ!?」
謎の男「・・・・・・・うベっ!?」
なんとも言えない悲鳴を上げて、二人は床に倒れる。そして飛んできた・・・・・・もとい飛ばされてきた男もまた、変な声を上げて倒れた。
木原「・・・・・・・・」
男三人が倒れるというなんとも不思議な現象を目にした俺だけど、不思議と心配はしていない。寧ろ、清々したくらいだ。
木原「・・・・・・やったね!」
「すいませーん、こっちに何か変なのが飛んできませんでしたかー・・・・うわ」
「もう、姉ちゃんってば勢いつけ過ぎだっての。もうちょっと手加減しないとすぐに壊れちゃうでしょ!すいません、うちの姉が・・・・・・げっ!?」
倒れた三人を見下ろしていると、何処か聞いたことのある声を耳にする。にしても酷いな、人の顔を見るなりいきなり嫌そうな声を上げるなんて。まったく、どこの誰だか知らないけど失礼じゃないか。俺の知ってる二人だったら、そんなことしないのに。だってそういうふうに教えておいたからね。初対面の相手にはまず、警戒させないようにって。だからこの二人もそれぐらいはしてほしかったなあ・・・・・・・うん?
「何してるの、君たち」
失礼な挨拶で近づいてきたのは、まさかの知り合いだった。接した期間が短いのはわかっていたが、それでも可能な限りの常識は教えていた筈だ。にも関わらず、この二人のさっきの言動からはそれは感じられなかった。気づかない間にどこかで失敗したかな。
ライ「・・・・なんでアンタまでいるのよ」
レイ「ホントだよね~、いくらコイツが関わってるといっても何も全員集める必要ないのに。気まずいっての」
レイは、先程飛ばされて、その結果として今は無様に倒れてる男を見て呟く。
「この服装に統一性がない男ってなんなの?さっぱり状況が飲み込めないんだけど」
ライ「大人なんだから、それぐらい察しなさいよ情けない」
「いや無茶言うなよ!?大人なら誰でも勘がいいと思わないでよっ!?」
ライ「面倒くさ。・・・・・・じゃあレイ、私は先に行くから説明よろしくね。安心して、コイツ引っ張ってくから。ほら起きな、回収に来てあげたわよ」
謎の男「・・・・・う?あ・・・・やぁ木原、初めまして私は君たちの・・・・」
目を覚ました男は一瞬だけ声の主の方を向き、そして知らないふりをした。何か思うところがあるのだろう。その反応に不思議と共感してしまう。
ライ「無視するなんていい度胸じゃない。さっさと反応しないと吊るすわよ」
謎の男「嫌だー!?もう吊るされるのは嫌だー!だってそんなのもうアレじゃん!○○される上に○○されて○○になるに決まってるじゃないかっ!?嫌だー、あんなのはゴメンだー!?」
木原「・・・どういうこと?」
レイ「ここから安全に出たいと思ってるなら、知らない方がいいと思うよ。正直、僕も触れたくないから」
木原「いやだって、○○だよ・・・・・あれ、そういえばなんでさっきから言語化出来ないの?」
レイ「・・・・・不思議な力が働いてるんだよ、きっと」
レイはどこか遠いところを見ながらそう答えた。これはアレだろうか、知ってはいけないというヤツなのか。
レイ「じゃあ、今から説明するね。あまりにもくだらない内容だから、本心を言えば口にもしたくないんだよね。だからあまり突っ込まないでくれると助かるよ」
もう放っておけということだろうか。発せられるその声には、力があまり感じられない。
木原「・・・・どうぞ」
レイ「端的に言って、今この空間にいるのは、これまでにあの男が生み出したキャラクターなんだって。だからあの男は一応は作者って事になるらしい。ここまではオッケー?ていうか了承してくれないと僕が困るから、オッケーってことで進めるね」
木原「・・・・・」
相手に有無を言わせないこの態度。間違いない、自分がよく知るレイだ。普段から嘘をつくのが下手な彼に、こんなどうしょうもない程くだらない話をでっち上げるなんて出来るはずがない。
「で、今は目覚めた人たちと一緒に、ここを出るにはどうやったらいいのか案を出し合ってるところ。・・・・まぁ一部の人たちはお互いの世界に興味を持って、それどころかあの男を○○するのに勢いづいてるところ。なんか普段のストレス発散なんだって」
木原「理解はしたけど、それってそこの倒れてる二人も起こして混ざれってこと?」
レイ「人手があるに越したことはないからね。ましてや普段から悪巧みしてる人がいればなおさら助かるよ、この状況なら」
そこでふと思った。自分たちが集められた理由も、自分とそこで倒れている二人だけが隔離されていることも。だけど、何故このタイミングなんだろう。
木原「ちなみになんでこのタイミングなの?言っちゃなんだけど、結構話進んでるんでしょう?ペース的にちゃんと終われるのかな?」
レイ「予想以上にメタい質問だね。答えたらなんか雰囲気ぶち壊しちゃう気がするから、ノーコメントね」
「それはまたどうして?」
レイ「・・・・・・・マトモ要因が少ないからだよ。知ってる?」突っ込みが不在なのって結構シンドいんだよ?」
その回答も相当メタい気がするがそれは答えては行けない気がする。ここはスルーが一番だろう。今なお気絶中の二人を見下ろしていると、そう思うことにした。
ということで無理やりハロウィン企画として強行しました。勢いで書いた都合上、今回もキャラ崩壊が半端ないことになってしまいましたが反省はしてません。(後悔はしてるかもですが)
そんな感じでまた次回に続きます(文脈おかしいのはいつも通りです)
それでは。